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平成23年3月 第2日

平成23年3月定例会 本会議 第2日

平成23年3月高浜市議会定例会会議録(第2号)

  • 日時 平成23年3月3日午前10時
  • 場所 高浜市議事堂

議事日程

日程第1 一般質問

本日の会議に付した案件

議事日程のとおり

一般質問者氏名

  1. 神谷ルミ議員
    (1)平成23年度教育行政方針について
  2. 幸前信雄議員
    (1)行政評価システムについて
  3. 水野金光議員
    1. 第5期介護保険事業策定にあたって基本的な考えを問う
    2. 事業仕分けについて
  4. 杉浦敏和議員
    1. こども発達センターについて
    2. Cop10の成果と今後の取り組みについて
    3. 川のみちについて
  5. 内藤皓嗣議員
    1. 経営戦略について
    2. 危機管理について
    3. 成年後見制度について
  6. 井端清則議員
    1. 地域産業の振興について
    2. 水道事業の民営化について

出席議員

  • 1番 幸前 信雄
  • 2番 杉浦 辰夫
  • 3番 杉浦 敏和
  • 4番 北川 広人
  • 5番 鈴木 勝彦
  • 6番 磯貝 正隆
  • 8番 内藤 皓嗣
  • 9番 神谷 ルミ
  • 10番 寺田 正人
  • 12番 水野 金光
  • 13番 内藤 とし子
  • 14番 井端 清則
  • 15番 岡本 邦彦
  • 16番 神谷 宏
  • 17番 小嶋 克文
  • 18番 小野田 由紀子

欠席議員

なし

説明のため出席した者

  • 市長 吉岡 初浩
  • 副市長 杉浦 幸七
  • 副市長 後藤 泰正
  • 教育長 岸本 和行
  • 経営戦略グループリーダー 深谷 直弘
  • 危機管理グループリーダー 尾崎 常次郎
  • 地域協働部長 岸上 善徳
  • 地域政策グループリーダー 神谷 美百合
  • 地域政策グループ主幹 岡島 正明
  • 財務評価グループリーダー 竹内 正夫
  • 市民総合窓口センター長 加藤 元久
  • 市民生活グループリーダー 芝田 啓二
  • 福祉部長 新美 龍二
  • 地域福祉グループリーダー 長谷川 宜史
  • 介護保険グループリーダー 篠田 彰
  • 保健福祉グループリーダー 加藤 一志
  • 保健福祉グループ主幹 磯村 和志
  • こども未来部長 神谷 坂敏
  • 都市政策部長 小笠原 修
  • 都市整備グループリーダー 平山 昌秋
  • 上下水道グループリーダー 竹内 定
  • 地域産業グループリーダー 神谷 晴之
  • 行政管理部長 大竹 利彰
  • 人事グループリーダー 鈴木 信之
  • 行政契約グループリーダー 内田 徹
  • 会計管理者 川角 満乗
  • 学校経営グループリーダー 中村 孝徳
  • 学校経営グループ主幹 梅田 稔

職務のため出席した議会事務局職員

  • 議会事務局長 松井 敏行

議事の経過

議長(小野田由紀子) 皆さん、おはようございます。
 本日も円滑なる議事の進行に御協力のほど、お願い申し上げます。


午前10時00分開議
議長(小野田由紀子) ただいまの出席議員は全員であります。
 よって、これより会議を開きます。
 お諮りいたします。
 本日の議事日程は、お手元に配付してあります日程表のとおり決定して御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(小野田由紀子) 御異議なしと認めます。
 よって、本日の議事日程はお手元に配付してあります日程表のとおり決定いたしました。
 これより本日の日程に入ります。


議長(小野田由紀子) 日程第1 一般質問を行います。
 議事運営上、質問については通告順に従って発言を許します。
 なお、関連質問については、通告による質問が終了してから発言を認めますので、そのように御了承願います。
 9番、神谷ルミ議員。一つ、平成23年度教育行政方針について。以上、1問についての質問を許します。
 9番、神谷ルミ議員。
〔9番 神谷ルミ 登壇〕
9番(神谷ルミ) おはようございます。
 議長のお許しを得ましたので、さきに通告してある平成23年度教育行政方針についてお聞きします。
 先ごろ策定された第6次高浜市総合計画の基本目標2「学び合い力を合わせて豊かな未来を育もう」の目標5として「心たくましく健やかに育つ教育環境をつくります」は、家庭・地域・学校の大人たちは、次の世代を担う子供たちが健やかに育つ生活環境や教育環境の充実と充足を願ってやまない思いが詰め込まれた目標だと思います。しかし、私たち大人は、少なくとも子供たちより先にこの世から去っていきます。高浜市が持続可能な基礎自治体としてあり続け、次の世代の子供たちが困らないように、大人の責任として子供たちに生きていくすべを教えなければなりません。
 社会人として、人間形成の基礎となるのが教育です。物は壊れることも盗まれることもあります。まして重たい荷物はやすやすとは運べません。しかし、学んで得た知識や技能はいつも自分の体とともにあり、いつでも使うことができます。子供たちに残すことができる無形の財産が教育です。子供たちが学んで得た知識や技能を生かして、立派に世の中を渡っていく一流の人になってほしい。しっかりとした教育ができれば、高浜の福祉も文化もレベルアップでき、高浜での暮らしも心豊かに過ごすことができます。教育はそんな夢や希望に対しての先行投資だと私は思っています。しかし、教育を受ける権利や義務教育も納税の義務により保障されているので、その税による教育費の費用対効果をはかることは、地方自治の現実の問題でもあります。
 その問題解決のための一つの手段として、高浜市の教育のあり方を示し、教育施策を総合的に進めていくための指針として、高浜市教育基本構想の策定が進められています。今何が必要であり、何が制約となるのか、明確に現状を分析して教育施策に対する問題意識と問題への対処を具象化して、高浜市の子供たちの教育をどのように戦略的に進めていくか、大いに期待するところです。
 平成20年度から始まった教育委員会の点検・評価は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の趣旨にのっとり、効果的な教育行政の推進に役立てるとともに、市民の皆さんへの説明責任を果たすものとして報告されてきました。平成23年度の教育行政方針もこれらの積み重ねから導き出されたものだと思いますので、次の3点について質問させていただきます。
 1、教師力、授業力の向上をどのように図るのか。
 一番大事なのは授業です。子供と教師との関係において良好な授業を成立させる環境をつくることで、国・県・市の教育施策を浸透させることができます。しかし、学校間・教師間に授業に対して意識の違いがあれば、当然教師の指導力や授業力にも優劣の差が出てくるのではと心配しています。
 2、心の教育・道徳の教育の充実の取り組みについて。
 平成22年度の教育委員会の点検・評価では、心の教育・道徳教育の時間が学級活動や教科テストになっている事例が見受けられ、形式的な時数管理になっているのではないかという学識経験者の指摘があります。心の教育・道徳教育の実質的な指導がなされる学習計画はどのように進められているのか。
 3、学校経営関係の情報発信力について。
 各学校ともよく情報発信に取り組んでいられるようですが、学年・学級・分掌間での差があり、また、主として主任や担任が更新を心がけていることを反映して、学校経営関係の情報発信が乏しく、更新率も低い、管理職もみずからの情報発信に努める必要があるとの学識経験者の指摘はどう受けとめたらよいのか。
  以上、3点につきお聞きして、登壇による最初の質問を終わります。
〔9番 神谷ルミ 降壇〕
議長(小野田由紀子) 教育長。
〔教育長 岸本和行 登壇〕
教育長(岸本和行) 皆さん、おはようございます。
 それでは、神谷ルミ議員の平成23年度教育行政方針について。(1)教師力・授業力の向上をどのように図るのか。(2)心の教育・道徳教育の充実に関する取り組みについて。(3)学校経営関係の情報発信力の強化について。
 まず、教師力・授業力の向上をどのように図るのかについてからお答えさせていただきます。
 教師は、子供たちが成長していく上で、基礎的・基本的な学力を養う責任があり、教師力・授業力の向上は不可欠であります。指導する教師の力量が、学力向上を初めとするあらゆる教育効果に多大な影響を及ぼします。日々の授業をよりよいものとし、魅力ある授業ができるよう「確かな授業づくり事業」を教育委員会としましても継続して実施してまいりました。授業研究を柱とした教員研修事業の取り組みをより充実させ、教師力・授業力の向上を図っております。
 21年度よりすべての教師に授業力向上のための授業公開をすることといたし、その授業をベースとした校内研修、研究実践等を充実させ、お互いが切磋琢磨し協力して授業力・教師力を高め合う集団づくりに努めてきておるところでございます。一人一公開授業はことしで4年目となり、教師の授業力は地道ながら確実に高まってまいっておると思っております。日々の授業の教材教具の工夫、板書計画、発問の仕方、さらに授業の目標に迫るための児童・生徒のかかわり合いの場の工夫など、多くの場面で教師の成長は見られています。
 また、授業を参観できなかった教員に対しましても、授業メモ、公開授業だよりなどを発行し、共有化を図ってまいっております。しかし、まずは授業公開を定着させるための取り組みが軌道に乗ったばかりで、全教員の授業内容の充実までには至っていないこともあり、来年度はどんな授業がよいか、授業についてより深く追求し、日々の授業のより一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
 また、教師の指導力向上を目指し、大学教授や指導的な立場にある教師を講師に招聘し、研究会・研修会を実施いたしてまいりました。管理職研修、教科等指導員研修、2・3年目研修、初任者研修、特別支援教育研修など7つの研修を教育委員会として実施し、さらに県下・県外における先進校等の研究発表会に積極的に参加させるなど、多くの研修機会を確保してきたところでございます。参加者からも、その研修から得たものが教育現場ですぐに活用できたり、自分の実践を振り返ったりするよい機会になっていると報告を受けております。
 次に、御質問の心の教育・道徳教育の充実に関する取り組みについてお答えをさせていただきます。
 学校教育における道徳教育の意義及び位置づけから御説明を申し上げさせていただきます。
 改正教育基本法において道徳心を培うことが明記されました。道徳教育は、児童・生徒が人間としてのあり方を自覚し、人生をよりよく生きるために、その基盤となる道徳性を育成しようとするものでございます。小・中学校において指導する道徳の内容は、児童・生徒の道徳性を4つの観点から分類整理し、内容項目を示して指導を行うものとしております。(1)として、主として自分自身に関すること、(2)主として他の人とのかかわりに関すること、(3)主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること、(4)主として集団や社会とのかかわりに関することであります。
 心の教育は、教育活動全体で道徳教育に取り組み、学校生活・教育活動の場で基礎基本を学び、授業等でも我慢する力や協力する力を身につけるものでございます。各校とも子供の発達に応じた道徳教育の充実と道徳時間の確保、道徳教材の開発と発掘、その蓄積と活用等に努めてきたところでございます。
 具体的な取り組みといたしましては、主題研究全体授業を道徳で設定し、全職員で参観・研究協議会を持ったり、年間での道徳授業時間数確保を念頭に置いたりして、心のノート、明るい心、教育テレビ、読み聞かせやビデオ、道徳ワークシート等の活用を図り、道徳の授業を展開いたしております。リーダーから与えられた課題をグループで行うエクササイズと、感じたこと考えたことを互いにシェアリングするいわゆる構成的エンカウンターと、コミュニケーション活動により与えられた課題を解決するソーシャルスキルを取り入れ道徳を実践することで、言葉かけや行動でも自分のことを少しずつ考えられるようになり、友達とのかかわりがうまくなって、今までより集団生活もスムーズになったという姿が見られてきております。
 また、教師がサプライズやめり張りのある授業を工夫することで、子供たちが道徳の授業を楽しみにするようになった学校もあります。これらの取り組みを通して規範意識や倫理、人を思いやる心など豊かな人間性をしっかりとはぐくんでいます。また、「ありがとう」という感謝の気持ちをはぐくむ取り組みも市内小・中学校で推進できるよう働きかけてまいっております。その結果、清掃活動を初め、あいさつ運動、各種の当番活動、係活動等での計画的・意図的な取り組みで、子供たちが規範意識を持ち、正しい善悪の判断のもとで行動し、モラルやマナーを身につけられるような指導・支援が深まってまいりました。心の教育・道徳教育を充実させるためには、家庭・地域の理解と連携が不可欠だと考えております。今後も、地域で子供を育てるという考え方で心の教育を推進してまいりたいと考えています。
 次に、学校経営関係の情報発信力の強化についてお答えさせていただきます。
 各学校とも今までに、保護者や地域住民の方々に学校教育を理解し、協力していただくためにリーフレット、各種たよりやホームページのブログ等、情報を家庭や地域に発信してまいりました。また、市教育委員会といたしましても、開かれた学校であるためにも積極的な情報発信に努めるよう各校の取り組みを支援してまいりました。
 具体的な取り組みといたしましては、ホームページを通じ、教育方針、教育目標、教育活動等学校の関連項目事項を記載し、適切更新いたしてまいり、その結果J-Kids大賞を受賞いたしております。また、各校が毎日ブログへのアップをして、学校での子供たちの学習や行事、各種の取り組みの報告・紹介をし、さらに、週予定や月行事予定を定期的に更新してまいりました。情報発信が乏しく更新率も低いという御指摘もございましたが、日常の情報発信に関しましては、高浜市の各小・中学校は進んでいるのではないかと考えております。
 具体的な取り組みにつきましては、高浜小学校の例について御説明を申し上げますと、学校リーフレットを毎年6月に発行。学校だより「きらきら!高小っ子」を月2回発行。各学年からの学年だよりを月1回発行。ホームページでの情報発信に関しては、ブログでの毎日の学校・学年の様子を1月末までに598回発信。メールマガジンでの緊急情報等の連絡。さらに学校行事・学年行事・家庭訪問・授業参観・学校公開・懇談会等において、直接保護者の方に学校に足を運んでいただき、情報交換をする場を設定してまいっております。
 成果といたしましては、各学校ホームページでの保護者・地域への情報発信を積極的に図る意識が高まり、保護者・地域の方々も学校との連携の機会が多くなってまいりました。また、学校行事や授業参観にほとんどの保護者が来校し、学校の様子を直接目で見てもらうきっかけにもなっております。さらにメールマガジンは登録数が80%前後と、緊急時の情報収集に役立っていると考えています。
 これらのことから、学校のホームページ等による情報発信は積極的になされていると考えております。特に、ブログによる情報公開については、その更新率、情報提供頻度等高くなってまいっております。あわせて学年だより、学級だより等、紙媒体での発信も充実してまいっております。しかし、学年・学級・校務分掌間での差が生じていることは否めません。また、学校経営に関する情報発信は多くなく、今後は各学校の管理職の情報発信に努めるよう指導してまいりたいと考えております。
 情報提供をしていくことは、家庭や地域から理解を得て、その協力や支援をいただくことになります。開かれた学校であるためには、風通しのよい学校、家庭・地域の方々との協働性を確かなものにしていく必要があります。その意味からも積極的な情報発信に努めるよう各校の取り組みを指導・支援してまいりますことを申し上げまして、答弁とさせていただきます。
〔教育長 岸本和行 降壇〕
議長(小野田由紀子) 9番、神谷ルミ議員。
9番(神谷ルミ) 教育に対して真摯に取り組まれている様子をお聞きして、家庭も地域も学校に対してもっと関心を持っていただけるものと思います。また、子供を持つ親として子供を安心して学校に預けられる教育の質の担保は大切な課題なので、再度お聞きします。
 教育委員会の点検・評価が自己評価としてまとめた成果欄には依然、取り組み指標にとどまっており、成果指標についての綿密な検討が必要であるとの学識経験者の指摘があります。高浜市の全教職員に行き渡る共通の成果指標を持つことは、ともすればただ評価を受けるだけという受け身の姿勢から、目的を持って取り組み、至らないところを積極的に改善して「よい授業」にしていく取り組みが全小・中学校に行き渡り、高浜の子供たちはその成果を受け取ることができます。平成23年度ではどのような内容で、その成果指標づくりに取り組まれるのかお聞きします。
議長(小野田由紀子) 学校経営グループ。
学校経営G主幹(梅田 稔) 御質問の平成23年度における全教職員に行き渡る共通の成果指標について、まず、質の高い教育の成否につきましては、学校現場の管理職のリーダーシップ、それから教職員の真摯な執務はもちろんですが、実際に児童・生徒と向き合う教師の指導力に負う面ははかり知れないものがあります。
 目標には必ず指標が伴います。成果指標とは、簡単に申し上げますと、こんなことをすることによりこんな箇所が実現できるということであると考えています。来年度の教育行政方針の中に、確かな学力の向上を目指して新しい学びプロジェクトの実施を考えています。今後、研究校を指定して研究を進めてまいりたいと考えております。
 宮崎県の五ヶ瀬町の呼びかけで、全国9つの市町の教育委員会が連携し、東京大学と「新しい学びプロジェクト~市町村と東京大学による協調学習研究連携」を立ち上げて研究活動を行っております。来年度より高浜市も仲間入りをする予定でいます。具体的には、東京大学が進めている協調学習を国語科、社会科、算数・数学科、理科の4教科で実際に授業でどのように使えるかを研究しようとするものです。
 協調学習では、子供たちの学び合いを中心として習得、活用、探求、この3要素を取り入れた授業方法です。その授業の内容に沿って3つから4つの資料を用意します。この3つの資料であれば、全体をABC3つのグループに分けて、それぞれAグループにはAの資料、BにはBの資料、CにはCの資料とグループごとに内容の異なる資料を提示し、児童・生徒による学び合いによる学習をさせます。この学習をエキスパートといいます。その次にグループを入れかえて、ABCから1人ずつの3人でグループをつくり、それぞれのエキスパートで学習した内容を説明し合いながら本時の学習内容を考えていきます。この活動をジグソー活動といいます。最後に全体で発表を行うというものです。この全体の発表をクロストーク活動といいます。
 このエキスパートの時間では、教師の児童・生徒に対する一方通行の情報の提供から、児童・生徒同士による学び合いによる学習が習得の効果を上げ、ジグソーの時間では、学び合いによって深く習得された知識をいかにほかの2人にわかりやすく伝えるかの工夫がその児童・生徒の活用力を促し、3人の情報をつなぎ合わせて本時の内容を考える時間では、活用力と探求力が発揮されます。
 来年度から、翼小学校を中心にこの協調学習についての研究を進めてまいりたいと考えております。この協調学習を授業の中に取り入れることにより、児童の活用力と探求力、これはさらにはコミュニケーション能力が向上すると考えています。こういった協調学習の取り組みが教師の授業力の向上につながっていくものと考えております。
議長(小野田由紀子) 9番、神谷ルミ議員。
9番(神谷ルミ) ありがとうございました。
 新しい学びのプロジェクトで協調学習が進められているということなので、成果を大いに期待しております。
 最後になりますが、岸本教育長におかれましては、平成23年4月1日で任期満了となられます。長きにわたり教育長の大任、本当にお疲れさまでした。万感迫り、多くの言葉は出ませんが、「老子」の1節より、「持してこれを盈たすは其の已むるに如かず。揣えてこれを鋭くするは長く保つべからず。金玉堂に満つるは、これを能く守る莫し。富貴にして驕るは、自らその咎を遺す。功遂げて身の退くは天の道なり」をもってお礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。
 以上で平成23年度教育行政方針の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
議長(小野田由紀子) 次に、1番、幸前信雄議員。一つ、行政評価システムについて。以上、1問についての質問を許します。
 1番、幸前信雄議員。
〔1番 幸前信雄 登壇〕
1番(幸前信雄) 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、さきに通告いたしました行政評価システムについて質問させていただきます。
 今回の質問につきましては、2008年12月定例会の一般質問で質問し、答弁をいただいております。
 前回の質問の趣旨は、行政評価システムを導入する計画があるかどうかについて質問させていただき、その答弁として、行政評価システムについて有効な手法が確立されておらず、各自治体とも模索している状態である。高浜市としても行政の透明性を確保し、説明責任を果たせることを考えて導入の検討をしていきたいとの答弁をいただいております。
 また、質問の最後に、行政評価システムは、自己決定と自己責任において施策を進めるに当たり、みずからの行動に課した活動目標を、行政みずからと市民の方々に公開していく一つの道具であるとの考えを述べさせていただいております。
 今回は、さきの高浜市議会臨時会で提案され可決された第6次高浜市総合計画の基本計画の中で、「総合計画の進行管理に行政評価システムを導入し、市民とともに総合計画の実行評価を行います。」ということに取り組みますと具体的に行政評価システムの導入を明言され、その必要性の認識をいただき、一歩前進いただけたものと感謝いたしております。
 一方、昨年実施された高浜版事業仕分けについては、平成23年度にもう一度実施の方向で検討し、以降については未定との答弁を昨年9月定例会で質問させていただいたときに答えていただいております。
 そこで、以下の質問をさせていただきます。
 1点目に、前回の事業仕分けについて質問させていただいたときと質問の趣旨が重なるかもしれませんが、もう一度確認の意味で質問させていただきます。
 私自身の頭の中では、事業仕分けについては、既存の実施している事業に対して、事業を開始した当時と比べ市民のニーズの変化や環境の変化により、その目的を既に達成してしまっているか、民間の事業者が提供しているサービスに代替できることなどの理由により、事業の廃止を含めた見直しのために用いた手法であり、一方、行政評価システムについては、これから実施していく事業について実施状況の確認及びその目的の達成状況について定期的に管理していく手法という認識ですが、間違っておりませんか。
 2点目に、行政評価システムについては、いつから運用を開始される予定ですか。
 3点目に、行政評価システムについては、どのような内容のものを盛り込まれて、Pdcaサイクルを回していかれて、どのような運用で実施されていくのかをお聞かせください。
 最後に、行政評価システムでの評価によって、事業の方向性が変わる廃止決定されていくものと考えてよいものでしょうか。
 以上、質問させていただいて壇上からの質問を終わらせていただきます。
〔1番 幸前信雄 降壇〕
議長(小野田由紀子) 地域協働部長。
〔地域協働部長 岸上善徳 登壇〕
地域協働部長(岸上善徳) それでは、幸前信雄議員の行政評価システムについてお答えをさせていただきます。
 具体的には4点の御質問をいただきましたが、2点目、3点目につきましては合わせてお答えさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 まず、第1点目の事業仕分けと行政評価システム、それぞれの手法についてお答えさせていただきます。
 事業仕分けにつきましては、平成14年2月、構想日本の発案のもと、岐阜県で始まったとされ、行政の事業を抽象論ではなく現場の視点で洗い直すことによって、個々の事業の無駄にとどまらず、その事業の背後にある制度や国と地方の関係など、行財政全体の改革に結びつけていくことをその目的としております。
 具体的な仕組みといたしましては、国や自治体で行っている事業をそもそも必要であるのかどうか、必要であるならばどこがやるのかということを担当職員と外部の評定者が議論を行い、最終的に「不要」「民間化」「国・県で実施」などといった判定区分に仕分けをするということであります。また、事業の実態を広く市民に知ってもらうために、公開の場で行うこと、事業名称ではなく、実際に何をやっているのかといった具体的な内容で判断すること、法令や制度はひとまず置き、そもそもから考えること、最終的にだれの仕事なのかを考えること、外部の視点を入れることなどがその特徴として挙げられます。
 一方、行政評価システムにつきましては、平成7年に三重県で事務事業評価システムが開発されたことが始まりとされ、その後、事務や事業の単体を評価する事務事業評価にとどまらず、施策評価や政策評価へと発展し、総合計画に基づく施策体系の階層ごとに評価する手法として確立されてきた経緯があります。
 この行政評価の仕組みにつきましては、平成20年12月市議会定例会の一般質問におきまして、市が行っているさまざまな行政サービスについて、だれを対象にしていて、何をどのようにしたいのか、その目的を個別に整理し、仕事をした結果、どれほどの成果や効果が上がっているのかを評価することによって、より力を入れていくもの、やり方を改める必要があるものなどを明らかにし、今後の行政サービスの改善に役立て、よりよいものにしていくためのシステムであると答弁をさせていただいたところであります。
 地方公共団体における行政評価の取り組み状況でございますが、総務省の資料によりますと、平成21年10月1日現在で、全国706市区のうち605市区、85.7%が行政評価を導入または試行中であり、導入率は年々増加傾向にあります。評価の対象につきましては、重複回答ではありますが、事務事業評価が503市区、96.5%と最も高く、続いて施策評価が247市区、47.4%、政策評価が66市区、12月7日%となっております。
 また、評価結果の活用方法につきましては、こちらも重複回答ではございますが、予算要求や査定が482市区、92.5%と最も高く、続いて事務事業の見直しが473市区、90.8%となっており、行政評価を導入しているほとんどの市区において予算要求や査定への反映として活用されているという結果となっております。その一方で、総合計画等の進行管理に活用している市区も、323市区、62.0%となっており、評価結果の活用方法につきましては、各自治体の目的に応じてさまざまであることが読み取れます。
 そこで、まず、事業仕分けの手法についてでございますが、議員おっしゃるとおり、既存の実施している事業に対し、事業を開始した当初と比較して、市民ニーズの変化や環境の変化によりその目的を既に達成しているか、民間サービスへ代替が可能などといった理由により、事業の廃止を含めた見直しのために用いる手法であるという認識に異論はないところであります。自治体が既に行っている仕事(事務事業)を、本当に要るものなのか、要らないものか、要るものであればだれが行うべきなのかを一つずつ仕分ける作業が事業仕分けとなります。
 一方、行政評価システムにつきましても、議員おっしゃるとおり、事務事業の実施状況の確認及びその目的の達成状況について管理していく手法であるという認識に異論はございません。しかしながら、評価の対象となる事業につきましては、少し意見が異なるところでございます。これから実施していく事業、いわゆる新規事業に限定して取り組んでいる自治体もあると考えられますが、今回、行政評価システムを導入する目的につきましては、総合計画に明記してございますが、総合計画の進行管理を行うこととしているところでございます。したがいまして、新規事業のみならず、既存の事務事業や拡充事業であっても、総合計画に掲げる基本目標を実現するための事務事業であれば、当然のことながら評価の対象に含めるべきであると認識いたしているところであります。
 次に、2点目の行政評価システムの具体的な内容及び運用はについてお答えさせていただきます。
 行政評価システムの導入に当たって一番大切なことは、何のために行政評価システムを導入するのかということを明確にすることであります。他の自治体が行っている手法の単なる物まねですべての問題が解決するわけではありません。行政評価はあくまで行政の経営体質を改革していくためのツールと認識いたしております。したがいまして、導入の目的によっては、その手法はおのずと異なるものと考えております。
 行政評価システムを導入する目的につきましては、第6次高浜市総合計画の中で「総合計画の進行管理に行政評価システムを導入し、市民とともに、総合計画の実行、評価を行います。」とうたっているところでございます。市民と行政が一緒になり、知恵やアイデアを結集して策定した第6次高浜市総合計画を夢物語で終わらせないために、計画に描かれるまちづくりの将来像の実現に向け、施策や事務事業の進行管理を行っていくことがその目的となります。具体的には、基本計画の目標を達成するために取り組む主要な事務事業や新規事業であるアクションプランには事務事業評価を、また、基本計画である施策には施策評価を導入することを予定しているところでございます。
 事務事業評価につきましては、毎年、事務事業を実施した状況を振り返り、次年度に向けた方向性を事務事業評価シートといったツールを使用し、明らかにすることとなります。事務事業評価シートには、事務事業の対象や目的、事業費のほかに職員の人件費などを含めたコスト、目的を達成するためにどのような活動をどれだけ行ったのかを示す活動指標、どのような成果があったのかを示す成果指標を数値化したものを盛り込んでいきたいと考えております。また、評価項目として、事業対象や事業主体は適切であるのかなどといった適合性、サービスの質を落とさずにコストの削減の余地はないのかなどといった効率性、事業が予定どおりに進捗し、成果としてあらわれているかなどといった有効性などを盛り込むことを検討しているところでございます。
 一方、施策評価につきましては、過去1年間の事務事業の取り組みによって、どの程度、施策の成果が向上したのかを施策評価シートといったツールを使用し、明らかにすることとなります。施策は複数の事務事業の集合体でありますので、施策評価シートには、複数の事務事業の活動成果に加え、施策に対する事務事業の貢献度や優先度などを明記していく予定でございます。また、事務事業評価と同様に指標が設定されることとなりますが、第6次高浜市総合計画におきましては、既に基本目標の目標ごとに「みんなで目指すまちづくり指標」として、市民にわかりやすい項目として設定されているところでございます。
 今回、行政評価システムとして事務事業評価及び施策評価の2種類の評価を導入していく予定でございますが、目的が総合計画の進行管理となっていることから、それ単独では余り効果を得ることはできないものと考えております。施策と事務事業、目的と手段を関連づけた評価の情報があってこそ、市民の皆さんによりわかりやすくお伝えすることができるものと確信しております。
 事務事業評価につきましては、事務事業個々のPdcaサイクルを回すためのツールでありますので、事務事業評価によって行政経営としてのPdcaが回るのかといえば、それだけでは不十分であると考えています。行政活動の根本が総合計画にあるという考え方をしっかりと認識した上で、総合計画の体系を整理し、その体系ごとにどれだけの資源投入を行って活動をしたのか、そしてどれだけ成果を出したのかを明らかにするとともに、こうした振り返りの結果、課題が発見されればその対策を次年度の経営方針に反映させ、実行していく仕組みこそが行政経営に求められるPdcaサイクルであると考えているところであります。
 したがいまして、総合計画の進行管理におきましては、事務事業レベルでのPdcaと施策レベルでのPdcaの2つのPdcaサイクルを取り入れ、これを定着させることにより、現状がどのようになっているのかを市民の皆さんに明らかにするとともに、次年度、なぜその施策に重点を置くのかといった説明責任が果たせることとなります。
 具体的な運用につきましては、今後詳細について検討していくこととなりますが、その主体として考えているのが、実質的に総合計画の進行管理を行う機関として、学識経験者や市民などで構成される(仮称)総合計画推進会議、その作業部会として、公募市民と職員で構成される(仮称)高浜市の未来を創る市民会議、そして、内部評価を外部の視点で客観的に評価を行う(仮称)行政評価委員会でございます。以降、(仮称)につきましては省略させていただき、御説明申し上げます。
 まずは、行政内部における自己点検から始まります。行政みずからが自己点検を実施し、よいところも悪いところも含め、現状をきちんと測定・分析することは極めて重要であります。自己点検の結果につきましては、高浜市未来を創る市民会議に報告することにより、見える化するとともに、必要に応じて意見交換を行うこととなります。また、より客観的な視点に基づき、行政評価委員会においても審議されることとなります。高浜市未来を創る市民会議におきましては、行政評価委員会からの結果を受け、事務事業の今後の方向性や改善策を検討し、総合計画推進会議に提案することとなります。最終的には、総合計画推進会議において議論がされ、その結果を高浜市未来を創る市民会議にフィードバックするといったサイクルを定期的に回していく仕組みを考えているところでございます。
 なお、運用につきましては、平成22年度中にアクションプランの目標設定をすることから始まり、平成23年度は、アクションプランに掲げる目標を目指し行動する年度となります。行政評価システムの詳細な制度設計の実施、関係機関の立ち上げ、そして職員並びに高浜市未来を創る市民会議を初めとした市民の皆さんを対象とした行政評価の勉強会などを行い、円滑にシステムを運用していくための基盤づくりを行っていく予定でございます。したがいまして、実質的には平成24年度が本格的な運用開始時期となることを御理解いただきたいと思います。
 最後に、行政評価システムでの評価によって、事業の廃止を決定されていくものと考えてよいかについてお答えさせていただきます。
 行政評価システムの導入の主たる目的につきましては、これまでにも申し上げてまいりましたが、事務事業それ自体を廃止することが目的ではございません。市民と行政がともにつくり上げた総合計画をきちんと進行管理していくことこそがその目的となります。その手段として、施策評価並びに事務事業評価の2種類の評価を取り入れていくことを検討しているところでございます。
 施策と事務事業につきましては、総合計画の体系上、まちの将来像を実現するための課題と実現するための手段の関係にあります。したがいまして、まちの将来像を実現するためには、その手段となる事務事業が施策に対して有効に機能していることが必要不可欠です。しかしながら、必ずしもすべての事務事業が同じように成果を上げ、施策の成果に貢献するとは限りません。成果を向上する見込みがないと判断された事務事業につきましては、廃止または再構築となることは現実的にはあるものと考えております。
 したがいまして、行政評価システムでの評価、いわゆる事務事業評価の結果だけをもって事務事業を廃止することはないものと考えておりますが、施策評価の結果、効果がないと判断された事務事業については、廃止となる場合もあるということを申し上げ、答弁とさせていただきます。
〔地域協働部長 岸上善徳 降壇〕
議長(小野田由紀子) 1番、幸前信雄議員。
1番(幸前信雄) では、再質問を3点ほどさせていただきます。
 行政評価システムについては、事務事業を遂行していくに当たり、計画立案時の現状に対して問題点、課題を洗い出し、幾つかある問題点、課題に対してそのすべてに対して対応していくのではなく、その持てる資源の中で最大限の効果を出していく手段を検討した上でその実施計画を立案し、実施状況を管理するための道具として行政評価システムという手法を導入していくことに異論はございません。また、事業仕分けと行政評価システムのすみ分けについて確認させていただきたいので、以下の再質問について答弁いただくようお願いいたします。
 1点目が、平成23年度から高浜市第6次総合計画に基づき活動を開始されますが、4月から活動を開始される事業については、行政評価システムを導入して活動を開始されていくかどうかお聞きいたします。
 2点目に、高浜版事業仕分けについて、実施内容の概要について、現在検討されている内容について御説明いただきたいと思います。
 3点目に、高浜版事業仕分けの対象となる事業については、既に活動を開始されている行政評価システムで管理している事務事業についても、その対象になり得るかどうかをお答えいただきたいと思います。
議長(小野田由紀子) 地域協働部長。
地域協働部長(岸上善徳) それでは、私のほうから1点目についてお答えをさせていただき、2点目、3点目については、財務グループのほうからお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、1点目の事務事業評価の運用につきましては、私が先ほど答弁をさせていただきましたとおり、平成22年度中にアクションプランの目標を設定することから始め、平成23年度は設定された目標を目指し、行動する年度となるということを申し上げさせていただきました。したがいまして、4月から実施するアクションプランにつきましては、事務事業評価を導入していくというふうで御理解をいただきたいと存じます。
議長(小野田由紀子) 財務評価グループ。
財務評価G(竹内正夫) 2点目の来年度の高浜版の事業仕分けについての実施内容の概要でございます。
 来年度の事業仕分けにつきましては、今回の課題や改善点などを十分認識した上で、これまでの事業仕分けの仕組みや手法にとらわれない高浜版の事業仕分けを実施していきたいということで、現在検討しているところであります。実施の目的につきましては、大きく分けて2点を掲げております。
 まず、1点目は、今回課題として積み残された事業の再構築の部分に重点を置き、行財政全体の再構築に結びつけるということ。それから2点目は、導入を予定しております行政評価システムをしっかり運用していくための基盤づくりを行うということでございます。対象事業の選定につきましては、今回のようにあらかじめ一定の基準を設定するといった手法ではなく、事業の実情を最も把握している各グループみずからが事業の再構築の可能性を十分検討し、対象事業を選定する手法を考えているところでございます。最終選定につきましては、今回と同様、事業仕分け委員会において公開で行っていく予定でございます。
 具体的なスケジュールでございますが、3月中に行政内部における対象事業の選定を行い、4月下旬に第1回目の事業仕分け委員会を開催し、事業の最終選定、そして事業仕分け本番につきましては、6月19日の日曜日に実施をする方向で調整をしているところでございます。その後は今回と同様の流れとなりますが、8月に第2回の事業仕分け委員会を開催し、検討結果の妥当性を御審議いただき、9月には事業仕分け委員会から市長に対し提言をいただく予定でございます。したがいまして、次年度におきましては、開催日につきましては1日、事業につきましては6から7事業、市民判定人による判定は行わずに、仕分けの場においてある一定の方向性を示していただくといった新しい形での取り組みを計画いたしているところでございます。
 それから、3つ目の御質問の行政評価システムの事務事業評価で管理しているアクションプランについてもその対象になるのか、事業仕分けの対象になるのかといった御質問についてでございますが、来年度の事業仕分けにおきましては、全事務事業を対象とし、事業の再構築といった視点で実施することを予定しておりますので、事務事業評価を導入したアクションプランにつきましても例外ではなく、対象事業になるという考え方でございます。最終的な対象事業につきましては、事業仕分け委員会で選定されることとなりますが、アクションプランを選定対象事業とする場合には、職員みずからが今回の事業仕分けで得た考え方や視点などを最大限生かし、事業の再構築の可能性を十分検証した結果となりますので、市民の皆さんが納得できるような説明ができるというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
議長(小野田由紀子) 1番、幸前信雄議員。
1番(幸前信雄) 最後になりますけれども、評価の手法というのは幾つかあると思うんですけれども、それぞれ特徴があって、それに合った手法を用いてやっていただくというのが、使っているほうも得られるほうもわかりやすいと思うんですね。そういう意味でいうと、ちょっとよくわかりにくいな、理解しにくいなというところがあって今回質問させていただいているんですけれども、その辺のところをきちんと、例えば施策評価にあるところは抽象的な話、成果指標という話がなかなか持ちにくいところかなというふうに考えます。
 一方、日常的に行っているこういうところにつきましては、現実、現状があってそれをいかに改善していくか、現状よりもどうよくなるかということが示しやすい、そういうものになってくると思います。それぞれやっぱり道具というのは、使い分けることによって有効に使える、そういうものになってくるというふうに考えております。
 今回、すべての事業に対してアクションプランをつくられるということをおっしゃっていましたけれども、前回、行政評価システムの導入についても質問させていただいたように、すべてというのは理想論ではあると思うんですけれども、やっぱり着実に魂のこもった活動になっていくように、少し絞られてもいいんじゃないかなと、個人的にはそう考えます。というのは、先ほど言いました成果指標、これを用いるようなものはアクションプランの中で十分に現状分析を行って、現地・現物・現認というのがございます、要は現状を見てどういうふうに改善すればいいか、それをしっかり確認して次のアクションにつなげていく、三現主義というんですけれども、そういうことができるものもあれば、意識の問題、こういうところを改善していくというのはなかなか表にはあらわれにくいところがあって、これを無理に数値目標を掲げてしまうとかえってやりにくいのではないかなと。だから、もっと別の方法があるんじゃないかなと、個人的にはそう考えます。
 そういう意味でいうと、まずやってみてというのがすごく大切ですから、やっていただいて、その上でやっぱり一つずつ自分たちがこういうふうにしていきたいというものに対して有効な管理ツール、こういうものを先々見据えていただければなと。今はいろいろ検討されてやっていく段階で、その中でやっぱり反省を行って次年度以降つなげていただければなというふうに考えますので、私の個人的な意見として最後に申し述べさせていただいて、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
議長(小野田由紀子) 暫時休憩いたします。再開は11時10分。
午前11時1分休憩


午前11時10分再開
議長(小野田由紀子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、12番、水野金光議員。一つ、第5期介護保険事業策定にあたって基本的な考え方を問う。一つ、事業仕分けについて。以上、2問についての質問を許します。
〔12番 水野金光 登壇〕
12番(水野金光) ただいまより届け出をいたしました2問についての質問に入ります。
 最初に、第5期介護保険事業計画策定に当たって、基本的考えを問うの質問に入ります。
 介護保険制度が始まって11年が経過しました。制度発足当時、政府は、これから迎える超高齢化社会に当たって、高齢者が安心して暮らすために欠くことのできない制度として介護保険制度をバラ色に宣伝してきましたが、この11年間の実績はこうした宣伝とは裏腹に、40歳以上のすべての住民に経済的負担を背負わせ、65歳以上の高齢者には毎月平均4,000円を超える高額の負担を強いてきました。この介護保険料は、11年前の第1期から現在の第4期までほぼ連続して引き上げられ、これから先介護保険料がどこまで上がるのか心配の種です。
 一方、介護サービスについては、利用しようとしても受けたいサービスが施設不足で利用できない事態が全国的に広がり、40万人を超える人が特別守る老人ホームへの入所待ちの状態であり、高浜市の場合も、特別守る老人ホームの待機者は100人を超える状態が慢性的に続いております。
 介護認定についても、在宅重視と言いながらコンピューターの判定が中心の要介護認定は、高齢者に必要な介護を正しく反映できない問題点も指摘され、認定が低く抑えられていることにより、介護保険だけで在宅生活を送ることは困難になっています。
 また、介護サービス利用料は原則1割となっていますが、2005年10月から導入された食費・居住費の全額自己負担方式になり、低所得者の高齢者・家族に大きな負担となり、深刻な影響を与えていることも明らかになっています。
 このように、介護保険の現状は「家族介護から社会で支える介護へ」という当初の看板に反して、繰り返す制度の改悪により、負担増と介護の取り上げが進められてきました。
 このような現状を踏まえ、1年後にスタートする第5期介護保険事業計画策定に当たって、現在抱えている介護保険制度の問題点を抜本的に見直し、高齢者の人間らしい生活を支えることにより高齢者の尊厳が保持されるような制度にするため、第5期介護保険事業計画策定に当たって、次の3点について基本的な考え方を伺います。
 1、高浜市は、県下で一番高い介護保険料になっていることから、高齢者に大きな負担になっており、保険料引き下げは切実な要求になっています。このことは、日本共産党が昨年行ったアンケート調査の回答中31.9%の人が介護保険料の引き下げを求めていることからも、保険料引き下げの要望が切実であることは明らかであります。
 高浜市の介護保険料が高い原因の一つに、上乗せ、横出しサービスを介護保険で行っていることを指摘しなければなりません。日本共産党高浜市議団は、この上乗せ、横出しサービスについては、市の福祉施策に取り入れて行うべきであることを指摘してきましたが、第5期介護保険事業計画策定に当たって、介護保険料の引き下げのためどのように取り組もうとしているのかについてお答えください。
 2番目に、施設整備等の立ちおくれ対策の具体化について質問に入ります。
 全国的に特別守る老人ホームが不足し、入所待機者は年々増加傾向にあることは先ほど指摘したところでありますが、高浜市の入所待機者も常に100人以上になっており、年々増加傾向にあります。特養ホームに入所を希望していても入れず、やむなく在宅介護をしている重度要介護者の暮らしは本人、家族とも深刻で、一刻も早い対策が求められます。特別守る老人ホームの建設については繰り返し早期建設を求めてきたところですが、現時点での計画の具体化状況について答弁を求めます。また、在宅介護を抱える介護サービスは要求に満足できるような供給体制は整備できているのかについての意見を求めます。
 次に、3番目に介護予防施策の強化について質問に入ります。
 高浜市は、これまで介護予防の取り組みとして、市内5カ所の宅老所の運営や65歳以上の高齢者にマシンスタジオの無料開放事業、いきいき銭湯無料開放事業などが取り組まれてきましたが、昨年7月よりマシンスタジオは有料化され、いきいき銭湯は廃止を決め、サンビレッジの無料入浴券支給については、高齢者の強い要望にもかかわらずいまだに実現していません。
 介護保険制度がスタートしたときは、「福祉の高浜」としてマスコミでも大きく取り上げられてきましたが、11年経過した今日の実態といえば、介護保険料は県下一高いのに介護予防として取り組んできたいきいき銭湯は廃止、マシンスタジオは有料化と大幅に後退し、隣の碧南市がサンビレッジ等の無料券を年間に18枚支給しているのと大違い、何とかしてほしいというのが高齢者の声であります。こうした高齢者の声にどのようにこたえていくのかお答えください。
 次に、2問目の高浜市の事業仕分けについて問うに入ります。
 高浜市は、第1回の事業仕分けを昨年6月に実施しましたが、第1回事業仕分け実施に当たり、私は昨年6月議会の一般質問で基本的意見をただしてきたところであります。私が事業仕分けで特に心配してきた問題は、事業仕分けの名により住民の暮らしに影響する弱者切り捨てをしないため、どのような歯どめを考えているかについてであります。その質問に対する答弁は、「事業仕分けの対象40事業の中には、福祉や教育など住民への影響の大きい事業がたくさん含まれております。本来必要であるべき事業が、事業仕分けの実施により不要と判定され、即時に事業が廃止されるようなことがあってはならないと考えています」と答弁していました。
 ところが、この第1回事業仕分けで不要と判定されたいきいき銭湯無料開放事業は、年間1万2,000人を超える高齢者が利用し、高齢者の閉じこもり防止や介護予防に大きな力を発揮してきた施策にもかかわらず、廃止を強行しようとしています。これでは弱者切り捨てであり、昨年6月の一般質問に対する答弁に反する態度と言わなければなりません。いきいき銭湯無料開放事業の継続と施設の改修などの施策の充実を求めます。
 次に、事業仕分けの今後の計画についての質問に入ります。
 第2回事業仕分けについては、第1回事業仕分けの結果を踏まえて仕分けの対象の重点をどこに置くのか、また、対象事業はどの程度の規模を考えているのか、効果目標などを具体化していると思いますが、計画の概要について以下4点についてお答えください。
 先ほどの質問で既に答弁が出ているところもありますので、スケジュールのことについては答弁をしていただかなくても結構でありますが、最初に、事業仕分けの対象の重点分野と具体的な仕分けの対象事業について。それから、目標効果をどの程度に設定しているのか。次に、事業仕分けによって、福祉・教育などの住民サービスが犠牲にならないため、どのような対策を考えているのか。
 以上についての答弁を求めまして、最初の質問といたします。
〔12番 水野金光 降壇〕
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
〔福祉部長 新美龍二 登壇〕
福祉部長(新美龍二) それでは、水野金光議員の1問目、第5期介護保険事業計画策定にあたって基本的な考え方を問う。(1)県下一高い介護保険料の引き下げについて。(2)施設整備等の立ちおくれ対策について。(3)介護予防施策の強化について、それぞれお答えをさせていただきます。
 まず、(1)県下一高い介護保険料の引き下げについてにお答えいたします。
 第5期介護保険事業計画における介護保険料の算出に当たりましては、国の動向等を踏まえ、平成23年度に実質的な作業を行ってまいりますが、御案内のとおり、昨年11月、社会保障審議会介護保険部会による「介護保険制度の見直しに関する意見書」の提出後、介護保険制度の見直しに関する情報は極めて少ないといった状況にございます。
 現在、国から示されている情報としましては、介護保険料の上昇緩和対策として、都道府県に設置された財政安定化基金について、本来の目的に支障を来さないための必要な見込み額を残し、その余裕分を第1号保険料の上昇の緩和等に活用する。また、市町村の介護給付費準備基金を取り崩し、保険料の軽減に活用する、この2点が示されております。
 一方で、平成24年度は、3年ごとに行われる介護保険事業計画策定と、2年ごとに行われる医療保険の診療報酬改定が同時期に行われる年度であり、介護報酬と診療報酬の調整が行われるものと推察されるところでもあります。
 そこで、第5期の介護保険料でございますが、平成21年度において、介護職員の処遇改善を目的に介護報酬3%アップの改定が実施されたことに伴い、介護保険料上昇の抑制策として実施されました介護従事者処遇改善交付金事業が終了すること、また、高齢化の一層の進展による介護給付の自然増により、国の試算結果では、全国平均で5,080円から5,180円と示されているところでございます。
 本市の保険料につきましては、上乗せ、横出しサービス分を除けば、ほぼ全国平均となっておりますことから、国が試算した額に相応した額となるものではないかと考えております。
 次に、第5期介護保険事業計画の策定についてでございますけれども、基本的には高齢者が地域で自立した生活を営めるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される「たかはま版 地域包括ケアシステム」の実現に向けた計画といたしたいと考えております。
 現在、65歳以上の高齢者全員の方と、第2号被保険者の方々に対する日常生活圏域ニーズ調査を実施し、集計及び分析等を行っているところでございますが、この調査に加え、介護サービス提供事業者や介護サービスニーズを十分に把握しているケアマネジャー、介護保険事業所で直接サービス提供をしておられます介護職員を対象としたアンケート調査も実施しているところでございます。
 事業計画の策定に当たっては、こうしたそれぞれの調査結果を踏まえ、在宅サービス・施設整備のあり方、本市独自の上乗せ、横出しサービスの今後のあり方など、給付と負担について総合的に検討を加えてまいりたいと考えております。
 特に、在宅サービスについては、国において「24時間対応の定期巡回・随時対応訪問サービス」やデイサービス利用者の宿泊ニーズに対応するための新たなサービスの実施・検討が行われており、本市の基本理念「在宅重視」を進めるためにもその動向を十分に踏まえてまいりたいと考えております。
 また、高齢化の一層の進展により、単身高齢者や高齢者のみ世帯のいわゆる要援護者の増加が見込まれる中、国のモデル事業として現在取り組んでおります安心生活創造事業を初めとする要援護者に対する見守りや声かけ、生活支援などのインフォーマルサービスをも位置づけてまいりたいと考えております。
 次に、(2)施設整備等の立ちおくれ対策についてお答えします。
 本市における施設整備の状況でございますが、現在、整備されております高齢者の入所施設は、入所定員100名の特別守る老人ホームと老人保健施設、特定施設入所者生活介護サービスが提供されますアサヒサンクリーン高浜ケアハウスとケアハウス高浜安立、高齢者の新しい居住環境として平成21年開所の適合高齢者専用賃貸住宅が整備されております。また、在宅サービス三本柱の一つであるデイサービス・デイケア事業所は、平成17年度までにそれぞれの特色を生かした6事業所が事業運営をされており、その後、平成21年、22年にそれぞれ1事業所が事業運営を行われております。
 そのほか、在宅を支える新たな施設として、高齢者が中重度の要介護状態になっても、可能な限り住みなれた自宅または地域で生活を継続できるよう地域密着型サービスとして、平成19年11月に「泊まり」「通い」「訪問」のサービスが、顔なじみのスタッフから提供される小規模多機能型居宅介護サービス・オリーブが開所されたところでございます。
 このように、本市の人口規模を考えた場合、大規模な入所施設や居宅に近い環境の介護サービス施設は、市内完結でほぼ充足しているものと考えております。
 今後の施設整備のあり方でございますが、御案内のとおり、国の三位一体改革による補助金の削減や、介護職員の確保が厳しい状況にあることから、大規模施設の整備につきましては大変難しいものと考えており、今後は中重度の要介護状態になっても、可能な限り住みなれた自宅または地域で生活を継続できる地域密着型サービスが主流となってまいると考えております。
 現在、自宅で在宅サービスを利用しながら、特別守る老人ホームの入所を待機してみえる中重度の要介護認定者は30名ほどおられますことから、本市といたしましては、地域密着型のいわゆる小規模特養の整備を第5期介護保険事業計画に位置づけ、平成25年度において事業開始できるよう調整を進めているところでございます。
 また、先ほど申し上げました、国が調査・検討されております24時間対応の定期巡回・随時対応訪問サービスは、単身あるいは重度のような高齢者であっても、施設で受ける介護サービスを在宅においてもサービス提供がされるというものでございます。この新たな介護サービスは、過去に経験したことのない超高齢化社会において、在宅を支える大きな力となるものととらえており、その事業展開も視野に入れていきたいと考えております。
 続きまして、(3)介護予防施策の強化についてお答えいたします。
 本年1月の臨時議会において御可決を賜りました第6次高浜市総合計画の基本構想にあります人口の見通しを見ますと、本市の65歳以上の老年人口は年々増加傾向にございます。平成22年度に7,677人であった老年人口は、総合計画の最終年度に当たる平成33年度には、およそ1,700人増の9,360人と見込んでおります。総人口に占める老年人口の割合も、平成22年度の17.0%から平成33年度には2月5日ポイントふえ、19.5%となる見通しが示されております。
 このような状況下において、市民が要介護状態とならずに、その有する能力を活用して自立した日常生活を営むことができるよう、本市としては認知症予防、閉じこもり予防、転倒骨折予防、脳血管疾患等予防を4つの柱とした介護予防事業を推進してまいりました。
 加えて、高齢者が持つ技術や能力を生かし、発揮する場を提供することにより、自主的・自発的に介護予防に取り組むことができるよう、宅老所、ものづくり工房、IT工房といった介護予防拠点施設も整備してまいりました。
 介護予防に当たっては、高齢者の健康づくりに加えて、能力活用による生きがいづくり、仲間づくり、社会参加や地域貢献といった要素を絡めて、市民一人ひとりの主体的な取り組みが重要であると考えておりますので、平成23年度からはいきいき健康マイレージ事業を新たにスタートさせ、高齢者の皆さんがいつまでも健康で生き生きとした毎日を送っていただくとともに、長年培った知識、経験、技能を生かし、地域や社会へ積極的に参加していただく仕組みを構築し、介護予防の推進に努めてまいります。
 一方で、御質問にありますいきいき銭湯開放事業につきましては、平成4年度から実に19年間にわたって実施をしてまいりました。もちろん、介護予防の観点から高齢者の外出を支援し、健康増進を図るために実施をしてまいりましたが、事業の見直し、再構築を行いました結果、より多くの元気高齢者の皆さんを応援し、健康づくりに励んでいただくため、いきいき健康マイレージ事業へと移行するものであります。
 次に、サンビレッジの無料券を支給する考えにつきましては、現在のところ、持ち合わせておりません。これは、高浜市が行うさまざまな健康増進事業に関しましては、一定の御負担をお願いすることを基本としており、昨年7月からは、マシンスタジオを利用される高齢者の皆さんからも利用料の負担をいただいているところでございます。ただし、元気高齢者を応援する事業としてスタートするいきいき健康マイレージ事業に参加し、ポイントをためることによりサンビレッジの利用券と交換できますので、さらなる健康づくりにつなげていただきたいと考えてもおります。
 最後になりますが、今後の介護予防施策の強化につきましては、第6次高浜市総合計画の中に位置づけられております。福祉・健康の分野では、「一人ひとりの元気と健康づくりを応援します」という目標を掲げ、この目標達成に向けて高浜市といたしましては、食生活の改善など生活習慣病にかからないための正しい知識を身につけたり、運動機能の維持・向上に努めるなど、病気や要介護の状態を未然に防ぐ一次予防に重点を置き、健康寿命対策に取り組むことが重要であると考えております。このため、高浜市が策定している「健康たかはま21」に基づき、市民一人ひとりのライフステージに応じた一次予防や要介護対策、健康づくりを積極的に進めてまいります。
 また、昨年6月に厚生労働省が募集した日常生活圏域ニーズ調査モデル事業に参加し、得られた調査結果と、現在、介護保険グループで実施しておりますニーズ調査の結果がまとまりましたら、高齢者ニーズを十分に分析し、介護予防施策へ反映してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げ答弁とさせていただきます。
〔福祉部長 新美龍二 降壇〕
議長(小野田由紀子) 地域協働部長。
地域協働部長(岸上善徳) それでは、水野金光議員の2問目、事業仕分けについて。(1)第1回事業仕分けの問題点について。(2)事業仕分けの今後の計画について、順次お答えさせていただきます。
 まず、(1)第1回事業仕分けの問題点についてお答えをさせていただきます。
 今回の事業仕分けにつきましては、構想日本の協力のもと、昨年6月19、20日の2日間にわたり開催をいたしました。県内初めての実施ということもあり、市民の皆さんを初めたくさんの方々が傍聴に来られ、2日間で来場者数は延べ554名と、これまでに事業仕分けを実施した自治体を大きく上回る結果となりました。たくさんの皆さんが見守る公開の場で、これまでにない緊張感の中で事業仕分けを実施することができましたことは、市にとっても、また職員にとっても非常に充実感あふれる価値ある取り組みであったと認識しているところでございます。これも市民の皆さんのお力添えがあったからこそ実現できたものだと考えているところでございます。
 今回の事業仕分けの目的につきましては、大きく3点を掲げ、実施いたしました。まず、第1点目は、市の事業を抽象論ではなく、現場の視点で洗い直すことによって、その事業のあり方も含め行財政全体の再構築に結びつけること。2点目は、事業仕分けを公開の場で行うことによって、市民の皆さんに事業の内容を広く知っていただくこと。3点目は、公開の場での議論を通じて、職員に気づきをもたらすなどの意識改革を行うことでございます。
 逆になりますが、2点目の事業の見える化につきましては、市民判定人の導入や来場者数からもその成果はあったものと考えております。3点目の職員の意識改革につきましても、事業仕分け実施後の職員を対象としたアンケートの結果におきまして、「意識が変わった」「どちらかといえば変わった」という回答が約65%という結果となっており、一定の成果があったものと考えております。
 しかしながら、1点目の行財政全体の再構築に結びつけるということにつきましては、必ずしも十分な成果があったとは言えません。平成23年度の当初予算の内容からも明らかなように、事業の再構築につきましては、ほとんど実現されなかったのが現状であり、今後の取り組みにおいて非常に重要な課題であると認識しているところであります。
 対象事業の最終選定につきましては、行政側だけで行うのではなく、事業仕分け経験者、学識経験者など第三者を交えた事業仕分け委員会を設置し行いました。このことは、選考過程の透明性といった点からも非常に評価ができるものと考えておりますが、その一方で課題が残ったのも事実です。対象事業の選定につきましては、平成22年度当初予算の全事務事業を、形式基準及び実効性基準といった一定の基準のもと、最終的に事業仕分け委員会において行ったところでございます。
 しかしながら、事業仕分け委員会からの提言の中にもあるように、「委員会での選考は、あらかじめ市民委員の意向を確認し、その多数意思を尊重するという手法をとった。極めて透明性の高い方法ではあったが、その一方、時間的な制約もあり、その事業を選ぶ理由について必ずしも十分に議論し尽くせなかった」「市としてそれぞれの事業の問題点等をあらかじめ整理し、その情報を整理するなど、多くの市民が見守る中での仕分けにふさわしい事業の選考が行えるよう努力していただきたい」と、選定方法に問題があったことが指摘されるとともに、新たな選定方法の構築が提言されたところであります。
 判定方法に市民判定人方式を導入したことは、先駆的な取り組みであったと考えております。多くの自治体では、事業の仕分けをした事業仕分け人が判定している中、市の事情をよく知る、より多くの市民の皆さんが市民目線で判定することが重要であるとした上で、広くたくさんの市民の皆さんに御協力いただけたことは非常に意義があったものと考えております。市民2,000名の方を無作為に抽出し募集を行い、100名を超える市民の皆さんから応募いただき、仕分け当日におきましては、実人数で90名の方に御協力をいただきました。仕分け当日に実施したアンケートでは、「引き受けてよかった」と回答された方が87.2%という結果となり、市民判定人方式を導入した成果はあったものと考えております。
 また、仕分け結果を受けて検討した内容をそのまま公表するだけではなく、再度、事業仕分け委員会において妥当性を判断したという点につきましては、仕分け結果を受け、行政内部だけで方向性を決めるのではなく、そこに外部の視点を入れ、実効性を担保するという仕組みは今後も必要であると考えております。
 今回の事業仕分けでは、事業費の削減ありきという考え方は持たず、再構築などにより、結果として事業費の削減はあるものとし、目標額につきましては特に設定しませんでしたが、結果的には、平成23年度の当初予算において、事業費3,186万円の削減につながることとなりました。
 また、仕分けの効果として、市がどういった事業にどのように取り組んでいるのかを広く市民の皆さんに知っていただくよい機会になったということ、そして、職員にとっては、みずからが取り組んでいる事業を改めて考え直す機会となり、さまざまな気づきを得ることができたことは言うまでもありません。今回の事業仕分けで得たものは、これからの市政において必ず生かされていくものであると確信しているところであります。
 次に、(2)事業仕分けの今後の計画についてお答えさせていただきます。
 今後の事業仕分けのあり方につきましては、昨年の6月及び9月定例会におきましても、「今回の事業仕分けの課題や改善点、事業仕分け委員会からの提言内容等を踏まえ、原則実施する方向で検討する」と申し上げてきたところであります。
 今回の事業仕分けの際に行った市民判定人や傍聴者へのアンケートにおきましては、「継続して行ったほうがよい」と回答された方が多く、市民ニーズが非常に高かったこと、そして、事業仕分け委員会から提出された意見書の中では、「当委員会としては、今回の成果の上に立って継続的な実施を願うものであり、次回については改めて高浜市型の創造性ある事業仕分けの組み立てを求めたい」と新たな形での実施が求められたところであります。
 これらのことを踏まえ、平成23年度におきましても引き続き実施することを事業仕分け委員会の委員の皆さんと確認したところでございます。
 実施方法につきましては、今回と同様の内容で実施することは考えておりません。さらなるバージョンアップを図るため、今回の課題や改善点などを十分認識した上で、これまでの事業仕分けの仕組みや手法にとらわれない高浜版の事業仕分けを実施するため、現在、検討しているところであります。
 実施の目的でございますが、大きく分けて2点を掲げております。1点目は、今回、課題として積み残された、事業の再構築の部分に重点を置き、行財政全体の再構築に結びつけるということ。2点目は、今後導入することが予定されている行政評価システムをしっかりと運用していくための基盤づくりを行うことであります。
 対象事業の選定につきましては、今回のように、あらかじめ一定の基準を設定する手法ではなく、事業の内容を一番よく知っている各グループみずからが、事業の再構築の可能性を十分検討し、対象事業を選定する手法を考えているところであります。最終選定につきましては、今回と同様、事業仕分け委員会において公開で行っていただく予定です。
 次に、目標・効果についてどのように考えているのかという御質問でありますが、目標につきましては、昨年10月に策定した高浜市中期財政計画の中で、事務事業の見直しによる削減額として1億円を掲げており、次年度の事業仕分けでは、この金額を目標として取り組んでいくこととなります。しかしながら、この目標額につきましては、事業仕分けの結果のみならず、事業仕分けの実施による他の事業への波及効果なども含めたトータルの金額であることを御理解いただきたいと存じます。
 効果につきましては、今回と同様、広く市民の皆さんに市がどういった事業にどのように取り組んでいるのかを知っていただくことはもちろんのこと、職員にとっては事業の再構築といった新たな視点からみずからが取り組んでいる事業を改めて考え直す機会となり、新たな気づきを得ることができるものであると考えております。
 最後に、仕分けにより福祉・住民サービスが犠牲にならないための考え方についてお答えさせていただきます。
 平成23年度の事業仕分けにつきましては、これまでも申し上げてまいりましたが、課題として積み残された「事業の再構築」の部分に重点を置き、行財政全体の再構築に結びつけるということこそがその目的となります。事業仕分け委員や事業仕分け人の方には、事業の必要性を十分に説明するとともに認識していただき、事業の再構築に向けての論点をしっかりと整理した上で議論を展開していくこととなりますので、福祉・住民サービスに関する事業が安易に廃止となるようなことはなく、逆に横への視点を持つことにより、より効率的、効果的なサービス提供が図れるようになるものと考えております。
 また、今回と同様、事業仕分けの結果が最終的な結論となるわけではございません。結果を踏まえ、事業担当グループにおいて今後の方向性を十分検討した上で、その内容が事業仕分け委員会においても審議され、最終的には議会の場において審議され、結論が出ることとなります。今回と同様、最終的な結論に至るまでには幾つかのプロセス、さまざまな視点や角度から事業の再構築の検討がなされるような制度設計としていることを申し上げ、答弁とさせていただきます。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) それでは、最初の第5期介護保険事業計画の関係で質問します。
 介護保険料の見込みについては、全国並みというような答弁でありますが、これまでこの高浜市の介護保険料は非常に高いのが特徴で、それを今後も継承するのかどうか。その点では、少なくともこうした高い介護保険料が市民に大きな負担になっているということから、最大限努力して引き下げていくという基本的な立場が必要だと思いますが、その点について考え方、原点はどこにあるのか、もう一回、その点についてまず伺います。
議長(小野田由紀子) 介護保険グループ。
介護保険G(篠田 彰) 介護保険料でございますが、県下で一番高いという現行4,400円でございます。それで、この高いという原因の中で、各市町さんがやってみえない上乗せ、横出しが高い原因という部分の一つでございまして、先ほどの答弁の中でもこの上乗せ、横出しのあり方につきまして、65歳以上の方、また介護サービス事業所の方等にアンケートでお答えを願いまして、それを分析してまいりたいと考えております。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) ただいま上乗せ、横出しサービスのことについて触れられましたが、私どもは、こうした施策については福祉施策で行っていくべきであるということを以前から主張してきましたが、それについての考え方はどうですか。
議長(小野田由紀子) 介護保険グループ。
介護保険G(篠田 彰) 上乗せにおきましては、法で、介護保険サービスの中でのサービスでございますので、65歳以上の方々の御負担というふうで決まってございます。それと、横出しサービスにおきましては、介護保険のサービスと類似したサービスということで、介護保険の負担割合として1号被保険者の方から20%、残り80%は市の一般財源から拠出いたしております。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) それはこれまでの高浜市のやり方であって、それが結果として高い介護保険料に結びついているんですね。そういう点では、少なくとも横出しについては福祉施策でやればこうした高い保険料にならないわけですから、今アンケートをやっているからそれを踏まえてということですが、市民に大きな負担をかけてきたというこの高浜市のこれまでのあり方をやっぱり見直すという点では、これは市長の姿勢が一番大きく影響するわけですね。そういう点では、この構えをどう持つのかということが問われていると思うんです。だから、引き下げるという点でのこの構えがあれば、そういった施策に結びつくと。
 それから、上乗せについてはもう決まっているからということでありますが、そうした必要性、限度額で十分この介護が100%サービスが受けられないということであれば、それは制度そのものに大きな問題点があるわけですから、それを改善していくことを含めて、これは実際に市民の皆さんが介護保険制度があってよかったと言えるような制度に少しでも近づけないかんと思うんですね。そういう点で、今の負担の重い問題については、高浜市が改善すべき大きな課題だと考えるわけですが、第5期策定に当たって、その辺についての構えがまずはっきりしていないんじゃないかと。これでは負担を強いられる高浜市民はたまったものではないというのが声ですから、それはしっかり市民の声を反映した第5期介護保険の事業計画にすべきであると考えるわけです。その点で決意をまずお答えください。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) この上乗せ、横出しという高浜市独自のサービスでございますが、介護保険制度が創設されて以来、10年を経過したわけです。この件につきましては、第4期の保険料設定の検討をいたしました介護保険審議会の中にも、このサービスが保険料に及ぼす影響というのは、第5期に向けて避けては通れないだろうという御意見も出ておりました。それで、今回、私どもといたしましては、先ほど来申し上げております日常生活圏域ニーズ調査を実施いたしております。この調査の中に、初めて上乗せ、横出しサービスについての市民の方の御意見を伺っております。これがどのように市民の方々がとらえておみえになるのか、その意思が改めて出てまいりますので、私どもといたしましては、一般財源で対応する、しないというよりも、この制度のあり方が今後の第6期、第7期に向けてどのように対応していったらいいかということを検討してまいりたいと思います。
 しかしながら、その中で、水野議員も御指摘いただいておりますように、介護保険料が年々増加をしてきておるということ、また、さらなる上昇をも見据え、そして高浜市の介護保険制度全般についてとらえて検討をしていかなければならないというふうに考えております。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 少なくとも横出しについてはどうですか。今介護保険に組み込んでありますが、この介護保険を実際に運営している市としては、今後についてはこの福祉施策に切りかえるという構えはどうですか。それについてお答えください。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) 先ほども申し上げましたように、一般財源をもっての福祉施策という考え方はございません。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) これはやはり市民の皆さんの要望の中でも、高浜市がなぜそんな高いんだということについて理解が得られていないと。私どものアンケート調査でも、もう31.8%の方々がこれは何でこんな高いんだというような声があるわけだし、そういう点では、市民の皆さんのこの声にしっかりこたえるという点で、さまざまな施策を可能なことをやっていくということは当然であって、それについては、今の構えではこれから先も本当に高齢者の皆さんの声が届かない市政になってしまうんじゃないかと。その点では、今度は市長がかわって初めての介護保険の制度、第5期に入るわけですから、市長の構えが一番影響が大きいと思います。これまで森市長のもとでずっと介護保険が進められてきたということで、新市長にかわってこの制度、高浜市の介護保険、どういう特徴を今度出すのかという点での考えをお答えください。
議長(小野田由紀子) 市長。
市長(吉岡初浩) 今おっしゃられた横出し分だけではなくて、介護保険全体の保険料の話だというふうに思いますが、介護保険の考え方というのは介護の社会化ということですね。そういう中で、どこがどういうふうに負担をしていくのか。そういう中で、高齢化が進めば当然介護保険の保険料というのは上がっていくわけですね。シミュレーションの中では5,000円はおろか、もっと上がっていくだろうというような想定をされておったわけですね。今5,000円のところで大変大きな問題のようにとらえられておりますが、そういう中で一番必要なのは、今行っておるサービスが市民の方たちにどういうふうに受け取られているか。私どもがそれを公的なサービスとして保険内でやる部分がある、それからインフォーマルな部分で例えば手助けができるところがあるだろうかと。
 こういうお話がありますね。ホームヘルプで御家庭に行って食事をつくってくると、一体それはどのぐらいの単価の食事になるんだと。行ったことがひょっとしたら介護保険の中でやるべきことなのかどうか、そういった議論があったりします。一方では、介護保険のサービスのデイサービスの中で、先日もちょっとお話をしましたが、介護度を上げないような施策、健康づくりの施策を、例えば私どもマイレージで今やろうとしていますが、単に受け身でどこかへ行って食事を食べて帰ってくるのではなくて、健康でおっていただけることは将来の介護保険に反映するだろう、その部分はきちんと一般財源でやるんだということを今私どもは言っております。そういう中できちんと調査をしながら、次の介護保険に向けては、私は今の皆さんたちがどう受け取っておるのか、どういうサービスが必要であるのかということはきちんととらえながら、今までの上乗せ、横出しを含めて一度白紙で考えていこうではないかということを申し上げております。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 介護予防というのは、当然この介護保険料を上げない上での、また高齢者の暮らしを充実させる上でも大変重要な施策だと思うんですね。その点で、先ほどの事業仕分けとも関連して、これまで平成4年から続けてきたいきいき銭湯無料開放事業が、今回、事業仕分けという手法で結局廃止という方向を出したわけですが、これはこれまでいきいき銭湯の無料開放事業が介護予防にどの程度貢献してきたのかと、どういう評価をしたのかという一つは評価のあり方の問題もありますが、少なくとも閉じこもり予防、そして高齢者がそこを通じて交流するということを含めて大きな効果を発揮したことは明らかですね。
 現実にも何でなくするのということで、確かに建物は老朽化しているという声もありますが、これはそういった施設改修についても市が一定の補助をしてこなかったからこうなっているわけで、その点では必要な充実を含めて対策をすべき事業であるにもかかわらず廃止を決めると。これは介護予防を重視しておるというのが、またこれからも一層重視しなきゃいかんという市長の考え方と矛盾するんじゃないですか。その点では、どういう根拠でこれの廃止を決めたのか。明らかに今多くの高齢者の皆さんが、もっと施設を整備してでも続けてほしいと。ほかの銭湯なりさまざまな入浴施設をこれで使ってくださいという対案があるならともかく、それも示さずにやめるというのはどういうことかという声が圧倒的なんですね。
 私どもが調べたところ、いきいき銭湯については、年間250万円弱の予算で1万2,000人以上の人が利用していると。ほかの例えば介護予防の施策から見れば、結果としても利用者との関係では相当喜ばれている施策であるというものをわざわざ取り上げて廃止と。理解できないと。碧南市ではこの介護保険料は高浜市よりも月1,000円以上安いと。そしてまた入浴の無料サービス券なんかも支給されると。高浜市では高い保険料と、またそういうサービスは逆に取り上げると。これはどういう違いだということで大問題になっているんですね。それについて、なぜ、どういう根拠で廃止にしたのかという点をお答えください。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) このいきいき銭湯の関係は、前々から申し上げておりますように、高齢者の方々の健康志向、銭湯が創設された時代と今を考えた場合に、大きく高齢者の考え方も変わってきております。いわゆる外に出て活動する高齢者の方々がふえてきていると。こういった状況を踏まえまして、私どもは行政サービスというのは常に一定のものではない、これでいいというものでもないと思っております。貴重な税という財源をいかに有効的に活用していくか、こういったことを常に考えていかなければなりません。その高齢者を取り巻く環境を考えた場合に、今の時代、これからの時代のニーズに対応したものに見直していくという考え方の中で、より高齢者の健康増進につながるものが何であるのか、そういったことを考えていきいき銭湯を廃止はしますが、さらなる高齢者の健康づくりにつながるこちらのこの施策の波及効果を考えて今回実施をするというものであります。こういった考え方につきましては、市民の方々についても御理解をいただけるものと思っております。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 今、多分マイレージのことを言っていたと思うんですけれども、これ介護予防で高齢者の皆さんにこれからさまざまなボランティアで頑張ってほしいと。これは一つの施策として否定しませんが、高齢者の皆さん方が1号被保険者、介護保険料を平均で毎月4,400円を払っておって、元気でやっておるというそれ自身が既に大変地域に貢献しておって、また、充実した生活をした結果が出ておるんですよね。その方々にマイレージをやるというのであれば、65歳以上の方々が毎月そういう高い保険料を納めていただいているという方に、まず、マイレージをぜひ使ってくださいという、そういう思いやりがまずなければ、これはまた次に何かやったらやるわというのでは、明らかに上から目線ですよ。
 これは、例えば介護保険が任意保険であったら、だれも入る人はいないと言っても過言じゃないと思いますよ。今法律で縛られているから、何が何でも年金から取るから、どんな横暴なことをやっておっても結局みんなは我慢するしかないということになったら、これは大変なことですよ。だから、そういう方々に対しては、例えば年間で1号被保険者は4億3,000万円納めておるんですよ、年間1人当たり5万円を超えるね。だから、例えば使わない人たちについて言えば、任意の保険であれば1割引とか3割引とかいろいろな制度をやっていますよ。少なくともそういう方々に対しては、もうマイレージをやるのであれば、もうすべての方々に一定のマイレージポイントをぜひ使ってくださいと、こういう形を原点にしてプラス、さらにいろいろなボランティアをやればプラスするというのであれば、これはマイレージとして一定の評価ができると思うんですけれども、そういういわゆる自立した方々に対して何の恩恵もなしというのでは、これは冷た過ぎますよ。
 だから、せっかく今こういう制度を考えているのであれば、そこが必要じゃないですか。例えば毎月4,400円納めて元気でやっておると。結果として自立して介護は一切受けていないと、これから将来も受けるつもりはないという方々がほとんどですよ。そういう方々に対しては、やっぱりそれなりの介護保険料を納めていただいたという感謝の気持ちを込めて、福祉施策でこれからも元気でやってくださいと、マイレージつくりましたと、ぜひ500ポイント、5,000円分ぐらいはひとつ年間で大いに使ってくださいと。それにプラスこれというのであれば、私ももろ手を挙げて賛成ですよ。だけれども、何かこれ1年間しっかりやったら1年後に使えるポイントを与えますと。これもまた本当に冷たい話で、そういう点では、もう一度これはぜひ見直すべきじゃないですか。それについて意見を求めます。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) この事業、水野議員も今開いてみえますA3判の資料にありますように、この事業というのは、入り口は健康面で入りますけれども、出口、最終的に目指しておりますのは、高浜市が今まで福祉でまちづくりを進めてきております地域での支え合いにつなげていきたいということで、今、水野議員、非常に冷たい制度だとおっしゃいましたが、私どもにとりましては、大きな地域福祉推進のツールだと考えております。
 以上でございます。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 先ほども、繰り返し申し上げますが、介護保険制度には、健康で元気で介護保険を利用しない人に対して、例えば1割、2割保険料を下げるという制度がないんですよね。国の制度がやっぱりそういう制度ですから。そこをやはり血の通った行政をという、地方自治体が施策で補っていくと。だから、そういう方々に対しては、ぜひともこういう福祉が高浜市にはサンビレッジやいろんなものがありますと、これを使って大いにまたこれからも元気でやってくださいというね、これはもっと以前は例えば80歳になったらとか、70歳になったら敬老会と言って高齢者を敬って、またこれからも元気でやってくださいという激励があったんですよ。今は次々とそういうものがなくなって、高齢者はもう保険料を払って、それでまた次に何か払わなきゃいかんと、こういう高齢化社会は大変な時代だということばかりでは、これは余りにも冷た過ぎるよと。
 私は、だからせっかくこういう施策を検討しているのであれば、ぜひ介護保険料を納めていただいたと。じゃ国のそういう超高齢化社会を財政的にも支えていただく制度になっていますので、それに参加していただいた皆さん方には本当にありがとうございましたと言って、何らかのこういうものを皆さんに御利用いただくという考え方が一番原点に要るんじゃないかと、そういう思いやりがやっぱり、それこそ大家族と言っておるのであれば、そういう思いやりが通ずるような高浜市に変えていかなきゃいかんじゃないかと。せっかく今そういう検討をしているんですから、実際この介護保険料4億3,000万円、1号被保険者が払っていますけれども、その大半の方々というのは使っていないんですよ。自立ですから使えないんですよ。当然です。将来そうやるというそれは思いはわかりますが、それプラス元気で頑張っておれば、こういう高浜市は思いやった、頑張れよという激励のお知らせもちゃんと来ると。そして、それを活用して自立でずっといくというのが一番望ましいんですよ。
 だから、予防ということを大変重視するという市長の先ほどの答弁の中にあったように、それを本当にこういうところに盛り込んでこそ、やっぱり高浜市らしさというのか、これからつくる高浜市らしさになってくるんじゃないかと。そういう点で、ぜひ検討すべきだと思いますが、市長、そういう点ではどうですか。今からでも検討できますよ、これは。
議長(小野田由紀子) 市長。
市長(吉岡初浩) 今おっしゃったことを盛り込んだのがこの施策でございます。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) そういう点では、残念ながら今のところ、高齢者の皆さんが介護保険料をしっかり払って、自立で元気に頑張っている方々に対してそういうものが反映されていないですね。そういう点では、盛り込んでいくのがこの制度だということであれば、その点についてはさらに充実させるという考えはいかがですか。
議長(小野田由紀子) 市長。
市長(吉岡初浩) さらに充実させた制度がこの制度でございます。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) とてもそうは思えないですよ。だって、いろいろこれからやっていただいて、利用いただけるのは来年の3月末にポイントを与えて、その次ですよというのであれば、これはさらにもっと何かやれと言っておる国の上から目線と同じ目線としか見えないですよ。そういう点では改めるべきであるということを強く主張しておきます。
 それから、先ほど施設の関係では、平成25年に小規模のものをということをさらりと答弁されましたが、具体的にはどんなスケジュールになっていますか。
議長(小野田由紀子) 介護保険グループ。
介護保険G(篠田 彰) 平成24年度から始まります第5期介護保険事業計画にその施設整備を位置づけ、アンケート結果に基づきましての状況でございますが、平成24年度の第5期事業計画に施設整備を位置づけまして、平成24年に整備をさせていただきまして、25年度開所ということで調整をいたしております。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 今はまだ全く調整の段階で、具体的なスケジュール等については、場所等についても素案もないというような状況ですか。それについて伺います。
議長(小野田由紀子) 介護保険グループ。
介護保険G(篠田 彰) 整備の候補地につきましては、数カ所検討してございまして、その中で絞り込みを行っていきたいという状況でございます。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) じゃちょっと事業仕分けのほうへ入りますが、先ほどいきいき銭湯について、この事業仕分けで廃止を決めたということで、先ほど福祉部長の答弁の中では、いろいろニーズが変わってきたというようなことからそういう廃止を決めたような答弁でありましたが、事業仕分けのほうでは、これだけの多くの需要があるという施策について、どういう根拠で廃止を決めたのか。当初の答弁の中では、弱者切り捨てにつながるようなことがあってはならないと。それは今回、来年度やる計画でもそういう考え方を述べていますね。しかし、実態は廃止を決めた重要な施策の一つにこれが入っているわけで、整合性を欠くというふうに思いますが、これについてはどうですか。
議長(小野田由紀子) 地域協働部長。
地域協働部長(岸上善徳) いきいき銭湯につきましては、事業仕分けの席上で、結論的には不要という判定が出されたというふうに思っておりますけれども、基本的には事業仕分けの結果が、じゃそれですぐなるのかというのが、今回いきいき銭湯がそのようなケースにはなりますけれども、基本は角度、いろいろ意見を踏まえながら、きょうこういう議場でも議論をされ決定されるわけですが、そういういろいろなプロセスを経て決定されるということを、まずは認識をしていただかないといけないことと。
 今回、私も事業の再構築ということを言っておりますのは、スクラップ・アンド・ビルドということで言われておりながらスクラップがされてこない、ビルドばかりされてきておるというような状況というのもありまして、そこに一つ、やはり私ども職員メスを入れなきゃいかん、そういう意識で臨みたいということを思っておるわけです。そういう中にあって、いろいろ市民の方等も、先ほど「大家族たかはま」ということを言われましたが、自助・共助等を踏まえてやはり家族というのがなっておるというふうに私も認識いたしておりますので、あれもこれもという時代ではなく、どうやっぱり選択をしていくのかという観点が必要であるんじゃないのかなというふうに思っております。
議長(小野田由紀子) 水野議員、あと3分でございます。
 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 今答弁の中でちょっと、なぜいきいき銭湯が廃止になったのかという点では、先ほど質問の中でも取り上げましたが、ニーズが変わったと。いわゆる利用される人が例えばなくなってきたというのであれば、それはニーズが変わったということが理解できるんですけれども、引き続き多くの皆さんが活用してみえるということは、これはニーズが変わったというよりも引き続き根強い、または場合によってはふえるということであって、それから言って廃止という結論というのは明らかに矛盾しておるんじゃないですか。
 私どもが調べた、また、昨年の決算資料の中でも、21年度の利用者の実態という点では、1万2,000人以上の方が利用してみえるという事実はこれは重要であって、中には家にふろもないと、それから、一人で入るのは非常に危険だという方々もあそこに来て利用されているというような、こういう実態があるにもかかわらず、ニーズが変わったというのはどこをとらえて変わったのか、どういうふうに変わったのか、廃止すべきじゃないことを無理やり結論づけているんじゃないかという点が非常に疑問なんですよね。それについて、これだけの利用者があってもやめるというのがどこに根拠があるのか明らかにしてください。
議長(小野田由紀子) 保健福祉グループ。
保健福祉G主幹(磯村和志) 実際に昨年6月に行われました事業仕分けの結果でございますけれども、皆さん御存じのとおりですが、実は仕分け人の80%、それから市民判定人の73%の方が不要と判断をしております。その理由といたしましては、効果が薄く事業の目的に妥当性がないというものが主な評価でありまして、おふろイコール外出支援の時代ではない。さらに、利用されてみえる高齢者の方というのは、現在70名から80名程度でございますので、全高齢者の1%程度しか利用されていないではないかというようなことが主な理由でありました。私どもも、その市民判定人の皆さんからの御意見というのは真摯に受けとめさせていただきまして、もっと多くの高齢者の方が利用や参加できるような新たな外出支援、健康づくり、生きがいづくり、仲間づくりにつなげる事業へと転換を図るべきであると判断をいたしまして、いきいき銭湯事業を廃止をし、新たにいきいき健康マイレージ事業を開始するというものでございます。
議長(小野田由紀子) 時間となりましたので、質問を打ち切ります。
 暫時休憩いたします。再開は午後1時30分。
午後0時20分休憩


午後1時29分再開
議長(小野田由紀子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、3番、杉浦敏和議員、一つ、こども発達センターについて。一つ、Cop10の成果と今後の取り組みについて。一つ、川のみちについて。以上、3問についての質問を許します。
 3番、杉浦敏和議員。
〔3番 杉浦敏和 登壇〕
3番(杉浦敏和) 議長のお許しをいただきましたので、さきの通告に従い3問の一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、こども発達センターについて伺います。
 近年、発達に心配のある子供たちや、自閉症などの発達障がいの子供とその家族に対する支援の必要性が強く求められています。さきの9月議会でも一般質問で取り上げさせていただき、高浜市のこども発達センターの特徴は、新たに5歳児健診を実施することと、相談支援体制の構築にあると御答弁いただきました。
 また、今後は、発達相談事業、早期支援事業、発達障害人材育成事業、継続的支援事業、発達支援ネットワークシステムの構築の5つの事業を柱とし、出生から乳幼児期、就学前から就学時、進学時、卒業時など状況が変わる中、支援が途切れることのないようライフステージに応じた継続的な支援体制を構築していくとお聞きしました。
 いよいよ4月からいきいき広場の3階がリニューアルされ、こども発達センターがスタートします。まず初めに、子供の将来の地域生活も見据え、一貫した支援を行っていくために、いきいき広場がどのように変わり、どのような相談支援体制が構築されていくのかをお聞きします。
 2点目として、保護者の中には、子供の障がいに対しての理解や受け入れが困難な場合もあります。発達障がいを初め、親が子供の障がいを理解し、受け入れ、実際の支援につなげていくために、こども発達センターはどのようにかかわり、支援につなげ、サポートしていくのか、その方法と支援体制について教えてください。
 3点目として、こども発達センターにおいて実施する事業の進捗についてお伺いします。
 まず初めに、新たに実施する5歳児健診について、これまでの4カ月児健診、1歳6カ月児健診、3歳児健診と同様に実施すること、また、小児科の専門医は確保できているとのことでしたが、健診と健診事後相談をどのように計画をされているのか、実施日程を含めお聞きします。
 次に、発達相談事業、早期支援事業の準備状況についてお伺いします。
 専門職の職種と確保状況、相談、指導、訓練はどのように進めていくのかお聞きします。
 最後に、個別支援ネットワークシステムの構築と準備状況は、同じ課題を持つ親同士の交流事業はどのような内容で、どのように進めるのかをお聞かせください。
 次に、2問目のCop10の成果と今後の取り組みについてお伺いします。
 昨年は、Cop10が名古屋で開催されたことにちなんで、高取小学校ではドングリの木の植栽が行われています。高浜市では、あいち森と緑づくり事業の一環で、Cop10連携事業でもある大山緑地自然観察会及びミニ自然体験学習が10月10日に森部 豊さんを講師に招いて実施されています。当日は私も参加させていただき、大山緑地の自然観察会では大いに自然を体感させていただきました。ミニ自然体験学習では、箱庭で自然を再現して、自然に飛んでくる昆虫を観察する大切さを学ぶことができました。参加された子供さんたちの反響と今後の取り組みについてお聞きします。
 最後に、3問目、川のみちについてお伺いします。
 高浜市ウォーキング・トレイル整備事業として、基本構想が1997年(14年前)に出されています。ウォーキング(歩くこと)は、1986年後半から新しい運動法としてとらえられ、歩くということが身近な健康づくりになることが認識されるようになりました。歩くことにおのずと目的、どこどこまで歩こう、何キロは歩こうなどを持てば、それは精神的な鍛えとなります。健康上のみならず、心身上の面からでも歩くことは大切なのであると言われます。また、歩く速度はそんなに速いものではなく、移動という行為の中で歩いてということが、最も通り行く風景や世界をスローに見せます。
 ふだんならば通り過ごしてしまう事物に対して、それを察する余裕を与えてくれます。このことは、新しい事物の認識や魅力の発見、また、コミュニケーションの充実につながると言われています。歩くことは日常に刺激を与え、気持ちをリフレッシュさせる効果があり、歩くことの楽しさにつながります。こうしたことからウォーキングへのニーズが高まり、ニーズにこたえるべく日常の中で安全かつ快適に歩ける道が必要になってきたわけであります。高浜市ウォーキング・トレイル推進協議会が平成9年6月に第1回の協議会開催から平成10年10月の第8回まで開催されています。協議会では建設的な意見が出され、川のみちの計画がされたと思います。現状、計画どおり完成できているのでしょうか。
 以上、3問についてお伺いし、1回目の質問を終わります。
〔3番 杉浦敏和 降壇〕
議長(小野田由紀子) 都市政策部長。
〔都市政策部長 小笠原 修 登壇〕
都市政策部長(小笠原 修) それでは、杉浦敏和議員の質問についてお答えいたします。
 順序が逆になりますが、(2)Cop10の成果と今後の取り組みについて。(3)川のみちについてを先にお答えいたします。
 初めに、(2)Cop10の成果と今後の取り組みについてお答えいたします。
 皆さんも御存じのとおり、昨年の10月に世界192カ国が参加して、名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(Cop10)が開催されました。
 生物多様性とは、あらゆる生物種の多さとそれによって成り立っている生態系の豊かさやバランスが保たれている状態をいい、さらに生物が過去から未来へと伝える遺伝子の多様さまでを含めた幅広い概念であります。
 この地球上には、知られているだけで約175万種、未知のものを含めると約3,000万種とも言われる生物が暮らしています。また、地球上には、天然林や人工林などの森林、湿原、河川、サンゴ礁などさまざまな環境があります。すべての生き物は、約40億年もの進化の過程でこれらの環境に適応することで多様に分化したのです。
 さらに、さまざまな環境変化に対応するためには、乾燥に強い個体、暑さに強い個体、病気に強い個体など、さまざまな個性を持つ個体が存在する必要があります。そのため、同じ種であっても個体間で、また、生息する地域によって体の形や行動などの特徴に少しずつ違いがあります。つまり、数え切れないほどの生物種がそれぞれの環境に応じた相互の関係を築きながら多様な生態系を形成しております。この多様な生物の世界を総称して生物多様性といいます。
 私たちは、生物多様性からの恵みに支えられて生きています。例えば、食べ物、紙や建材、衣服や医薬品、さらに、私たちが生きるために必要な酸素は植物などによってつくられ、汚れた水も微生物などによって浄化されています。生物多様性は、私たちの生活になくてはならないものなのです。
 しかし、現在、これまでのおよそ1,000倍の速度で生物が絶滅していると言われております。日本においては、環境省版レッドリストに3,000種が絶滅のおそれのある種として掲載されています。こうした生物種の減少の原因のほとんどが山林の開発や乱獲、外来種の持ち込みなど人間の活動にあると言われています。
 生物多様性を守るため、私たちが日々の暮らしの中でできることはたくさんあります。例えば、一人ひとりが身近な自然を大切にすることです。都市に住んでいると、自然が身近だとは感じないかもしれません。しかし、気をつけて見てみると、私たちの周りにもさまざまな生き物が生息していることがわかります。これらの生き物がずっとすみ続けられるよう、身近な自然を保全・再生していかなければなりません。
 そこで昨年は、Cop10が名古屋で開催されることにちなんで、市内の各小学校ではドングリを植えております。
 高浜市では、あいち森と緑づくり事業の一環で、Cop10連携事業でもある大山緑地自然観察会及びミニ自然体験学習を開催いたしました。参加者は広報で応募して、親子10組の方に参加していただきました。講師は、隣の安城市に住んでみえる森部 豊さんにお願いしました。先生は、地域に古くから生存するその土地本来の生態系を再生すべく、ドングリのDNAバンクを創設され、ボランティアで苗木を配布されております。実際に油ヶ淵公園整備計画にも参加されて、ドングリを育てておられます。
 ミニ自然体験学習では、子供たちの中には用意したカブトムシの幼虫にさわれない子や、小さくて自然の大切さがわからない子もいましたが、皆で大山緑地を散策したり、本物の自然に触れたり、講師の先生の自然に対する熱意のあるお話を伺い、身近な自然を保全する大切さや、生態系の一部に触れて、子供さんたちは何かを得て帰られたと思います。
 アンケートでは、思ったより楽しかったとか、また参加してみたいという意見が多くありました。平成23年度も今年度と同様、あいち森と緑づくり事業を活用し、大山緑地自然観察会及びミニ自然体験学習を開催していく予定でありますので、よろしくお願いいたします。
 次に、(3)川のみちについてお答えいたします。
 川のみちは、先ほど議員からもお話しいただきましたように、ウォーキング・トレイル整備事業として整備されたものであります。ウォーキング・トレイル整備事業は、旧建設省が、国民の歩くニーズにこたえ、歩くことを通じた健康・福祉活動を支援するとともに、魅力ある地域づくりを図るため、平成8年度から、安全かつ気軽に散策等を行うことができる歩行者空間のネットワークを推進することとしてハード面での整備を支援することとしたものであります。
 この整備事業を受けて、高浜市では、歩くことを通じた健康・福祉活動を支援するとともに、魅力ある地域づくりを図るため、安全で気軽に自然な風景や文化財などの散策を行うことができる歩行空間のネットワークづくりを目的に、ハード面とソフト面の両立を図るべくウォーキング・トレイル事業推進協議会を発足し、「歩けるまち高浜 甍のみち」を全体整備のテーマとし、「鬼のみち」「川のみち」「海のみち」の整備を進めてまいりました。
 その一つであります川のみちにつきまして御説明させていただきます。
 コンセプトとして、高浜市の代表的な河川である稗田川を中心に、その豊かな自然の風景に焼き物を取り入れた整備を行い、また、高浜市の人々のさまざまな暮らしぶりをかいま見ながら自然を楽しむことができるコースとして、「まちの中で自然に育まれ、安らぎを感じるみち」を整備テーマとして設定し、その実現を目指しています。
 道路空間の整備としては、交通規制を考慮して、歩行者専用道路の舗装と歩者共存道路の舗装を区別しております。都市部における多自然型水辺空間を実現するため、道路幅員を確保した残りの土地を水辺の緑の回廊事業によってポット苗を植えるエリアとして積極的に利用しております。
 また、橋詰は余剰地や背後地が多く確保できる場所であり、ウォーキング・トレイルの魅力づけとして再び足を運びたくなる飽きのこない拠点施設を設置しております。
 デザインコンセプト・景観材料については、あくまで自然が主役であるため、華美なデザインや景観材料は用いず、自然を引き立て、よく調和する木・石・レンガなど自然の素材を使い、高浜市の地域性を表現し市民に親しまれ、来訪者が楽しめるよう地場産業であるかわらを自然の中に調和させています。
 次に、そのコースでありますが、三河高浜駅と高浜港駅を交通の結節点としながら稗田川を中心とした全長約5kmのミドルコースであります。三河高浜駅から三高駅東線を東方向に進み、神ノ木線から神ノ木ふれあい遊歩道を経由して、稗田川堤防を小橋まで北上した後、折り返して前橋・法響橋・中学橋・稗田橋・吉野橋・論地橋を通過した後、外淵橋から碧南高浜線を横断して秋篠寺から高浜港駅に至るもので、全コースのうち大半は稗田川を歩くこととなるのが特徴でもあります。
 現在の進みぐあいでございますが、先ほど述べさせていただきましたとおり、このコースの特徴でもあります大半が稗田川沿いということから、その稗田川の河川改修事業と並行して整備を進めてまいりました。
 現在行われております前橋の架けかえ工事は、皆さんに工事中御迷惑をおかけしましたが、3月22日に開通式を迎えることができました。今後は愛知県において、前橋から小橋の間の稗田川拡幅工事が平成23年度、24年度の2カ年で施工される予定であり、その後、川のみちの整備を進めていく予定でございます。
 最後になりますが、ウォーキング、すなわち歩くことは、だれもがどこでも気軽に行える気軽さに加え、高齢化社会の到来、自由時間を利用した健康管理意識の向上が大きな原因となり、幅広い世代に手軽なスポーツとして、また、身近な健康づくりの手法として定着していること、また、稗田川が多自然型河川改修事業として整備されてきたことから、緑豊かで魅力的な水辺空間に親しむことができることから、川のみちにつきましてはますますその需要が高まることが予想されます。
 今後につきましては、市民の皆さんに、安全に楽しく快適に利用していただけますよう、その適正な維持管理に愛知県とともに努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
〔都市政策部長 小笠原 修 降壇〕
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) 続きまして、杉浦敏和議員御質問の1問目、こども発達センターについてお答えをさせていただきます。
 高浜市いきいき広場は、高齢者福祉のワンストップサービスを実現することを大きな目標として、平成8年に開設されております。
 その後、平成18年度には障害者自立支援法が施行されたことを契機として、高齢者福祉に加え、障がい者の地域生活支援と障がい者福祉のワンストップサービスを目指し、地域包括支援センター内に障害者相談支援事業所を設置し、相談体制の充実に努めてまいりました。
 一方で、近年では、保育園、幼稚園や小・中学校での発達障がいが大きな課題となっており、その対応が求められているところでございます。
 また、いきいき広場の家庭児童相談室では、児童虐待やひとり親世帯における相談が増加しており、子供、親、家庭に対する対応も必要となってきております。
 あわせて、子供に対する相談内容も複雑化し、虐待、ネグレクト、DV、非行、不登校、健康、障がい、子育てなど多岐にわたり、従来の乳幼児期は保健福祉グループ、虐待や障がいは地域福祉グループ、幼稚園、保育園はこども育成グループ、小・中学校は学校経営グループといった縦割りの役割分担から、専門職を中心に関係機関が連携し、チームで包括的に支援する体制への転換、こども版地域包括ケアの構築が必要となってきました。
 本年4月からは、これまでの高齢者と障がい者に加え、子供の発達障がいを初め、子供の相談窓口の集約化、一元化を目指し、全世代楽習館で実施しておりました不登校相談事業をいきいき広場に移転するなど、新たないきいき広場の相談支援体制を構築してまいります。
 次に、親が子供の障がいを理解し、受け入れ、さらに支援につなげていく体制づくりについてお答えをさせていただきます。
 幼児期は、幼稚園や保育園での集団生活を通して社会性を身につける時期となります。親にとりましても、親同士や医師、保健師、教諭や保育士などの専門職や支援者との関係を築いていく時期でもあります。
 また、この時期に、発達に関する子供の診断を受ける場合も多くあり、診断を受けた親の心理は不安の中に置かれ、障がいに対する理解や受け入れが困難な場合も当然出てまいります。とりわけ、運動や言葉の発達には著しくなおくれが見られない発達障がいの場合は、親もその障がい特性に気づきにくく、周囲からもさまざまな誤解を受けることがございます。
 こども発達センターが保護者と信頼関係を構築し、障がいに対する理解と受け入れについての相談窓口となり、障がいについて一緒に考え、専門職を含めチームで支援を行っていくこと、また、必要に応じて専門機関につなげ、支援が途切れることのないようライフステージに応じた継続的に支援をしていくこと、まさにそうした役割を担うのがこども発達センターであると考えております。
 次に、5歳児健診と健診事後相談についてお答えさせていただきます。
 5歳児健診は、3歳児健診終了後、小学校入学前に行う就学時健診までは、実態として公的な健診機関がないこと、また、3歳児健診の受診時は未就園であり、集団生活を経験した年中児に健診機会を設け、就学に備えるというものであります。
 9月議会の一般質問でお答えをさせていただきましたように、発達障がいに関しては専門的な小児神経科医に、3歳児健診と新たに実施します5歳児健診を担っていただき、あわせてそれぞれの健診事後相談を実施してまいります。相談日は月2回で、第2、第4水曜日を予定しております。
 なお、4カ月児健診、1歳6カ月児健診につきましては、高浜市医師会に担っていただきます。
 次に、発達相談事業、早期支援事業につきましては、専門職として臨床心理士、言語聴覚士、作業療法士それぞれ1名を配置してまいります。
 また、相談事業の実施日につきましては、小児科医の健診事後相談が水曜日であることから、毎週水曜日に行い、個別の支援事業については、毎週月曜日に実施することを予定しております。
 この相談事業と支援事業の実施につきましては、保護者同伴となりますことから、保護者が相談をする中で、実際に子供自身がその場で指導を受け、あわせて訓練を受けるといったケースも想定しております。
 次に、個別支援ネットワークシステムの構築についてお答えをします。
 こども発達センターの基本は、関係者、関係機関と専門職が連携し、チームで子供をサポートし、継続的な支援を行っていくことにあります。
 まずは、本年4月より関係グループと専門職が集まる連絡及び検討会を立ち上げ、子供に対するよりよいサポートの実現に向け、定期的に開催してチームで支援する体制を構築してまいります。
 また、当事者組織の交流事業として、子供との接し方、進路はどう考えたらよいのかなど、同じ課題や気持ちを共有し、支え合う仲間づくりからスタートさせ、交流を通してより主体的に保護者同士がつながり、集えるような自主的交流事業へとつなげていきたいと考えております。
 以上、こども発達センターでは、ただいま申し上げました各種事業の実施を通し、子供の将来の地域生活を見据え、ライフステージに応じた一貫した支援を行っていくことを目標として進めてまいりますので御理解・御支援を賜りますようお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
議長(小野田由紀子) 3番、杉浦敏和議員。
3番(杉浦敏和) ありがとうございました。
 再質問と、それぞれの質問に対しての御答弁をいただいた内容についての私なりの考え方を申し述べさせて質問とさせていただきます。
 初めに、Cop10の成果と今後の取り組みについてですが、大山緑地での自然学校では、親子10組の参加者と一緒に大山緑地の中でドングリやコケ、シダなどを採取して、手の平よりか少し大き目の間伐材を使った箱を利用して箱庭づくりをいたしました。つくった箱庭は、ことしの梅雨時から夏ごろに自宅の庭などに置いて、クワガタなど昆虫が飛んでくるのを待つということでした。自然に近い環境教材をつくるのがねらいで、自然に飛んでくる昆虫を観察する大切さを子供たちに伝えたいとも言われておりました。
 クワガタがすみついた箱庭を、当日は参加者が見れるように大山公民館にたくさん並べてもらいました。参加した子供たちは、たくさんの形の違う箱庭を見ながら、どの箱庭に昆虫がすみついているのか熱心に探しておりました。つくった箱庭は皆さん自宅に持ち帰りました。
 来年度もあいち森と緑づくり事業の一環として、今年度同様に大山緑地での自然学校が開催されるとのことで、昨年つくった箱庭にことしの夏、昆虫がすみついたといったような報告が子供たちから聞けると楽しいと思います。昆虫は店でも買うことができますけれども、別の場所に連れてくることになり、生態系を崩す一因になることを知ってほしいとの話でした。
 昨年10月に、名古屋でCop10「生物多様性条約第10回締約国会議」が開催され、人間活動によって破壊された自然環境や種の絶滅をどのように食いとめ、人類との共存の形を模索するのか議論がされました。
 また、年末には、メキシコのカンクンで気候変動枠組み条約第16回締約国会議Cop16が開かれました。温暖化と生物多様性の問題は、先進国と途上国との利害関係が大きく隔たり、合意が難しい状況にあったとのことでしたが、しかし、どちらの会議も最終日に議長私案を提示し合意がされております。
 2つのCopは、重要なメッセージを伝えております。だれも決裂は望んでいないのであります。温暖化と生物多様性の問題、地球環境への危機感は共有されつつあると思います。気候変動と生物多様性の問題は、ワンセットで取り組むべきとの声も次第に大きくなっています。途上国での森林破壊を回避し、温室効果ガスを減らす活動は名古屋でも話題に上がり、カンクンで合意され正式に推進されるとのこと。健全な森林はCo2を吸収してくれます。
 自分でつくった箱庭にクワガタなどの昆虫が飛んできたらすばらしいことだろうと思います。こうしたことから自然の大切さを学べると思います。温暖化対策に子供たちが関心を持つことで家族みんなで取り組み、自然を取り戻していきたいものだと思います。
 川のみちについて再質問をお願いします。
 川のみちは、そのコースの大半が稗田川沿川であり、答弁にもありました前橋の架けかえ工事も終わり、今月22日が開通式の運びとなります。小橋までの堤防が築造された暁には、川のみちの整備も完成できるようにお願いをしたいと思います。さらには適正な維持管理についても心配りをいただけるとのことであり、よろしくお願いをしたいと思います。
 川のみちとして、稗田川は高取小学校区での地域資源の一つであり、地域としても維持管理に努めているところであります。地域ではNPOたかはまの清流会、水明会、十七八会などで稗田川堤防の草刈り、清掃、育樹など環境美化活動に努めています。高取小学校区のまちづくり協議会では、花と緑であふれる稗田川として彼岸花の植栽やライラック・花海棠の植栽を進めています。
 2年、3年過ぎるころには、桜の花、ライラック・花海棠の花が咲き乱れることを楽しみにしておりますし、秋には彼岸花で散歩される人々の気持ちをリラックスさせることができると思います。安心して歩けるということから、法響橋から中学橋の下流までの左岸、堤防の密集した樹木の間伐をまちづくり協議会で実施し、対岸からも散歩している人が見えるようになりました。
 ウォーキング・トレイル事業計画の中には含まれていたのかわかりませんが、基本構想の中には歩くことの大切さや歩くことの楽しさを充実させる意見・アイデアがたくさん出ていたように思われます。きょうは何キロ歩こうという目的を持ったら、川のみちに距離表示があるといいと思います。表示の仕方も工夫をされると楽しくなると思います。川のみちに距離表示をするお考えはありますか、お聞きします。
議長(小野田由紀子) 都市整備グループ。
都市整備G(平山昌秋) 御質問の距離表示につきましては、小橋までの河川幅員工事が完了しましたら、地元の皆さんの意見、それと御提案をお聞きしながら稗田川の沿川に距離表示の看板設置をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 また現在、朝夕を問わず稗田川のウォーキングをしておられる方々がたくさん見受けられますので、暫定的に簡易的なものでございますが、設置をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
議長(小野田由紀子) 3番、杉浦敏和議員。
3番(杉浦敏和) ありがとうございました。ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 距離表示が見れるようになると、きょうは何キロ歩いたとか、何キロきょうは歩こうかとか、みずから目的を持って歩けるようになると思います。みずから決めてみずから実践、決めたことをやり遂げることで、自分自身を鍛えることにもつながると思います。
 ウォーキング・トレイル事業の基本構想の中には、歩くことの大切さや歩くことの楽しさを充実させる意見・アイデアがほかにもたくさん出ていました。気持ちよく歩くためには、トイレの心配は体によくありませんし、もう少しトイレがあると安心して楽しい散歩ができるのかなと、そんなふうにも思います。
 御答弁にもありましたが、高齢化社会の到来、健康管理意識の向上、緑豊かで魅力的な水辺空間に親しむことができることから、川のみちの需要が高まるとの予測もされています。14年前の基本構想から世の中の流れ、環境の変化も著しく変化してきていると思います。緑豊かでという内容では、散歩されている方々がその樹木の名前を知ることができれば楽しくなると思います。樹木に名前の看板をつけたらどうでしょうか。
 高齢化社会の到来は我がまちだけではありません。高齢者の健康づくりの公園も各地で見られるようになってきました。あいち健康の森公園の健康ロードでは、大人の方々にも楽しめる体力測定や体力づくりのできる設備・機材が散歩できる道のわきに点在しています。
 いきいき広場のマシンスタジオとは違い、あくまでも散歩をする。屋外で散歩することがメーンとなっています。こうしたアイデアを盛り込んだ川のみち、こういった公園づくりを検討していただけるといいのかなと思います。他部署との調整などが必要になると思いますが、堤防、川側の空き地のつけかえができれば背後地が確保でき、有効活用が図っていけると思います。
 地域のことは地域で考えていく時代にもなってきています。川のみちの線で稗田川沿川の設備・機材の充実とその設置後の管理までを描いて進めていく必要があると思います。地域に持ち帰って、より具体的な内容に煮詰めてまた後日提案していきたいと、そんなふうに思っております。
 それでは、最後にこども発達センターについて再質問をお願いします。
 まずは健診と健診事後相談の件ですが、健診も事後相談とあわせて実施することに意味があると思いますが、3歳児健診と5歳児健診以外の医師による相談体制は検討されてみえるかという点と。
 関係グループと専門職が集まる連絡及び検討会を立ち上げるというお話がありましたが、具体的なメンバーが決まっているのかどうかという点。
 専門職の確保、それと発達障害人材育成事業について、前回の一般質問では日本福祉大学を想定しているとお聞きしましたが、変更はあるのか。
 以上3点について教えてください。
議長(小野田由紀子) 保健福祉グループ。
保健福祉G(加藤一志) お答えいたします。
 議員がおっしゃいますように、健診と健診事後相談は一つのパッケージとしてとらえ、健診から上がってきましたさまざまな心配事に寄り添い、将来の就学がスムーズに迎えられる体制が望ましいものと考えております。まずは健診事後相談から始め、将来的には対象者を拡大してまいりたいと考えております。
 次に、関係グループと専門職が集まる連絡及び検討会のメンバーについてですが、臨床心理士、作業療法士、言語聴覚士の専門職に加え、障害者相談員、家庭児童相談員、保育士・教諭職、生徒指導相談員、特別支援教育コーディネーターに保健師などの関係者が集まるような体制を考えております。
 また、専門職と発達障害人材育成事業につきましては、高浜市の福祉を熟知し、福祉の人づくりを専門的に行う日本福祉大学が高浜市を研究フィールドとして位置づけていることから、ともに連携してこども版地域包括ケアの構築、ひいては高浜版地域包括ケアシステムの構築につなげてまいりたいと考えております。
 以上です。
議長(小野田由紀子) 3番、杉浦敏和議員。
3番(杉浦敏和) ありがとうございました。
 保護者の中には、子供の障がいに対して理解や受け入れが難しい方もみえると思います。そうした場合でも、親の立場や家族の気持を理解して長い目で見る、根気よく対応していただけるようにお願いをしたいと思います。
 1月の中日新聞に、発達障がいの悩みを漫画でいやすとの記事が掲載されていました。発達障がいは重い症状が伴わず、通常学級に通う児童が多いが、学習のおくれやいじめで本人、家族が悩みを抱え込んでしまうケースが指摘されています。障がい児の親はストレスをため込み、虐待に走るケースもあるとのことです。そのような子を実際に持ってみないと、その立場にならないとなかなか理解されないことなのかと思います。漫画で発達障がいの理解が広がり、いじめの抑止にもつながってくれればと願っているとの内容でした。具体的な事例を漫画で読むことで、親は心を落ちつかせることができるとも書かれていました。
 広報たかはまの“子育て・子育ち”にも発達障がいとはの記事も載っていましたが、漫画のように読んでもらえるのかなとそんなふうにも思いました。このような漫画なども相談支援事業の中で参考になるのではないでしょうか。子供の将来の地域生活を見据え、支援が途切れることのないように、ライフステージに応じた継続的な支援を行っていただきたい、そんなふうに思います。一歩ずつ着実に、よりよいこども発達センターとしていただくことをお願いして質問を終わります。ありがとうございました。
議長(小野田由紀子) 暫時休憩いたします。再開は午後2時20分。
午後2時11分休憩


午後2時20分再開
議長(小野田由紀子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、8番、内藤皓嗣議員。一つ、経営戦略について。一つ、危機管理について。一つ、成年後見制度について。以上、3問についての質問を許します。
 8番、内藤皓嗣議員。
〔8番 内藤皓嗣 登壇〕
8番(内藤皓嗣) 議長のお許しをいただきましたので、さきに通告しております、新たな組織構造改革において設置されました市長直轄組織としての事業であります経営戦略と危機管理について、及び成年後見制度についてを質問させていただきます。
 初めに、経営戦略につきましては、昨年1月1日付で組織構造改革が行われ、経営戦略グループが設置され、企業誘致、コミュニティビジネスの創業支援、がんばる中小企業者への支援等取り組まれたところであります。
 商工など産業の発展は、地域の発展や市民の雇用の確保など地域発展の原動力となるものであります。また、協働による社会を目指すこれからの高浜市にとっても、企業との連携は欠かせないものとなっております。
 地場産業への支援、新たな企業誘致や起業精神に燃える人たちへの支援、地域の資源を活用または発掘し、地域の問題を解決するためのコミュニティビジネスに向けての人材育成や支援は、高浜市の将来に対する投資でもあります。経営戦略グループが取り組まれたこの1年の取り組み状況やその成果についてお伺いいたします。
 2問目に、危機管理についてお尋ねいたします。
 安全・安心は、あらゆる国民が望む社会の基本であります。自然災害の多い我が国では、犯罪、戦争、交通事故、食品の安全などに加え、地震や台風などに対する安全確保が重要となります。地方自治体にとっては最も重要なことは、住民の生活と生命を守ることであり、地域防災計画に基づいて災害被害を軽減すべく種々の防災施策を実施してきているところでございます。
 そのような中で、国家を揺るがすような巨大地震災害に見舞われる可能性が周知されるようになってきました。私たちを取り巻く自然、人工、社会環境の変化や、私たち自身の生活スタイルや意識の変化により、災害被害の様相が大きく変わってきました。すべての市民が正しい災害意識を持って、個人・個人の災害対策努力の結集により、総力で災害被害の軽減を図ることが重要となってきています。
 市長のマニフェストの中にも、災害や大規模事件、新型インフルエンザなど、市民の生命に重大な被害が生じるような緊急事態が発生した場合に、全市を挙げて迅速かつ総合的に対応する危機管理体制の整備を挙げておられます。
 また、第6次総合計画の基本計画の中でも、災害等の危機から生命を守ることはまちづくりの根幹にかかわることととらえ、市民・地域・行政がそれぞれの役割のもと、危機・災害発生時の対応能力を高めるとし、自然災害に対する未然防止、発生時の対応、応急対策など、防災体制を強化することが重要であるとしております。
 そこで、高浜市の現在の危機管理への取り組みがどのようになっているのか、その体系や事業者、市民団体との連携についてどう考えているかをお伺いいたします。
 3問目の成年後見制度について。
 認知症や知的障がいなどで判断能力が不十分な方を保護、支援する制度である成年後見制度についてお尋ねいたします。
 本制度につきましては、平成12年の開始以降、10年間が経過し、制度の必要性と理解は年々高まっておりますが、一方で高齢者をねらった悪質商法が後を絶たないなど、成年後見を必要とする方がこの制度の利用に結びついていないという声も聞かれております。
 全国的に見ると、制度の浸透が図られたことにより、申し立て件数は毎年増加傾向にあります。平成21年に成年後見人等の選任がなされた件数は、約3万件に達し、現在、成年後見制度を利用している方々の累計は17万人とも言われております。
 しかし、各種の統計によれば、認知症高齢者は全国で約20万人とされており、今後30年間で400万人に増大するとも言われております。また、知的障がい者・精神障がい者を加えると、判断能力の不十分な方は、約500万人とも言われており、現在の成年後見制度の利用者数に照らし合わすと、利用が必要な方々の多数がこの制度の利用に至っていないものと考えられます。
 そこで、成年後見制度の仕組みと、現在の高浜市における取り組み状況、また、推進に向けた課題についてどのように考えておられるのかお伺いいたします。
 以上で第1回目の質問といたします。
〔8番 内藤皓嗣 降壇〕
議長(小野田由紀子) 杉浦副市長。
〔副市長 杉浦幸七 登壇〕
副市長(杉浦幸七) それでは、内藤皓嗣議員の1問目の経営戦略についてお答えさせていただきます。
 経営戦略グループは、昨年1月1日付けの組織改革に伴い、活力ある高浜市をつくるために産業基盤の強化に力を注ぐため等に特化した目的を持って、職員3名のグループとして発足しております。このグループの主な業務は、企業誘致の促進に関する業務、コミュニティビジネスの創業・支援に関する業務、がんばる中小企業者への支援に関する業務、福祉園芸に関する業務の4つの業務を柱といたしております。
 それでは、この4つの業務に対する取り組みと進みぐあいについて申し上げます。
 初めに、企業誘致の促進に関する業務でありますが、この業務は、グループの発足した目的の柱でもあり、産業基盤の強化に直結する業務であります。新たな財政基盤の確保や雇用創出を目的としており、この目的達成に向け、グループ発足後、直ちに現地現物、顧客主義の視点から、市長と私が先頭となり、グループの職員とともに企業訪問をいたしました。その際、グループの役割の一つである企業へのサービスの向上、ワンストップサービスを目指した企業向けの総合窓口としての役割をPrいたしました。その後、数社の企業から相談や要望をいただいております。
 その主な内容を一部御紹介申し上げますと、一つ目は、新規事業展開(参入)に向けた補助制度の調査や要望、2つ目は、工場の拡張敷地や従業員の駐車場用地の確保に伴う関係法令の調査、3つ目は、将来的な設備投資に先立ち、工場周辺の緑地の確保に関する相談、4つ目は、工場の移転に伴う工場跡地の利活用の検討、5つ目は、公共事業の進捗などに関する情報提供の要望などを初め、数多くの相談や要望を受け、できる限り迅速にお答えいたしております。
 一方、本年度、現段階における高浜市企業誘致等に関する条例の奨励対象企業として申請をいただいた件数は、工場の新設1社、工場の拡張1社という実績となっており、昨今の景気低迷のあおりが影響しているものと考えております。
 このような状況下ではありますが、行政のトップが先頭に立って企業訪問を実施したことに加え、企業向けの総合窓口を市長直轄の組織として編成したことは、企業との間により一層良好な関係が築けたと考えております。また、先ほども述べましたが、企業からは数多くの相談や要望をいただいていることは、当グループが認知された結果であり、グループ発足の成果であるととらえております。
 なお、引き続き企業訪問を積極的に実施しながら、支援事業の推進を図り、企業誘致に取り組んでまいります。
 次に、コミュニティビジネスの創業・支援に関する業務であります。この業務は、地域に住む人が主体となって、地域が抱えている課題をビジネスの手法により解決し、また、コミュニティの再生を通じてその活動の利益を地域に還元するという事業を創出・支援する業務であります。
 本年度は、地域が抱えている課題の把握に努めるために、市内の各宅老所の運営を行っているボランティアスタッフや宅老所の利用者に、困り事やこうしてほしい等を聞き取るつぶやき調査を実施いたしました。あわせて、コミュニティビジネスの創出に向け、専門的な立場からの指導や意見をちょうだいするため、中部経済産業局、愛知県の関係部署や東海・北陸コミュニティビジネス推進協議会の事務局を担っているNPO法人起業支援ネットとたび重なる協議をいたしております。
 また、新たな気づきや地域資源の種を発掘するため、日本政策投資銀行の藻谷浩介さんを本市にお招きいたしております。この藻谷さんは、平成合併前に全国の約3,200市町村の99%を訪れ、さまざまなデータから現場の事例をもとにまちづくりの問題を分析されている方で、高浜市内を一緒にまち歩きをしていただきました。その中で、私たちがふだん当たり前に見ていたものや、見えていなかったものに対する気づき、こうすれば名物になる、観光名所となりにぎわいを創出することができるなど、各地域の事例を交え、エッセンス、アドバイスをいただきました。
 来年度は、コミュニティビジネスに関する人材発掘、育成をねらいとしたセミナーの開催や先進市の事例調査を実施し、コミュニティビジネスをやってみたいと思われる方のマインド・やる気を高めるための仕掛けづくりを進めてまいります。
 次に、がんばる中小企業への支援に関する業務であります。御承知のとおり、平成22年1月よりがんばる事業者応援補助制度を実施いたしております。この制度は、市内で事業を営む中小事業者などの方が経営・技術改善を通して、経営基盤・技術競争力などの強化を目指すための活動の一部を補助するものであります。
 この補助制度の内容と実績を御報告いたしますと、補助の内容は大きく2つに区分しており、1つ目の補助の1では、中小企業診断士等の方に経営診断などを行う事業者に対して補助をいたしております。これは事業者への気づきを目的といたしております。現在まで申請件数は8件となっております。次に、補助2では、補助1の診断結果等に基づいて設備などを導入される場合の費用の一部を補助いたしており、申請実績は9件であります。
 この結果として、具体的な事例を御紹介申し上げますと、市内で電気工事業を営む小規模事業者の方で、顧客のボイラー室の電気工事に伴い、煙突の排ガス熱を回収して温水が出るシステムを発案されています。しかし、このシステムの具現化には開発費用の問題もあり、具体的な実施には至っていませんでした。そうしたときに、商工会によるこの制度の紹介が後押しとなり、廃熱回収システムを顧客に紹介するためのデモ機を製作されました。
 その後の状況をお尋ねすると、システムの特許申請をされたことに加え、購入事業者が数社あるということ、また、大手ボイラー設備業者との業務提携を行い全国販売を展開することとなったとお聞きしております。こうした結果は、事業者への支援について、商工会との定期的な懇談会を開催するなど情報共有、共同支援、迅速な行動に努めた成果であると考えております。
 なお、この制度は、平成23年度までの時限的なものとなっておりますが、制度の評価を怠ることなく、今後も商工会と連携を図り、本市の産業振興に努めてまいる所存でございます。
 続いて、福祉園芸に関する業務であります。福祉園芸は、地域資源の活用やチャレンジドの農作業を通じた交流などにより、チャレンジドの働きたいという自立への思いを応援していくことを目的にしております。平成21年3月に市職員によるシルバー農園整備検討プロジェクトにおいて(仮称)園芸福祉農園整備検討結果報告書をもとに担い手、出荷先の確保、圃場の規模、場所の選定、収支計画などの具現化について検討いたしております。
 今までの調査・検討内容を具体的にお話しいたしますと、初めに県内を中心に先進的な市町村の農園の現状把握に努めました。近年、障がい者の自立支援を目的とした農園整備が進められており、開園状況、障がい者の作業内容、設備状況、収支状況、運営上の課題などについて調査し、各現場でお伺いした貴重なお話は、福祉農園を検討する上でとても参考となっております。
 一方、市内で福祉農園の担い手となり得る障がいを持つ方が関与している団体に対して、現状の課題や要望などをお聞きいたしました。お話では、チャレンジドは、障がいの状況により作業内容への順応に個人差があり、さまざまな作業があればチャレンジドも参加しやすくなるということ。また、チャレンジドと地域の方と触れ合える場があれば、チャレンジドに対する理解を深めていただける機会がふえるのでうれしいとの御意見をいただきました。
 さらに、福祉園芸の検討において最も重要な点といたしましては、栽培した作物に対する需要の把握であることから、無作為に抽出した市内の工業関係約200事業者に対し、花の苗などの利用状況についてアンケート調査を実施いたしました。アンケートの結果は、「すてきな企画だと思います。チャレンジドたちがつくったものなら積極的に利用したい」などの御意見をいただいております。
 これらを踏まえ、障がい者の作業内容、圃場の規模、収支計画の作成、運営団体の検討などを行っておりますが、さらなる課題が明らかになっている状況でもあります。とは申しましても、障がいのある人がその適性と能力に応じた職業につき、その職業に生きがいを感じ充実した毎日を過ごし、障がいのない人たちと同じように生活し、活動できる社会づくりの理念を実現することは極めて重要でありますことから、実現に向けて引き続き検討・検証してまいりたいと考えております。
 最後に、これらの業務以外にも、各種行政課題について調査・研究を実施いたしております。
 例えば、産業基盤の強化に関連する事例といたしましては、本市の地場産業である窯業関係の廃がわらや古がわらの処理についての取り組みであります。最近、生産地ならではの宿命として、廃がわらや古がわらが廃棄物処理法の施行以前に埋め立て材料として使用されている箇所があり、現在、その取引において廃棄物の処理に係るコスト問題が取りただされております。そこで、規格外がわらの再利用の拡大と民間事業者の土壌改良費用の軽減を図るため、関係機関への聞き取り調査を実施するとともに、廃棄物処理法についての規制の緩和を求め、国の新成長戦略に基づき創設が予定されている総合特区制度の制度設計に伴う新たなアイデア募集に提案をいたしたところでもございます。
 この提案が取り上げられれば、規格外がわらの再利用率が向上し、生産コストの軽減が図られ、地元産業の育成につながるとともに、民間の開発事業にあっても土壌対策に要するコスト縮減が期待され、地域経済の振興につながると考えております。
 以上、業務に対する取り組みと進みぐあいについてお答えさせていただきましたが、引き続き関係機関等との連携を図りながら情報収集に努めるとともに、グループの使命を果たすように取り組んでまいりますのでよろしくお願いいたします。
 以上、答弁とさせていただきます。
〔副市長 杉浦幸七 降壇〕
議長(小野田由紀子) 後藤副市長。
副市長(後藤泰正) 続きまして、2問目の危機管理についてお答えいたします。
 我が国では、阪神・淡路大震災を機に危機管理の重要性が強く認識されるようになり、その後、危機管理という言葉が社会的に定着するとともに、その意味するところが広がってまいりました。言いかえますと、その対象が風水害中心から地震災害へとシフトしたり、また、それまでは危機管理の文脈の中で語られることのなかった事件や事故にも危機管理という言葉が使われるようになりました。
 今日、自治体における危機とは住民の生命、身体または財産に重大な被害が生じ、または生じるおそれのある緊急の事態、危機管理とは危機への対処及びこの事態の発生の防止と定義することができます。
 これを高浜市に当てはめれば、市民等に重大な被害が生じ、または生じるおそれがある緊急の事態に、迅速かつ的確に全市を挙げて統一的に対処する体制を整備し、そのことにより市民等の生命、身体または財産への被害の防止または軽減を図ることと言えます。
 そこで、危機管理グループでは危機管理体制を充実するため、現在、その体制の整備を進めているところであります。
 まず、喫緊の課題である地震対策に対しましては、昨年4月に各部のベテラン職員をメンバーとする地震災害応急対策検討プロジェクトを設置し、8回の検討会を経て本年1月にプロジェクト報告書が提出されたところでございます。
 これまでの災害対策のよりどころとしている地域防災計画や各部の危機管理マニュアルには、災害時の応急対策として行うべき業務は記載されておりますが、業務の優先度や対応の時期に関しては明確には記述されておりませんでした。また、担当職員が充足できている前提となっておりました。しかしながら、大規模災害時には職員の登庁に時間を要し、発災当初は人員不足となることが考えられるため、優先度の高い業務から対応することが必要となります。
 そこで、このプロジェクトでは、地震災害時における応急対策を確実に実施するため、業務の優先度、必要な職員数、対応の時期等について検討し、業務を時系列化するとともに、いつまでに何をやるといった業務目標を設定いたしました。このことにより、災害対策本部長や各部の部長、班長が業務を遂行する際の判断指針となり、また、進行管理を可能とするものであります。
 引き続き、現在は本年7月をめどに、地震発生12時間後までの初動体制の見直しとして、災害対策本部に到着した職員に、順次災害対策業務を指示した場合、担当外であっても対応できるようにするための地震災害応急対応マニュアルを作成しております。
 次に、地震や風水害などの災害やテロ事件以外で、事件や事故など市民等に重大な被害が生じ、または生じるおそれがある緊急の事態に対しましては、平成23年度において危機管理要綱の制定を進めてまいります。
 要綱の内容といたしましては、想定される危機事案に対しては、あらかじめ所管部局で危機管理マニュアルを作成し事前準備をしておくこと、また、新たな危機事案が発生した場合には、被害または社会的影響の程度など危機レベルに応じて、対策チームにより部局で対応する場合と、対策本部を設置し全庁的に対応する場合を想定し、市民や報道機関への情報提供を含めた危機管理体制を構築することを考えております。
 次に、大規模な災害が発生した場合には、応急対策業務に加えて通常業務の中でも、継続することや早期に再開することが必要な業務を優先業務として実施する必要がありますが、そのためには事前に必要な職員や資機材の確保、配分や必要な対策を定めておく必要があります。そこで、非常時に優先的に実施すべき業務や休止する業務の選定、復旧の目標や業務の実施体制などを定めた業務継続計画を作成することを考えております。
 次に、危機管理グループの重要な課題の一つであります地域の防災ネットワークづくりについてでありますが、大規模災害の発生時には、行政のみでの対応には限界があることから、被害を軽減するために、地域の人々が互いに連携・協力していく防災協働社会の実現が望まれています。この防災協働社会では、1つ、自分の身は自分で守る自助、2つ、地域の人がお互いに助け合う共助、3つ、行政による公助の3つが連携することが必要であると言われております。
 災害に対して市民一人ひとりが備えることは大切でありますが、個人の力ではどうにもならないことが起きます。また、被害が広範囲に及び、消防や警察による救助活動を期待できなくなるかもしれません。こうしたときに、近所の人たちみんなで消火・救出活動をして被害を最小限にとどめるよう協力し合うという自主防災組織の役割は大変重要となります。
 そのため、本年度におきましては町内会の防災組織について、改めてその役割を認識していただくよう、総合防災訓練の説明会において資料を用いて御説明をいたしました。しかし、それぞれの組織が単独で活動するよりも、連携し合ったほうがより一層効果が上がります。
 そこで、次の段階として、自主防災組織が行政とともに地域の消防団、学校、民生委員、事業所などの団体や組織と連携・協力して、地域全体で防災に取り組むためのネットワークの構築を図ってまいります。
 そのため、平成23年度には、まちづくり協議会、町内会、未来をつくる市民会議などからメンバーを募り、専門知識を持つアドバイザーを招いてネットワーク構築のための勉強会を開催し、具体的な取り組みにつなげてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) 最後となりますが、内藤皓嗣議員御質問の3問目、成年後見制度についてお答えを申し上げます。
 成年後見制度につきましては、認知症や知的障がい、精神障がいなどによって物事を判断する能力が不十分な方に対して、その方の権利を守る援助者を選ぶことにより、法的に支援することを目的とするものであります。また、成年後見制度は、介護保険制度を初め、さまざまな福祉サービスと車の両輪の関係に立っており、切り離すことができない関係となっております。
 こうした両者の関係について、多少御説明をさせていただきます。
 まず、社会福祉の分野におきましては、成年後見制度創設と時を同じくして、平成12年に社会福祉基礎構造改革が行われております。この社会福祉基礎構造改革は、介護保険制度の創設に代表されるように、個人の尊厳を失わずに利用者本位の質の高い福祉サービスを提供するため、利用者とサービス提供者との間の供給方法を契約制度に転換するという方式を導入するというものでありました。
 この契約制度の導入に至った経緯でございますが、利用者のニーズは利用者自身が最もよく把握しているという考え方により、契約という方法により利用者に選択権を付与するというものであります。
 反面、サービス提供者と利用者とでは、そもそも両者の間に専門知識、交渉能力、情報収集力などにおいて大きな差があるため、契約にふなれな利用者にとっては、対等な関係で契約を結ぶことは困難な場合もあります。とりわけ、認知症高齢者や障がいのある方など、判断能力が不十分な方にあっては、1人で福祉サービスの利用契約を結ぶことは、より一層困難となってまいります。
 こうした課題を解決するためには、判断能力が不十分な方の契約締結能力を補うする仕組みが必要となることから、介護保険制度を初めとした福祉サービスと成年後見制度は車の両輪の関係に立っていると御説明をさせていただいたところであります。
 御質問の成年後見制度は大きく、将来、判断能力が不十分となった場合に備えて、だれに、どのような支援をしてもらうのかといったことをあらかじめ契約により決めておく任意後見制度と、家庭裁判所に審判の申し立てを行い、援助者として成年後見人などが選ばれる法定後見制度の2つに分けられております。
 また、法定後見制度につきましては、本人の判断能力に応じて、さらに後見、補佐、補助の3つに分けられ、成年後見人などは与えられた権限に基づいた支援を行うことになります。
 家庭裁判所に対する審判の申し立てにつきましては、本人、配偶者、四親等内の親族などに限られておりますが、該当する申立人がいない方については、市町村長が申し立てることも可能な仕組みとなっております。
 申し立て後は、家庭裁判所において、その方にとって最も適任だと思われる方が選任され、選任された成年後見人は、代理権、同意権、取り消し権などの法的な権限を行使して、本人の財産の管理や身の回りの世話のための介護サービスの利用契約、施設への入所契約、遺産分割の協議などを行い、判断能力が不十分な方の自己決定を支援することになります。
 また、申し立てに当たっては、申し立て手数料や登記印紙、その他申請に必要な診断書や戸籍などの書類としておおむね1万円程度の費用が必要となります。さらに、個々の事案によって異なりますが、本人の判断能力の程度を医学的に確認するため、平均しますと約10万円程度の医師による鑑定料が必要となる場合もございます。こうした費用につきましては、受益者である本人が支払うこととされており、また、成年後見人から報酬の請求があった場合には、家庭裁判所の判断により、本人の財産から報酬が支払われることになります。
 現状、申立人は、子、兄弟姉妹、本人の親、配偶者が大部分を占めておりますが、身寄りのない、あるいは親戚とつき合いがない単身高齢者の増加により、最近ではそれ以外の親族や市町村長などの申し立てがふえてきております。
 また、後見人と本人の関係では、子が一番多く、次いで兄弟姉妹、親、その他の親族、配偶者といった親族が大部分を占める一方で、市町村長申し立てに関しては、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職による親族以外の第三者後見人が占める割合が高くなっております。
 そこで、高浜市の現状でございますが、身寄りのない単身高齢者の方に対し、平成18年度に1件、平成21年度に1件、今年度3件の方の市長申し立てを行っております。また、このほかにも、成年後見制度利用支援事業として、申し立て手数料や鑑定料の助成に必要な予算の計上を行ってきております。
 さらに、市単独の取り組みといたしまして、成年後見制度の利用までは至らないものの判断能力が不十分な方に対する生活支援員派遣事業を、平成12年から社会福祉協議会に委託して実施しております。この事業は、自立した地域生活に向けて、生活費の払い戻しや公共料金の支払いといった日常的な金銭管理や通帳、キャッシュカードといった書類等の保管などを行うもので、現在17名の方が利用しておみえになります。
 このように、本市におきましても、成年後見制度の普及に向けてさまざまな取り組みを行ってはおりますが、御質問にありましたように、現在の利用者数等を考えた場合、成年後見制度を必要とする方が制度の利用に至っていないという実態もあるものととらえております。
 制度の利用に結びついていない原因としては、1つ目として、手続の煩雑さ、2つ目として、申し立て費用や鑑定費用、第三者後見人に対する報酬といった成年後見に係る諸費用の負担、3つ目として、身寄りや親族のない方に関する市町村長申し立ての自治体間格差、4つ目としまして、市町村における成年後見制度の理解の差、5つ目として、審理時間の長さ、6つ目として、親族以外の専門職などの第三者後見人候補者の不足といったことが挙げられております。
 とりわけ、第三者後見人候補者の不足につきましては、市町村長申し立てが浸透しない理由にもかかわるものであり、成年後見制度普及に向けた最大の課題とも言えます。
 また、高齢者虐待や孤独死といった問題、昨年来の高齢者所在不明といった問題などは、成年後見を必要とする方が制度の利用に結びついていない現状の裏返しとも考えられ、地域社会における高齢者をめぐる現況把握、早急な権利擁護の仕組みの再構築が求められているものと考えております。
 今後は、成年後見に対するニーズが増大することも予想されますことから、本市におきましても、そのときのために手おくれにならないよう、今から高齢者や障がいのある方の権利擁護をさらに充実させるための体制整備を進めていく必要があると考えておりますので、御理解を申し上げ、答弁とさせていただきます。
議長(小野田由紀子) 8番、内藤皓嗣議員。
8番(内藤皓嗣) ありがとうございました。
 企業誘致の促進、コミュニティビジネスの創出支援、がんばる中小企業への支援、福祉園芸など各種の取り組みについて御説明をいただきました。概略取り組み内容が理解できました。
 企業誘致につきましては、現在のような厳しい社会情勢の中にあっては大変難しい面があるかと思います。しかし、先ほどお話にありましたように、企業と窓口を市長直轄にすることによって企業との関係がより一層良好になっているということは、一つの進化であるというふうに思います。今後も企業のニーズを的確にとらえ、積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。がんばる中小企業への支援については、1年目として一定の成果が出たように考えます。チャレンジドのための福祉園芸については、いろいろと先進地での調査や園芸福祉農園整備検討結果報告書に基づいて多角的に検討されているようで、今後に期待していきたいと思います。
 そこで、ここではコミュニティビジネスについてもう一度お尋ねしたいと思います。
 今年度からコミュニティビジネスについて取り組まれているということですけれども、これまでの取り組みを踏まえ、今後どのような形でこれを推進していくのか、また、行政としてどこまで取り組もうとする方々に支援していく考えがあるのか、その辺をお聞きしたいと思います。
 また、先ほど日本政策投資銀行参与の藻谷さんを招いていろいろとアドバイスを受けたということですが、例えばどんなことをお聞かせいただいたのか、その辺についてもお尋ねしたいと思います。お願いします。
議長(小野田由紀子) 経営戦略グループ。
経営戦略G(深谷直弘) ただいまの2点の御質問でございますが、まず、取り組みといたしましては、当初の答弁のほうでも申し上げておりますが、コミュニティビジネスというのは本当に何気ない住民の方の課題ですね、こんなことになったらいいな、これが例えば行政ではできないだろうけれども、私たちが思っていることが実現したらいいな、そういった思いをまずくみ上げて、そこを地域資源を生かしながら、いわゆるビジネスモデルを使ってうまく地域の中で循環させていこうと、そういった取り組みでございますので、まさに行政側が主導的立場に立って仕掛けて実行していくというものではございません。
 そこで、来年度に向けてこの後御審議をいただくわけでございますが、当初予算ではセミナーの開催、それからこんなふうにうまくやっている事例がございますよというようなところへお連れして、そこできちんと自分たちで自立していけると、継続していけるようなそういった仕掛けをしていきたいと、そんなふうに考えております。
 2問目の藻谷先生の関係のアドバイス、どんなことがありましたというような御質問だったと思います。これは、ことしの1月11日に藻谷先生にお忙しい中をお越しいただきまして、市長、副市長を含めて、商工会の担当の職員さんも一緒に含めてまち歩きをいたしました。
 その中で、まず、いろんなアドバイスを各所でいただいたわけですが、大きく簡単に御紹介をいたしますと、まず1点目は、高浜って窯業のまちでしょうと、かわらのまちですということで宣伝を非常にしましたので、当然屋根瓦、それから足元の鬼瓦なんかもずっと見られたわけですね。その中で先生がおっしゃったのは、そういうふうにおっしゃるけれども、私がここへ立ったとき、港の駅前では何の案内もないですよねということをおっしゃいました。いわゆる大きい鬼瓦があっても、これがどういった経緯でつくられて、どういう位置づけになっているのかという、そういったものがないよと。だから、やはり我々思いましたのは、高浜の中に住んでおると自分がわかっているよということでしたので、そんなことでは駄目だよ、やはり必ずゲストの方にきちんとわかるようなそういった仕掛けをしていくべきですよと、それはそういう基本に立ってそういうことをしなさいよというふうなアドバイスがありました。
 それから一方、Ntpマリーナさんへ、海のほうへちょっと、高浜は海もありますのでということでお連れしました。そこでは、あそこはただボートが並べてあるだけかというような、私たちはそういうふうに外部から来るとお感じになるというふうに思ってはおったんですが、全く裏腹で、ここはこういうふうに清楚にボートが整列して並んでいるこの景色、それからこの中の海であって波が立たない。こういうところはライトアップをするといいよ。それはライトアップだけじゃ駄目だよ。確かにそこに仕掛けが要るから、地産地消のそういった例えば道の駅のようなマーケット的なものも必要じゃないのかなというようなアドバイスもいただいております。
 一方それから、最後は、お昼の時間もありましたので、吉浜のまちづくり協議会のほうで鳥めしのランチを食べていただいたわけですが、そこのところで御紹介をいただいたのが、いわゆる価値と価格という問題ですね。どなたに対して何を売るんだ、どの値段で売ったらいいのかということですね。ただ安く売ってたくさん売れればいいというものではないと。必ずそういった視点を見失うことなく、そういった物事に取り組んでいってくださいよというような、そんなアドバイスをいただきました。まだこのほかにもたくさんありますけれども、そういったものを参考に今後も取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
議長(小野田由紀子) 8番、内藤皓嗣議員。
8番(内藤皓嗣) やはり外部からの目というのは、我々には気づかないものを気づかせてくれるということを私も印象づけられました。コミュニティビジネスは地域に密着したまちづくり、あるいはまちづくり協議会の進展においても大きな位置づけとなってくると思います。豊富な人材の活用とまちの活性化につながりますよう、的確な情報発信や支援をお願いしたいと思います。
 続きまして、危機管理についてでございますが、答弁の中にもありました地震災害応急対応マニュアルの作成でありますとか、危機管理要綱の制定、また危機管理体制の構築、そして業務持続計画の作成、そして最後に地域防災ネットワークについていろいろございましたけれども、先ほどの答弁の中にもありましたけれども、ここのところをもう少し、もし詳しいことがわかればその目的、概要などわかればお聞かせいただきたいと思います。
議長(小野田由紀子) 危機管理グループ。
危機管理G(尾崎常次郎) 先ほどの答弁に関係しての御質問でございます。5点ほどあったわけでございますけれども、まず、地震災害応急対応マニュアルにつきましては、現行の危機管理マニュアルというものがあるわけですけれども、こちらについては各災害対策本部の部ですとか班の職員が、それぞれ所管する業務に関連した災害対応業務を処理するという前提で作成をされております。そこで、地震直後で担当職員が不在の場合には、かわりの職員が対応しようとするわけですけれども、これがまた難しい部分がございます。そこで、だれでも対応ができるようなわかりやすいマニュアルを作成するということで、関連する資料等も含めたマニュアルをつくっていきたいということで、現在作業を進めておるところでございます。
 それから、危機管理体制についてということでございますが、現在、災害に対しましては地域防災計画が、それからテロ等の事態に対しましては、国民保護計画にそれぞれ予防ですとか応急対策、復旧等が規定をされておりまして、対策本部の体制についてもそれぞれ規定をされているところでございます。そこで、これら以外の市民に重大な被害を生じるおそれのある事態に対して、あらかじめその体制と対策に関する基本的な事項を定めておきたいということで、危機管理要綱ということを考えております。先ほどの答弁の中にもございましたように、事態の危機レベルに応じて、情報収集の段階から全庁的な対応までの事態を想定して危機管理の体制を規定するとともに、平常時、応急時の対応、それから収束時といった時点での対策等について規定をしていきたいというふうに考えております。
 それから、業務継続計画でございますけれども、仮にこの地方、東海・東南海地震が連動して発生したような場合には、職員や施設が被災をして一時的に行政サービスがとまってしまうという事態も考えられます。そこで、こうした災害時でも優先して行う非常時の優先業務を特定して、業務の継続に必要な人や資源、こういったものの配分をあらかじめ決めておくというものが業務継続計画というものになるわけでございます。
 それから、地域の防災ネットワークづくりということでございますが、災害時に地域の人々が互いに連携・協力をするという防災協働社会におきましては、先ほどの答弁にもございましたように、まず自助、共助、公助、この3つが連携することが必要だと言われております。しかしながら、その前提といたしまして、この自助、共助、公助が機能していなければなりません。この自助のためには、防災に対する個人の備えができているという必要がありますし、共助のためには町内会のまず防災体制が機能し、また、災害時要援護者を含む地域住民の安否確認、こういったことが住民自身の手でできている必要があります。またさらに、地域で支援を必要とする人の把握がされておりまして、可能な範囲で地域住民から支援の手が差し伸べられているということになっておる必要があります。また、公助のためには、行政のほうに必要な情報が届けられて、必要な支援が求められていなければなりません。こうした中で、まちづくり協議会ですとか町内会、学校、PTA、民生委員、消防団、事業所、こういった団体、組織が連携・協力して地域全体で防災に取り組むネットワークを構築することによって、より一層効果が上がるようにすること、これを目指すものでございます。
議長(小野田由紀子) 8番、内藤皓嗣議員。
8番(内藤皓嗣) ただいまお聞きしたのは、災害が発生してからの対応ということだと思いますけれども、発生する前の対策であります予防でありますとか、減災についての取り組みも危機管理グループの中に入っているかと思いますけれども、耐震診断とか耐震改修も行われていると思いますけれども、その辺についても概略、いわゆる減災に向けてどのような対策が考えられているのか、その点についてもお聞きしたいと思います。
議長(小野田由紀子) 危機管理グループ。
危機管理G(尾崎常次郎) 減災についての御質問でございます。
 災害をなくすということはできないわけでございますが、災害が起きても被害を少しでも減らすということのための減災につきましては、現在その取り組みに力を入れているところでございます。例えば、新しい耐震基準で建築されたような住宅、これは大地震による倒壊などで人命を損なうというようなことは考えにくいわけですが、中にあります家具の転倒ということがあれば、負傷したり場合によっては人命にかかわるようなことも起きてまいります。したがいまして、この家具の転倒防止というのは、住宅の耐震性にかかわらず非常に有効な方策であろうということで考えておりまして、特にひとり暮らしの高齢者等を対象にした家具転倒防止器具取りつけ事業、こういったものを行ったり、それからまちづくり協議会のほうと連携して家具転倒防止の研修会、こういったものも実施しております。
 それから、昭和56年以前の旧耐震基準で建築された住宅というのは、大地震によりまして倒壊や損壊の可能性が高いということでございますので、無料耐震診断を実施するとともに、診断の結果、倒壊の可能性があると判定された住宅に対しましては、耐震改修費等の補助を行っております。それで、大地震の際に家屋の倒壊を防ぐということは、一義的に人命の保護ということのみならず、避難路の確保、物資の輸送、それから災害廃棄物の減少、こういった大きな波及効果を持つものであるというふうに考えております。それから、先ほどの答弁の中にもございました地域の防災ネットワークにつきましても、災害被害の減少に大きな力となるものというふうに考えております。
 以上でございます。
議長(小野田由紀子) 8番、内藤皓嗣議員。
8番(内藤皓嗣) ありがとうございました。
 ひとたび大きな災害が発生しますと、これまでに築き上げてきました生活基盤が一瞬にして崩壊してしまうものであります。これは愛知県の県民に対する意識調査の結果ですけれども、平成21年に東海地震・東南海地震に対する意識調査ということで行われまして、「地震に対して関心があるか」という問いに、94%の人が「関心がある」と答えておりまして、しかし、このかなり高い意識ですけれども、平成17年とそれから19年と徐々に意識が低くなってきておるんですね。それから、被害予想とか想定震度を知らないと答えた方が47%、旧基準の住宅に住む方で耐震診断に無関心の方が30%、これは平成19年度の調査より21年度の調査のほうが無関心の方がふえている。19年は18%となっており、無関心の方が多くなっております。
 また、家具の固定をしていないという方が50%、水・食料の3日分の備蓄や地域の自主防災活動への参加率も平成19年の調査よりも減少してきております。これは私が思うには、東海地震がいつ起きても不思議ではないと言われながら30年間が経過している状況の中で、危機意識が低下しているというか、慢性化しているのではないかというふうに思います。この点も十分考慮してといいますか、認識して住民の方への啓蒙をしていく必要があるのではないかと思いますので、その点も踏まえて取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、成年後見制度についてですが、先ほどの答弁の中にありました不足する後見人の受け皿につきまして、さらにお尋ねいたしたいと思います。
 厚生労働省では、今後、成年後見制度の必要性の高まりやその需要の増加に対応するため、弁護士といった専門職による後見人だけでなく、広く市民を含めた後見人、いわゆる市民後見人を中心とした支援体制の構築に向けた検討をしていると聞いております。そのため、来年度から市民後見人を確保できる体制を整備強化し、地域における市民後見人の活動を推進するためのモデル事業を実施し、将来には市町村や都道府県に市民後見人の養成などを求めることも聞いております。
 また、後見人、保護者の受け皿づくりとして、市民後見人の養成が既に自治体、大学、NPOなどさまざまな形で全国的に始まりつつあると聞いております。私は、高浜市のすべての人々が、この一人ひとりの持てる力を発揮して支え合っていくことが高浜市の目指すべき姿ととらえております。まさに市民後見人養成にもつながるものと考えます。そこで、こうした成年後見を担う人材養成の確保につきまして、高浜市はどのように考えておられるのかお伺いいたします。
議長(小野田由紀子) 市長。
市長(吉岡初浩) 今、御質問にもございましたように、成年後見に対する潜在的ニーズというのは非常に高いというふうに私ども考えております。市区村長の申し立ての利用が非常に少ないということで、こういったことにもきちんと啓蒙していかなきゃいけないということも思っておりますし、そういう機関を考える方向づけをしていかなきゃいけないというふうに考えております。
 そういった中で、私どももそうですが、介護相談員派遣事業を行う市町村では、介護相談員というのが既に介護サービス利用者への相談というのをしっかりと受けとめておる状況でございます。その中で既に身上看護といいまして、身の上の配慮に関しても配慮しながらそういうことに近い業務を行っておる段階でございます。そういった方々、介護相談員であったり、民生委員さんたちを活用したそういう成年後見制度にのっとって、人材育成というのが必要になってくるんだろうというふうに思っております。これはばらばらでやるのではなくて、国が音頭を取っていただいて、一体的にそういう有効的な仕組みづくりを行って、基本的に基礎をきちんと踏まえたそういった人材育成を早急に行っていく必要があると私どもも考えておりますので、これは市町村単位でやれるところはきちんとやっていかなければならないというふうに思っております。
議長(小野田由紀子) 8番、内藤皓嗣議員。
8番(内藤皓嗣) ありがとうございました。
 市民の一人ひとりが成年後見制度への理解を深め、地域における日常的な見守り体制の構築を図ることが成年後見制度の推進につながるものと考えております。ぜひとも高浜版地域包括ケアシステムの構築を図り、だれもが安心して暮らせる地域づくりに努めていただくよう期待いたします。
 以上で質問を終わります。
議長(小野田由紀子) 暫時休憩いたします。再開は午後3時30分。
午後3時21分休憩


午後3時30分再開
議長(小野田由紀子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、14番、井端清則議員。一つ、地域産業の振興について。一つ、水道事業の民営化について。以上、2問についての質問を許します。
 14番、井端清則議員。
〔14番 井端清則議員 登壇〕
14番(井端清則) それでは一般質問いたします。
 2点の項目で質問いたします。1つは、地域産業の振興について4点、2つ目は、水道事業の民営化について4点お伺いをいたします。
 最初に、地域産業の振興について。
 2008年秋のリーマン・ショック後の急激な景気悪化から2年半ほどたちますけれども、多くの中小企業・自営業者の実感は、景気回復にはほど遠く、「とにかく仕事が欲しい」「久しぶりに仕事にありついたけれども、単価は2割も減った」などなどの声が聞かれるなど、大変厳しい経営状況が続いているところであります。
 当市の事業所数でも、事業所・企業統計調査によれば、平成8年ピークのときの1,782社から直近の平成18年では1,543社へと239社も減少するなど深刻であります。なぜこのようなことになったのか。その大もとは、長年にわたって政府がとり続けてきた、大企業が成長すれば日本経済はよくなり、いずれは中小企業もよくなるというトリクル・ダウン的な発想のもとで行われてきた大企業優先の政策にその大きな原因があることを指摘しなければなりません。
 また、大企業は、この10年間で経常利益は15兆円から32兆円へと大幅にふえ、内部留保は142兆円から229兆円という途方もない規模に膨れ上がっておりますが、その巨額の利益をまともな還元と再投資に回していないことも大きな原因と言わなくてはなりません。
 したがって、今こそ一部の産業や大企業の国際競争力の強化と利益確保が最優先されるその一方で、中小企業政策はあくまでもそれを補うするものとしか扱われないという政策や、非正規への置きかえや過酷な中小企業いじめによって大企業が手にした利益が、企業数の99%を占める中小企業や国内総生産の6割を支える家計に還元されず、日本経済全体の好循環が生み出されていないという、この異常な経済の仕組みからの脱却がいよいよ待たれていると思うのであります。
 さて、このような状況のもとで、当市の地域産業振興のために4つの提言をするものであります。
 その1つは、中小企業振興基本条例を制定することであります。
 今日、当市では、中小企業振興のために幾つかの振興策を講じておりますが、既存商店街や地場産業の窯業などの活性化への効果は大きく見られておりません。ある意味では、従来型施策の行き詰まりを感じるものであります。そこで、行政がもっと地域経済の活性化のかぎとして中小企業を位置づけ、さらに地域独自の振興策を打ち出せるよう、その基盤をつくる必要があると考えます。そこで、中小企業振興基本条例を制定するよう提言するものであります。
 現在、中小企業振興基本条例は、都道府県を含め全国で50以上の自治体で制定がされておりますが、中小企業が果たす役割や、行政が中小企業の育成・発展のための施策を実施することを明記するとともに、地域内の大企業に社会的責任を求めるなど名称もさまざまであり、取り組み内容もさまざまでありますけれども、地域独自の施策を効果的に実施する上での根拠にもなっているところであります。この点では、生きた中小企業振興の施策展開のためにも、当市も中小企業振興基本条例を制定すべきだと考えますけれども、当局の意見を求めます。
 2点目は、市内全商工業事業所を対象とした悉皆調査を実施すること。
 3点目は、市内中小企業の市場開拓・経営能力を上げるための支援センターを設置することであります。
 最後は、企業誘致等に関する条例を廃止し、中小商工業者振興のための予算を増額することをそれぞれ求めるものであります。
 今日、大企業誘致のために税金を使うあり方を見直して、地域に根を張って頑張る中小企業、地場産業を応援する施策に切りかえることが求められております。
 全国各地で大企業呼び込みのための産業基盤整備と誘致補助金などが図られ、企業誘致のためには他の自治体より条件をよくすることが必要だと競い合っておるところでありますが、企業誘致の実態は、例えば1500億円をかけて開発した149haの企業用地に進出したのは3分の1だけという、千葉県の例で見られる誘致計画を大幅に下回る姿や、売れ残って荒廃した工業団地の姿、さらには大企業に事業費を下回る原価割れで造成用地を売却して、多額の住民負担が残されるなどが表面化し、企業誘致補助金そのものが企業誘致とは関係ないことを物語っているからであります。さらに、リーマン・ショックでの経済危機が広がると、大量の派遣・非正規労働者の首切りが行われ、補助金や減税の恩恵を受けた大企業が何の相談もなく工場を閉鎖する、また、撤退するといった住民生活と地域社会を乱暴に壊す事態も相次いでいるからであります。大企業を呼び込めば、そのおこぼれで地域が栄えるという政策は、今日、破綻していることは明らかではないでしょうか。
 そこで、このような状況から、当市が現在行っている企業誘致等に関する条例を廃止して、機械のリース代、借り工場の家賃補助、電気基本料金などの固定費補助、商店街のにぎわいをつくるための直接支援など、中小商工業者振興のための新たな予算措置や増額に充てるよう求めるものでありますが、当局の意見を伺いたいと思います。
 次に、水道事業の民営化について。
 昨年3月、地域水道ビジョンと水道事業形態検討委員会の提言書がそれぞれ公表されました。この中で、水道事業形態検討委員会の提言書では、同検討委員会の設立目的を、高浜市水道事業における将来の経営形態について、広域化や民間的経営手法など、手法・事例を調査整理し、本市水道事業に最適な事業運営方法を検討するとして、水道事業の3つの直面している課題、つまり更新財源の確保、2つは技術の継承、そして3つはマネジメントが挙げられておるところであります。
 また、その検討結果は、本市では、安全で安定した水道水の供給を将来にわたって継続するために、経営計画や事業計画などの事業の根幹にかかわる部分については公の責任において実施する必要がある。それ以外の技術的業務を含めた個別業務については、民間事業者の効果的なノウハウを利用するために、現状の個別委託についてはより効率化が図られる包括委託を実施する。2カ所の配水場については、さらなる効率的な事業運営が可能となる第三者委託の活用が効果的である。広域化については、事業統合により得られるメリットは大きいものの、本市単独での導入決定はできないことから、今後も関係機関との協議に努めると結論をそれぞれ出しておるところであります。
 そこで伺いたいと思いますが、このような水道事業の民営化を含む経営形態について、1つ、安心・安全の水の供給は担保されるのか。2つ目は、事業運営に要する更新財源確保や技術の継承等はできるのか。3つ目は、水道料金は値上げをしていくのか。当局の意見を求めます。そして最後、4点目は、民営化等への経営形態の検討を中止することについてであります。とりわけ民間委託問題は、関係部門の職員が削減されたり、本来行政が管理に責任を負うべき関係が弱められたり、さらには事業の継続性などの問題が心配をされますが、水道事業への民営化を含む経営形態にあっても同様の問題発生が心配されるところであります。
 したがって、水道事業は、将来にわたって安全で必要な水を供給することが事業の使命であり目的としていることから、利潤追求によって発生するさまざまな問題を回避できない民営化を含む経営形態とは根本的になじまないものであります。よって、民営化等への経営形態の検討を中止すべきだと考えますけれども、当局の意見を求めます。
 以上で質問の要旨といたします。
〔14番 井端清則議員 降壇〕
議長(小野田由紀子) 都市政策部長。
〔都市政策部長 小笠原 修 登壇〕
都市政策部長(小笠原 修) それでは、井端清則議員の1、地域産業の振興について。(1)中小企業振興基本条例を制定せよ。(2)市内全商工業事業所を対象とした悉皆調査を実施せよ。(3)市内中小企業の市場開拓、経営能力を上げるための支援センターを設置せよ。(4)企業誘致等に関する条例を廃止し、中小商工業者振興のための予算を増額せよについて順次お答えいたします。
 まず初めに、(1)中小企業振興基本条例を制定せよについてお答えいたします。
 平成23年1月24日の閣議決定において、「我が国経済はリーマンショック後の経済危機を克服し、外需や政策の需要創出・雇用下支え効果により持ち直してきた。しかしながら、急速な円高の進行や海外経済の減速心配により、昨年の夏以降、先行き不透明感が強まり、また、雇用も依然厳しい状況にある」と報告されています。
 また、平成23年1月の日本銀行の月例経済報告では、「景気は足踏み状況にあるが、一部に持ち直しに向けた動きが見られる。ただし、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。また、先行きについては、当面は弱さが残るものの、海外経済の改善や各種の政策効果などを背景に、景気が持ち直していくことが期待される。一方、海外景気の下ぶれ心配や為替レート・株価の変動などにより、景気がさらに下押しされるリスクが存在する。また、デフレの影響や雇用情勢の悪化心配が依然残っていることにも注目が必要」としています。
 お尋ねの中小企業振興基本条例の制定につきましては、平成22年3月議会におきましても御答弁させていただいておりますが、その考えはございません。
 議員も御承知のとおり、本市では愛知県陶器瓦工業組合、高浜市商工会を初めとする中小企業に対しまして手厚い産業振興への諸施策を支援しております。
 主な支援策は、高浜市信用保証料補助で愛知県融資制度の資金の融資を受ける際の負担軽減に貢献するため、愛知県商工業振興資金融資制度及び愛知県経済環境適応資金融資制度による保証協会の信用保証を受けた方で、金融機関からの融資を受けた方に対して助成を実施しております。高浜市信用保証料補助金は、商工業振興資金融資制度の補助限度額を20万円、設備投資に係る保証料の限度額を60万円、経済環境適応資金融資制度の設備投資に係る保証料の限度額を30万円とし、保証料の補助率も100%に据え置き、平成23年3月31日までの時限措置を1年間延長するなど経済情勢に柔軟に対応しているところであります。
 また、かわらを地場産業とする本市といたしましては、住宅の着工件数が減少する中、政府の補助支援等で太陽光発電システムの本格的な普及が促進する中にありまして、かわら屋根材と他の屋根材とのシェア争いが厳しく、特に新素材の屋根材等は脅威となっている現状にあり、この環境の変化にいち早く対応するため、平成22年1月より新築及びかわら屋根の全面ふきかえとあわせて太陽光発電システムを設置する際に、かわら屋根に設置していただける方に限り、現行制度の三州瓦屋根工事奨励補助制度にさらなる奨励として1kw当たり5万円、限度額20万円を上乗せすることとしていますので、それを加えますと最高限度額として和型45万円、平板等35万円を支援することによりかわらの販売の促進を図り、地場産業の振興に努めております。
 一方、平成22年1月にがんばる事業者を支援する制度を創設し、経営・技術改善を通して経営基盤・技術競争力等の強化を目指す中小企業者が、経営診断士やコンサルタント等による診断等に要する経費及びその診断等の結果に基づき事業改善を実施した事業者に対して、また、愛知県の中小企業者への経営革新、技術開発等の補助事業支援策等で補助決定を採択された、やる気と創意のある事業者に対しましてもその自己負担の一部を支援し、がんばる事業者を応援しているところでございます。
 そのほかの支援策としましては、たかはま経営塾への補助、創業支援資金利子補給、空き店舗活用創業支援補助等を初め、三州瓦及び三河の窯業製品を全国に宣伝紹介し、取引の増進と販路の拡大を図る施策の支援等々市独自の多数の支援策を展開しているところであります。
 なお、施策実施に当たりましては、さらなる情報交換の場として本年度から市長、副市長、商工会長、副会長等の幹部にも御参加いただき、複数回の情報交換を初め、愛知県陶器瓦工業組合が進めています地域資源を活用する品質向上・シャモット活用推進プロジェクト等で情報交換並びに情報の共有化を図り、関係機関との連携を密にした事業進展に努めております。
 また、第6次総合計画の高浜市の未来を描く市民会議の産業分科会におきましても、御承知のとおり、市民の皆さんと情報を共有した事業策定に努めたところであり、今後もこれらの施策を継続する中にありまして高浜市商工会、愛知県陶器瓦工業組合を初め、関係機関の皆さん方に御意見等をお聞きしながら産業振興に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、(2)市内全商工業事業所を対象とした悉皆調査を実施せよにつきましては、高浜市商工会では毎年会員に対しまして経営動向調査を実施されているところであり、その結果等を高浜市と商工会の懇談会の中で情報提供を受けております。また、第6次高浜市総合計画の策定に向けた事業所の意向調査を産業分科会独自でアンケート調査を実施しており、事業計画に反映したところでございます。当面は高浜市商工会が実施しております経営動向調査を活用してまいりたいと考えておりますので、市内全商工業事業所を対象とした悉皆調査は考えておりません。
 次に、(3)市内中小企業の市場開拓、経営能力を上げるための支援センターを設置せよについてお答えいたします。
 高浜市は、高浜市商工会が実施する事業に対しまして事業補助を支援しております。高浜市商工会は、会員の皆さん方に経営改善普及事業として経営指導員が事業所を巡回し、金融相談・税務相談・労働相談等経営全般についてさまざまな相談指導を実施しております。この指導をすることにより経営改善を図り健全な企業育成をするとともに、創業予定者を初めとした経営全般に係る相談窓口の設置により、経営改善に役立てる指導を初め、たかはま経営塾、創業支援融資、空き店舗利用等々の創業支援事業が実施されております。
 一方、平成20年度には高浜市の地場産業であるかわら製造業を維持していくため、愛知県の協力を得て、三河の瓦産業活性化検討委員会で業界の構造改善、Prマーケティング検討委員会を開催した結果、和瓦の製造・物流等を共同化することにより中堅3社の業務提携がなされました。また、三州瓦3社の合併による再編は、瓦業界では、この半世紀に例がないと言われるなど新たな業界の構造改善の動きが見られたのも、高浜市商工会が地域総合経済団体として十分機能していることから、中小企業支援センターの設置は考えておりませんので御理解をお願いいたします。
 次に、(4)企業誘致等に関する条例を廃止し、中小商工業者振興のための予算を増額せよについてお答えします。
 まず初めに、御承知のとおり、企業誘致の促進及び設備等の充実を図るとともに、市民の雇用機会の拡大に役立てることを目的とした高浜市企業誘致等に関する条例を平成19年度に制定いたしました。
 この制度は、製造業を営む企業が工場を新設、または増設された場合や、新たな機械設備などを購入された場合に、その後に発生する土地や建物、機械設備などに賦課される固定資産税などを奨励金としてお返しする制度であります。また、工場の新設や増設にあわせ、雇用が創出された場合や環境施設などが整備された場合に、奨励金を交付する制度としております。
 この制度は、当時、高浜市商工会や愛知県陶器瓦工業組合の関係者の方に、御意見などを賜り構築した制度であります。このことから、対象要件を定めるに当たり、当市の地場産業の特徴であります家内工場や一般的に言われる零細企業も対象となる制度とするため、これらの企業を単に中小企業者として区分するのではなく、中小企業基本法に定められた小規模企業者として区分し、小規模企業者については要件を緩和するなど、広く活用されやすい制度としております。
 このことから、本制度制定後、現在に至るまでの間、実績として9社の企業が奨励の決定を受けております。
 具体的に実績を述べますと、新たに工場建設に伴い申請された企業が5社、既存企業が工場の拡張や移転に伴い申請された企業が3社、また、既存企業が新たに機械設備を購入され申請された企業が2社という申請実績となっております。
 なお、ただいま申し上げた申請実績の中には、工場増設にあわせ、機械設備の購入に関する申請もされた企業がありますので、1社重複しておりますが、この申請実績を企業区分により区分しますと、大企業者が3社、中小企業者が6社となり、中小企業者の申請実績が全体の約7割となります。また、中小企業者のうち、小規模企業者の申請実績としては2社となっております。
 一方、この制度は、障がい者を含めた雇用の拡大につながる効果もあり、この雇用に関する申請実績としては、56人の新たな雇用が生まれる計画となっております。なお、障がい者の方の雇用についても1人の新規雇用が生まれる計画となっております。
 この制度は、そのほかにも企業の環境施設の整備促進などもあわせて促しており、実績としましては、透水性舗装の設置に伴う申請が2社、新エネルギー施設の設置に伴う申請が1社という実績になっております。
 このように、制度を制定して3年半でございますが、ただいま申しましたとおりの実績、また、中でも中小企業者に対する利用率が高いことや小規模企業者の実績を見ることができたことは、この制度が中小企業者や小規模企業者に対する支援・振興につながっている施策であるとのあらわれであります。
 最後に、企業誘致によって得られる地域経済への波及効果としては、生産、所得、雇用等の増加をもたらし、ひいては商工業者の振興につながります。このことから、今後においても、引き続き高浜市企業誘致等に関する条例を促しながら、さらなる企業誘致、既存企業への支援をしてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。
 次に、2、水道事業の民営化についてお答えいたします。
 (1)安心・安全の水供給は担保されるかについてお答えいたします。
 高浜市の水道事業は、昭和35年8月に創設し昭和37年3月3日から給水を開始いたしました。給水人口の増加や企業誘致に伴い、これまでに昭和42年度と昭和48年度の2回にわたり事業の変更認可を受け、高浜配水場、吉浜配水場を整備するとともに市内に給水する配水管を整備してまいりました。
 水道は市民生活の基盤であり、ライフラインとして安心・安全な水を継続して安定供給することを目的としていますが、平成6年8月には異常渇水により高浜市が供給を受けている県営水道の水源である牧尾ダムが枯渇し、愛知用水が給水制限を受けたことにより、愛知用水を水源としている受水団体では市民生活に大きな影響を及ぼす節水及び時間断水を余儀なくされました。当市においても、8月17日から8月31日までの15日間において午後11時から翌朝の午前3時までの6時間の夜間断水を行い、市民に大変御迷惑をおかけしました。このことから、愛知県においては二度とこのようなことは起こさないように新規水源の確保に努め、受水団体に迷惑のかからないよう安定供給対策が進められています。
 高浜市の対策は、配水池の耐震対策も含め平成10年度に高浜配水場に容量4,000?の配水池を増設して安定供給の向上を図りました。現在は高浜配水場に8,000?、吉浜配水場で6,530?の配水池を有することとなり、高浜配水場、吉浜配水場合わせて1万4,530?の容量となっております。配水池の容量は水道施設設計指針・解説に示されており、一日最大給水量の12時間分を確保することとなっておりますが、当市の場合では約16時間分確保されております。
 配水管については、平成21年度末での数値は、総延長は約21万7,000mになっております。従前から課題となっておりました地震に弱い石綿セメント管の布設替え状況は、更新事業を始める前の平成3年度末では石綿セメント管の布設延長が3万9,652mとなっておりましたが、現在は480.6mで更新率は98.8%となっております。この残延長分については下水道工事とあわせて平成24年度までに更新する計画であります。
 また、配水管の耐震対策は、国庫補助事業で災害時の避難場所や病院などに給水している配水管を耐震化する重要給水施設配水管布設替工事を平成19年度から実施しており、今後も計画的に行っていく予定で、そのほかにも道路工事や下水道工事にあわせて埋設及び移設する配水管については耐震管を使用していくこととしております。
 次に、水質についてでございますが、高浜市は愛知県から浄水を受水し、一たん配水池にためてからポンプ加圧して市内に配水しております。愛知県の浄水の水質は浄水場並びに高浜・吉浜の各供給点で検査し、結果について毎月報告がございます。このため、浄水場施設がある事業体と比べ安心・安全な水の確保ができていると考えていますが、水質は水道法で定期及び臨時の水質検査を行うように規定されており、高浜市においても毎年水道水質検査計画を策定し、計画に基づいて検査を実施し安全性を確認しております。なお、この計画はホームページにも掲載しておりますし、検査結果についても広報たかはまやホームページで公表しております。今後も安心・安全な水の供給に努めてまいります。
 次に、(2)事業運営に要する更新財源確保や技術継承等はできるかについてお答えいたします。
 初めに、本市水道事業の給水施設の現状について御説明いたします。
 平成20年度に水道事業におけるマスタープランである高浜市地域水道ビジョンを作成しましたが、その中で本市水道事業の現状及び問題点、将来の目標像を定めております。
 その中で、高浜配水場Rcタンク及び吉浜配水場Pcタンクの耐震化は既に完了しておりますが、一方で、既設管路の耐震化は全国平均を下回っており、本市水道事業の課題として指摘されております。そのため、今後も安心・安全な水道水を安定して供給するためにも、地域水道ビジョンの計画に基づいて施設の更新をしなければなりません。
 本市水道事業は、昭和50年代に建設された施設や管路が更新時期を迎え、更新需要は平成40年ごろには現在の2倍になることが推計されており、更新財源の確保は最優先課題であります。
 しかしながら、地方公営企業における更新財源確保の手段としては、大きく分けて加入者分担金、企業債、一般会計からの繰入金、減価償却費、及び毎年の当期純利益に当たる公共的必要余剰の5つに分類されます。
 まず、加入者分担金につきましては、新規に水道の申し込みの際に利用者に負担してもらうため、施設の更新費用のために増額することはできません。
 また、企業債につきましては、地方公営企業は民間会社と異なり、施設の更新のための株式を発行できないため、更新財源として最も有効な資金調達の手段ではありますが、支払い利息が次年度以降の営業収支に影響を及ぼすため、計画的に借り入れをしなければなりません。
 また、一般会計繰入金につきましては、毎年総務省自治財政局より繰出基準が示され、繰出基準に基づき一般会計から繰り入れを行うものであり、地域水道ビジョンのアンケートにおいても、耐震化の財源として税金の利用が最も多かったように、更新財源として有効ではありますが、一般会計の財政状況の影響を受け繰り入れがないことも想定されます。
 また、減価償却費は内部留保資金として毎年費用計上しているため、新たな資金調達の手段とはなりません。
 最後に、公共的必要余剰につきましては、給水収益の増収は今後見込めず、また、既設管路の更新に伴い減価償却費が新たな費用として発生することから、民間企業における利益である公共的必要余剰を見込むことは難しくなると考えます。
 限られた財源で更新していくためにも、更新需要を計画的に実施いたしますが、安心・安全な水道水を安定して供給するためにも、必要な更新需要に対して財源が不足する状況になった際には、最終手段として水道料金の改定を行い、水道利用者の方に毎月の使用料として負担していただく必要があると考えております。
 次に、技術継承等についてお答えいたします。
 水道事業は、公共サービスの中でも唯一、口に入る水道水を提供する事業であり、水道管路の維持管理及び水質など専門的な知識と経験が必要な部署であります。しかし、大都市とは異なり、水道事業において専門職の採用を行っていないため、職員の育成及び水道技術の継承につきましては、他の事業体同様に解決すべき問題であると認識しております。そのため、職員の育成については、日本水道協会などが開催する各種研修に参加させるなど後継者育成に取り組んでおります。
 次に、(3)水道料金は値上げするのかについてお答えします。
 本市の水道料金につきましては、平成12年6月と平成14年4月に県営水道料金の料金改定にあわせて本市においても料金を改定いたしております。
 水道事業の経営は、経済性の発揮と能率的に経営することが経営の基本原則となっております。現在の水道事業の経営状態につきましては、給水人口の増加により給水収益も経営の一定水準である損益分岐点以上の収益を確保しております。また、平成14年度よりコンビニ収納を実施したことや収納業務を外部委託することで未収金の早期回収を行っております。
 また、支出においても経常経費削減のため、窓口業務及び検針業務のみならず、開閉栓業務や毎日の水質検査業務まで委託を拡大して適正な人員管理を進めるなど、能率的な経営に努めてまいりました。その結果として、毎年度経常黒字を計上することができ安定した経営状態を維持しております。
 しかし、先ほどお答えいたしましたが、本市水道事業の課題として、今後管路の耐震化を実施しなければなりません。平成19年度より国庫補助事業として、災害時に避難所となる重要給水施設への配水管の耐震化などを実施しておりますが、今後も安心・安全な水道水の供給のため地域水道ビジョンの計画に基づいて、法定耐用年数を経過した既設管路の更新を実施いたします。
 しかし、一方で、既設管路の更新を実施すると翌年度以降に減価償却費が発生することや、費用の約50%を占める県水受水費の動向によっては、幾ら給水収益を維持しても数年後には経営赤字になることが想定されます。
 県水受水費につきましては、平成28年度まで料金の値上げがないことを県企業庁に確認しておりますので、本市水道事業においても平成28年度までは値上げを行う予定はございません。しかし、減価償却費の増加に伴い経常赤字が発生した場合や、先ほどの御質問に対するお答え同様、水道施設の更新財源が不足した場合には、水道水の安定給水のために料金改正をしなければならないと考えております。
 最後に、(4)民営化等への経営形態の検討は中止せよについてお答えいたします。
 水道事業の民営化等の検討は、平成20年度に水道ビジョンを作成する際に水道事業の将来における経営形態について、学識経験者を含め6名の高浜市水道事業経営検討委員会を設置し、広域化や民間的経営手法など手法・事例を調査し、高浜市水道事業に最適な経営形態を検討いたしました。その結果は、平成21年6月議会の全員協議会で説明させていただいておりますとおり、将来のあるべき姿として、「安全で安定した水道水の供給を将来にわたって継続するために、経営計画や事業計画などの事業の根幹にかかわる部分については、公の責任において実施する必要があるものと考え、それ以外の技術的業務を含めた個別業務については、民間事業者の効率的なノウハウを利用するために、現状の個別委託については、より効率化が図れる包括委託を実施するとともに、広域化については、事業統合により得られるメリットは大きいものの、本市単独での導入決定はできないことから、今後も関係機関との協議に努めるものとします」と提言していただいております。
 こうした提言に沿って今後も健全な経営に努めてまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。
〔都市政策部長 小笠原 修 降壇〕
議長(小野田由紀子) 14番、井端清則議員。
14番(井端清則) それでは、それぞれ改めてお聞きしたいと思います。
 最初に、中小企業の振興についてですけれども、先ほど県下でやっているような例えば信用保証料のあっせん補助、さらには市独自で三州瓦等々のがんばる企業の支援を含めて独自の支援、それぞれやっていることは承知をしておりますし、また、それぞれの施策については評価をしたいなというふうに思いますけれども、しかしながら、従来型の支援で今の高浜市の中小企業の実態を見たときに、やはりここに来て大変元気がないというのもこれは事実だというふうに思うんですね。だとするならば、それは従来型の支援にとどまらずに、今こそその一歩足を踏み出す、そういう施策が求められているのではないのかなということを思うんですね。
 そのあり方の一つとして、私は中小企業の振興基本条例をつくってはどうだという提言をしているわけですけれども、これは高浜市の中小企業の実態を見ると、事業所の数でも9割を超す、100%近い数が実態として見られると。それからまた、そこで働く従業員の皆さんたちの数も、これも6割くらいの方がかかる中小企業に従事しているというところから見ますと、ここがさっぱりとは言いませんけれども、その多くが経営的にも大変な状況に置かれておる中で、言ってみれば高浜市を支えているようなこういう企業が元気がないというのは、やはり市にとっても大変大きな損失でもありますので、私はやはり新たな振興策というのはこの機に及んで打ち出すべきではないのかなというふうに思うんですね。しかしながら、答弁は従来どおりの考え方ということにとどまりますけれども。
 もう一つの側面は、昨年の6月に国が中小企業憲章を閣議決定しているわけですね。閣議決定そのもので憲章をつくるというのは、中身的には問題がありますし、また、憲章の中身についても私どもとちょっと内容を異にする表現もありますけれども、しかしながら、以前なかった憲章そのものが国として明確に中小企業の分野で憲章をつくったというのは、大変大きな意義があるわけですね。その中身のものが今後全国展開をしていくと。要するに地方版の地域中小企業の振興条例という形に変わってつくっていくということが想像されるわけですね。したがって、そういう流れの中に今日あるということ、そして現状、当市の中小企業の経営状況が大変疲弊しているというようなことを考えますと、私は従来型の振興であっていいのかということをやっぱり真剣に今日考えなきゃいかん、こういう時期だというふうに思うんですね。したがって、そういう意見はいま一度再検討されて今後の施策に当たるべきだというふうに思いますけれども、この点ではひとつ最初に改めての意見を伺っておきたいと思います。
議長(小野田由紀子) 都市政策部長。
都市政策部長(小笠原 修) ただいまの御質問でございますが、従来型の施策で新たな振興策はないかということでございますが、先ほどの答弁でもちょっとお答えしましたように、今年度からは商工会とのこういった打ち合わせを密に行っておりまして、市長、副市長を初め、相手方も商工会長、副会長を初め、そこで今後のどういった施策を考えていったらいいかということも詰めておりますし、また、先週の土曜日に市民センターでありました講演会の冒頭に、商工会長のほうからも、ただいま市のほうとこういうことを考えている。皆さんのほうで何かいいそういうような振興策等はないかとか、今後こういうことについて市のほうと振興策について検討していきたいということで、あいさつの中でも申し述べておりました。私どもも、そういったことは感じておりますので商工会との、商工会だけでなく陶器瓦組合とも今後もそういった情報交換、情報の共有はしていきたい。要は中小企業者がどういったことを求めているかということ等も把握していきたいとは考えております。
 それとあと、その情報交換の中でも、私どももその一部としてちょっと御紹介させていただきますが、商工会のほうからはうちのほうが行っている経営塾の講義とか、あと創業支援融資制度、空き店舗の対策補助金については、これは非常に有効だということで、これはぜひ継続してほしいという強い要望がございました。それで一つの案として、市外の業者が、これラーメン屋さんだったんですが、ちょっと市街で店を構えようとしたときに、高浜市のこういった事業内容を聞いて、これじゃぜひ高浜市で店を開こうという、そういった件もあったということと、うちがやっているこの事業について、最近安城市のほうで、高浜市がこういうことをやっているから同じようなことをやろうということで、どちらかというとうちのほうが先へ先へ行っているというふうに僕たちはとらえておりますが、中小企業の基本条例について、一番の目的は地域経済の活性化を進めるというのが一番の目的でございますので、そういった点については、今言った商工会なり愛陶工なりと、いろんなところと打ち合わせする中でそういった施策を今後も考えていきたいと思っております。
 以上です。
議長(小野田由紀子) 14番、井端清則議員。
14番(井端清則) 関係者の方とさまざまひざをつき合わせて相談をすると、あるいはその情報交換をするというのは、それはそれで非常に大事なことですので否定もしませんけれども、しかしながら行政として地元の中小企業をどう支援をしていくかという点が明確にならないと、中小企業の皆さんたちは元気が出ないですよ、はっきり言ってね。先ほども言いましたけれども、全国で50を超す地方自治体が振興条例、名称はさまざまですけれども、そういう条例をつくって地域の産業育成に当たっているわけですね。その中で明確になっているのは、行政の中小企業の位置づけというのを一つは明確にしていると。それがよりどころになってどういう施策を展開していこうかという政策提言や、あるいはその政策提言に伴って必要な財源措置というのも振興基本条例が根拠、よりどころになっているわけですね。そういうたぐいのものが私は当市には不足しておるわけだから、ぜひつくるべきじゃないかという提案をしているわけです。
 事実、幾つかの施策が展開されていることも、それは非常に大事なことですけれども、それらを一つにくくったその大もとになる条例そのものがないところに、私は行政としての明確な姿勢がやはり薄らいでいるなということを思うわけですので、ぜひその点では今後の施策に振興条例をつくっていく上での検討にぜひ入っていくように求めておきたいというふうに思うんですね。50を超す自治体の中で振興条例をつくっているその自治体の果たしている効果、役割というのはいろんな書物も出ていますし、あるいはネット上でも見られますけれども、先ほど言ったような行政としての効果、役割というのは、やはり中小企業の施策の根拠になるということを初め幾つかあるわけですね。
 これは行政だけにとどまらずに、中小企業の皆さんたちにも行政がそういう姿勢を示すことによって元気が出るという、そういう効果もあるわけです。したがって、そこからまたそれじゃ元気出してということで、そこで働く皆さんたちが技術的なレベルを向上させる、要するに後継者の育成等々にも波及していくというこういう側面も持ち合わせていくわけですので、ぜひこれは検討に値する内容でありますので、今後の施策にぜひつなげていただきたいと、要望しておきたいと思います。
 それから、2つ目のことですけれども、悉皆調査、要するに市内の中小業者すべてを対象にした実態調査を図りなさいというのが私の趣旨ですけれども、それからまた支援センターの設置をということもあわせて求めておりますけれども、先ほどの答弁を聞いていると、商工会と連携をとり合うことは非常に大事ですけれども、否定もしません。しかしながら、会員さんに目を向けた取り組みに終始しているわけですね。商工会の会員でない業者の方たちもおるわけですので、そういった人たちの声というのは、この点では要するに除外されるというそういう側面もあるわけですので、私はぜひそういう一部の団体に特化したようなあり方でなくて、行政であるならば公平に市内で営業する中小業者の皆さんたちのすべてにかかる実態調査をして、要望も聞くという姿勢に私は立つべきだというふうに思うんですね。これは先ほどの答弁で、高齢者の方たちの介護保険絡みの話でありましたけれども、それなりに対象者にきちっと当たって要望なんかを聞こうとしている、聞いているわけですね、アンケート等を通して。そういう姿勢というのは私は非常に大事だと評価しますけれども、そういう分野を中小企業の分野でもぜひやるべきだというふうに思うんですね。
 この点では、東京の墨田区が大変中小企業では先進的な施策をとっておりますけれども、1979年に振興条例をつくったと。その前の年に係長級職員165人が区内で製造しておる業者9,314社を対象にして悉皆調査をやったというんですね。いろんな分野から職員がそれぞれの中小業者の現場に出向いて経営上の問題、あるいはそこで働く従業員からの問題等々も聞きながら調査を行ったんですね。その結果は、職員のやっぱり大きな意識の変革につながったと。経営の問題にとどまらずに教育や福祉の分野にもかかわったような問題を含めて職員が認識を新たにしたと、訪問することによってですよ。そういうことが今後の取り組みとして挙げられたんですね。それを後々の行政に反映をさせているということで、非常に大変先進的な取り組みをしているなと。
 こういう取り組みをぜひ当市でも、大変小じんまりとしたまちでその数も、先ほど言いましたけれども、1,500そこそこの事業所数でありますので、これはその気になれば私はできないことはないなというふうに思うんですね。要するに実態を把握してその後の施策につなげていくというのは、非常に行政運営上では基本中の基本でもありますので、ぜひこれはやっていくべきだというふうに思いますけれども、再考を求めたいというふうに思います。
議長(小野田由紀子) 都市政策部長。
都市政策部長(小笠原 修) 先ほども答弁いたしましたとおり、今商工会で実は意見交換の中で資料もいただいておるわけでございますが、一応1,001の事業所に対して調査をしておるということで、約7割を超す事業所に対してそういった調査をしているということで、それとあわせて、先ほど答弁の中でも言いましたように、市民会議の産業分科会のほうでも250ぐらいの業者を対象にやっております。そういったことで7割を超すそういった意見をということで、100%とどのぐらい違うかということはうちもやっておりませんので、ちょっとわかりませんが、7割を超す方の意見を集めてそれを反映していきたいということで考えておりますので、今ちょっとすぐに悉皆調査をするというような、そういった考えは持っておりません。
議長(小野田由紀子) 14番、井端清則議員。
14番(井端清則) 商工会の自主的な活動として、そういう会員さんを中心にして実態調査をされるというのは、それは当然のことであって大いにやっていただきたいというふうに思うんですよ。しかしながら、私が言っているのは、行政としてどういうスタンスでこの種の問題を進めていくのかということを言っているわけであって、ぜひその点では視点を新たにして取り組んでいただきたいというふうに思うんですね。要するに行政としての目で見た実態を今後の施策に反映させるという意味からも、私は必要な調査だというふうに思いますので、これも再考を求めておきたいというふうに思います。
 それから、企業誘致の関係ですけれども、これ先ほど、私の認識がおかしいのかもしれませんけれども、実態としてこの誘致条例に伴って申請の交付に及んだと、申請だけじゃなくて実際交付の対象になったと、交付をしているという件数については実態としてはどうなのかというのを一つ確認をしたいということと。
 それから、大企業等の誘致について、最初登壇した折に述べたとおり、誘致における補助金の多寡で、多い少ないで誘致がふえる、あるいはかんばしくないということじゃないということは、これは私どもが言っているだけではなくて、一つは内閣府が発表したリポートでも次のように言っているんですね。補助金額が大きいからといって工場立地件数が多くなるという明確な関係は確認できないと、こういうふうに一つの問題点として言っているわけですね。そこで考えられるのは、工場は撤退もしくは閉鎖する、こういうリスクがあるんだということも指摘をしているわけで、それは私、先ほど答弁した折に言ったような中身にもなっているわけですけれども。
 それともう一つは、経済産業省がこれもものづくり白書というのを発表しておりますけれども、企業が立地環境として重視をしているのは、高度技術、人材の確保、市場への近接性、原材料入手の便、それから関連企業の近くにあるかということなどであって、補助金は必ずしも企業誘致に有効とは言えないということも白書の中で述べられているわけですね。
 そういうことを考えますと、当市で19年から始まった誘致条例に基づくその3名の職員を、トップは直結の副市長ですかね、そういうセクションでこの種の事業を展開しておりますけれども、本当に有効に活用しているのかなということを思うんですね。例えば新たにこの間の実績の中で、じゃ一体かけた財政支出に対する回収がどういうふうに現在見られているのかという問題だとか、あるいは実績の中で新たな雇用の数がどれくらいになっているかだとか、いろいろ吟味しないといけないような問題もあるわけですね、私はそういうことを考えますと、やはり誘致条例そのものは大変問題があると。既に破綻をしているということも全国規模で言われておるわけですね。政府関係者もそういうふうに結論づけているということを思いますと、私は再考を要する問題だというふうに思うんですね。
 したがって、そういうセクションにかけられた財政支出は、これも先ほど言いましたように、中小企業が疲弊しているという今日にあっては、そこへの直接支援ですね、固定費への、例えば機械のリース代に回していくだとか、そういうことこそ中小企業の皆さんたちが元気になる、そういう施策に通ずるわけですので、それがやっぱり今日にあっては行政がとるべき姿ではないのかなということを思うんですね。その点での考え方を改めて聞いておきたいと思います。
議長(小野田由紀子) 経営戦略グループ。
経営戦略G(深谷直弘) 私のほうから、企業誘致に関する3点ほどお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、先ほどは奨励申請があったと、奨励決定をした企業数を当初の答弁の中で申しておりますが、実際に交付をいたしておりますのは、21年度に1事業者様、それから、奨励は3年にわたりやっておりますので、22年度では4業者様という形になっております。
 それから、議員おっしゃいました内閣府のほうでは、そういった補助金というのが多く出せばいいということではないというようなお話がありました。うちの誘致条例の場合は、先ほど細かくは申しておりませんが、いわゆる新設、それから増設におきましても、それぞれ企業の規模に応じて土地の規模だとか、それから機械を購入するための設備に投じた費用ですね、そういったものを合計して投下固定資産というふうに呼んでおりますが、その規模の合計に対して額のものを決めております。
 当然ながら、これは企業さんが一時、一度市のほうへお支払いをいただいた税を次の年に、確定した税をその分をお返しするという形をとっておりますので、補助金という形で出しておりますのは、その新設だとか増設に係る以外の分ですね、先ほども当初のお答えの中で申し上げておりますが、いわゆる環境整備に賦課したものだとか、それから雇用対策、市内の方を1年以上従業員として雇用していただく、そういったるる条件ございますが、そういった条件をクリアした方については、そういったものについては補助という形でそれは漠然と出しております、きちんと。
 それから、3点目のものづくり白書の中で、企業がいろいろ誘致先を選定するときに、いわゆる補助制度というのは、余り効果をなしていないのではないかというようなことをお話しいただきましたが、実は私どももそれは毎月、これは今私が手元に持っておりますのは、中部経済産業局がことしの1月から6月の間、これは22年度上期の実態でございますが、ここにありますのは愛知県、岐阜県、それから三重県、富山県、石川県、この5つの県の中でその間に立地された企業、これは条件は1,000平方メートル以上の用地を新たに取得された企業さんが51社ありましたと。
 その51社に対して、さまざまな角度から経済産業局のほうがアンケートをされておるわけですけれども、そのアンケートの中で、立地の地点の選定理由、先ほど議員おっしゃいましたように、確かに一番の選定理由として高いのは、本社だとか自社の工場へ近接性ということはおっしゃっておられます。その次に土地の値段ですね。その次には工業団地であるべきであると、これは環境要件だということと認識しておりますが、そういった形。その次あたりに地方自治体の誠意、それから積極性、迅速性、いわゆる企業をお迎えするそういったスタイルを持っているか、この自治体はどうなのかと、そういうことが挙がっております。それで、その次に来ておりますのが、国もそうですけれども、地方自治体のいわゆる助成ですね、そういった部分になっております。
 これ全部読み上げますと15項目ぐらいございます。例えば企業の場合ですと、いわゆる人材の確保から先ほどおっしゃいましたインフラ整備だとかそういったものもありますが、その中でも上のほうから5番目、6番目の位置にそういった因子の中で位置づけをされておるということは、当然ながらそういった関連要素も必要でありますけれども、きちんとそういった前向きな姿勢と、それに匹敵するような助成制度というのは、一つ大きなこの企業誘致の要素であるというふうに考えております。
議長(小野田由紀子) 都市政策部長。
都市政策部長(小笠原 修) 私のほうから固定費、固定費につきましても、3月議会のときにもちょっとお話ししておりますが、運転資金等の借り入れでセーフティネットの資金、こういったものもございますので、やはりこういった資金を利用して運転資金というんですか、そういうふうで活用していただけるのが筋だと思います。ですから、そういった借地料とかそういった固定費に関して市が補助をするとか、そういったことは考えておりません。
議長(小野田由紀子) 井端清則議員、あと残り3分です。
 14番、井端清則議員。
14番(井端清則) じゃ2問目の水道事業の民営化について、確認を含めてお聞きをしておきたいと思います。
 検討書が、言ってみれば新たな民営化に道を開くという心配もあるわけですね。それは個別の委託を包括委託をするというようなこと、あるいは第三者委託ということも含めて、いずれにしても経営形態が従前よりもさらに踏み込んだ形で、民営化という形にさらに踏み込んだ形での検討というのがこれからされていくという、そういう心配を私は持つわけですね。したがって、この点では大変問題だなということで、私どもの考え方を主張という形で述べたわけですけれども。
 それで、確認としては、1つは財源ですね。今後必要とされる財源、更新財源というんですかね、これについては一体どれぐらい踏んでいるのかということを一つ、時間の関係で余り聞けませんけれども、そのことだけ一つだけ聞いておきたいというふうに思います。
 それからもう一つ、平成28年までは値上げはしないよということ、さまざま現状考えられる中で、新たな要素が加わってくればそうはならないというただし書きがありますけれども、そういうことで再度確認しておきたいと思います。
議長(小野田由紀子) 都市政策部長。
都市政策部長(小笠原 修) まず最初に1点、ちょっと訂正のほうをお願いします。
 先ほど断水の時間が午前3時までということで言いましたが、済みません、午前5時までの6時間ということですので、訂正をお願いします。
議長(小野田由紀子) 上下水道グループ。
上下水道G(竹内 定) まず、民間経営ですね、こういったものを持ち込むということで、ちょっと議員のほう、勘違いされていると思うんですけれども、広域化だとか、あと包括委託、そういったものに取り組んでいくわけですけれども、この提言書の中でも前段としていろいろと10の形態を検討しております。その中でメリット・デメリット、そういったものを検討した結果、水道事業については効率的かつ継続的な実施が求められるとともに、安定的な継続が必要不可欠となりますので、民営化やコンセッションなどは民間会社が利益確保だけを追及した場合、不採算管路に対する更新がおくれ、DboやPFIを導入する場合では運転管理を実施している施設が2カ所と限定されることから、民間会社が得られるインセンティブですか、そういったものが少なく継続的な委託の実施に対するにはリスクが大き過ぎるということで、まずは民営化については否定されて、それからこういった広域化だとか包括委託という将来像の提言になっております。
 それから、財源でございますけれども、水道ビジョンのほうに書いてありますけれども、約52億円となっております。
 以上でございます。
議長(小野田由紀子) 本日はこれをもって一般質問を打ち切ります。
 明日は引き続き午前10時より再開いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。御協力ありがとうございました。
午後4時41分散会