本文
平成22年9月 第2日
平成22年9月定例会 本会議 第2日
平成22年9月高浜市議会定例会会議録(第2号)
- 日時 平成22年9月6日午前10時
- 場所 高浜市議事堂
議事日程
日程第1 一般質問
本日の会議に付した案件
議事日程のとおり
一般質問者氏名
- 水野金光議員
(1)高浜市の事業仕分けを問う - 幸前信雄議員
- 事業仕分けについて
- 市民予算枠について
- 行政委員会委員に対する報酬について
- 杉浦敏和議員
- 防災の取り組みについて
- 高齢者社会について
- いきいき広場再編整備計画について
- 杉浦辰夫議員
(1)保育所の民営化について - 神谷ルミ議員
- 高浜市総合防災訓練について
- 児童虐待防止について
- 井端清則議員
- 地域経済の活性化について
- 防火安全対策について
出席議員
- 1番 幸前 信雄
- 2番 杉浦 辰夫
- 3番 杉浦 敏和
- 4番 北川 広人
- 5番 鈴木 勝彦
- 6番 磯貝 正隆
- 8番 内藤 皓嗣
- 9番 神谷 ルミ
- 10番 寺田 正人
- 12番 水野 金光
- 13番 内藤 とし子
- 14番 井端 清則
- 15番 岡本 邦彦
- 16番 神谷 宏
- 17番 小嶋 克文
- 18番 小野田 由紀子
欠席議員
なし
説明のため出席した者
- 市長 吉岡 初浩
- 副市長 杉浦 幸七
- 副市長 後藤 泰正
- 教育長 岸本 和行
- 経営戦略グループリーダー 深谷 直弘
- 危機管理グループリーダー 尾崎 常次郎
- 地域協働部長 岸上 善徳
- 地域政策グループリーダー 神谷 美百合
- 地域政策グループ主幹 岡島 正明
- 財務評価グループリーダー 竹内 正夫
- 市民総合窓口センター長 加藤 元久
- 市民生活グループリーダー 芝田 啓二
- 税務グループリーダー 森野 隆
- 福祉部長 新美 龍二
- 地域福祉グループリーダー 長谷川 宜史
- 介護保険グループリーダー 篠田 彰
- 保健福祉グループリーダー 加藤 一志
- 保健福祉グループ主幹 磯村 和志
- こども未来部長 神谷 坂敏
- こども育成グループリーダー 大岡 英城
- 文化スポーツグループリーダー 山本 時雄
- 都市政策部長 小笠原 修
- 都市整備グループリーダー 平 山 昌 秋
- 都市整備グループ主幹 杉浦 嘉彦
- 上下水道グループリーダー 竹内 定
- 地域産業グループリーダー 神谷 晴之
- 行政管理部長 大竹 利彰
- 人事グループリーダー 鈴木 信之
- 行政契約グループリーダー 内田 徹
- 会計管理者 川角 満乗
- 学校経営グループリーダー 中村 孝徳
- 学校経営グループ主幹 梅田 稔
職務のため出席した議会事務局職員
- 議会事務局長 松井 敏行
- 主査 杉浦 俊彦
議事の経過
議長(小野田由紀子) 皆さん、おはようございます。
本日も円滑なる議事の進行に御協力のほど、お願い申し上げます。
午前10時00分開議
議長(小野田由紀子) ただいまの出席議員は全員であります。
よって、これより会議を開きます。
お諮りいたします。
本日の議事日程は、お手元に配付してあります日程表のとおり決定して御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(小野田由紀子) 御異議なしと認めます。
よって、本日の議事日程はお手元に配付してあります日程表のとおり決定いたしました。
これより、本日の日程に入ります。
議長(小野田由紀子) 日程第1 一般質問を行います。
議事運営上、質問については通告順に従って発言を許します。
なお、関連質問については、通告による質問が終了してから発言を認めますので、そのように御了承願います。
12番、水野金光議員。一つ、高浜市の事業仕分けを問う。以上、1問についての質問を許します。
12番、水野金光議員。
〔12番 水野金光 登壇〕
12番(水野金光) おはようございます。
それでは、届け出をいたしました1問についての質問に入ります。
事業仕分け判定を受け、今後の事業展開を問うの質問に入ります。
高浜市が取り組んでいる事業仕分けについては、6月議会の一般質問で取り上げ、目的、ねらいなど基本的なことについては質問いたしておりますので、それを踏まえてその後どのような取り組みをしているのか、今後の予定を含めて質問します。
事業仕分けは、当初の予定どおり6月19日、20日の2日間にわたって、中央公民館で開催されました。この事業仕分けは公開の場で実施され、40事業を1事業について約40分かけて仕分けを実施し、市民判定人の判定により多数決で判定を下す方法で実施されました。
判定結果は、不要とする事業項目7件、改善を必要とする事業項目43件、そのまま継続とする事業項目5件と判定されました。
市は、この判定結果を受けて、担当グループを中心に対応策を検討し、高浜市事業仕分け対象事業に対する市の対応をまとめ、8月20日に開催された第2回高浜市事業仕分け委員会に市の対応策を報告していました。委員から市の対応策は判定の趣旨を踏まえているか。本来あるべき業務の使命から見て、その対応でよいか。市民判定と異なる対応策を示した事業については、その根拠や市民が納得できる説明ができているかなどただされていたところであります。事業によっては、委員会から補足の意見が示され、その意見も踏まえて、事業仕分けの報告書をまとめるよう意見が示されており、市長への報告は9月末までに提言することとしています。
事業仕分け委員会へ報告した市の対応策は、不要とする5件、要改善が41件、継続とする事業が9件となっています。
そこで、今回の仕分け結果を受けて、今後どのように事業展開を行おうとしているのかについて、特に不要とする事業や要改善とする事業で市民への影響の大きい事業を重点的に質問します。
1として、まず最初に不要とする事業が5事業とされていますが、その中には市民福祉への影響の大きな事業も含まれています。
今回、廃止とする事業としていきいき銭湯開放事業が挙げられていますが、この事業はおおむね65歳以上の高齢者の生きがいと健康増進、社会参加を促進する事業として、年間延べ1万2,000人以上の人が利用している取り組みで、高齢者の介護予防の取り組みとして大きな役割を果たしてきたところであります。
ところが、今回の事業仕分けで、利用者の伸び悩みや浴場の老朽化を理由に廃止としています。これでは、これまで福祉の高浜として高齢者の介護予防の取り組みとして、高齢者の外出機会をふやし、健康増進を果たしてきた取り組みを否定することになり、到底認めることはできません。最近の利用者の伸び悩み傾向は、施設の老朽化が目立つところに大きな原因があり、むしろ施設の改修や新設等の検討を含め、施策の充実が求められているところであります。
事業仕分けに当たって、市当局の基本的意見については、6月議会の一般質問の答弁で、「事業には福祉や教育など、住民への影響の大きい事業がたくさん含まれており、本来必要である事業が即座に廃止されるようなことがあってはならないと考えている」と答弁しています。この意見が事業仕分けの原点になくてはならないと考えるが、今回の廃止とした事業はどのような根拠で廃止しようとしているのか。市民への影響はどうか。廃止後どのような対策で市民の理解を得ようとしているのかについてお答えください。
次に、要改善41件となっていますが、その中には市民への影響の大きい事業がたくさん含まれていますので、そうした事業を中心に重点的に対応策を質問します。
最初に、1として広報広聴事業については、仕分け人から市の広報は全市民に知らせるために発行しているのではないか。その点ですべての市民に届けることに市が責任を持った取り組みが必要ではないかとの観点から、改善に取り組むよう指摘されていたが、どのように改善しようとしているかについて伺います。
次に2番目として、市税賦課事業では、他の事業にも共通する課題として、高浜市総合サービス株式会社との業務委託契約について、随意契約であることを改善すべきではないかとの指摘や、契約内容を市民に納得できるものにするため、どのような改善を考えているかについてお答えください。
次に、いきいき号循環事業については、利便性の向上や利用者数の向上をどのように進めようとしているのか、また刈谷豊田総合病院への乗り入れなど、広域運行についての課題の具体化について、考えをお答えください。
4番目に、高浜エコハウス事業について、利用者が少なく、施設と派遣職員の技能を十分生かしているとは言えないとして、不要と判定していますが、市は要改善とし、改善に取り組むに変更している理由をお答えください。
次に、エコハウスを市民判定人が不要と判定した理由の一つに、分別収集できる立派な施設をつくっておきながら、実際の分別収集は行っていない問題点を指摘していると思います。環境についての市民の高い意識から、このエコハウスが文字どおり環境対策として有効に活用していれば、不要という判定はされなかったと確信するものであります。そのことからも、せっかくつくったエコハウスを環境改善の拠点として有効に活用するための改善計画をお答えください。
5番目に、いきいき広場運営事業については、事業の評価がされていない。それぞれの事業コストが検討されているか疑問。いきいき広場運営が日本福祉大学でなければならない理由が不明確などの厳しい指摘がされていますが、市として今後どのように改善を進めようとしているのかお答えください。
6番目に、高齢者等生活支援事業については、配食サービスや緊急通報装置、民間住宅家賃助成を要改善としているが、具体的改善策はどのように考えているかお答えください。
次に、3番目に市民判定が要改善であった事業を、市の対応策は継続としたごみ減量リサイクル事業について、今後の環境対策として重要な取り組みですので、どのように継続していくのかについてお答えください。
最後に4番目に、これまでの事業仕分けの取り組みの評価と、今後、事業仕分けを取り組む考え方を伺って、最初の質問といたします。
〔12番 水野金光 降壇〕
議長(小野田由紀子) 地域協働部長。
〔地域協働部長 岸上善徳 登壇〕
地域協働部長(岸上善徳) おはようございます。
それでは、水野金光議員の高浜市の事業仕分けを問う。(1)事業仕分けを受けて不要(廃止)とした5事業の市民への影響と対策を問う。(2)要改善41項目のうち、市民への影響の大きい事業の改善内容と改善目標を問う。(3)仕分けにより継続とした事業のごみリサイクルの今後の取り組みと展望を問う。(4)今後の事業仕分けに取り組む考え方とこれまでの事業仕分けをどのように評価しているかを問うについて、順次お答えさせていただきます。
まず、(1)事業仕分けを受けて不要(廃止)とした5事業の市民への影響と対策を問うについてお答えさせていただきます。
今回の事業仕分けで、不要(廃止)と判定された事業につきましては、市民生活援助事業、いきいき銭湯開放事業、市民公益活動支援事業の協働事業ハード整備費交付金、勤労福祉事業の東海労働金庫預託金、中小企業支援事業の株式会社商工組合中央金庫預託金の計5事業でございます。
それでは、個々の事業につきまして、順次お答えさせていただきます。
まずは市民生活援助事業でございます。市民生活援助事業の生活安定資金信用貸付制度でございますが、この信用貸付制度は、高浜市民の方で生活に必要とする資金を調達することが一時的に困難なときなどに、必要な資金の融資あっせんを行い、生活の安定向上を促進する制度であります。近年の利用状況といたしましては、平成17年度、平成18年度、平成19年度にそれぞれ1件の普通貸し付けの実績がありますが、その後平成20年度、平成21年度と貸し付け実績はない状況にあります。
また、同様の信用貸付制度について、近隣市では碧南市が平成17年度から廃止、安城市が平成11年度から廃止、知立市も平成16年度から廃止という状況であり、刈谷市にあっては貸付制度そのものがないという状況であります。
事業仕分けの際には、近年の利用実績や近隣市の状況からも、この貸付制度については役割を終えたので廃止とすべきとの意見をいただいております。事業仕分け終了後、今回の事業仕分け結果を踏まえ、取り扱い金融機関に対し意向調査を実施したところ、すべての取り扱い金融機関により、利用実績もないことから廃止やむなしとの回答をいただいており、このような状況を踏まえ、本信用貸付制度は廃止可能との判断をいたしたものであります。
続きまして、いきいき銭湯開放事業でございます。いきいき銭湯開放事業は、そもそも高齢者の閉じこもり予防や健康の増進を図ることを目的に、65歳以上の市民の皆さんを対象とし、公衆浴場松の湯及びケアハウス高浜安立展望浴場において、平成4年度から実施しております。浴場の利用者数は松の湯が1日70人程度であり、ほぼ横ばいに推移していますが、ケアハウスは年々下降線をたどり、1日20人までに減り、10年前の半分にまで落ち込んでおります。また、利用者も固定化され、ごく一部の高齢者のみがサービスを享受している実態であります。
利用者の伸び悩みと固定化は、事業仕分け当日も論点の中心となり、本事業は不要であると判定されました。この判定結果を受け、高浜市といたしましては平成23年度以降、本事業を廃止することにいたしましたが、その主な理由は次のとおりであります。
まず、先ほどから申し上げております浴場の利用者が固定化され、新たにサービスを利用される高齢者が非常に少ないことが一つであります。
次に、事業の財源である地域福祉基金が枯渇し、今後税を投入して事業の継続を図ることについて、市民の皆さんの理解が得られなかったことが挙げられます。実際に、仕分け人及び市民判定人のほとんどが税の投入については否定的な意見を示されております。
また、近年は元気な高齢者が地域社会の主役として御活躍されるようになり、従来の福祉サービスを見直す時期に来ていると考えておりました。そこで、元気な高齢者が健康で生きがいを持って暮らせるよう、新たな行政サービスを展開することとし、本事業は廃止するものであります。
続いて、利用者に対する影響ですが、事業仕分け終了後、利用者の皆さんの御意見を収集するため、松の湯及びケアハウスにおいて4日間アンケート調査を実施し、合わせて67人から回答を頂戴いたしました。このアンケートの結果、心配しておりました自宅におふろがない方はほとんどなく、本事業が廃止となった場合は多くの方が自宅のおふろを利用すると回答されています。
次に、このいきいき銭湯開放事業廃止後は、先ほど申し上げました元気高齢者を応援するための新たなサービスとして、いきいき銭湯開放事業と同様の効果が期待され、かつ市内全般にわたって多くの高齢者の皆さんがサービスを受けられるいきいき健康マイレージ事業の実施を検討しております。
この事業につきましては、高齢者の閉じこもり予防や健康の増進を図ることに加え、地域における元気高齢者の能力開発や生きがいづくりといった視点も含め検討しております。具体化しましたら、改めて御説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、市民公益活動支援事業の協働事業ハード整備費交付金でございます。協働事業ハード整備費交付金につきましては、財団法人民間都市開発推進機構からの拠出金5,000万円を原資として実施しており、制度設計上原資がなくなるか実施期間である3年間をもって終了することとしております。今年度が事業終了年度に当たること、また実績からもまちづくりのハード支援としては一定の成果を上げてきたものと考えられるものの、厳しい財政事情の中、市単独で事業を継続することは困難であることから、本事業を廃止する方向といたしております。
続きまして、勤労福祉事業の東海労働金庫預託金でございます。労働金庫は、労働組合等その他労働者の団体を会員とする協同組合組織の金融機関として、これらの労働者団体の行う福利共済活動のために、金融の円滑化を図り、それによって労働者の経済的地位の向上に役立つことを目的としております。労働金庫は、福祉金融機関として弁護士による無料法律相談等各種相談に応ずる生活応援運動等の取り組みを初め、雇用環境により収入減少、離職を余儀なくされた方を支援する勤労者生活支援特別融資等により、勤労者の支援に努めているところであります。
また、平成21年度の市内の勤労者への融資実績は114件の8億5,462万8,000円で、住宅資金として41件、住宅資金以外の普通融資として73件が利用されております。
しかし、事業仕分けでの論点は、預託をすることにメリットがあるのかが論点でありまして、再度労働金庫に確認しましたところ、預託をしないからといって勤労者の皆さん方に貸し出し等において不利益が生じることはないとお聞きしましたので、この預託金を廃止するものであります。
最後は、中小企業支援事業の株式会社商工組合中央金庫預託金でございます。株式会社商工組合中央金庫熱田支店の平成21年度融資実績は113件9億2,600万円であります。
株式会社商工組合中央金庫預託金の事業仕分けでは、商工業振興資金預託金とあわせて議論がされ、そのほとんどが商工業振興資金預託金の議論でありました。この預託金の事業仕分けの判定は、不要6名、民間1名、国・県が1名、要改善が15名、継続が5名であり、要改善とされております。しかし、事業仕分け委員より株式会社商工組合中央金庫預託金は、労働金庫と重なり合う部分が多く、預託と借り入れとの間に明確な関係がないのであれば、廃止することも検討してはどうかなどの意見がつけ加えられました。
この金融機関に再度確認しましたところ、預託がなくなったからといって、市内の中小企業協同組合等への貸し出しにおいて不利益は生じないとの回答を得ましたので、労働金庫と同様に廃止とさせていただくものであります。
次に、(2)要改善41項目のうち、市民への影響の大きい事業の改善内容と改善目標を問うについて、お答えさせていただきます。
まずは広報広聴事業でございます。本市は広報等の配布業務を市内18の町内会に委託し、全世帯配布をお願いしているところですが、各町内会では、町内会に未加入の世帯がいずれの班に該当するのかがわからないため、町内会加入世帯のみに配布しています。新たに高浜市に転入される方には、転入手続きとあわせて町内会に加入されない場合には広報や可燃ごみの指定袋をみずから取りに来ていただくことになるなどの説明をして、町内会への加入をお勧めし、町内会未加入世帯には市の窓口に可燃ごみの指定袋などを受け取りに来るたびに、町内会への加入をお勧めしているところでございます。
町内会未加入世帯のために、広報の配布場所を公民館やコンビニ等に拡大するとともに、公式ホームページにもバックナンバーを含め閲覧できるよう掲載しており、広報をお求めになられる希望者には、町内会に加入あるいは未加入にかかわらず、いずれの世帯にもすべて配布し、市民の皆さんに情報提供できる体制を整えているものと考えております。
町内会の役員さんからは、とりわけ若年単身世帯の多くが広報を必要としていないという理由から、町内会に加入しないというお話も伺っています。町内会は、自主防災組織であるとともに、地域コミュニティーの根幹をなす最も重要で基礎的な地縁団体であり、町内会の加入率を高めることが地域内分権の推進にも、広報配布の率向上にも最も効果的な手立ての一つであります。
また、町内会での広報等の配布は、顔の見える隣近所相互の円滑な関係を築くためにも、大きな役割を果たしております。
したがいまして、町内会を通した配布方法については維持してまいりますが、現在、他の市町村の状況を調査中であり、さらに改善してまいりたいと考えております。
次は、市税賦課事業でございます。市税賦課事業に係る窓口業務委託につきましては、事業仕分けの中で提示された論点としては、大きく分けて3つの点が議論となりました。
まず、1点目は土日開庁のあり方について、土日の証明書発行業務等の取り扱い件数に対する費用対効果の面から、開庁日や開庁時間について見直す必要があるのではないかということです。土日開庁のあり方につきましては、昨年試行的に実施いたしました事業仕分け2009において、開庁日、開庁時間等について見直しを図るべきとの意見をいただき、これを踏まえまして、現在構造改革プロジェクトのアウトソーシング戦略分科会において、市民アンケートの結果等を踏まえて見直しについて検討をしているところでございます。
2点目は、税務グループと収納グループが個別に窓口業務委託を契約していることから、コストの配分を含め、業務内容、人員配置、委託効果といった面でわかりにくいという指摘であります。このため、平成23年度の契約から、税務グループと収納グループの契約を一本化し、契約事務に係る人的コストの縮減と事務の効率化を図り、わかりやすい契約としてまいります。
3点目は、高浜市総合サービス株式会社との1社による随意契約のあり方についての指摘でありますが、この件につきましては、総合サービス株式会社の設立の趣旨や株主としての立場、地域での雇用の確保の問題、受託事業の適正な執行といった観点を踏まえ、一部の事業について限定的に随意契約といたしているもので、清掃業務等の契約については、原則として競争性や透明性の確保を図るため、競争入札を実施いたしております。
総合サービス株式会社は、市が100%出資して設立し、その経営理念を高浜市及び公共的団体のサポーターとして、地域社会の発展と市民福祉の向上を目的に事業展開を図るとともに、社会への貢献に努め、地域に根差した企業を目指すとしており、行政サービスの担い手として、これまで長年培ってきたノウハウを生かし、良質なサービスを適正なコストで提供していただいているところであります。
事業仕分け委員会の中村委員長からは、総合サービス株式会社については全国に先駆けて、今も大変重要な新しい公共を担う主体として、いろいろな活動をされているとの一定の評価をいただいているところでもあります。
したがいまして、今後は総合サービス株式会社が果たしている役割やその結果について、一層のPrをしていかなければならないものと考えております。
次は、いきいき号循環事業でございます。いきいき号循環事業につきましては、現在、市民または利用者の代表、一般旅客自動車運送事業者などで構成する高浜市地域公共交通会議において、いきいき号の路線等の見直しをいたしております。
具体的には、平成21年7月に高浜市地域公共交通会議設置要綱を設置し、これまで会議を2回開催し、いきいき号の路線見直しに係る協議を実施しております。
第2回の公共交通会議において、いきいき号の運行指針が決定されており、この中では、目的として交通弱者である高齢者等の日常生活に必要な移動の足を確保すること。基本路線として市内を循環する便2台と刈谷豊田総合病院の本院と高浜分院を連絡する便1台とすること。すべての路線の発着地を市役所とすること。停留所は利用目的の多い箇所を重点に、主要公共施設、医療機関、大型店舗等商業施設、集合住宅等に設置するなどの方針が示されております。
いきいき号の新路線での運行開始につきましては、この運行指針に基づき、少しでも早く新路線を決定していく中で、ある程度の周知期間は当然必要と考えていますので、これらの準備が整い次第、平成23年度中を目途に新路線での運行を開始したいと考えております。
次は、高浜エコハウス事業でございます。高浜エコハウス事業の高浜エコハウス施設管理業務委託については、現在、管理業務委託として事務室部門での施設の施錠管理業務、施設利用の予約受付業務、学習ソフトのメンバーズ登録及びカードの発行業務などと、学習部門での来館者への指導、教育業務、市指定袋購入者への市指定袋引き渡し業務などを派遣契約によって行っておりますが、事業仕分けの結果を受け、現状の派遣契約を一たん廃止とし、部分的業務委託等の方法に変更するよう検討いたしております。
また、現在、高浜エコハウスに隣接している障がい者の就労支援施設チャレンジサポートたかはまとエコハウス内のストックヤード、分別学習エリアを活用した就労訓練、就労場所として効果的な利用ができないか、調査検討を行っているところでございます。
次は、いきいき広場運営事業でございます。いきいき広場運営事業につきましては、委託業務の仕様が明確になっていない。いいことをやっているのに事業内容、事業効果が明らかにされていない。また、委託先がなぜ日本福祉大学でなくてはならないのかなどが、事業仕分けの論点となっております。
日本福祉大学との連携に関しましては、特別守る老人ホームの整備並びに三河高浜駅前再開発ビルの利用構想から始まっておりますことは、議員御案内のとおりであります。
いきいき広場に関しては、日本福祉大学が持つ地域福祉のノウハウを活用するとともに、福祉でまちづくりを進めるパートナーとして、官学連携により運営をしてまいりました。その成果としましては、ものづくり工房あかおにどんの立ち上げとNPO化、チャレンジサポートたかはまの立ち上げ等、数々の地域資源が生み出され、地域福祉推進の基盤が徐々に整備されてまいりました。
また、第1次地域福祉計画は、168(ひろば)委員会という手法で住民主体により策定し、そして平成21年8月に策定しました第2次地域福祉計画においても、日本福祉大学のノウハウを高浜市というフィールドを活用して策定してまいりました。
今回、9月補正予算に計上させていただいておりますいきいき広場拡張工事は、日本福祉大学との協働により策定した地域福祉計画の具現化であり、また高浜版地域包括ケアの実現に向け、今まで日本福祉大学との連携で培ってきました数々の地域資源をさらに発展させるとともに、今後も日本福祉大学の持つノウハウを高浜市というフィールドを活用することで、新たな地域資源を創出し、地域福祉推進の基盤整備を図ってまいるものであります。
しかしながら、こうした取り組みが市民の皆さんに十分に理解がされていなかったことを厳粛に受けとめ、今後は日本福祉大学の業務内容を明確にしていくとともに、事業効果についてもお知らせできるような評価指標を作成するなど見直しを図り、効率的な事業運営に当たるとともに、あわせて市民の皆さんにしっかりと周知をしてまいりたいと考えております。
最後は、高齢者等生活支援事業でございます。高齢者等生活支援事業は、配食サービス事業、緊急通報システム運営事業、日常生活用具給付事業、民間賃貸住宅家賃助成事業の4事業で構成しております。
高齢者が住みなれた地域で安心して生活するためには、高齢者の状態に合った医療や介護、住まいや見守りサービスが提供され、高齢者の生活を支えることが必要とされております。
今回実施された事業仕分けにおけるこうした高齢者福祉サービスの全体の論点としては、サービスの提供が受動的であり、待ちの姿勢が感じられる。相談を受けてから対応する。さらに事業に対する市民への周知がされていない。本当にサービスの必要がある人の掘り起こしができていないなどでありました。
また、緊急通報システム運営事業においては、1社による随意契約の問題点も指摘されています。
こうした指摘事項をいただき、今後市として次の2点について改善してまいりたいと考えております。
まず1点目として、サービスが必要な人に届く仕組みを構築すること。具体的には地域を支える社会福祉協議会や民生委員と地域包括支援センターの連携を、これまで以上に強化し、サービス利用につなげてまいります。
2点目として、緊急通報システム運営事業については、実施事業者は限られてまいりますが、1社随契の見直しを行ってまいります。
次に、(3)仕分けにより継続とした事業のごみリサイクルの今後の取り組みと展望を問うについてお答えさせていただきます。
議員も御承知のとおり、本市のごみ減量リサイクルにつきましては、年々ふえ続けていましたごみを少しでも減らし、きれいなまち、住みよいまちにするため、平成7年10月1日から、可燃ごみの指定袋制度と資源ごみの分別収集を開始いたしているところであります。
本市のごみ減量リサイクルの基本となります高浜市ごみ処理基本計画は、平成16年8月に公募の市民委員15名の参加による高浜市ごみ処理基本計画策定会議が中心となり策定されたものであり、計画期間は平成16年度から平成25年度までの10年間であります。
本計画には、ごみの減量目標を掲げており、可燃ごみと不燃ごみを合わせた家庭系ごみでは、1人1日当たりの排出量を基準年度であります平成14年度653gから、中間年度の平成20年度では、この排出量を550gに、また目標年度であります平成25年度には、この排出量を400gにすることといたしており、この目標を達成するために、「ごみ袋は毎年小さくしていきます。そして有料化にしましょう」「資源化できるものはごみにはしません」「適正なごみ処理に努めます」等の柱を掲げ、市民、事業者の皆さんと協働で推進しているところであります。
事業仕分けで議論となりました指定袋の無料配布の是非につきましては、市民の皆さんの御協力により、中間目標である平成20年度の家庭系ごみのうち、可燃ごみが平成14年度の588.7gから497.8gと90.9g、率にして15.4%の減とおおむね目標を達成している状況であるため、今すぐ指定袋の無料配布を中止する状況にはないと判断いたしたものであります。
しかしながら、さらなるごみの減量化を進めるためには、指定袋の有料化も一つの手段と考えますので、今後もごみの減量化の達成状況を注視し、残念ながら目標の達成が見込めない場合やさらにごみ減量化の取り組みにアクセルを踏み込む必要が生じた場合、また近隣市の碧南市の動向も踏まえながら、ごみ処理基本計画にもありますとおり、指定袋の有料化の検討を進めることもあり得ると考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
次に、(4)今後の事業仕分けに取り組む考え方とこれまでの事業仕分けをどのように評価しているかを問うについてお答えさせていただきます。
まず、今後の事業仕分けに取り組む考え方につきましては、6月議会でも申し上げましたとおり、平成23年度につきましては、今回の事業仕分けの課題や改善点、事業仕分け委員会からの提言書の内容等を踏まえ、原則実施する方向で検討をしているところでございます。
次に、事業仕分けの評価についてでございますが、全体の制度設計つまり第三者機関による事業選定、市の検討結果の審議、市民仕分け人を交えた事業仕分けの実施、市民判定人による事業判定などにより多くの市民の方の参加を得ることができ、一定の評価はあったものと考えております。しかしながら、事業シートの作成、職員の説明能力など、幾つかの課題を残す結果となりました。
次回の実施に当たっては、こうした課題を乗り越えるべく取り組みをし、より効果的な事業仕分けとなるよう努力してまいる所存でありますことを申し上げ、答弁とさせていただきます。
〔地域協働部長 岸上善徳 降壇〕
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) それでは、最初にいきいき広場の銭湯開放事業の関係で、廃止としておる答弁があったわけですが、これは利用者の意向調査もしたという、先ほどの答弁でありますが、廃止を前提とする、その場合の考え方を聞くという内容になっていたんじゃないですか。その中身を具体的に、端的にお答えください。
議長(小野田由紀子) 保健福祉グループ。
保健福祉G主幹(磯村和志) いきいき銭湯利用者に対するアンケートというのは、7月に4日間実施をいたしておりますが、内容は廃止を前提にしたものではございません。実際に利用されてみえる方が、どのような理由でいきいき銭湯を利用されてみえるか。あるいは御自宅におふろがあるのかどうか。銭湯までの交通手段としてどのような形をとってみえるのか。御家族が何人でお住まいなのか等を聞いておるものであって、廃止を前提としたようなことを聞いておるものではございません。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) そのアンケートの内容は、だからそういう点では利用状況の調査であって、意向の調査ではないということは明確だと思うんです。その点では、この事業を継続するかどうかという点では、やはり該当者特に高齢者の皆さん方中心ですので、その人たちがこの銭湯事業に対して将来市は廃止を考えているが、皆さんの意見はどうかというのをはっきり聞くべきだと思うんですけれども、それについてはどういう考えですか。
議長(小野田由紀子) 保健福祉グループ。
保健福祉G主幹(磯村和志) 高浜市といたしましては、今回の事業仕分けの以前に、この事業については平成4年度から継続して行ってまいりましたが、先ほど申し上げておりますように、利用者が伸び悩んでおる、固定化されておること。それから財源であります地域福祉基金が枯渇してきたこと。また近年は元気な高齢者の方が地域で御活躍されてみえること。こういったことを配慮いたしまして、事業の見直しをすることを考えておりました。アンケートの中でも、実際にいきいき銭湯をどのような理由で利用されてみえるのかというようなことから、新しい福祉サービスにつなげていきたいということを考えて、今回のアンケートを実施したものでございますので、よろしくお願いいたします。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) これまで十数年間にわたって行ってきた重要な、特に高齢者の介護予防に関する取り組みであって、利用者の伸び悩みということを盛んに言っていますが、昨年度の実績でも1万2,000人を超える人たちが実際に利用されている。こうした取り組みに対する利用については、ほかにもいろいろな事業をやっているわけですが、高齢者を対象とする取り組みで1万2,000人の方が利用するような大きな取り組みというのは、ほかでは少ないんです。かかっている予算が200万ちょっとということで、1万2,000人の方が利用しているわけで、例えば類似するような取り組みでは宅老所というのがありますが、これについては昨年度の実績で、利用者というのは半分の6,554人、それでかかった費用は2,000万超えておるんです。費用対効果でいけば10分の1近い少ない予算で、実際には1万人を超える人が利用しておる。こういう事業を基金が枯渇したというだけの理由で、簡単に打ち切るというのは、6月の事業仕分けに入るに当たって、市民への重要な影響があることを即時に廃止するということはあってはならないという考え方の原則にも反していると思うんです。そういう点では極めて荒っぽい結論を出しておると断じざるを得ないんです。やはり、これは原点に戻って、例えば自宅のふろがあるからということであれば、これは銭湯を利用するという機会をとらえて、閉じこもりがちな高齢者が外出するという、これが完全になくなるんです。例えば73人という方々が利用されていて、その方々は少なくとも銭湯で外出するということはなくなる。これは閉じこもりを予防するという介護予防の原点を、この点では封じることになると思うんですけれども、こうした点は十分検討されているのかどうか、これについても明確にお答えください。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) いきいき銭湯開放事業につきましては、まずもって事業仕分けがあってこの廃止に至ったということではございません。まず、私どもは市のほうで出されました高浜市緊急財政方針という中で、選択と集中という項目が挙げられておりまして、市の財政状況を考える中で、そのサービスの実態を考慮してあり方について考えてまいりました。ちょうどそのタイミングとして、事業仕分けがマッチングしてしまったということでございます。
アンケートにつきましては、当然取り組む時点で考えておりました。また、アンケートの内容を、実施してみてわかったんですが、どうも利用者の方々の中には、単身高齢者の方また高齢者夫婦世帯の方が多くおみえになりまして、ふろ代を浮かすというんですか、そういった考えの方もおみえになるということで、多少だんだんと本来の外出支援、閉じこもり防止という趣旨からちょっとずれてきてしまったのかという思いも感じ取っております。
また一方で、1日70人程度の利用者がおみえになるわけですが、その中で固定化してきた、年代が70歳、80歳の高齢者の方々ということで、新規の高齢者の方というのは非常に少ない。ということはどういうことかというと、高齢者の方々の健康志向というのがだんだんと変わってきた。おふろからまた違った形へと取り組みがされてきているということで、私どもといたしましては、おふろをツールとした外出支援から、新たな施策へと切りかえを行っていきたいというものであります。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 固定化しておるとか、新しい利用者がいないとか、いろいろ理由を述べていますが、その中には使っている施設の老朽化というのも相当影響しておると思うんです。そういうことを含めて、すべて否定するという形で、結局不要とするような施策の考え方、これは外出を促進するとか、社会参加と言っていることと全く矛盾する政策であって、もしそれにかわるものというのなら、明確なものを示さなければいかんと思うんですけれども、先ほどもマイレージとか具体化していないことを言っておるわけです。これでは市の基本的な姿勢と相矛盾する施策ではないですか。先ほど、固定化されておる、利用者も増加からやや減少ぎみという言い方をしていますが、例えば宅老所についても、これはかなり利用者が固定化しておるのはよく御存じのとおりで、そんなことを言ったらすべて固定化しておるからということで片づける話になってしまうのではないですか。
それで事業の費用対効果という関係でも、二百数十万という予算で年間1万人を超える方々が利用しておると、これだけ市民の皆さんが積極的に利用しているような施策というのは少ないと思うんです。それにかわる事業を明確に示さずに廃止というのは、まさに事業仕分けが福祉の切り捨てになるんではないかと心配したことの具体的なあらわれであって、この施策ではやっぱり市民は納得してもらえてないと思います。
少なくとも、この施策について高齢者の皆さん方に明確に今後継続すべきかどうかという点で、皆さん方の意見を聞くと、利用していますかと、なぜかという話だけで、今後やめたほうがいいかどうかという点では、該当者の皆さん方の意見を、特に利用している人たちに聞くべきだと思うんです。それについてまだ今のところ聞いていないと、これは先ほど意向と言っていましたが、利用状況調査だけであって、今後どうすべきか皆さん方の意見をと、これについて最低限聞いた上で判断すべきだと思いますけれども、聞く考えはないかどうか。明確にお答えください。
議長(小野田由紀子) 保健福祉グループ。
保健福祉G主幹(磯村和志) 7月に実施いたしましたアンケート項目の中で、1問、「いきいき銭湯が利用できなくなった場合、青木町の宅老所いっぷくやサンビレッジ衣浦などの施設で入浴を楽しむことができますが、あなたは利用してみたいと思いますか」、この1問はお聞きをいたしております。そして、実際に利用されてみえます高齢者の方は、6割の方がサンビレッジ衣浦あるいはいっぷくを利用したくない、あるいは利用するつもりはないとお答えをされてみえます。
その理由をこちらでお伺いしましたところ、わざわざいっぷくですとかサンビレッジ衣浦まで出向くぐらいであれば、自宅にあるおふろを利用するというようにお答えをされておみえになります。
以上であります。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 今のいっぷくもそれからサンビレッジも有料であって、条件が全然違うんです。そういう同じような条件のものがあるから、それを利用するかということを聞くのであれば、それは一定の意向調査になると思うんですけれども、はっきり違う中身を示して、かわるものは結局示していないからないという形で答えを誘導するというのは、アンケートとしては極めて不適切です。やはりこの重要な事業を廃止するかどうかということを考えるということであれば、今利用しておる皆さん方に明確に意向をはっきり聞いて、その上でその意向も含めて、とりわけ福祉施策として高齢者の介護予防というのは重要な取り組みで、70、80の皆さん方が元気でいてみえるということは、例えば施設に要介護で入っていない方々だし、例えばデイサービス等も余り利用されんでも済むような元気な方なんです。その皆さんがいきいき銭湯へ行くだけで、介護予防として役割を果たすなら、そんな言ってみれば効果的な事業というのはないと思うんです。それをやめたことによって、閉じこもってしまう、家でふろといってなかなか準備するのが大変という方々も中にはみえるわけで、そういうことも含めて慎重に考えなければだめですよ。例えばあそこが古くなったから、かわりの新しいところをつくると、だからあそこの古いところは廃止ということであれば、市民の皆さんも説明を聞いて、それならということになると思うんですけれども、それも何もなしで、よくわからないマイレージという話で、この事業については廃止という結論は、余りにもおおざっぱ過ぎて、いわゆる事業仕分けが福祉や弱者の切り捨てということになってしまう、これは見本になると思うんです。そういう点では、そうした結論を出すことを、もう一度、まだ時間はあるわけですから、市としてきちっとした取り組みを行って、これに対する事業の考え方、改めて明確にすべきだと思いますが、それについての考えを伺います。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) 私、先ほど申し上げさせていただきましたが、この銭湯利用者というのは、どちらかというと介護保険のサービスを利用されていない方、いわゆる元気な高齢者の方の利用であります。そうした方々の健康志向というのが、大分変わってきたと申し上げております。その対応の仕方というのは、やはり時代とともに変わってきておりますので、いろいろな面から考えていかなければいけないということで、健康マイレージ事業につきましても、事業仕分けが始まる前からいろいろな方面で対応できないかということで考えております。マシンスタジオの有料化のときにも私お話をさせていただきましたが、さらなる元気高齢者の応援事業として、健康マイレージ事業を構築していくということを申し上げさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 先ほどいきいき銭湯の開放事業を廃止するかどうかという判断をするに当たって、高齢者の皆さんの意向を調査しなければいかんと、その点では7月に行った内容というのは、まさにかわりの一つの案として示したものが有料の、例えばサンビレッジとかそういうものについて利用しますかというような話で、やめるかどうかということについては全く問うてないわけですから、この結論を出す前に、きちっと市民の声を聞くと、とりわけ通ってみえる方々の意向という点では大変重要だと思います。これをやるかどうか。ぜひやるべきだと思いますが、市長、ぜひお答えください。
議長(小野田由紀子) 後藤副市長。
副市長(後藤泰正) 先ほどから福祉部長がお答えしていますとおり、この件につきましては、仕分け人あるいは判定人いずれもこれについて廃止の方向での議論が積み重ねられました。私どももそういったことを踏まえ、慎重に議論を今重ねておりますが、その中では廃止を前提として今準備を進めておりますので、御理解いただきたいと思います。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 重要なそういう施策をつくるときに、やっぱり市民の声を聞くということは当然の前提じゃないですか。それが利用状況の調査という7月に行った中身だけで、廃止の理由づけをつくって廃止するというのは、余りにもこれは市民の声不在ですよ。今でも十分できる課題で、そんなに労力もかからん中身だと思います。何よりも市民の声をしっかり聞いて、その上できちっと市民に説明するということが行政の大事な原点ではないですか。それがまだやられていないということで、私は廃止の結論というのは、完全に検討不十分、そして市民の声を聞いていないという、こういうやり方を高浜市の手法として今後ずっと行っていくということですか。これは重大な問題だと思いますよ。今までやってきた事業を説明を十分しないでやめてしまう、とりわけ1万2,000人を超える人たちが利用している、そういうことも含めて、できない仕事じゃないでしょう。市民の声を聞くことが怖いわけですか。これについてはっきり聞いた上で、それも踏まえてきちっと市民に十分な廃止に至った経過については、だれが見ても理解いただけるという内容でこれは進めるべきだと、このアンケートについてはどうしても実施してもらいたいと、これについてきちっとした明快な答えを求めます。
議長(小野田由紀子) 後藤副市長。
副市長(後藤泰正) 7月の際に行いましたアンケート、今、状況調査だというふうに議員はおっしゃるわけですが、私どもは意向調査をすると、むろんその意向調査には状況を確認しながらということは当然ついて回るわけでありますけれども、その際に先ほど御指摘をいただきましたようないわゆる結論の誘導があってはならんということは、私どもも認識をしながら、このアンケートを実施しております。したがいまして、今、現に御利用いただいている七十数名の方たちが、その利用がなくなった場合に代替の方法があるのかないのか。あるいはそれがなくてはならないサービスなのかどうか。そういったものについて、私どもは慎重に聞きとり等をさせていただいたということであります。したがいまして、既に私どものほうは利用者の方々のそういった意向については、直接御本人と接触する中で、その意向が確認できているものというふうに考えております。したがいまして、この後廃止を決定し、その後新たな方策を含めて、改めてまた新しい方策を説明する中で、御理解と周知を図ってまいりたいと、このように思っておりますので、御理解を賜りますようお願いしたいと思います。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 意向調査したと言っていますが、先ほど示しているように、例えば廃止に賛成ですか、反対ですかと聞きましたか。聞いていないでしょう。それで廃止という結論を出すということは、明らかに対象者に対しては答えを求めていないということじゃないの。きちっとその件では明確な意向を聞くということが意向調査ですよ。それをやらなくて意向調査したというのは詭弁ですよ。もう一度原点に返って、該当の皆さん方に聞くべきじゃないですか。それから、ほとんどの人がふろがあると言っておったということですが、ない人はどうなるんですか。ない人は何人いたんですか。端的に答えてください。
議長(小野田由紀子) 保健福祉グループ。
保健福祉G主幹(磯村和志) 5名の方がおふろがないというように回答されてみえます。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) そういう方々も含めて、これまで公衆浴場というのが高浜に松の湯しかないんです。それももうこれでは廃業に追いやられるということで、4万5,000の市で公衆浴場をなくしていくということで、弱者、高齢者、そういう人たちが暮らしやすいまちづくりに、これは明らかに矛盾すると思うんです。それらを含めて、この決定については、もう一度というよりも一度もやっていない。そういう意味で本当の意味での意向調査をやっていないから、きちっと市民の声を聞いた上で、これについて結論を出すように、はっきり求めておきます。市の態度は、これで実施しなければ、結局市民不在ということですよ。とても重要な、1万2,000人も利用されておる事業を、基金がなくなったというだけでばっさり切ると、これが介護予防とか外出の機会をきちっと守っていくという立場とは明らかに言えないということは明確じゃないですか。これまでの主要施策でも、高齢者の生きがいと健康の増進、社会参加の促進を図ってきたということ、これを否定するわけですか。それにかわる施策なしで廃止するということは、これは明らかに重大な方針転換で、それも明確な説明抜きにやられるということは、高浜市にあってはならない行政の手法だと思います。改めることを強く求めておきます。
議長(小野田由紀子) 市長。
市長(吉岡初浩) 基金がなくなったからという理由で廃止ではないということは、先ほどから何度も申し上げておるところでございまして、あくまでもこれは高齢者の閉じこもり予防、健康づくりの施策の一環としてやってきたことでありまして、それが時代とともに少しずれが生じてきておる部分があるという中で、新しい健康づくりの事業にかえていく、そういうお話でございます。
そのうちの、今おっしゃったように利用者の意向調査をしていなかった、市民の意見を聞いておるのか、これは仕分け、判定をされた方も市民でございますので、その辺は、今そういうお話になりますが、よくお考えいただきたいというふうに思います。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 判定人の中には75歳以上の高齢者の方は、多分利用されている方は一人もいないと思いますから、そういう点ではそちらの意向もやっぱり聞いた上で、それでじゃあ廃止したときに影響はどうなるのかというのは、やっぱり慎重に考えて、例えば利用している中でも5名の方が家にふろがないという方もみえるわけですから、そういう弱者を、結局行き場をなくしていくということは、明らかに外出の機会を閉ざすという取り組みであって、全く認めることができないと、もう一度意向調査をきちっとやることを含めて、事業仕分けのいきいき銭湯については、再度検討し直しということを強く求めておきます。
時間がありません。市税賦課事業、これは市税賦課事業だけでなしに、窓口業務全体を含めて、高浜総合サービスの関係について、仕分けの方はいろいろなことを言ってみえましたが、やっぱり公的な業務の民間委託ということについて、市のあり方というのはいろいろな問題点を含んでおることは繰り返しこれまでもやってきているところです。そういう点では、直接職員に戻すべきであるということと、市が総合サービスにかかわらずさまざまな業務委託をしておるんですけれども、公的な業務の契約に当たって、一定の最低賃金等、市としていわゆる働きながら、ワーキングプアを起こさないような、最小限の賃金水準を含めて保障する、そういう公契約条例などの先進市が行っているわけですが、これだけ高浜市がさまざまな業務委託をしておるという中では、こうした責任ある取り組みに、これは公務員労働でのワーキングプアというのが、今社会的にも問題になっているということが、事業仕分けの中でも言われておったわけです。そういう点でも高浜市はとりわけそういう委託が多いわけですから、委託そのもののあり方、これを改善するという点では、公契約条例の制定、最低賃金については国が定める以上に、少なくとも格差を少なくしていくという点で改善が必要かと思いますが、それについての考えはあるかどうか、お答えください。
議長(小野田由紀子) 行政管理部長。
行政管理部長(大竹利彰) 本市では、いわゆる公共工事あるいは委託、物品等のそういった契約におきましては、公正あるいは適正に行っておるということでございますので、今、状況の中では公契約、そういった条例を制定する、そういった考え方はございません。よろしくお願い申し上げます。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 国が定めた最低賃金とかそういうものについては守られておると思いますが、それでは、今の格差、それを拡大していく流れの中では、それを防ぐことになってないという点では、今後急いでこれを改善すべき事業であることを指摘しておきます。
次に、エコハウスの関係で、不要とする事業について、要改善という形で出されておるわけですが、その中で分別スペースについて有効活用というようなことで、先ほど一定の検討方向が示されていましたが、私は不要とした判定の市民の声の中には、あれだけの施設を持っておりながら、実際の例えば分別収集等が行われていない、ここが非常に大きな問題ではないかと、いつも分別収集というのは、各町内ごとに露天で行っていて、雨天の場合は紙の分別収集はできない等、さまざまな制約を受けてやっておる中で、あれだけ立派なものをつくって結局何も使わんのかという点が大きな指摘だと思うんです。その点では、今検討している中身というのは、あの施設を本当に有効活用するような計画になっておるのかどうか。まだ結論は出ていないようですが、考え方を伺います。
議長(小野田由紀子) 市民総合窓口センター長。
市民総合窓口センター長(加藤元久) ただいま御指摘のありましたエコハウスのストックヤード等を活用して、分別収集をというお話がございます。エコハウスの設置を定めております条例の中では、分別収集をこの中で行うということは位置づけてございません。したがいまして、分別収集をエコハウスの中でやるという考えは、今のところ持ち合わせておりません。
また、そういったことを行うに当たっては、やはり近隣の住民の皆さん方への影響ということも考えていかなければならないということもございますので、よろしくお願いいたします。
それと、今後の活用方法ということでございますけれども、これにつきましては、エコハウスのもう一つの目的でございます障がい者の就労支援という部分で、これまで多少取り組みが弱かった部分がございますので、お隣にございますチャレンジサポートとも連携しながら、そういった場として、こういったストックヤード、こういったところが活用できればということで、今さまざまな機関等とも協議しながら進めているところでございますので、よろしくお願いいたします。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員、あと残り3分ですので、要点をまとめて質問してください。
12番(水野金光) あの残っている分別施設、せっかくあるのにそれが有効に使われていないという点が改善されなければ、市民の皆さんの声は、あの箱物は一体何だということになると思うんですよ。そういう点では、就労支援につながるということを考えておるということですが、あそこは分別エリアとしてつくったわけで、それが空間としてだけ使われておるということでは、当初の目的からしても矛盾しておると思いますが、これについては改善する考えはないかどうか。
議長(小野田由紀子) 市民総合窓口センター長。
市民総合窓口センター長(加藤元久) やはり、施設の目的という中で、資源ごみの分別の学習環境を整えるということで、分別を行うことというのは位置づけられておりません。そういう中で、利用促進という観点だけで、あそこで分別を行うということになれば、当然先ほども申し上げましたように、近隣住民の皆さん方への影響だとかあるいは今、町内会の皆さん方にお願いをしてやっておる分別収集、これのあり方にも影響してくるということになりますので、今のところはそういった考えは持ち合わせておりません。
議長(小野田由紀子) 12番、水野金光議員。
12番(水野金光) 最後に、いきいき広場の関係で、3階の活用ということで計画も示されておりますが、判定は要改善になっていましたが、あそこの中には不要の意見も結構あったんです。それは利用状況の問題もあると思うんですけれども、3階でつくられる施設が、利用をどれぐらい見込んでおるのか、有効に活用されるような計画にすべき点からも、その考えを伺います。
議長(小野田由紀子) あと1分ですのでまとめてください。簡潔に。
福祉部長。
福祉部長(新美龍二) 3階の利用計画につきましては、イメージ図等また事業内容をお示しさせていただいておるわけですが、利用状況につきましては、来年の4月にスタートするわけですが、人数的な、どれぐらいの利用があるか、ここら辺の数字はまだ私どもとしてはできておりません。
議長(小野田由紀子) 暫時休憩をいたします。再開は11時20分。
午前11時10分休憩
午前11時20分再開
議長(小野田由紀子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、1番、幸前信雄議員。一つ、事業仕分けについて。一つ、市民予算枠について。一つ、行政委員会委員に対する報酬について。以上、3問についての質問を許します。
1番、幸前信雄議員。
〔1番 幸前信雄 登壇〕
1番(幸前信雄) 議長のお許しをいただきましたので、さきに通告いたしました事業仕分け、市民予算枠事業、行政委員会委員に対する報酬についての以上3問について質問させていただきます。
まず最初に、事業仕分けについては、6月に愛知県内では初めて構想日本に協力をいただき実施されました。事業仕分け当日は、近隣市町の行政職員、各級議員、高浜市内在住の市民の方を含め、大勢の方に足を運んでいただき、大変注目され、実施されました。
高浜市の事業仕分けの実施目的は、1点目に事業のあり方を含めた行財政全体の再構築。2点目に事業の見える化、3点目に職員の意識改革を挙げられていました。
一方で国民が注目して実施された国の事業仕分けについては、政権が交代し、前政権時代の無駄を削って財源を確保し、予算の組みかえを実施することにより、公約に掲げた政策を実施するための予算確保を目的として実施され、さらに公開の場で討論し、インターネットの動画でも討論のやりとりを国民のだれもが見られる環境で実施したことにより、国民の注目を集め、世論を味方につけることにある意味成功したと言えると考えます。
事業仕分けについては、既存の実施されている事業に対して、事業の実施の目的に対する達成状況とそれにかかる費用と工数を公開して討論することにより、効率的にその事業が運営されているかどうかを、第三者の方に議論いただくことに意味があると考えます。
ただ、個々の事業の話で議論される結果、全体としてどういう方向に持っていこうとしているのかという全体の方向性については、議論の中では非常に意識しにくくなっていることも事実であります。
そこで、高浜市の行った事業仕分けについて、以下の質問をさせていただきます。
1点目に、事業仕分けを実施して、当初の実施目的、事業のあり方を含めた行財政全体の再構築、事業の見える化、職員の意識改革、3点に対して実施後どのように評価されているのか。また、どのように評価していこうとされているのかをお伺いします。
2点目に、今回は高浜市の行っている事業の一部について事業仕分けを実施されましたが、今回対象となっていない事業の事業仕分けの進め方はどうされますか。また、今回実施された事業についても、定期的に継続して何年かに一度実施していく予定がありますか。
今回の事業仕分けでは、今実施している事業の内容を広く市民の方を含めて知っていただき、実施されるということでしたが、今後新規で企画された事業等の仕組みで、今回の結果の横展はどのようにされていく予定ですか。
次に、市民予算枠事業について質問させていただきます。
市民予算枠事業については、個人市民税の5%、平成22年度は1億1,400万の予算の使い道を、市民の皆さんと協議検討して、小学校区単位あるいは市内全域の「どうしよう」の解決や「みんなでこうしたい」という思いをかなえるための制度として、平成22年度から新たに始まる制度としてスタートしております。
制度の内容については、子ども医療事業、これは平成22年1月1日より開始されておりますが、出生から中学校卒業までの子どもの健康保険証と子ども医療費受給者証の提示により、通院費、入院費ともに無料にする事業、そのほかに市民予算枠事業については、市内全体の利益または課題の解決になる事業の提案をいただき、実施いただくもので、市民の公益活動団体が高浜市まちづくりパートナーとして登録した上で審査を受け、採決されれば交付金を実施団体に交付していく協働推進型、また市内全体の利益または課題の解決になる事業の提案をいただき、実施いただくもので、市民公益団体活動が提案し、審査を経た上で予算化し、市が実施していく市民提案型、小学校区の区域の範囲でまちづくり協議会、町内会などの地域の団体が主催となり、地域の魅力を伸ばしたり、地域の抱える問題や課題解決のために必要なプランを提案し、各小学校区単位で緊急性、重要性を考慮し、市に提案し、財政状況や予算について共通認識を深めて予算化し、交付金を決定して実施団体に交付していく地域内分権推進型、以上の概要の説明があり、広報たかはま等で広く提案の募集を実施され、既に募集が締め切られ、審査も既に済んでいると認識しております。
そこで質問させていただきます。
1点目に、市民予算枠事業については、当初予算のときに既に決定されていますが、予算枠が余ったときに、次年度以降余剰金を回せる仕組みとなっているのか。また予算枠以上の予算が必要な提案があったときに、どのように対応されていく予定なのかお教えください。
2点目に、市民予算枠事業の3つの事業のそれぞれの応募状況とその提案を採用する基準について御説明いただきたいと思います。
3点目に、継続して実施する事業については、毎年提案し審査され、実施の継続の可否判断をされていくかと存じますが、実施後のフォローはどのようにされていくのかお教えください。
最後に、行政委員会委員に対する報酬について質問させていただきます。
愛知県の行政委員会委員、教育委員会委員、選挙管理委員会委員など、執行機関の委員に対する月額報酬を定める条例に対して住民訴訟が起こされた判決で、名古屋地方裁判所は月額報酬支給の根拠となる条例の制定については、議会の広範な裁量事項であり、違法とは認められないとし、条例に基づく支出命令も適法との判決を言い渡しました。しかしながら、愛知県では、他県の状況や社会情勢の流れに対応し、日額払いの変更を含めて、報酬のあり方を再検討し、本年度中をめどに方向性をまとめると聞いております。
他県の状況で言いますと、滋賀県の労働、収用、選挙管理委員会の各行政委員について、勤務実態が月に数回にとどまると認定し、月額報酬を違法とする判決が大津地裁で出され、控訴された大阪高裁でも大津地裁の判決を支持し、選挙管理委員長以外の3委員会の月額報酬の差しとめを命じています。判決の理由は、その勤務実態に触れられたもので、1カ月平均で1日から3日程度の勤務により月額報酬を定めることに対して、県の裁量の範囲を超えるもので違法とするものです。
以上の判決の状況は、それぞれが上告し結審には至っておりませんが、大津地裁の判決を受けて、全国の県レベルでは行政委員会委員への報酬について、月額制から日額制への見直しが進められているとも聞いています。
そこで、高浜市における行政委員会委員に対する報酬の現状と月額制から日額制への見直しについて、また既に見直しがなされた県の状況を把握していれば、その内容についてお聞かせいただきたくお願いいたします。
以上で、1回目の壇上の質問を終わらせていただきます。
〔1番 幸前信雄 降壇〕
議長(小野田由紀子) 行政管理部長。
〔行政管理部長 大竹利彰 登壇〕
行政管理部長(大竹利彰) それでは、順番が逆となりますが、幸前議員の3問目、行政委員会委員に対する報酬についてお答えさせていただきます。
本市では、地方自治法第180条の5第1項の規定により、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会及び監査委員を、同条第3項の規定により農業委員会及び固定資産評価審査委員会を設置しており、合計6機関の行政委員会等がそれぞれの責任において行政の一部を執行していただいております。
また、これらの委員会の委員に対する報酬については、地方自治法第203条の2の規定に基づき、高浜市特別職の職員で非常勤の者の報酬及び費用弁償に関する条例を定め、この条例について行政委員会委員を初めとする非常勤特別職の報酬を定めております。
具体的には、教育委員会委員長については月額5万1,000円、同委員については月額3万9,000円、選挙管理委員会委員長については月額1万7,000円、同委員については月額1万5,000円、公平委員会委員については年額4万6,000円、代表監査委員については月額5万7,000円、議会選出の監査委員については月額2万3,000円、農業委員会会長については月額1万9,000円、同副会長については月額1万7,000円、同委員については月額1万6,000円、固定資産評価審査委員会委員については年額1万9,000円といたしております。なお、これらの額については、平成7年4月1日に改定されて以降、同額に据え置かれており、額の設定根拠については、明確なものは残されておりませんが、議会の議員報酬月額及び常勤特別職の給料月額の改定に合わせ引き上げられてきたところであり、適正な額であると考えております。
次に、支給方法でございますが、地方自治法第203条の2第2項では、行政委員会委員に対する報酬は、その勤務日数に応じてこれを支給する。ただし、条例で特別な定めをした場合は、この限りでないといたしております。地方自治法の逐条解説では、この意味するところを「行政委員会委員の非常勤職員に対する報酬は、常勤職員に対する給料とは異なり、いわゆる生活給たる意味は全く有せず、純粋に勤務に対する反対給付としての性格のみを持つものである。したがって、勤務量すなわち勤務日数に応じて支給されるべきものであるとする原則を明らかにしたものである。しかし、実際問題としては、非常勤職員の中にも勤務の実態が常勤職員とほとんど同様になされなければならないものがあり、その報酬も月額あるいは年額をもって支給することがより適当であるものも少なくなく、常にこの原則を貫くことが困難な場合も考えられるため、ただし書きを設け、条例で特別な定めをすれば勤務日数によらないことができるものとされている」といたしております。
ただいまの議員の御質問にもありましたが、行政委員会委員の報酬に関する名古屋地裁や大津地裁、さらには大阪高裁の判決は、私どもも非常に関心を持っているところでございまして、現在、その情報を収集しているところでございます。
そこで、既に月額制から日額制に見直しをした県レベルの自治体の状況といたしましては、まず熊本県では教育委員会や選挙管理委員会など、9行政委員会の委員長や委員の報酬について、従来の月額制を見直し、基礎報酬をベースとした日額制を導入することを決め、平成22年度から実施しているとお聞きいたしております。具体的には、現行の月額報酬の約3分の1を基礎報酬として毎月支給し、さらに勤務があった日は委員長には2万5,700円を、委員には2万3,100円を支給するというもので、基礎報酬額制は事前準備の調査研究などは日額制では評価しがたい部分があり、その部分を基礎報酬と組み合わせることによって評価するというものであります。
次に、青森県では、現行月額の半分程度を一律支給した上で、勤務日数に応じて日額を加算する月額日額併用制を、平成22年度から実施しているようであります。原則として、勤務日数に応じて支給すると定めた地方自治法の趣旨を踏まえる一方、公式的な会議以外にも日常的に情報収集などを行っている委員の重い職責や専門知識を有する適任者の確保という観点からも、月に定まった報酬が必要と判断し、併用制を採用することといたしたようであります。具体的には、月額分は各委員の現行報酬の約2分の1とし、日額分は一律で委員長、会長職は2万円、委員は1万8,000円で、定例の会議や現地調査など委員会事務局が公式的に関与する活動を対象とするようであります。
最後に、静岡県では、全9委員会の委員に対する報酬を月額から日額とし、平成22年度から実施しているようであります。報酬単価については、常勤行政委員の額を基準にし、委員は日額3万4,500円、委員長、会長は3万8,900円といたしております。
そのほか、北海道、大分、鳥取、新潟、茨城の各道県は、平成22年1月から4月までに3から5の委員会を日額制といたしたというふうにお聞きいたしております。
本市におきましても、行政委員会委員の報酬に係る司法判断を待つのではなく、地方自治法の趣旨を尊重して検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
〔行政管理部長 大竹利彰 降壇〕
議長(小野田由紀子) 地域協働部長。
地域協働部長(岸上善徳) それでは、幸前信雄議員の1問目、高浜市の事業仕分けにつきまして、具体的には3点の御質問をいただきましたので、順次お答えをさせていただきます。
まず第1点目の事業仕分けを実施して、当初実施目的に対するその評価については、についてお答えさせていただきます。
今回の事業仕分けの目的につきましては、議員おっしゃるとおり3つの目的を掲げております。
1つ目は市の事業を抽象論ではなく、現場の視点で洗い直すことによって、その事業のあり方も含め行財政全体の再構築に結びつけること。
2つ目は事業仕分けを公開の場で行うことによって、事業を見える化し、市民の皆さんに事業の内容を広く知っていただくこと。
そして3つ目は、公開の場での議論を通じて、職員に気づきをもたらすなどの意識改革を行うことでございます。
そこで、御質問のありました個々の目的に対する評価につきましては、現時点では評価をすることができない部分もございますが、成果を上げているというよりはむしろ改善すべき点が多々あるものと考えております。
第2回事業仕分け委員会終了後、市長は委員会に提出した資料は委員会から質問がないようにしないといけない。仕分け結果と市の対応の方向性が違っている部分は、一目でわからなければいけない。市として見直しをした理由について、きちんと説明ができず不十分な部分があったと述べているところでございます。
それでは、個々の評価でありますが、まず、事業のあり方などを含めた行財政全体の再構築につきましては、次の予算等にどう反映していくのか、つまり平成23年度当初予算編成に当たって、どのように事業のあり方が検討され、どのように行財政全体を再構築したのかということでありますので、具体的な評価はこれからとなりますことを御理解いただきたいと存じます。
次に、事業の見える化につきましては、事業ごとにその目的、対象、コスト、成果などを詳細に記載した事業シート(概要説明書)を作成、公表するとともに、公開の場でのプレゼンテーションの実施、そして臨場感あふれる議論により、より多くの市民の皆さんに事業を広く知っていただくことができ、一定の評価はあったものと認識しております。
次に、職員の意識改革につきましては、職員みずからが携わっている事業の意義をそもそもから考え、仕事の全体像を改めて認識するよい機会であったと考えております。また、公開の場で外部の方からの質問に的確に答え、わかりやすく説明する訓練の場になったことは言うまでもありません。職員の気持ちの中に、新たな気づきが芽生え、具体的にどのように行財政改革に取り組んでいくのか、まずは平成23年度の予算編成に対するスタンス、取り組みが一つの重要な評価ポイントであると考えております。
事業仕分け実施後のアンケートでは、傍聴者や市民判定人の方々から、今後も事業仕分けを実施すべきである。参加してよかったといった回答をたくさんいただいております。その一方で、シートの内容がわかりにくかった。説明者の説明がよくなかったといった厳しい評価をいただいていることも事実であります。今後の実施に当たっては、市民の皆さんの声をできる限り反映し、目的の達成に向け、さらなる改善に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、第2点目の今回対象となっていない事業の事業仕分けの進め方、また今回実施された事業についても、定期的に実施していく予定があるかということについてお答えをさせていただきます。
来年度の事業仕分けの実施につきましては、今年度の事業仕分けの課題や改善点、事業仕分け委員会からの提言書の内容等を踏まえ、原則実施する方向で検討しているところであります。したがいまして、今後の実施方法等につきましては、現在のところ未確定でございます。
今年度対象とならなかった事業の取り扱いにつきましては、行財政全体の再構築を図る観点からも、来年度の事業仕分けを待つまでもなく、既に各グループにおいて事業仕分けの視点を活用した検討がなされつつあるものと認識いたしております。
また、今回対象となった事業の今後の事業仕分けにつきましては、現在のところ定期的に実施していくことは予定いたしておりません。事業仕分けでは、事業の現状を白紙に戻した上で、要、不要などをそもそもから考えることを原則としております。したがいまして、事業仕分けした事業を再度仕分けたとしても、事業仕分けそのものの意義からもその効果は低いものと考えられます。
今回対象となった事業の今後の動向につきましては、市民の皆さんに周知、公表していくこととなりますが、現在のところ予算等への反映、そして今年度構築する行政評価システムの仕組みの中で検討してまいりたいと考えております。
次に、第3点目の今後新規事業等の仕組みとして、今回の結果の横展はどのようにしていく予定ですかについてお答えさせていただきます。
事業仕分けは、現在、国や地方自治体が行っている行政サービスの必要性や実施主体について、外部の人を交え、公開の場で実施するものであります。したがいまして、新規で取り組む事業につきましては、必然的に対象としない制度設計となっており、新規事業につきましては、数年後にならないと事業仕分けの対象となり得ないこととなります。
現在、第6次総合計画策定の真っ最中でありますが、今後新規で取り組む事業につきましては、具体的な内容、時期、コストなどを明らかにした行動計画であるアクションプランを作成することといたしております。このアクションプランについては、Pdcaサイクル、いわゆるマネジメントサイクルによる事業の進捗管理等を行っていく予定でありますので、事業仕分けの結果による横展ではございませんが、新規事業に対する新たな仕組みについては、これにより既に盛り込まれているものと御理解いただきたいと存じます。
続きまして、2問目、市民予算枠事業についてお答えさせていただきます。
市民予算枠事業は、高浜市をより住みやすい町にするために、市民の皆さんからお預かりした税を地域のニーズに即し、より有効に役立てていただこうと、その使い道を市民の皆さんと協議、検討し、小学校区単位の課題解決や地域がやりたいという思いをかなえるための事業であります。
この制度は、議員もおっしゃったとおり、地域内分権推進型、協働推進型、市民提案型の3つの形で構成されております。重複しますが、その概要を申し上げますと、まず、地域内分権推進型は、小学校区の範囲で町内会などの地域団体やまちづくり協議会が実施主体となります。具体的には、地域のいいところ、長所、魅力や心配なところ、課題、問題を踏まえ、公共的な視点で地域をよりよくしていくために必要なプランを考えていただき、小学校区ごとに緊急性、重要性により調整、優先順位づけして実施していただくものであります。
次に、協働推進型は、市民公益活動団体が高浜市まちづくりパートナーとして登録し、市内全体の利益または課題解決のために必要なプランを考えていただき、公開による審査を受けて、採択となれば実施していただくものであります。
次に、市民提案型は、市民、市民公益活動団体が市内全体の利益または課題解決のために必要なプランを提案していただき、公開による審査を受けて、採択となれば市が実施するものであります。
なお、その財源につきましては、個人市民税の5%の額を市民予算枠として、その予算枠の中で市民予算枠事業と子ども医療費の1割負担を無料化にするための子ども医療事業を実施するものであります。
そこで、御質問の予算枠が余ったときに、次年度以降に余剰金を回せる仕組みとなっているかにつきましては、市民予算枠はあくまでもその年度に使える財源の枠という考え方でありますので、その年度ごとに財政状況を見ながら、予算枠を設定することといたしております。したがいまして、予算枠が余った場合の取り扱いにつきましては、他の事業予算と同様に、未執行残額は翌年度の繰越金となりますので、余剰金が翌年度以降の市民予算枠に回せるという仕組みにはなっておりませんことを御理解賜りますようお願いいたします。
次に、御質問の予算枠以上の予算が必要な提案があった場合に、どのように対応するかについてであります。市民予算枠そのものの考え方としましては、個人市民税の5%という一定の枠の中で、市民の皆さんに税金の使い道を考えていただきながら、自分たちのやりたいことを実現していただくということでありまして、市の財政状況や予算についての共通認識を深めていただくということが前提となっております。
事業の提案に当たりましては、地域に出向くまちづくり協議会特派員や、事業を所管するグループが企画や予算などの事前相談を受ける中で、基本的には予算の枠内で提案されるように調整を重ねていくシステムとなっております。
したがいまして、予算枠以上の予算が必要な提案があった場合におきましては、複数年での事業化を検討するなど、個別に対応してまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。
次に御質問の3つの事業それぞれの応募状況とその提案の採用する基準につきましては、地域内分権推進型は、小学校区ごとにとりまとめ、緊急性、重要性により調整、優先順位づけをして実施していただくもので、地域での合意が前提条件となります。
今年度の応募状況は、NPO法人高浜南部まちづくり協議会を初めとする8団体から10事業が提案され、事業を実施していただいております。
次に、協働推進型と市民提案型の採択基準といたしましては、まず事業の目的、目標や予算の適正な見積もりなどの基本的事項関係があります。さらに事業実施における課題の有無など、実施プロセス関係と事業の効果が市民全体に及ぶことや、市民サービスの向上に貢献するかなど、期待される効果関係で構成をされており、公開で行われる市民予算枠審査委員会が、採択基準により審査を行い、採択となれば実施されるものであります。
今年度の応募状況は、協働推進型が5団体から8件の提案があり、市民提案型は1団体から1件の提案がありました。
次に御質問の、実施後のフォローはどのように実施しているかにつきましては、事業完了後、事業者には事業提案書に記載した成果目標に対して、実績はどうであったかや、改善すべき点などを記した事業実績報告書を御提出いただきます。この報告書により、事業者自身の評価を行っていただくとともに、所管グループや市民予算枠審査委員会の評価もあわせて実施し、改善すべき点などをフォローすることにより、よりよい事業展開につなげていただく仕組みとなっております。
また、事業実績につきましては、広報やホームページで公表するほか、必要に応じて成果発表会などを開催し、楽しいまちづくり、輝くまちづくりのために、やる気とアイデアを持って頑張っている取り組みの紹介などをさせていただき、市民公益活動団体等が主体的に行うまちづくりへの関心を高めていきたいと考えておりますことを申し上げ、答弁とさせていただきます。
議長(小野田由紀子) 1番、幸前信雄議員。
1番(幸前信雄) ありがとうございます。
再質問のほうで、まず事業仕分けのほうから再質問させていただきます。
第2回の事業仕分け委員会終了後に市長のコメントがあったということをおっしゃってみえましたけれども、これはやっぱりやられている方と市長との思いの違いが何かあるんじゃないかというふうに、私感じるんですけれども、具体的にどういうことを意図されて発言されたというのは、どういうふうに感じてみえるという視点でいいと思うんですけれども、その点でその中身について具体的に感じていることをお話しいただけますか。
議長(小野田由紀子) 地域協働部長。
地域協働部長(岸上善徳) それでは、私のほうからお答えをさせていただきますけれども、新聞等でも多少報道はされておりますけれども、市長のコメントの内容、意見につきましては、担当職員がいかに的確に答えることができたのかといった総論での意見と、まずは御理解いただければというふうに思います。
そこで、具体的な事例ということでありますけれども、例えばいきいき広場運営事業におきましては、事業仕分けで提示された論点や検討課題、具体的に申し上げますと委託先が日本福祉大学でなければいけない理由はということに対して、その問いかけに対して即座に明確に答えることができたのかどうかといったところがあったというふうに思っています。
それと、大きな視点であります仕分け結果とは異なる市の方向性を示した場合ということでありますけれども、この場合には当然ではありますけれども、その根拠や理由につきましては、委員のみならず市民の皆さんは十分に理解できる記載内容あるいは納得のできる説明を求めておるわけです。ところが、例えばですが、ごみ減量リサイクル推進事業の指定袋手数料集める業務委託で申し上げれば、可燃ごみの指定袋の有料化といった検討課題に対しまして、だれもが納得できる簡潔明瞭な内容ではなかったのではないかというふうにとらえておるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
議長(小野田由紀子) 1番、幸前信雄議員。
1番(幸前信雄) ありがとうございます。
続きまして、事業仕分けの関係なんですけれども、継続して実施していない事業に対して実施していく、来年度は少なくとも実施するということでしたけれども、この説明の中で、今年度に行政評価システムというのが出てくるんですけれども、行政評価システム、さらにもっと言うとアクションプランという話、これは総合計画の中で出てくるんですけれども、管理の手法がたくさん出てくるというのがちょっと私は理解しづらいところがあるんですけれども、それぞれどういう思いがあって、こういうところを使い分けられていくのかというのを御説明いただきたいんですけれども。
議長(小野田由紀子) 地域協働部長。
地域協働部長(岸上善徳) 今、具体的には総合計画絡みではアクションプランというような話がありました。大きくは、いわゆる行政評価システムと要は事業仕分けの違いというか、どのような機能を持たせるかというようなところの意味合いだろうというふうに思いますけれども、これにつきましては先ほど御答弁をさせていただきましたように、行政評価システムについては、今年度システム構築をさせていただくというふうになっております。その行政評価システムは、総合計画の進行管理の役割を担うということでございますので、今ありましたアクションプランということであれば、まさにこの仕組みの中に入ってくるものというふうに思っておりますけれども、今まだ総合計画も取り組みの真っ最中というようなこともありまして、その全体像を実はまだまだ描ききれていない、そういう現段階ということでありますので、行政評価システムについては総合計画の絡みが非常に強い、そういう機能を持っておるということを申し上げるに、現段階だととどまらざるを得ないというふうに思っています。
一方、事業仕分けでありますけれども、これについてはもう今も申し上げたとおりで、基本的には事業をそもそも論から見直して、職員に気づきをもたらすということとともに、事業全体の再構築に結びつけるということが機能であるというふうに認識をしているところでございます。今後、事業仕分け委員会から提言書等をいただくものですから、それを踏まえながら、事業仕分けについて、その点については検討してまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
議長(小野田由紀子) 1番、幸前信雄議員。
1番(幸前信雄) ありがとうございます。
事業仕分け関連の最後の質問になりますけれども、冒頭の壇上からの質問のときも申しましたけれども、事業仕分けという手法自体は、一つ一つの機能を掘り下げていく、こういうことはやられている中で、細かい部分に入り込んでいっていろいろ議論されて、その事業自体がはっきりわかってくる、見える化というのは、手法的にはそういうことができるんだなということは、今回高浜でも実施していただいてよくわかったんですけれども、ただやっぱり手法自体の切り口として、例えば機能と機能がお互いに関連し合って、補うし合って成り立っている機能、こういうのがたくさんあると思います。一つのことでは解決できないから、あることをやることによって、そこの足りないところを補うしていく、こういう考え方も成り立つと思うんですけれども、事業仕分けの中ではなかなかそういう議論、周りが見えてこないというか、一つの機能の掘り下げの議論に入ってしまうものですから、これをやることによってどこにどう影響するというのが非常に見えにくい。ですから、全体としてどういう方向に持っていくというのはわかりづらい手法なのかなというふうに感じました。
そういう意味で言うと、事業仕分けの手法をやったことによって、あといろいろ細かいところというとおかしいんですけれども、やめたことによって思わぬ結果が出てくるということも十分考えられると思うんですけれども、こういうところはどういう形で補うしていかれるというのが、ちょっと私のほうでわからないものですから、あえて市長のほうから、こういうところをどういうふうに考えて、今回の事業仕分けの手法をとられたのかというのを御説明いただきたいというふうに考えております。
議長(小野田由紀子) 市長。
市長(吉岡初浩) まず、今お話があったように、事業仕分けの一つの弱点というようなことでございますが、もともと事業仕分けというのは、その事業の本来の目的に合っておるかどうかということでいくと、行政側、執行する側としては、そういう観点からやっておりますので、その結論が関係したほかの事業に対して、影響を及ぼすだろうということが前提で、そうであるからして事業の再構築につなげるということも申し上げておるわけで、もともとそこをねらってやっておるわけです。
ただ、手法として市民の方を交えて議論するということになると、どうしても目がそこにいってしまうことがあるので、十分な説明がいるし、仕分け人また判定人の方々にその部分もわかっていただくような説明と言いますか、それ以前の、例えばうちの場合でいくと、判定人と仕分け人と分かれていましたが、判定人には予備の事前のそういった説明が必要なのではないかというようなところは思っております。議論の中でどうしても、その根底に流れるような目的に合っておるかというところから、いろいろな事業に反映するという部分を出していくことは非常に難しいので、おっしゃるような部分がありますが、私どもとしてはその辺はきちんと押さえて、むしろそれを一番重要な部分だと思ってやっておりますので、そこが思わぬ結果を招くようなことにはなることはないというふうに思っています。今回、事業は結論が入れかわった部分は、まさにそのようなところがあるのかというふうに思っております。
議長(小野田由紀子) 1番、幸前信雄議員。
1番(幸前信雄) ありがとうございます。
できれば、これは大変失礼かもしれないですけれども、私ども見直しする、廃止する、やり方をかえる、こういうふうにしか聞こえてこなかったものですから、逆に言うとそれを組み直してやりかえるんだというところが、私ども認識がなかったというか、そういうところがあったものですから、ちょっと誤解があったような気がするんですけれども、やられるときにそういう方向でやるんだということをもっと明確に出していただけると、こちらも気持ちよく協力できるというか、そういうふうな形になったのかなというふうに思います。
次に、市民予算枠事業についてなんですけれども、市民予算枠の中で、まち協さんとかいろいろお願いしてやる事業あると思うんですけれども、市民の方からの提案という形で実施されると、これはやる気を喚起する意味で非常にいいというふうには思うんですけれども、地域間のばらつき、いろいろ地域の中で温度差があると思うんですけれども、これを補正していくというか、ある一定の水準はやっぱりレベル的に見ないといけない部分が当然あると思うんですけれども、こういう機能というのは、どこがどういうふうに担当されて実施されていくのかということをお教えいただきたいと思います。
議長(小野田由紀子) 地域協働部長。
地域協働部長(岸上善徳) 今、地域の温度差と申しますか、ある意味では地域のバランスをどのように考えるのかということになろうかという御質問でありますが、おのずと地域の事情、地域の特性というのはそれぞれあります。したがいまして、目指す地域の姿や地域の課題というところというのは、その特性からその地域の方向性や取り組み課題というのは、地域がみずから考え、実行していただくということが基本でありたいというような制度設計ということであるわけです。ですから、例えば非常にやる気のある地域があって、どんどんと多くの事業を実施されていくというようなことがあれば、これをどういうふうに受けとめるかということでありますが、これはやはり地域の課題として優先度が高くて、地域の方皆さんが一緒になって地域を支え合って展開をしていくんだというような、そういう支え合いのシステムをみずから構築し、取り組んでおみえになるというようなとらえ方をさせていただいております。
言うまでもなく市民予算枠事業というのは、まだ始まったばかりでございます。これからも地域力、市民力が発揮されて、住みよい地域づくりが地域の皆さんの知恵、行動によって実現できるように、私ども地域協働部、地域政策、それからまちづくり特派員等で、ここら辺というのはやっぱり支えていくのも必要ですし、この制度そのものの周知について、もっともっと展開をしなければいけないというふうに考えておりますので、ある意味温度差というのは当然のものとして認めつつ、皆さんがそれぞれ積極的に地域の課題に取り組んでいただければありがたいというふうに考えておる次第でございます。
議長(小野田由紀子) 1番、幸前信雄議員。
1番(幸前信雄) ありがとうございます。
先ほど、行政評価システム等の話も出ましたけれども、市民予算枠事業についても答弁にありましたように、今回始めたばかりの事業だと思います。やったことに対する成果評価ですとか、こういうことは当然必要だと思うんですけれども、やっぱり人間として数字だけで見るんじゃなくて、そこの地域の方の意見とか、やられている方の意見、それ以外の方の意見、こういうところをどういう形でここに生かしていくかによって、予算枠の機能が全然変わってくると思いますので、そういう魂の入った活動になるように、せっかく始めた事業ですから、生かしていくのも殺すのもこれはやっぱり当局側の力というのが非常に大きいと思いますので、積極的にやっていただきたいというふうに考えております。
話は、最後の行政委員会委員に対する報酬についての質問に変わりますけれども、高浜市の状況で、行政委員の報酬に対する地方自治法の趣旨、それから既に日額制にした自治体の事例については理解させていただきました。
そこで、答弁の中で、熊本県や青森県では公式的な会議以外にも日常的に情報収集を行うなどの必要があることから、基礎報酬額制や月額、日額併用制を採用しているという御説明でしたけれども、本市についても同様のことが言える行政委員もあろうかと思いますが、本市の行政委員の活動実態を把握していれば、その活動の状況をお示しいただきたいと思います。よろしくお願いします。
議長(小野田由紀子) 人事グループ。
人事G(鈴木信之) それでは、本市の行政委員の活動実態でございますけれども、平成19年度から21年度までの3年間の平均会議出席日数といたしましては、教育委員会委員長につきましては月当たり4.33日、月額報酬で割りかえした日額換算額といたしましては1万1,778円、同委員については3.61日で、日額換算額1万803円となり、これらの日数につきましては、学校行事等への出席日数を含んでおります。
次に、選挙管理委員会委員長については、月当たり1月1日日で、日額換算額1万5,315円、同委員につきましては0.86日で、日額換算額1万7,441円、公平委員会委員につきましては、年当たり7.00日で、日額換算額6,571円となっております。代表監査委員につきましては、月当たり3月17日日で日額換算額1万7,981円、議会選出監査委員につきましては、月当たり7.50日で、日額換算額3,066円となっており、この日数につきましては、御自宅への訪問説明や監査委員事務局への来所日数を含んでおります。
次に、農業委員会会長につきましては、月当たり1.56日で、日額換算額1万2,179円、同副会長につきましては、月当たり1.85日で、日額換算額9,189円、同委員につきましては、月当たり1.74日で、日額換算額9,195円となっておりますけれども、副会長及び委員につきましては、現地調査をした日数を含んでおります。
最後に、固定資産評価審査委員会委員につきましては、年当たり1.67日で、日額換算額1万1,377円となっております。
以上でございます。
議長(小野田由紀子) 1番、幸前信雄議員。
1番(幸前信雄) ありがとうございます。
今、日額換算の金額とか月額の報酬の金額を伺ったんですけれども、今、実際に裁判で出ている状況を伺っていると、非常に月額で高額だということで訴訟の対象になっているのかなと。詳しいところは裁判の中で明らかになってきたんですけれども、会議に1回出席して10万円、20万円、これはやっぱり常識からちょっと外れるようなところがあるのかなという感覚はあるんですけれども、ただ額にとらわれるんじゃなくて、それ以外拘束される場面とか、そういうことは当然出てくると思います。
本市の行政委員の報酬は、答弁いただきましたように住民感情からいっても決して高いものじゃないと思うんですけれども、経費節減という観点に立って見直しを行うのではなくて、どういう考え方でこの見直しを行っていくのかということをお示しいただきたいんですけれども、よろしくお願いします。
議長(小野田由紀子) 人事グループ。
人事G(鈴木信之) 行政委員の日額報酬への見直しに当たりましては、議員のおっしゃるとおり経費の節減という観点ではなくて、あくまでも地方自治法の趣旨を尊重するという立場に立って進めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
議長(小野田由紀子) 1番、幸前信雄議員。
1番(幸前信雄) 最後になりますけれども、今回、事業仕分け、市民予算枠、高浜として新しいことを、新しい形で、新しい考え方でやっていこうとされるのは、これはすごくいいことだと思います。ただ、やってやりっ放しにするんじゃなくて、先ほども言いましたように、これから育てていくのは、それに関係している行政の職員の方であり、私ども議員であり、そういう目でどういう形にすれば高浜市がよくなるかという視点に立って活動いただくようにお願い申し上げて、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
議長(小野田由紀子) 暫時休憩いたします。再開は13時30分。
午後0時12分休憩
午後1時30分再開
議長(小野田由紀子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、3番、杉浦敏和議員。一つ、防災の取り組みについて。一つ、高齢化社会について。一つ、いきいき広場再編整備計画について。以上、3問についての質問を許します。
3番、杉浦敏和議員。
〔3番 杉浦敏和 登壇〕
3番(杉浦敏和) 議長のお許しをいただきましたので、さきの通告に従い、3問の一般質問をさせていただきます。
初めに、防災について。
国が昨年度から道路マップ程度の縮尺2万5,000分の1の地図を使い、その上に活断層の走る位置を記した地図を、5年先完成をめどにつくっています。高浜市では、大地震を想定し、高浜防災マップを全戸配布されています。
東海地震があす起きてもおかしくないと言われ続けて30年以上、このまま時間がたてば今世紀前半に予測される東南海、南海地震との同時発生の可能性が高まってきます。そもそも、東海地震は、歴史上単独で起きたことはありません。3つの地震が連動すれば、静岡県を初め東海地方全域に甚大な被害を及ぼすことは明らかです。
政府の中央防災会議では、3つの地震の各地震がほぼ同時に起こり、駿河湾沖から四国沖を震源とするマグニチュード8月7日の超巨大地震になった場合に予測される被害は、千葉県から宮崎県の太平洋沿岸の広い地域に揺れや津波による被害が及び、死者は最大で2万5,000人、家屋の全壊は55万棟、最も深刻な静岡県では死者は8,100人、家屋の全壊は23万棟に達するとしています。愛知県、三重県の死者は4,500人としています。
3つの地震の連動は約300年前に確認されていますが、今後どの程度の確率で連動するかは解明されていません。現在の防災体制はそれぞれ単独の発生を想定しており、3つの地震が連動して起きたケースに対して明確な戦略は持っていません。政府は、ことしの9月1日の総合防災訓練で初めて3つの地震が連動した場合の訓練を実施しました。
この時期になって連動の可能性が議論される背景は、2001年の中央防災会議、東海地震に関する専門調査会にあります。調査会が東海地震の想定震源域を見直した際、単独で起きなかった場合に3つの地震が同時発生する可能性を、今後10年程度後に再検討する必要があると附帯事項で指摘していました。この9年前の指摘を踏まえて、そろそろ3つの地震の連動について、本格的に考えてもいい時期だといった背景からであります。
3つの巨大地震は、100年~150年の周期で、わかっているだけで過去1,300年に10回余り発生しています。東海地震の震源域では、安政地震以降150年以上のひずみがたまっていると考えられています。その切迫性が注目され始めた1970年代には、前回の東南海地震は1944年に発生していますし、南海地震は2年後の1946年に発生しています。この発生から三十数年しか経過していなかったため、3つの地震が連動して起きる可能性は議論になりませんでした。その後の観測技術の進歩から、東海地震が150年以上も起きていない理由が次第に明らかになってきました。
こうした背景と時間の経過とともに浮上してきたのが、3つの地震が連動して発生する可能性であります。過去の事例では、安永地震や安政地震の例があり、このときは3つの地震が同時か接近して起きていました。断層が連続し、一つが動くと隣も動きやすいからだと言われています。
このように考えてくると、3つの地震の連続発生の可能性がますます高くなり、状況は悪くなるばかりです。被災が広域的になることで、支援体制にも支障が心配されると警告しています。
そこでお伺いします。
初めに、全戸配布の高浜市地震防災マップについてお伺いします。
1、配布部数及び配布状況についてお聞きします。
2、周知方法はどのようにされていますか。今後の予定などがあればお聞かせください。
次に、災害時に備えるということで、過日災害時相互応援協定を刈谷市が11自治体と締結の新聞記事を見ました。大災害が発生し、被災者の救護が十分できない場合、協定自治体が相互に物資供給や医療活動などで協力体制を整備していく内容と伺っています。このことについてお伺いします。
1、高浜市はこのような取り組みはされていますか。他の市町との協力関係はどのようになっていますか。
2、高浜市では、災害時応急復旧工事などの協力に関する協定を、愛知県東部電気工事協会刈谷支部碧南地区と結ばれていますが、その内容についてお伺いします。
2問目、高齢化社会についてお伺いします。
最近の新聞記事で、「消えた高齢者」「長寿国日本、信用がた落ち」の記事が目につきます。100歳以上の高齢者の所在が各地で不明となっている問題が広がりを見せています。地域で敬われるはずの長寿者を、自治体はなぜ把握できていなかったのでしょうか。人間関係が希薄になったからだとか、大切なのは家族のつながりだとか、いろいろな意見がありますが、敬老金制度が長寿者の所在確認に一役買っていたからなのでしょうか。さらには確認を阻む個人情報といった問題も大きな原因かもしれません。長寿を誇っていた日本だが、高齢者に対する福祉行政のあり方が問われていると思います。高浜市の100歳以上の高齢者は何人いますか。その所在は確認できていますか。
3問目、いきいき広場再編整備計画について。
1、いきいき広場3階の事業概要について。2、こども発達センターについてお伺いします。
いきいき広場は、来る高齢化社会の到来に向け、平成8年に高齢者福祉のワンストップサービスを目指し開設され、以来多くの高齢者が願う、住み慣れた高浜でいつまでも安心して暮らしたいがサポートされていることは言うまでもありません。
また、平成18年には障害者相談支援員、平成20年には精神保健福祉士が配置され、高齢者に加え障害のある方の地域生活サポート体制の充実が図られ、障害のある方の自立に向けての大きな安心感ともなっています。
一方、1,644人の福祉人材を輩出されました日本福祉大学高浜専門学校が本年3月に閉校になったことは残念なことでありました。しかし、現在その跡地を活用し、いきいき広場の機能の充実を図るためのまちづくり広場、こどもサポート広場、健康ひろばの整備が進められているということですが、その概要についてお聞かせいただきたいと思います。
次に、こども発達センターについて伺います。
発達に心配のある子供たちやその家族に対する支援の必要性は、平成17年4月の発達障害者支援法の施行や子供一人一人の教育的ニーズに応じた指導、支援を行う特別支援教育を推進するための平成19年4月の学校教育法改正などからも明らかになっています。
そうした社会的ニーズが高まる中、3階の再編整備計画において、私たちも注目している事業として、市長のマニフェストに掲げられている発達支援センターを整備しますとの内容を具体化したこども発達センターがあります。
先日の福祉文教委員会の行政視察において、兵庫県三田市と滋賀県野洲市の発達支援センターを視察してまいりましたが、名前はいずれも発達支援センターで同じですが、それぞれのセンターごとに特徴がありました。
三田市では、こども発達センターの設置により、すべての子供の発達を支援することと、発達におくれや障がいのある子供に対して、継続的で総合的な支援を行う体制が構築されています。
また、支援内容では、専門的な療育を行うこと。家庭支援を行うこと。障がいのある子供の地域支援を行うこと。そしてみんなで子育てをする地域づくりを行うことが特徴となっています。この三田市の取り組みは、平成元年に開始した心身障害児訓練事業のかるがも教室から支援の歴史が始まっており、長い年月をかけて事業を実施してきた重みが感じられました。こうした発達支援の取り組みが、決して短期間で構築できるものではないということも、あわせて実感しました。
もう一つの視察先である野洲市では、平成20年に野洲市発達支援センターを開設し、乳幼児期から成人まで発達の状況に応じて専門的な相談や療育を行い、心身の発達を総合的に支援しています。そして、相談支援として、子育てに対する困難さや負担感を感じる保護者に対しては、小児科の嘱託医師により、病院の紹介なども行っており、専門職の配置による支援を行っています。
高浜市では、これまでも発達障がいについては、幼稚園や保育所、小・中学校の現場で先進的な取り組みが行われていますが、こども発達センターを設置するに当たり、その特徴は、また今後どのような事業を行っていくのか、どうしたことを目指していくのか、その全体像をまず初めにお伺いします。
以上で、1回目の質問を終わります。
〔3番 杉浦敏和 降壇〕
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
〔福祉部長 新美龍二 登壇〕
福祉部長(新美龍二) それでは、答弁の順番が異なりますが、2問目、高齢化社会について、3問目、いきいき広場再編整備計画について、2問についてそれぞれお答えをさせていただきます。
初めに、2問目、高齢化社会についてお答えいたします。
東京都足立区で111歳とされる男性のミイラ化した遺体が見つかった事件に端を発した所在不明高齢者の問題は、日を追うごとに拡大し、全国の自治体では100歳以上の高齢者の存否について、その調査が行われているところでございます。愛知県内では、去る8月16日、神田知事のプレス発表において、名古屋市と津島市で合わせて3人の100歳以上の方が所在不明となっております。
御質問のありました本市における100歳以上の高齢者は、現在6人の方がおみえになります。本市では、毎年9月15日の老人の日に合わせて、9月15日号広報紙に高浜長寿番付として、男女の上位5番までの方を広報に掲載させていただいており、これまでも広報掲載への御承諾をいただくことにより、所在確認を行ってまいりました。本年度はこうした全国的な所在不明問題を受けまして、本人確認として100歳以上の方すべてと直接面会をさせていただき、その所在を確認しております。
続きまして、3問目、いきいき広場再編整備計画について。(1)いきいき広場3階の事業概要について。(2)こども発達センターについてお答えさせていただきます。
まず、(1)いきいき広場3階の事業概要についてお答えいたします。
今回、いきいき広場の整備計画では、まちづくり広場、こどもサポート広場、健康ひろばの3つの広場を整備し、いきいき広場が担う高浜版地域包括ケアシステムの構築を図ることを目的としております。
今回、なぜ3つの広場の整備が必要となったのかについて、少し説明をさせていただきたいと思います。
いきいき広場は、平成8年に生きがいと健康づくりを基本テーマに整備され、市民の健康づくりと生きがいづくりを中心に事業展開をしてまいりました。また、もう一つの大きな柱として、福祉のワンストップサービスを目指し、いきいき広場の中心的な機能としての総合相談窓口を整備してまいりました。この総合相談窓口は、介護保険の制度改正により地域包括支援センターとして名を変え、当初は高齢者を中心としておりましたが、障がい者の親亡き後の生活など、障がい者に対する支援が急務となったことから、平成18年には地域包括支援センターに障害者相談支援員を、平成20年には精神保健福祉士を配置し、高齢者に加え障がい者の地域生活サポート体制の充実を図るなど、時代のニーズに対応した地域包括支援センターの構築に努めてまいりました。
こうした中、新たな課題として、保育園や幼稚園、学校の現場などにおける障がいのあるお子さんを含めた子供たちの発達支援や、親子関係が不安定な状況の中で起こる児童虐待、ネグレクト、非行など、子供家庭福祉に関する問題も多岐にわたるだけでなく多様化し、その対応、支援が急務となってまいりました。
そこで、障がいのあるお子さんの発達支援や子供家庭福祉についても、高齢者や障がい者と同様に専門職を中心に、関係機関が連携し、チームによる包括的な支援を行うため、こどもサポート広場を整備し、子供家庭福祉を総合的に支援するというものであります。具体的には、子育て支援相談室を開設し、子育てに関する各種相談のワンストップを目指してまいります。
また、こども発達センターでは、障がいのあるお子さんの発達及び発達障がいに関する発達相談を初め、発達障がいの早期発見、早期支援を行うとともに、発達支援にかかわる福祉職、保育士、教諭職等の人材育成を行ってまいります。
また、子育て支援の一環として、共働き世帯の育児を支援するための託児所を、社会福祉協議会が開設してまいります。
次に、健康ひろばでございますが、福祉と健康は切っても切り離せない関係にあることは言うまでもありません。健康づくりにつきましては、従来の生活習慣病の早期発見、早期治療を目的とした2次予防から、健康を増進し、病気にならないための1次予防に重点を置いた取り組みが強く求められております。
現在の保健センターは、2次予防に重点を置いた取り組みを行うため、かつての市立病院に併設される形で整備がされております。今後は1次予防への取り組みや、福祉との連携が一層重要となることから、保健センター機能の見直しが必要となり、いきいき広場にその機能を移し、健康ひろばとして整備を行うものであります。
また、こども発達支援センターとの連携を視野に入れ、保健センターで実施してまいりました乳幼児健診を初めとした母子保健事業も健康ひろばで実施してまいります。
最後に、まちづくり広場について申し上げます。
いきいき広場は、高齢者や障がい者の生活を支援する2階部分のふくし総合広場に加え、今回新たに整備するこどもサポート広場、健康ひろばが整備されることとなります。それぞれの広場では、さまざまな制度による公的なサービス(フォーマルサービス)を提供していくこととなりますが、フォーマルサービスの提供には一定の制約、基準が設けられることから、だれでも受けられるわけではございません。地域には、フォーマルサービスには該当しなくても、同様のサービスを必要とする方がたくさんおみえになります。こうした方たちには、家族、近隣、知人、ボランティア等が行う非公的な援助(インフォーマルサービス)が重要となってまいります。今後は、このインフォーマルサービスの充実が、地域での生活を大きく左右するとも言われております。
このことから、地域福祉推進の基盤づくりを進めるための機能を持たせたまちづくり広場の整備を行うものであります。具体的には、今後必要となる新たなインフォーマルサービスの調査研究及び創出を図るため、まちづくり研究センターを日本福祉大学と連携し、開設いたします。
また、ボランティア団体を初め地域が取り組む地域福祉活動や、地域の人材発掘を支援していく地域福祉センターを社会福祉協議会が開設し、インフォーマルサービスの提供者、実践部隊として地域福祉の推進に努めてまいります。
続きまして、(2)こども発達センターについてお答えいたします。
杉浦議員の御質問にありましたように、近年、発達に心配のある子供たちや、知的障がいがごく軽度の子供であって、自閉症などの発達障がいの子供とその家族に対する支援の必要性が強く求められております。
現在検討しております高浜版こども発達センターの特徴は、新たに5歳児健診を合わせて実施することと、相談支援体制の構築にあります。現在、乳幼児健診として4カ月児、1歳6カ月児、3歳児の3つの健診を行っておりますが、全国的にも3歳児健診終了後は、小学校入学前に行う就学時健診までは実態として公的な健診機会がございません。このため、本市では早期発見、早期支援を図り、保護者にとっても早期の気づきの機会とするための小児科医による新たな5歳児健診の実施を考えております。この5歳児健診は、すべての子供たちにとって、小学校入学に向けた事前準備となりますし、特別支援教育に向けた気づきの場ともなります。
次に、こども発達センターの具体的な事業内容でございますが、発達相談事業、早期支援事業、発達障害人材育成事業、継続的支援事業、発達支援ネットワークシステムの構築といった5つの事業を柱として実施してまいりたいと考えております。
初めに、発達相談事業ですが、支援が必要な子供とその保護者が気軽に相談できる場として、専門機関に結びつくまでの初期の相談から、専門職であります小児科医師、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、そして保健師による相談、指導、訓練を行うものであります。
次に、早期支援事業では、新たに実施する5歳児健診により、早期の気づきの充実を図るとともに、健診事後教室として、発達のおくれや発達障がいの疑いのある親子への観察を行い、適切な支援へとつなぎ、子供の健やかな発達を支援するものであります。
また、発達障害人材育成事業では、日本福祉大学と連携し、福祉職、保育士、教諭など、業務において発達障がいへの理解が必要とされる現場における基本的知識を身につけるための研修会や講演会を開催するとともに、発達障がいについて専門的に学び、職場において技術指導を行うためのリーダー養成研修などを開催してまいります。
継続的支援事業では、これまで支援を中心に行っていた保健師に加え、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士といった専門職を新たに配置することにより、個別支援として指導や訓練を行うもので、こうした専門職が就学後も児童の継続した支援を行い、学校等の訪問を通して情報交換や助言、指導を行うものであります。
最後に、発達支援ネットワークシステムの構築では、支援が必要な子供に対して、福祉、医療、保健、教育、就労までの一貫した支援が、総合的、継続的に提供できるよう、関係施設や関係機関と連携がとれる仕組みづくりを行うものであります。
また、発達支援を行う柱として、親同士のネットワークが必要となってまいります。子供とどのように接したらよいか。進路はどう考えたらよいのかなど、同じ課題や気持ちを共有し、支え合う仲間づくりから主体的に保護者同士がつながり、集えるような交流事業を進めてまいりたいと考えております。
以上がこども発達センターの全体像でございますが、その目指すものは特別支援教育へつないでいくための基盤体制づくり、そして出生から乳幼児期、就学前から就学時、進学時、卒業時など状況がかわる中、支援が途切れることのないよう、各機関と連携しながら、将来の地域生活を見据え、ライフステージに応じた継続的な支援を行っていくことを目標と考えておりますので、よろしくお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
〔福祉部長 新美龍二 降壇〕
議長(小野田由紀子) 危機管理グループ。
危機管理G(尾崎常次郎) それでは、杉浦敏和議員の1問目、防災の取り組みについてお答えいたします。
まず初めに、地震防災マップの配布部数、配布状況及び周知方法についてでございます。
平成14年4月、東海地震に関する想定震源域の見直しに伴い、高浜市は当時の県内57市町村とともに、地震防災対策強化地域に指定され、また平成15年12月には、東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されました。
平成15年に中央防災会議の専門調査会が作成した想定東海地震、東南海地震、南海地震の震源域が同時に破壊される場合の算出データによると、3つの地震が連動して発生した場合の愛知県における被害想定を、死者数1,900人、全壊棟数9万1,000棟と想定しています。また、高浜市における2つの地震、東海地震、東南海地震が連動して発生した場合の被害想定については、死者数30人、全壊棟数1,200棟と想定されています。
このような災害が起きる危険性が高い中で、今回作成した地震防災マップは、避難場所の一覧表や万一に備えて各家庭で備えておく必要がある非常持ち出し品、備蓄品など、いざというときに役立つ情報及び高浜市の地震対策補助制度、具体的には無料耐震診断、耐震改修費補助、耐震シェルター等設置費補助、家具転倒防止器具取付補助について掲載いたしております。また、この地震防災マップでは、高浜市における地震による揺れやすさや、建物の倒壊の危険度を地図上にあらわすなどの情報も掲載いたしております。
この地震防災マップは、町内会加入世帯については、町内会を通じて約1万2,000部を配布しており、町内会未加入世帯については、市役所を初め市内公共施設、コンビニに広報とあわせて設置していただくことにより、身近で手に入れることができる方策を講じているところです。
また、市公式ホームページにも地震防災マップの内容を掲載し、いざというときに役に立つ情報提供を行うほか、防災関係者会議において、地震防災マップの内容説明を行うなどにより、地震防災マップの周知に努めてまいりました。今後も機会あるごとに周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、災害時相互応援協定についてでありますが、平成17年に岐阜県多治見市より災害時相互応援協定締結の申し出があり、本市といたしましては、相互応援協定の相手先としては同時に被害を受けるおそれがある近隣の地区ではないこと、半日程度の時間で応援ができること、応援する側に極端な無理がかからないことなどの相互応援協定の要件について、多治見市がその要件を満たしており、また同じ窯業の産地で、東海環状自動車道で結ばれ、交通の便が容易であるとの判断から、同年11月2日には多治見市と相互応援協定を締結しました。また、その多治見市の隣の市で、本市と姉妹都市提携をしている瑞浪市に対して声をおかけしたところ、相互応援協定を結ぶことについて御了解をされましたので、瑞浪市とも同年11月8日に災害時相互応援協定を締結いたしました。
この相互応援協定に基づき実施する応援の種類は、被災者の救出、医療、防疫、施設の応急復旧等に必要な物資、機材および車両の提供。食料、飲料水その他生活必需品等の物資の提供。被災者を一時収容するために必要な施設の提供。応援に必要な職員の派遣。災害救助ボランティアのあっせんなどでございます。
なお、近隣市につきましては、平成12年1月17日、衣浦東部五市の間で、災害が発生した場合における相互応援に関する協定を締結しております。
次に、愛知県東部電気工事協力会刈谷支部碧南地区との災害時応急復旧工事等の協力に関する協定についてでありますが、この協定が締結されるに至った経緯といたしましては、ことしの2月に愛知県東部電気工事協力会刈谷支部碧南地区から、災害時における電気復旧工事等について、協力をしたいとの申し出があり、ライフラインの災害復旧に有益、有用であることから、3月23日に協定を締結いたしました。
この協定では、市から災害時に停電等による電気復旧工事等の協力の要請があったときは、電気復旧工事等について積極的に協力するものとし、そのほかに要請の手続き、工事の実施、復旧工事等の経費負担などを規定しております。
以上、御理解いただきますようにお願いを申しあげて、答弁とさせていただきます。
議長(小野田由紀子) 3番、杉浦敏和議員。
3番(杉浦敏和) それでは、防災の取り組みについて再質問をさせていただきます。
地震防災マップについては、それぞれの家庭から防災への備えができればとの思いから、町内会の理事会などで話をさせていただいています。作成し、配布された資料、機会あるたびに周知を図っていただきたいと思いますので、防災講演会などの機会にもPrされてはどうでしょうか。お願いしておきます。災害時相互応援協定については、協力関係をきちんとつなげていただきたいと思います。
2010年度防災白書案では、災害時に可能なら救援物資の運搬や初期消火、避難誘導などで協力したいと考えている人が50%を超えるとのアンケート結果を紹介しています。また、住民やボランティア、企業などの連携が不十分として、地域で活動する防災リーダーの育成が重要と指摘し、地域や職場で防災に臨むリーダーの役割に期待を示しています。防災リーダーの育成について、高浜市のお考えは、また現状と今後の対応についてお聞きします。
次に、本市での耐震化率は、耐震診断率は、さらには耐震診断後の耐震改修及び耐震補強はどのようになっていますか。お聞きします。
また、高浜防災マップにも記載がされていますシェルター設置の補助についてですが、その利用状況は何件ありましたか、お聞きいたします。
議長(小野田由紀子) 危機管理グループ。
危機管理G(尾崎常次郎) それでは、まず防災リーダーの育成についてでありますが、高浜市における防災リーダーは現在16人おられます。これらの方々は、それぞれお住まいの地域で活動されており、またこれら防災リーダーの一部の方々が中心になって、高浜災害ボラ「お互いさま」を設立されております。高浜災害ボラ「お互いさま」には、災害時に地域ボランティア支援本部内でボランティアの受け入れやボランティアへの応援要請の調整を行う役割を担うボランティアコーディネーターとして協力を要請してまいります。また、社会福祉協議会が開催するボランティアコーディネーターの講習会の講師としても御活躍をいただいております。
今後、市といたしましても、現防災リーダーさんに御協力をいただいて、防災リーダーとなる人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
次に、本市での耐震化率、耐震診断率、耐震診断後の耐震改修工事についてでございますけれども、本市では、阪神淡路大震災において、木造住宅が甚大な被害をこうむったことから、平成14年度から、昭和56年5月以前に着工された木造住宅を対象に、無料耐震診断を行っております。この無料耐震診断の実施状況でありますが、平成21年度までの合計で782件を行っております。
また、無料耐震診断の対象となる木造住宅の戸数につきましては、平成15年住宅土地統計調査の結果により、平成15年10月時点で2,910戸と推計しておりまして、この数字によりますと、耐震診断の実施率は約26.9%となっております。
これまでに実施した無料耐震診断の結果につきましては、倒壊または大破壊の危険性があるとされる判定値0.7未満のものが464件で59.3%、やや危険とされる判定値1.0未満のものが204件で26.1%であり、診断を実施したもののうち85.4%が補強を要するという結果となっております。
耐震改修の実施状況でありますが、本市の耐震改修補助制度は、現在は補助対象を判定値1.0未満のものにまで拡充し、改修工事費、設計費ともに補助率を設けず、一般世帯につきましては改修工事費の補助限度額を75万円、設計費の補助限度額を10万円に拡大し、また低所得の高齢者世帯や障がい者を含む世帯、生活保護世帯においても改修工事費の補助限度額を150万円、設計費の補助限度額を15万円に拡大することによりまして、市民の方の自己負担額の軽減を図りつつ、耐震改修の推進に努めているところであります。
こうした補助限度額の拡大もありまして、市の補助制度を利用したものとして、平成15年度から平成19年度までの間で10件でありましたものが、平成20年度は15件、平成21年度15件と大幅に利用がふえ、これまでで合計40件の耐震改修工事が実施されております。
平成20年3月に作成いたしました高浜市建築物耐震改修促進計画では、住宅について、平成15年度時点で79%と推計される耐震化率を、平成27年度までに90%にするという目標を定めております。そしてこの計画においては、平成15年度から平成27年度までに130戸の補助による耐震改修工事を目標としており、平成21年度末現在において、40戸の耐震改修工事が実施されております。
今後におきましては、平成22年度から平成27年度までの6年間で、90戸の耐震改修工事の実施を推進していきたいというふうに考えております。
次に、シェルター設置の補助についてでございますが、市が行う無料耐震診断の判定士が、倒壊する可能性がある、または倒壊する可能性が高いと診断されました昭和56年5月以前に着工した木造住宅に耐震シェルター等を設置する場合、費用の一部を補助する目的で、平成21年度から実施をしておりますが、平成21年度は実績がございませんでした。
この補助は、耐震改修工事を行うには、費用的に負担が大きいという方について、比較的費用負担が少なくて済む耐震シェルター等を設置していただくことにより、みずからの生命及び身体を保護していきたいということで、始めさせていただきました。この事業は、耐震改修工事を補うする事業として、今後も継続していくとともに、市民の方がこの事業を活用されますように、Prに努めていきたいというふうに考えております。
議長(小野田由紀子) 3番、杉浦敏和議員。
3番(杉浦敏和) ありがとうございました。
防災リーダーが各地域で育成され、防災訓練などのときに見えるようになるといいと思います。大災害の発生時にボランティアの受け入れについてもきちんとできているとのことであり、安心をいたしました。
シェルターの設置がまだ発生していないとのことで、Prが不足しているのか、使い勝手が悪いため利用がないのか、検証していただきたいと思います。
「大地震のとき机の下は危険」の記事を見ました。大地震発生時の退避行動について検討していた文部科学省の科学技術学術審議会の作業部会では、震度6弱以上の強い揺れで動けないときは、頭を守ることを最優先にするなど、状況に応じた行動が重要だと提言する報告書を取りまとめたとのことです。報告書案は、地震の前と初期、大きな揺れの最中とおさまった後に分けて、とるべき行動を示しています。まず、建物の耐震化や家具の固定など、事前対策の重要性を強調、地震初期の小さな揺れから大きな揺れまでに時間があるときは、火を消すなどして安全な場所に移動すべきだとし、動けないぐらい大きな揺れが襲ってきたら、姿勢を低くして頭を守り、揺れがおさまった後に火を消すのが適当だと提言しています。従来私たちが教えられてきた内容と少しずつ違いが出てきているように思います。このようなことに対して、こうあるべきとした行政の指導に何か変更がありますか。行政側のお考えがあればお聞かせください。
地震災害には、住宅火災がつきものですが、住宅火災死亡4年連続減少、住宅用火災警報器の設置義務化による普及効果が出始めているとの記事を見ました。火災報知機の設置により、火災死亡事故は愛知県でも大きく減少していると聞いています。本市での住宅火災の発生状況をお聞きします。警報器の設置状況もあわせてお伺いします。
議長(小野田由紀子) 危機管理グループ。
危機管理G(尾崎常次郎) それでは、ただいまの大地震発生時の退避行動についての行政側の考えについてということでございますが、先ほども御答弁申し上げました地震防災マップの中には、地震から身を守る10カ条を掲載いたしております。
その中で、まずは身の安全をということで、急いでテーブル、机などの下にもぐり、あわてて外に飛び出さないことが大切ですと掲載いたしております。また、議員言われますように、動けないくらい大きな揺れが襲ってきたら、姿勢を低くして頭を守ることは非常に大切なことであると考えております。大きな揺れがあって、自分自身でほとんど身動きできない場合にあっては、まずもって姿勢を低くして頭を守ることにより、身の安全を図っていただきたいというふうに考えております。
次に、本市での住宅火災の発生状況、住宅用火災警報器の設置状況についてでありますが、本市での住宅火災の発生状況につきましては、平成17年度におきましては8件、平成18年度は7件、平成19年度7件、平成20年度4件、平成21年度5件ということでございまして、いずれの年度も死者はございませんでした。
また、住宅用火災警報器の設置状況についてでありますが、この住宅用火災警報器につきましては、衣浦東部広域連合火災予防条例により、既存住宅につきましては平成20年5月31日までに設置することが義務づけられております。この設置の状況でございますけれども、愛知県全体で72.9%、衣浦東部広域連合管内では71.6%となっております。
よろしくお願いいたします。
議長(小野田由紀子) 3番、杉浦敏和議員。
3番(杉浦敏和) ありがとうございました。
住宅用火災警報器の設置が100%になると、火災による死亡事故はまだまだ減少できると思います。火災死亡の危険の告知と、火災警報器の設置による火災死亡事故撲滅への取り組みを引き続きお願いしておきます。
一番簡単な防災はあいさつですと言われています。いざというとき被害の拡大を防いでくれるのは、何よりもまず地域の助け合いです。近隣同士が協力して災害に立ち向かえる町へ、まずはあいさつを交わすことから始めていきたいと思います。
8月29日高浜市では各地域で要援護者も含めた防災訓練が行われました。訓練の体験と配布された地震防災マップをいま一度我が家でも確認し、来るべき大地震への備えをしていきたいと思います。
それでは、2問目の高齢化社会について再質問いたします。
本市においては100歳以上の人の所在は把握されているとのことで安心いたしました。では、95歳までの人は大丈夫でしょうか。90歳までの人はどうですか。いろいろ心配になってきます。今後の所在確認について、行政のお考えをお聞かせください。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) 議員御質問のとおり、高齢者の方の所在確認につきましては、決して100歳以上を行えばいいというものではございません。現在のところ、何歳以上の高齢者について所在確認を行うかは、特に国あるいは県からの基準、指導といったものはございません。あくまでも市町村独自が判断して行っていくというものであります。
そこで、本市ではこの所在不明問題を機に、75歳以上の高齢者まで対象年齢を下げて所在確認を行いたいというふうに考えております。現在、本市における75歳以上の高齢者は、約3,600人ほどおみえになります。そのうち、健康診断を受けられた方が2,100人、介護保険の要介護認定者が1,000人おみえになります。もちろんこの中に重複者もあるわけですが、こうしたデータと地域の実情を知ってみえる民生委員さん、あるいはシルバーの見守り推進員さんの活動実績など、あらゆる高齢者の方々のデータを結合させまして、その中で漏れた方について、所在確認を行ってまいりたいというふうに考えております。
議長(小野田由紀子) 3番、杉浦敏和議員。
3番(杉浦敏和) ありがとうございました。大変心強い内容で安心しました。
これまで家族や会社がセーフティネットとなって社会保障制度を補う形で機能してきました。しかし、今、家族とのきずながほころび、非正規雇用の増加で会社というよりどころもなくした人がふえています。そうした人たちを社会的に孤立させないようにするための新たな取り組みなり条件整備の見直しなどが重要になってくるのではないでしょうか。これからも福祉のまち、高浜であり続けられるように、よろしくお願いいたします。
3問目のこども発達センターの関係でお聞きいたします。
まず初めに、小児科医による新たに5歳児健診を実施しますと答弁がありました。また、発達相談事業の中でも医師による相談とありました。医師という言葉が何度も出てきました。こども発達センターを運営していく上でも、医師の配置は重要なことであると考えますが、その確保について現在どのように進んでいるのか教えてください。
また、発達障害人材育成事業については、日本福祉大学と連携して取り組むというお話でしたが、どのような内容なのかあわせてお聞きします。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) まず、医師の確保の問題でございます。新たに5歳児健診を行うこと、そして発達相談を行うこと、これが新しい事業として加わるわけですが、当然小児科の医師が必要になってまいります。高浜市医師会に協力をいただく中で、現在乳幼児健診を行っていただいておる先生が、発達障がい専門というんですか、小児神経科の医師ということで、この先生に3歳児と5歳児、そして発達相談にかかわっていただきたいということでお願いをしております。
次に、発達障がいの人材育成の絡みでありますが、日本福祉大学の子ども発達学部、健康科学部また名古屋にありますが、子ども発達支援室というものがございます。こういった組織から講師等の人材の派遣をいただいて、お願いをしていくというふうに考えております。
あわせまして、こども発達センターでは、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士といった専門的なマンパワーが必要になってまいります。こういった専門職についても、日本福祉大学の中央福祉専門学校のほうと連携を図って、お願いをしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
議長(小野田由紀子) 3番、杉浦敏和議員。
3番(杉浦敏和) ありがとうございました。
私が知るところでは、子供が必要とする知識などを身につけていくには、遅くとも3歳から教育が必要と聞いていました。5歳児健診を追加する前に、3歳児健診ですべて判断できるレベルを診察側が持つべきだと思っておりましたが、発達障がいのレベルなど、個々での判断の難しさがあるようです。3歳児と5歳児健診は同じ小児科の先生が受け持っていただけるとのことであり、こうした部分で大丈夫かとそんなふうに思います。
しかし、早く発見できれば早く訓練ができるということですので、早く発見、判断ができる仕組みづくりをお願いしたいと思います。
こども発達センターが4月からスタートするには、小児科の先生も必要ですが、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士といった専門的なマンパワーが必要だと思います。日本福祉大学の協力をいただくことを考えておられるようですが、早くめどを立て、4月からきちんとスタートできることをお願いいたします。
そこで、次の質問ですが、今、こども発達センターにおける日本福祉大学との連携について説明がありました。日本福祉大学は平成8年のいきいき広場開設以来、いきいき広場の運営を初め高浜の福祉の充実に大きく貢献していただいていることと思いますが、今後、日本福祉大学はいきいき広場の運営にどのようにかかわっていくこととなるのかお聞かせ願います。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) 日本福祉大学との連携ということでございますが、最初の答弁でも申し上げておりますが、いきいき広場の今後の形、あるべき姿というのは、地域包括支援システムの構築にあるというふうに私どもは考えております。高齢者、障がい者主体の今までの地域包括から、子供の視点を新たに加え、支援を必要としているすべての人に対し、ライフステージに応じた保健、医療、福祉、生活支援サービスの提供を進めていきたいというふうに考えております。
また、従来の包括では、サービスを必要とする人を拾い、そしてサービスにつなげ、支え、そして守るという考え方で進めてまいりましたが、今後はさらに一つ加えまして、サービスをつくるが大きなポイントになってくるのではないかというふうに思っております。
新たな包括システムの構築に向けて、具体的に実施すべき事項として、まず1点目として地域福祉計画の具現化がございます。この地域福祉計画におきましては、インフォーマルサービスを含めた新たな地域の支え合いをつくるが強く求められております。地域福祉の推進において、日本福祉大学が有する人材、ネットワーク力、情報、こういったものはまさしく私どもにとりまして、大変大きな力になると、また地域福祉に際立ったシンクタンクであるというふうに、私どもはとらえております。そういう意味で、今回整備いたしますまちづくり広場における研究センター、地域福祉センターにおいて、お力をいただければというふうに考えております。
2点目としまして、ただいまもありましたように、こども発達センターの基盤づくりというのがございます。このこども発達センターにおいて、医師の確保というのも重要な部分でありますが、一方で療育、訓練プログラムをつくる、また支援にかかわる人材をつくるということが重要な柱となってまいります。現在、日本福祉大学におかれましては、健康科学部また子ども発達支援室において、知多半島を主体に事業展開を行われております。日本福祉大学が有するノウハウまた人材、研究、教育資源により、基盤づくりの後方支援をいただきたいというふうに考えております。
以上です。
議長(小野田由紀子) 3番、杉浦敏和議員。
3番(杉浦敏和) ありがとうございました。日本福祉大学との連携につきましては、この連携で培われた数々の地域資源をさらに充実させていただくとともに、高浜版地域包括ケアの実現を期待しております。
また、こども発達センターは4月からのスタートで、医師の確保のめどはついているとのことですが、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士についても早く決めていただき、訓練に使用する機材の選定などについても、これら専門的なマンパワーが必要になってくると思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
先ほど、行政視察の話をさせていただきましたが、他市では長い年月をかけて発達支援センターの仕組みをつくり、実施されています。発達支援の取り組みが決して短期間で構築できるものではないことも十分わかっておりますが、やるべきこと、わかっていることはできるだけ早く行っていくことも必要だと思います。これらを検討し、できることから始めていただき、一歩ずつよりよいものとなるよう、頑張っていくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
議長(小野田由紀子) 暫時休憩いたします。再開は14時35分。
午後2時26分休憩
午後2時35分再開
議長(小野田由紀子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、2番、杉浦辰夫議員。一つ、保育所の民営化について。以上1問についての質問を許します。
2番、杉浦辰夫議員。
〔2番 杉浦辰夫 登壇〕
2番(杉浦辰夫) 議長のお許しを得ましたので、さきに通告してあります保育所の民営化について質問させていただきます。
高浜市では、高浜南部保育園が平成10年に、よしいけ保育園が平成13年に、公立保育所の民営化により民間事業者による運営となっておりまして、現在では市が運営する公立保育園は吉浜北部保育園、吉浜保育園、中央保育園、高取保育園の4園となっています。
その4園の公立保育園の今後のあり方については、平成21年度に設置された高浜市子育ち・子育て施設の整備及び民営化検討委員会において、検討がなされています。その検討結果として示された提言報告書においては、公立保育所は児童1人当たりの運営経費が一般財源ベースで私立保育所と比較して約1.56倍となっている現状と、多様化する保育ニーズに対し、柔軟で迅速な対応が可能である民間マネジメント力を活用することの重要性を考えると、必要な保育経費を確保しつつ、市全体の保育サービスや子育て支援を充実させる方策として、公立保育所の民営化を推進することが必要であるというものでした。その上で民営化を推進する公立保育所の選定としては、民間に移行したときに移管を受けた法人が保育に専念できるよう、建物の耐用年数が比較的長いものを優先するという考え方から、平成7年建築の吉浜保育園を平成24年度に、平成4年建築の中央保育園を平成25年度に民営化することが提案されております。
また、たかはま子育ち・子育て応援計画の後期計画にも同様に2園の民営化の推進について示されており、今後、高浜市子育ち・子育て施設の整備及び民営化検討委員会が示した提言報告書及びたかはま子育ち・子育て応援計画に示された公立保育所の民営化の計画について、どのように進めていく意向であるかについてお聞きします。
まず、1問目ですが、事業者の選定方法についてですが、民営化に当たっては移管事業者によって保育サービスの質が左右されますが、その影響を受けるのはその保育サービスを受ける子供や保護者であります。やはり子供や保護者が安心して利用できる保育サービスを提供できるような事業者を選定することが非常に重要であると思いますので、まず、民営化そのものの目的を前段として、それを踏まえて事業者の選定方法についての考えをお聞きします。
また、移管に際しては、土地や建物等の市所有財産の権利の譲渡または貸与が発生すると思いますが、その取り扱いは移管事業者の保育園経営に大きな影響を与え、事業者選定の際の条件提示においても重要な要素でありますので、あわせてその考えをお聞きします。
次に2問目ですが、民営化に係るスケジュールについて質問させていただきます。
平成24年度に吉浜保育園、平成25年度に中央保育園を民営化するという予定に対して、移管事業者の選定から保護者等関係者への周知及び引き継ぎ等、さまざまな事項について、いつごろ、どのようにして実施していく予定なのかについてお聞きします。例えば、引き継ぎ方法についてですが、民営化するということは、運営主体が高浜市から民間事業者へかわるということですので、その環境変化に対して園児への影響が少なからずあると考えます。そのような環境の変化による影響が少しでも軽減されるような手法を、市として考えているものについてお聞きします。
以上、1回目の質問を終わります。
〔2番 杉浦辰夫 降壇〕
議長(小野田由紀子) こども未来部長。
〔こども未来部長 神谷坂敏 登壇〕
こども未来部長(神谷坂敏) それでは、杉浦辰夫議員の保育所の民営化についてにお答えをいたします。
1点目の事業者の選定方法を問うについてでございますが、まずもって民営化の目的について述べさせていただきます。
民営化推進の背景といたしましては、近年では核家族化の進展、女性の社会進出、保護者の就労形態の多様化など、子供や家庭を取り巻く環境が大きく変化しており、保育分野におけるニーズも多様化しております。よって、その多様化する保育ニーズに対応する保育サービスの充実が求められているところでございます。そのため、実際に高浜市内の全保育所では、延長保育や障害児保育を実施しておりまして、特に民間保育所では公立保育園より長時間となる延長保育を初め、休日保育や一時保育等にも積極的に取り組んでいただいているところでございます。
また、平成16年度の三位一体改革に伴いまして、公立保育所運営費の国・県補助金が廃止されておりまして、民間保育所のみ国・県から運営費補助金の交付を受けておりますので、御質問にもありましたように、公立保育所は民間保育所と比較しまして、一般財源ベースでコスト高となっております。
今後も子供や保護者のためにさまざまな保育ニーズに対応できるような保育環境を整備していくためには、必要な保育経費を確保しつつ、フレキシブルな対応ができる体制を整備することが必要でありますし、保育に欠ける子供に対する保育の実施は、児童福祉法に基づく市の責務でございます。
以上の背景を踏まえますと、市全体の保育サービスのさらなる充実を図るという目的のためには、それを達成するための方策として、民間保育所の持つ多様で柔軟な施設運営ノウハウを生かしつつ、運営に要する財源の充実を可能とする公立保育所の民営化が必要であり、その考え方が民営化検討委員会の提言や子育ち・子育て応援計画においての民営化の推進につながっているものでございます。
市といたしましても、その考え方を踏まえまして、平成24年度の吉浜保育園、平成25年度の中央保育園の民営化に向けた取り組みを実施していくものでございます。
ここで、先ほど述べました保育サービスのさらなる充実という民営化の目的を踏まえますと、まずは保育サービスの利用者である子供や保護者にとって、そのサービスの提供者は信頼できる事業者でなければならないということは当然でございまして、すなわち事業者選定においては、子供や保護者の立場を十分に考慮して選定されるべきでございます。そうすることで、御質問にもありましたように、利用者が安心して保育サービスを受けられることにつながるものと考えております。
そこで、本市の状況を見ますと、延長保育等の各種の特別保育事業を積極的に実施し、市の保育環境の充実に大きく貢献している民間保育所を運営する複数の法人が既にございます。それらの法人が運営する保育所は、保護者にも評判がよく、第三者評価で公立園を上回る園もございますし、公立、私立合同での研修や会議、園訪問等によりまして、民間保育所の詳細な保育の実施状況も市が把握をしている現状にございます。
事業者選定におきましては、いかに信頼できる事業者を選定できるかにかかっております。そのため、本市で既に保育所運営を適切に実施している信頼できる法人からの選定であれば、市内で保育を実施している実績と現在の保育所運営状況を確認できることからも、子供や保護者にとって安心できるものになりますし、市にとっても安全な選択ができるとともに、市が望む保育サービスの提供の実効性を確保できることとなります。
したがいまして、民営化に当たり移管事業者の選定は、本市での保育所運営法人に限定しての公募とする予定でございます。その選定に当たりましては、学識経験者を含む選定委員会を設置し、公募プロポーザル方式により移管事業者を選定することとしております。選定委員会では、募集要項の策定、選定基準の策定、移管事業者の選定を所掌事務として、最終的には選定事業者を市長に報告し、最終決定を市長が行う予定でございます。
以上のとおり事業者を選定する予定でございますが、御質問にありました土地、建物等の取り扱いは、事業者募集に当たっての重要な要件でございますので、その点について述べさせていただきます。
まず、土地、建物及び工作物につきましては、無償貸与とする予定でございます。無償とする考え方としましては、市内で保育所を運営する法人は、社会福祉法人及び学校法人でありまして、いずれも利益を追求する団体ではないということ。保育所運営は国の定めた保育単価及び利用人数により算出された市からの委託料により実施されていることから、永続的な健全運営に貢献するために無償とする考え方でございます。
また、貸与という考え方でございますが、まず、土地については継続的にその場での保育事業の実施を担保するために貸与とするものでございます。建物及び工作物につきましては、両園とも比較的まだ新しい施設でございまして、現行施設を園舎として有効的に利用していただけるということから、当面は貸与にする対応を考えております。備品につきましては、園経営の引き継ぎが円滑に実施されますよう、無償譲渡による対応を考えております。
続きまして、2点目の民営化のスケジュールについてでございますが、まず、事業者の選定につきましては、9月に先ほど述べました選定委員会を設置しまして、募集要項、選定基準を策定の上、10月中旬ごろに移管事業者の募集を行う予定でございます。1カ月程度の募集期間を経まして、応募のあった事業者からの選定委員会による選定を実施し、市長の決定を経た本年12月末には、事業者を決定する予定といたしております。
その後、決定した事業者との協議を経まして、民営化による運営開始に至るわけでございますが、その間の幾つかのポイントについて説明させていただきます。
まず、保護者等の関係者への周知でございますが、民営化により自分の子供が通う保育園の経営主体がかわることへの戸惑い、不安をきちんと解消する必要がございますので、今年度につきましては、10月に実施します入園説明会を初め、在園児への民営化の説明会を同時期に実施していく予定でございます。また、移管事業者との協議が整い次第、事業者を含めた説明会を開催してまいります。このことにつきましては、次年度以降も同様に続けてまいりたいというふうに考えております。
続いて、引き継ぎの件でございますが、御質問にもありましたように、民営化による園児への環境の変化に対しましては、その影響を極力少なくするために、一定の期間民間保育所へ市の保育士を配置することを考えております。これは、民間事業者の運営開始後に公立から民間への変化が園生活に影響するおそれがある年代であります4歳児、5歳児のために、民間保育所に公立の保育士を配置し、子供にとって顔なじみの先生がいる環境を整えることで、環境の変化を緩和するというものでございます。
また、これは保護者にとっても、これまで話をしたことのある保育士がいることで、相談しやすい環境を整えることにもなります。そのため、配置する期間につきましては、公立から民間への変化を体験する4歳児、5歳児が卒園することになる2年間を目途に実施する方向で考えております。なお、この職員配置につきましては、高浜南部保育園やよしいけ保育園の民営化の際にも実施しておりまして、円滑な民営化に十分貢献いたしております。
最後に、事務手続きとしまして、民営化実施の半年前を目途に、高浜市立保育所の設置及び管理に関する条例等の改正を行うとともに、民営化による運営開始前には、公立保育所の廃止及び民間保育所の認可の手続きが必要となってまいりますことを申し上げまして、答弁といたします。
〔こども未来部長 神谷坂敏 降壇〕
議長(小野田由紀子) 2番、杉浦辰夫議員。
2番(杉浦辰夫) ありがとうございました。
保育所の民営化については、それを利用される子供や保護者の視点、立場を考慮して推進されるべきであり、単なる保育経費の削減ではなく、利用者に理解され、子供の最善の利益が保障されるような保育事業でなくてはならないと考えます。そのため、どのような視点で民営化を進めていく意向であるかを確認するために質問させていただきました。
事業者選定において、子供や保護者の安心を確保するという視点を取り入れた市内での保育実績のある事業者による公募をするという考え方や、子供たちの民営化に伴う環境変化に対する影響を軽減するための合同保育実施等の答弁がありました。そこには多様化が求められる保育サービスのさらなる充実を目的として、保育所の民営化を進める中で、市の保育に対する責務を果たしつつ、できる限り子供や保護者の立場に立った対応で実施していく意向の確認ができました。ぜひ、その意向で民営化の推進に取り組んでいただきたいと思います。
ここでもう一つ質問をしたいと思いますが、吉浜保育園及び中央保育園には、それぞれ児童センターが併設されています。高浜市子育ち・子育て施設の整備及び民営化検討委員会の提言報告書にも、あわせて民間にゆだねることで一体的な運用が期待できるとありますが、児童センターの取り扱いはどのように考えているかお聞きします。
議長(小野田由紀子) こども育成グループ。
こども育成G(大岡英城) 民営化の児童センターの取り扱いについての御質問にお答えさせていただきます。
児童センターは、児童に健全な遊びを与え、その健康増進と情緒を豊かにする目的を達成するための施設でございまして、吉浜保育園及び中央保育園には、御存じのように児童センターが併設されております。これらの施設につきましては、保育所とあわせて民間にゆだね、一体的な運営をしていただくことで、相乗的な効果があろうというふうに考えております。例えば、保育所では民営化されることで、既存民間園と同等の延長保育の実施を考えておりますので、児童センターの運営においても、保育所と一体的な運営をすることで、既存のサービスのさらなる充実ができると考えております。
いずれにいたしましても、保育所と同様に民営化後も児童センターで行っております各種事業や児童クラブなどの運営なども実施していきますので、民営化によりましても、利用者のニーズに対して、民間の機動性ですとかノウハウをもって事業実施されることになりますので、さらなるサービスの拡大が図れるというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
議長(小野田由紀子) 2番、杉浦辰夫議員。
2番(杉浦辰夫) ありがとうございました。
保育所と児童センターをあわせた民営化の実施に当たり、利用者にとって最善となる方法による推進を切に望み、それに向かってまい進することを期待しまして、終わらせていただきます。
議長(小野田由紀子) 次に、9番、神谷ルミ議員。一つ、高浜市総合防災訓練について。一つ、児童虐待防止について。以上2問についての質問を許します。
9番、神谷ルミ議員。
〔9番 神谷ルミ 登壇〕
9番(神谷ルミ) 議長のお許しを得ましたので、さきに通告してあります、1、高浜市総合防災訓練について。2、児童虐待防止について質問させていただきます。
まず、高浜市総合防災訓練についてお聞きします。
去る8月29日日曜日、午前7時30分より、各町内会の訓練、8時30分からはまちづくり協議会が中心となって地区の訓練が行われ、私も参加させていただきました。
総合防災訓練実施に当たり、参加させていただいた町内では、1週間前の22日には町内会防災計画と防災訓練時の役割分担についての説明会がありました。説明会に出席された班長さんの一人から、ただ訓練するだけかと思ったが、訓練に対する説明があって、ずいぶん丁寧だったねとの感想も聞くことができ、説明会の意義があったと思いました。
訓練の種類の中には、手上げ方式でひとり暮らしの高齢者や障がい者であることの情報を、災害時要援護者名簿に登載することに同意された方の名簿をもとに、班長さんが安否確認する訓練も行われました。
また、地域にあるグループホームひだまりの家は、災害発生時に支援活動について協力してほしいということで、町内会に入会され、訓練に一緒に参加されました。これらのことは、災害発生時において要支援を必要とする人に、迅速に、的確に、効果的な支援活動が行われるものと思います。
もし、大規模な災害が発生した場合、被害を最小限に食いとめるためには、平素から自主防災組織を設けて、情報の収集、伝達、出火防止、初期消火、被害者の救出、援護、避難、誘導などの防災訓練と、防災機材の設備の充実を図り、自分たちの暮らしの守りを固めることが重要になります。
今、高浜市では第6次の総合計画や自治基本条例の素案をつくっていますが、総合計画の基本的な取り組みの中には、災害時の緊急事態が発生した場合に、全市を挙げて迅速かつ総合的に対応する危機管理体制を整えますとありますし、自治基本条例の第22条危機管理の条文にも、自然災害等の不測の事態に備えて、市民、事業者、関係機関等との連絡、連携、協力により、総合的かつ機動的な危機管理体制の整備を行うとあります。また、同ページには、地域防災力の要となるのがまちづくり協議会で、町内会などの地縁組織や消防団や民生委員といったテーマ型活動組織などの地域の団体同士をつなぎ合い、防災力の強化に向けた取り組みが進んでいるとあります。地域の防災力の要として位置づけられているまちづくり協議会の果たす役割が、地震災害対策計画や、地域防災計画に基づいて行われる高浜市総合防災訓練では、どのような役割を果たすのかお聞きして、1回目の質問とさせていただきます。
続いて、2問目の児童虐待防止についてお聞きします。
児童に対する虐待の禁止について、児童虐待防止法第3条では、何人も児童にして虐待をしてはならないとして、保護者による児童の虐待のみならず、本来保護すべき子供に対して何人も虐待することは許されないと規定しています。すべての子供は健康で幸せな環境で成長する権利があるにもかかわらず、家庭が地域社会から孤立しているために、子供への虐待の発見がおくれ、虐待が日常化している深刻な状況に陥ったときや、子供が死亡して虐待が発覚するという悲惨な事案が後を絶ちません。
なぜ子供を虐待するのでしょうか。自分に自信が持てない。対人関係が苦手。自傷行為。人格障害。自分自身が子供のとき虐待を受けたなどが原因で、ネグレクト、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待を起こすと考えられています。自分自身の内面はパニックなのに、外にSosを発信できない。基本的な行政サービスも知らずに社会から孤立する未熟な親がふえているなどの指摘とともに、経済的な格差の拡大を背景に、今後ますます虐待の事案はふえていくと思われます。
子育て中のお母さん一人で悩まないで、社会には助けを求める場所があります。自治体には相談の窓口があります。高浜市の相談窓口の周知の一助になればと思い、2問目の児童虐待防止について、当市における現状と対応について、2、今後の取り組みについてお聞きして、1度目の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございます。
〔9番 神谷ルミ 降壇〕
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
〔福祉部長 新美龍二 登壇〕
福祉部長(新美龍二) それでは、順序が異なりますが、神谷ルミ議員の2問目、児童虐待について。(1)当市における現状と対応について。(2)今後の取り組みについて、それぞれお答えをさせていただきます。
まず(1)当市における現状と対応についてお答えいたします。
児童の虐待防止に関しましては、平成12年に児童虐待の防止等に関する法律が施行されて以降、児童の虐待防止に向けた取り組みは着実に進められてきました。
しかし、厚生労働省が本年7月28日に発表しました平成21年度における全国201カ所の児童相談所が対応しました児童虐待の相談件数は4万4,210件と過去最多を記録し、昨年度に比べましても1,546件ふえており、全国的には依然として増加の一途をたどっているというのが現状であります。
一方、愛知県の児童虐待相談件数を見てみますと、児童虐待防止法が施行された平成12年度には急激に増加した後も、相談件数は年々増加していましたが、平成20年度は805件、平成21年度は637件となっており、この2年間は減少傾向にあります。しかしながら、対応実件数は減少したものの、対応延べ件数は昨年度の6万3,552件に対しまして、平成21年度は6万6,335件と増加しており、事案1件当たりの対応回数はふえており、虐待の内容が複雑化してきていることが伺えます。
次に、高浜市を見てみますと、対応実件数は平成20年度が12件に対し、平成21年度は11件となり1件の減でございますが、対応延べ件数では平成20年度が38件に対し、平成21年度は41件で3件の増となっており、愛知県とほぼ同時に事案1件当たりの対応回数は年々ふえております。
そこで、本市の児童虐待防止の現状と対応についてでありますが、いきいき広場に設置する家庭児童相談室が児童虐待の窓口となり、非常勤特別職の家庭児童相談員1名を配置し、対応しております。
家庭児童相談室が平成21年度に相談対応した件数は187件であり、うち児童虐待に関する延べ対応件数は41件で、実対応件数は11件となっております。内訳としまして、身体的虐待が7件、心理的虐待が4件となっております。
次に、児童虐待の対応についてでございますが、市民の皆さんから子供の悲鳴や泣き声がするなどといった児童虐待を疑う通報が家庭児童相談室に入りますと、家庭児童相談員と職員が訪問し、目視により児童の安全確認をすることとしております。保護者の訪問拒否により、安全確認が難しい場合には、刈谷児童相談センターに連絡をとり、刈谷児童相談センターとともに立ち入り調査を行っております。
また、保育園や幼稚園において、児童の体から虐待を疑うあざなどが確認された場合には、園から家庭児童相談室へ通報があり、刈谷児童相談センターとともに、家庭児童相談員と職員で状況を確認し、保護者との面談を通じて虐待の事実を確認させていただいております。いずれも虐待の事実が確認され、一時保護が必要な場合には、刈谷児童相談センターにおいて一時保護を行い、児童の安全を確保するとともに、保護者の育児、家事等療育能力を向上させるための支援もあわせて行っております。
また、児童虐待が確認された児童や、児童虐待の疑いのある児童については、関係機関が連携し、継続して見守り支援していくことが重要であるため、刈谷児童相談センター、家庭児童相談員を初め、市の地域福祉グループ、保健福祉グループ、こども育成グループ、学校経営グループの職員による要保護児童対策実務者会議を毎月開催し、情報の共有化を図るとともに、支援策等についても協議をし、再び児童虐待に至らないように努めているところであります。
児童虐待防止対策としましては、発生予防、早期発見、早期対応そして子供の保護、支援、保護者支援がございます。このうち、児童虐待の発生予防につきましては、妊娠期におけるプレママクラブ、パパママ教室をスタートに、産後のこんにちは赤ちゃん訪問事業、子育て支援センターやいちごプラザ、子育て支援講座、ノーバディーズ・パーフェクトの実施など、子育て支援事業に取り組んでおります。
また、平成22年10月からの実施を予定しております子育て支援ネットワーク事業における携帯メール配信などにより、これまで市の子育て支援サービスを利用されなかった方へのアプローチも進めているところでございます。
最近では、児童虐待に至る原因も育児の孤立化や育児不安だけでなく、母親の精神疾患やうつ状態による養育者の心理的、精神的問題、経済的な問題などと多岐にわたるほか、さまざまな問題が複雑に入り組んでいるなど、子育て家庭の環境も複雑化しているのが現状で、その対応も非常に難しくなってきております。
そこで(2)今後の取り組みについてでありますが、こうした複雑化した子育て家庭の環境の中で起きている問題に対しては、高齢者や障がい者と同様に、専門職を中心に関係機関が連携し、チームによる包括的な支援が重要であることから、今回いきいき広場の3階に整備を予定しておりますいきいき広場再編整備計画において、こどもサポート広場を整備し、子供家庭福祉を総合的に支援するものであります。
具体的には、家庭児童相談員、母子自立支援員、精神保健福祉士、臨床心理士等の専門職を配置する子育て支援相談室を開設し、子育てに関する各種相談のワンストップを目指すとともに、複雑化する子供家庭問題への対応、そして児童虐待の防止にも努めてまいりたいと考えております。
最後になりますが、児童虐待防止の特効薬は、現在のところないというのが実態でございます。国は、7月30日、幼い子供2人がマンションに放置され犠牲となりました大阪市の事件を受け、8月26日、全国の児童相談所長会議を開催し、強制開錠して立ち入り調査する臨検の実施を強く求め、改めて子供の安全確認の徹底を要請しております。今後もこうした事例をもとに、新たな虐待防止対策が講じられるものと考えておりますが、刈谷児童相談センターや関連機関との情報共有、連携を密にし、その対応に努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
〔福祉部長 新美龍二 降壇〕
議長(小野田由紀子) 危機管理グループ。
危機管理G(尾崎常次郎) それでは、1問目、高浜市総合防災訓練について。(1)総合防災訓練におけるまちづくり協議会の役割についてお答えいたします。
高浜市の防災訓練は、平成12年度までは市内を北部、東部、中部、南部の4地区に分け、地区ごとに設けた会場の中の1つをメーン会場を定めて、各種団体や関係機関を集中させる集合訓練の形で、防災意識の高揚や啓発を主な目的として実施しておりました。平成13年度からは、実際の災害に対応できる訓練とする目的で、町内会を中心とした実行委員会を立ち上げ、町内ごとの隣組拠点や、町内会拠点を会場とした第1次訓練と、小・中学校を会場とした第2次訓練など、みずから参加する訓練を実施してまいりました。
その内容といたしまして、第1次訓練会場の隣組拠点や町内会拠点では、避難訓練、被害情報収集訓練、情報伝達訓練、救助訓練、災害時要援護者を対象とした安否確認訓練、災害時要援護者やけが人を救護所まで搬送する訓練など、地震発生直後のまず我が身と家族の安全を守り、次に地域住民が協力して組織的に対応することを学んでまいりました。
また、第2次訓練会場の小・中学校では、消火器を使用した初期消火訓練、応急手当訓練、避難所を運営するための発電機や投光器の操作訓練、仮設トイレや水槽の組み立て訓練、可搬ポンプを使用した消火訓練など、資機材の配置、関係団体や指導に当たる消防職員、消防団員の配置などを考慮するとともに、多人数で実施したほうがより充実した内容となる訓練を中心に実施いたしました。
ただ、第2次訓練につきましては、訓練会場が実際に災害が発生した場合の避難場所と違うという声も耳にしますが、第2次訓練会場につきましては、災害に対応する基本的な知識や技能を学んでいただくための場であると御理解いただくよう、御説明申し上げております。
こうした中で、平成17年3月には、港小学校区に高浜南部まちづくり協議会が設立され、平成17年度の総合防災訓練は、高浜南部まちづくり協議会により南中学校を第2次訓練会場として実施されております。このとき、高浜南部まちづくり協議会は、地域住民、町内会、消防団等が連携を図り、地域の防災力の向上を切り口とした地域防災訓練とすることを目指しております。
また、平成18年度は、吉浜小学校区まちづくり協議会設立準備委員会により、吉浜小学校を第2次訓練会場とした防災訓練が実施されましたが、ここではキャリーマットやおんぶ帯を使用した負傷者等の救助訓練が実施されています。
平成20年8月には、高取小学校区に高取まちづくり協議会が設立され、平成21年度からは高取まちづくり協議会により実施されております。
さらに平成21年5月には、高浜小学校区に高浜まちづくり協議会が設立され、本年度は高浜まちづくり協議会により、大人から子供まで楽しく参加できる防災訓練として実施されたことは、御案内のとおりです。
このように、本年度の総合防災訓練は、5小学校区のうち4小学校区においてまちづくり協議会により実施されております。現在、すべてのまちづくり協議会では、規約において実施する事業として、防災に関する事業を掲げており、また事業計画では、防災に関する事業が計画されております。
具体的に申しますと、多くのまちづくり協議会が総合防災訓練への参加を計画するとともに、高浜南部まちづくり協議会では、町内会防災勉強会や災害時要援護者支援を、吉浜まちづくり協議会では、資機材倉庫の管理、安否確認シートの検討、耐震診断説明会やAED訓練を、翼まちづくり協議会では、避難所開設運営訓練、起震車体験、AED訓練、先進地調査や防災運動会を、高取まちづくり協議会では、家具転倒防止勉強会や災害時要援護者の把握支援を、高浜まちづくり協議会では、緊急連絡網の作成や救命講習などを計画されております。
ただいま御紹介申し上げた各まちづくり協議会で計画されている防災事業は、災害時にみずからの安全はみずから守るという自助、地域の人がお互いに助け合って自分たちみんなで地域の安全を守るという共助、行政が果たすべき役割としての公助の連携という考えを根本として、地域の方々に基本的で重要な基礎知識を身につけていただくことを目的としており、一部は総合防災訓練でも実践されております。
町内会や各種団体を構成員とするまちづくり協議会では、規約にのっとり、地域計画などの基本計画に沿って、幅広い観点から長期的な視点に立って事業計画を立案するとともに、計画的に事業を進めることが可能であると考えております。
一方、自主防災組織の基本は町内会であり、災害時における情報収集、初期消火、救出救護、避難誘導、給食・給水などの役割を担っていただくわけですが、ややもすると町内会は役員任期が比較的短いため、長期的な計画を作成することが難しい面がありますが、現場に即した活動を継続して展開することが求められます。
したがいまして、総合防災訓練につきましても、まちづくり協議会が町内会、各種団体、行政と連携しながら、地域計画などの基本計画に基づき、自分一人では対応できない状況になったときの真に必要な備えをコーディネートすることが、その大きな役割だと考えておりますので、御理解いただきますようにお願いいたします。
議長(小野田由紀子) 9番、神谷ルミ議員。
9番(神谷ルミ) では、1問目の質問から再質問させていただきます。
御紹介では総合防災訓練は、まちづくり協議会が地域の防災力の要として、中心的な役割を担う組織ということが御説明でわかりましたけれども、本年度の総合防災訓練では、5つの小学校区のうち4小学校区において実施されたということですけれども、1つ小学校区で実施されていないのはなぜでしょうか。お答えください。
議長(小野田由紀子) 危機管理グループ。
危機管理G(尾崎常次郎) ことし翼小学校区におきましては、高浜中学校で湯山町、神明・豊田町の合同という形で、総合防災訓練が実施されたわけですけれども、ことしにつきましては、従前翼小学校で神明・豊田町、それから高浜中学校におきましては湯山町、沢渡町という形で実施されておりましたものが、本年度翼学区で行うということで、会場としては高浜中学校で行われたわけですが、ことしにつきましてはまちづくり協議会として行うにはまだちょっと時期が早いというような御判断で、町内会合同という形でやられたというふうに理解しております。
議長(小野田由紀子) 9番、神谷ルミ議員。
9番(神谷ルミ) ありがとうございます。
地域の小学校区を単位としたまちづくり協議会では、広範囲に地域の皆さんを巻き込んで防災訓練を行うことが可能だと思います。ぜひ、来年度からは5小学校区で実施されることを期待しております。
また、地域計画など基本計画に沿って、市民、事業者、関係機関等連携、協力して危機管理体制を構築できると、まちづくり協議会が地域の防災力の要であるということを期待して、第1問目の質問を終わらせていただきます。
2問目ですけれども、児童虐待防止についてお聞きしたいと思います。
今回、いきいき広場で再編整備計画の中で、各種専門職を配置する子育て支援相談室が開設されるということですが、子育てに関する各種のワンストップ化が図られるということでよろしいでしょうか。同じ母親としてはとても心強く思っておりますし、子育て支援相談室の周知を図られて、悩んでいる方や助けを求める方はぜひ支援していただきたいと思っております。
そこでお聞きしますけれども、虐待に至らない子育て環境をつくる発生予防の大切さはとてもよくわかりましたけれども、虐待が深刻化して最悪子供が命を落とすようなことがあってはなりません。最近、すごく親が社会から孤立して、本当に自分からSosも出せないような、未熟な親がふえているという指摘もありますけれども、そこで一人でも多くの地域の人が、そういった孤立している方を発見するというんですか、見守るという目が必要ではないかと思います。具体的にもしそういった取り組みがありましたら、教えていただきたいと思います。
議長(小野田由紀子) 地域福祉グループ。
地域福祉G(長谷川宜史) ただいまの議員からの御意見にもありましたように、私どもといたしましても、地域の協力体制の必要性というのは強く感じております。従来から54名の民生・児童委員の方に呼びかけを行いまして、地域の見守りの目としての役割を担っていただいております。
具体的には、毎月定期に開催されます民生委員・児童委員連絡協議会におきまして、児童虐待の事例や、児童虐待の疑いのある御家庭、それから育児不安を抱えてみえる御家庭などの情報のほうを提供いただくことをお願いしまして、児童虐待の発生予防それから早期発見に努めておるところでございます。
以上であります。
議長(小野田由紀子) 9番、神谷ルミ議員。
9番(神谷ルミ) 先ほど、3番議員の質問にもありましたけれども、いきいき広場再編整備計画の中にも、この子育て支援相談室というのが入っているかと思います。ぜひ今後ともワンストップでお母さんたちの悩みにこたえられる、そういった施設になることを期待しております。
「詩に云く、邦畿千里、これ民の止まる所と」孔子の編纂した詩経の中に、邦畿とは王城のことですが、その周囲千里は文化も進み、経済も発展し、人々が非常に生活しやすい。人というものは生活のしやすいところに寄っていくという意味です。今日では、地方分権や規制緩和でまちづくりの主体がそこに暮らす市民の自立的意思にゆだねられています。災害に強いまちづくり、子育て環境が整っているまちづくりなど、生活しやすい環境は、自分たちの手でつくっていくということです。先ほども行政の方が、自分たちの行政サービスをつくっていくというお話がありました。市民の私たちも自分たちの手で、そういった生活しやすい環境をつくっていく、人々が住みやすいまちづくりにしていく、そういった力というものを自分たちで養っていかなければならないと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
議長(小野田由紀子) 暫時休憩いたします。再開は15時35分。
午後3時26分休憩
午後3時35分再開
議長(小野田由紀子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、14番、井端清則議員。一つ、地域経済の活性化について。一つ、防火安全対策について。以上、2問についての質問を許します。
14番、井端清則議員。
〔14番 井端清則 登壇〕
14番(井端清則) それでは、さきに通告をいたしてあります地域経済の活性化について、防火安全対策について、2問について一般質問をいたします。
最初に、地域経済の活性化について。
リーマンショック以来、中小企業は内需の冷え込みに直面し、下請け中小企業は親会社による買いたたき、下請け切りに泣かされ、依然として大変厳しい経営を余儀なくされているところであります。そして、今日、急激な円高によって、大企業による下請け代金法や下請け中小企業振興法、いわゆる下請け2法への無法ぶりに、一層拍車がかかることが心配されておるところであります。
このことから、日本共産党は、これまでの政治が進めてきた大企業奉仕や外需依存のいびつな経済政策を抜本的に切りかえ、中小零細業者への支援を緊急に図るとともに、バランスのとれた経済の再生や内需振興対策を、市政でも国政でも目指すよう求めるものであります。
今回は、改めてその具体的施策として、地元業者の事業活動を支援し、地域循環型による地域経済の活性化を図ることがどうしても必要との考えから、住宅リフォーム助成制度の創設を提言するものであります。
この制度は、業者の声と住民の願いに寄り添っていまして、大変喜ばれております。既に全国各地で実施されておりますが、地域経済への経済効果が大きいとの検証もされているものであります。
本年7月、市議会総務建設委員会が、住宅リフォーム補助制度で埼玉県狭山市を視察研修した際、担当職員は、この制度は市民の負担軽減と地域経済の活性化にとって有効性が極めて大きい施策になっているとの認識を示されていました。
制度内容については、住宅リフォームに要する費用の一部を助成するものですが、私どもは住宅リフォーム助成制度ができれば、一石四鳥のメリットがあると考えます。
1つは中小零細企業の仕事確保につながるということであります。住宅リフォーム工事の多くは小規模であることから、地元の工務店や大工さんなどに仕事が発注されることが大きく期待できるからであります。
2点目は、大きな経済そして雇用効果につながるということであります。例えば、工事費の1割を助成するという制度であれば、単純計算で500万円の予算で5,000万円以上の工事が発注されることになります。また、リフォームを機にこれまで控えていた家電や内装品を買いかえるなどの波及効果も期待できるところであります。
さらに、建設労働者や職人の雇用の維持創設にもつながってまいります。
3点目は、環境、温暖化対策につながってまいります。住宅についても、壊して新築からよりよいものを長く使うへの転換が叫ばれている中、断熱工事などは電気やガスの使用量を減らす効果もあることから、リフォームは地球に優しい取り組みにもなってまいります。
4点目は、安心、安全な住居につながっていくということであります。住宅の耐震化を強化したり、防犯機能を強化するなどの改修工事は、安心して住み続けられるまちづくりにも貢献するものと考えます。
そこで伺いたいと思いますが、現在、かわら屋根工事への補助制度など、住宅にかかわる幾つかの個別補助制度が当市にはありますけれども、この際、より幅広い住宅にかかわる工事を対象にして、住民の方が市内の中小零細業者を使って住宅リフォームを行う際にも、かかる工事費の一定額あるいは一定率を助成する制度の創設を図られるよう求めるものであります。この点での市長の意見を求めます。
2つ目は、小規模工事登録制度の創設を求めるものであります。
今日、長引く景気の低迷から日本経済が脱しきれていない中、とりわけこの影響に苦しむ地元中小零細企業・業者に対して、事業活動を支援するための新たな地域経済の活性化対策の強化が求められていると考えます。このことから、その具体的施策として、小規模工事登録制度の導入を、今回改めて提言するものであります。
小規模工事登録制度は、既に全国各地でこれも実施されておりますが、愛知県内では蒲郡市や知立市、武豊町などで導入され、地域経済の活性化に貢献されておりますが、この制度は地方自治法第234条に基づく随意契約の創造的運用を図ったものでありまして、地元の中小企業を中心に、公共工事を多く発注することができるものであります。
地方自治法第234条は、契約の締結について「売買、貸借、請負、その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約またはせり売りの方法によって締結するものとする」(同条第1項)と規定し、この契約方法の一つである随意契約については、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができるといたしております。そして、随意契約によることができる場合は、地方自治法施行令の第167条の2、契約の種類に応じて予定価格の金額の範囲であればよいというわけであります。したがって、これを活用することによって、地元の中小企業の仕事を確保することができることになるのであります。
ちなみに、当市にあっては、工事または製造の請負については130万円以下、財産の買い入れでは80万円以下、その他50万円以下などとなっております。
さて、提言する制度の内容でありますが、まず、この制度に登録できる方については、市内に主たる事業所を置く方とし、成年被後見人、被保佐人、破産者でない方。そして入札参加資格者名簿に登録をされていない方。さらに希望業種を履行するために必要な資格、免許等を有する方とし、同時に登録に際してはそれらを証明するものの提出を求めます。
また、対象となる契約については、随意契約の予定価格が130万円以下の工事、設計、修繕等とし、契約の内容が軽易かつその履行の確保が容易なものとするものであります。このことによって、品質の確保と契約履行の確保の担保を図ることができることになると考えます。
2つ目は、建設業の許可を受けていない中小業者にも、直接公共事業の発注の機会を拡大することになります。
3点目は、災害復旧などの緊急事態への対応を初め、住宅や道路の補修、修理など地域に欠かせない地域業者の保全を図ることになります。
4点目は、地域の雇用と就労の確保を図ることにつながるものであります。
最後に、住民にとっても同制度の名簿登録者の公表がされれば、安心して補修、修繕、施工などを任せられるという業者情報を得ることができるなどのメリットにもなると考えます。
そこで、ぜひとも小規模工事登録制度の創設を図るよう求めるものであります。市長の意見をこの点でも求めるものであります。
2問目は、防火安全対策について、2点お伺いいたします。
福祉施設等の防火安全対策等の現状と対策を問う。いま一つは独居高齢者等居宅の防火安全対策の現状と対策をお伺いいたします。
今から4年前の2006年1月、長崎県大村市内の認知症高齢者グループホームやすらぎの里さくら館において、深夜火災が発生し、施設が全焼、死者7人、負傷者3人を出すという惨事が発生したことは、記憶に新しいところであります。また、2009年3月には、群馬県渋川市内の高齢者施設たまゆらにおいて、火災が発生し、10人の高齢者が亡くなっております。さらに、2010年3月、北海道札幌市内の認知症高齢者グループホームみらいとんでんにおいて、ここでも火災が発生し、7人の方が亡くなり、負傷者2名を出しております。これら福祉施設の入居者は、いずれも身寄りのない生活保護者であったり、シベリアから復員した男性、夫を戦場で亡くした女性、孤独や認知症を抱えたお年寄りなどであったようでありますが、入居者の心安らかに晩年を送りたいというささやかな願いは、無残にも奪われてしまった。何とも痛ましい事故であります。
その意味では、これらの火災事故を通して、国の高齢者対策の貧困さや社会保障制度の後退の改善が求められていると言わなければなりません。同時に、人間の安全対策の軽視や後回しは、一大惨事に通じることを教訓として、今後の施策に生かすべきだと考えるものであります。年々増加していく高齢者の生活と福祉、人権を守るのは、行政の責任でありまして、大きな課題でもあると考えます。
さて、この間、総務省消防庁は2007年6月消防法施行令を一部改正いたしております。認知症高齢者グループホームなどで火災が発生した際、自力で避難することが困難な人が多く入所する小規模社会福祉施設でも、防火管理者を選任し、施設の実態に応じた消防用設備等を設置することが義務づけられてきたのであります。
そこで伺いたいと思いますが、1つは、従前の消防法施行令及び同法施行令の一部改正において、同法が適用される当市の福祉施設等、介護施設であったり、幼稚園だったり保育園であったりいたしますけれども、これらにおける防火安全対策、1、防火管理者の選任等、2、消防用設備等の設置の現状と対策はどのようになっているのかお伺いいたします。
また、入所用福祉施設における夜間の当直職員体制はどのようになっているのかお伺いいたします。
2点目は、独居高齢者等の居宅における防火安全対策、火災警報器、緊急通報装置の現状はどのようになっているのか。
また、防火安全対策の充実のために、高齢者等に対して、火災警報器設置への助成を図るよう求めるものでありますが、今後の対応についてどのように考えているのかお伺いいたします。この点でも市長の答弁を求めるものであります。
〔14番 井端清則 降壇〕
議長(小野田由紀子) 都市政策部長。
〔都市政策部長 小笠原 修 登壇〕
都市政策部長(小笠原 修) それでは、井端議員の1、地域経済の活性化について。(1)住宅リフォーム助成制度の創設を図れについてお答えします。
我が国の人口がピークを過ぎ、新築偏重だったこれまでの住宅から、既存住宅を生かした住生活の向上が求められております。これまでのリフォームは、単に設備や内装、外装の交換、改修などをするということでありましたが、現在は、住宅をきちんと手入れして、長く大切に使う取り組みが求められております。住まいの寿命が短いということは、短いサイクルで廃棄物が生まれているということであります。限られた資源を有効に使い、環境への負荷を減らすためには、長く住むことのできる住まいをつくることが必要であります。このようなことから、豊かで快適に、長きにわたって住み続けることを可能にする住宅リフォームが必要であると考えております。
総務省統計局が発表しております平成20年住宅土地統計調査によりますと、高浜市内で持ち家数は8,650件で、その約20%に当たる1,750件が過去5年間にリフォームを行っております。
御指摘のとおり、住宅リフォームを促進することは、建設業のみならず地域経済の振興に有効であると考えております。これらの観点も踏まえ、本市におきましては、現在、次のような住宅リフォームに対して助成を行っております。
1つ目としまして、東海・東南海・南海沖地震の起こる危険性が高まっている中、このような地震の際の住宅の倒壊等による被害の軽減を図るため、旧耐震基準である昭和56年以前の木造住宅で、高浜市が実施する無料耐震診断の総合評点が1.0未満と判定された耐震診断結果の建物を、基礎の補強、柱の接合部の補強や壁を増設するなど、建物の耐震化をするための工事費用の一部を受けられるように、木造住宅耐震改修費補助制度を設けております。
2つ目としまして、下水道普及を図るために、くみ取り式便所を水洗便所に改造するための便器、洗浄用具及び給水装置の設備工事並びにそれらに伴う最小限度のタイル工事等の建物補修工事費用など、便所を初めとする宅地の排水設備を改造する費用が一度に皆さんの負担とならないよう、金融機関から無利子で改造資金の融資を受けられるように、水洗便所改造資金融資あっせん制度を設けております。
3つ目としまして、地場産業の活性化を図るために、高浜市内に居住されている方が、みずから居住するための住宅を増築または居住している住宅の屋根をすべてふきかえる場合、並びに居住している部分を改築する場合に、高浜市内に本店または本店に準ずる事業所で製造された三州瓦を使用していただくと、屋根工事費用の一部を受けられるように、三州瓦屋根工事奨励補助制度を設けております。
4つ目としまして、住み慣れた家でも身体機能が低下すると段差でつまづいて転倒するなど、家庭内事故につながることもあることから、我が家でできる限り自立した生活を続けることができるようにするため、要介護者等に対する介護用品等支給及び高齢者等に対し、ふろ場、廊下や玄関に手すりを設置したり、部屋に入るための段差となっている敷居を取ったり、スロープをつけたりする住宅改修につきまして、居宅介護等支援給付を受けられるように、介護保険制度における横だしサービスの制度を設けております。
このように、本市におきましては住宅耐震改修、高齢者、障害者の居住する住宅の改造など、住宅リフォームに対して助成を行っております。財政支援を行うに当たっては、効果的、効率的に行う必要があることから、今後も市民の安全、安心、地域の活性化、環境への負荷軽減や高齢社会への対応といった政策目的に沿った住宅リフォームに対して、重点的に支援を継続していきたいと考えております。
御提言の住宅リフォーム助成制度の導入につきましては、その考えはございませんので、御理解いただきたいと思います。
〔都市政策部長 小笠原 修 降壇〕
議長(小野田由紀子) 行政管理部長。
行政管理部長(大竹利彰) それでは、井端議員の1問目の(2)小規模工事登録制度の創設を図れについてお答えいたします。
御質問の小規模工事登録制度は、市が発注する工事、修繕のうち、その内容が比較的軽易かつ少額なものについては、入札参加者名簿に登録されていない受注希望者に小規模工事等の受注希望の登録をしていただいて、この中から業者を選定する制度でありまして、自治体によっては工事、修繕のほか、物品の購入、委託業務等に拡大して、その制度の対象としている自治体もあるものと認識いたしております。
そこで、本市における小規模工事の発注方法につきましては、予定価格が130万円以下の工事、80万円以下の物品の購入、40万以下の賃貸借、50万円以下の委託業務等については、各所管グループごとに随意契約により、業者の選定を行っているところであります。
この場合、見積もり業者は原則として工事の場合は建設業の許可や経営事項審査を受けているなどの要件を満たしている入札参加資格者名簿登録者の中から、物品、委託業務等については、経営事項審査は必要ありませんが、工事と同じく入札参加資格者名簿登録者の中から選定するとともに、選定に際しては市内業者を優先して選定し、市内優先発注に努めているところでございます。
小規模工事登録制度につきましては、本年3月、市議会定例会の一般質問において、井端議員より県内でこの制度を実施している自治体に問い合わせをするなど、その対応を求められた経緯もございまして、その後、県内の実施状況を調査するとともに、先進自治体への照会、視察を行うなどして、この制度の実施内容、実効性、メリット、デメリット等について調査を行ってきたところでございます。
県内でこの制度を導入している自治体は、平成22年8月現在で57市町村中14市4町1村、計19自治体であるというふうにつかんでおりまして、県内の大体3割の自治体がこの制度を導入している状況でございます。
しかし、先進自治体の中には、小規模な工事及び修繕の登録については、現行の電子申請による登録を活用されて、物品、委託等の登録申請の資材、素材あるいは役務の提供等の区分への登録を行った自治体もあったようであります。
次に、実施内容につきましては、工事、修繕について申し上げますと、50万円以下の工事、修繕を小規模工事登録制度の対象としている自治体が大半でありましたが、視察を行いました自治体の例では、業者の選定に際しては、既存の入札参加者名簿登録者及び小規模工事登録制度登録者のうちから選定することとなっており、小規模工事登録制度登録者の選定が必ずしも優先されるものではない取り扱いがなされていたところもありました。
次に、メリット、デメリットにつきましては、メリットといたしましては、各所管課が小規模工事を発注するに際し、名簿が整備されたことにより、業者の索引がしやすくなったこと。デメリットと申しますか、さらに検討すべき課題といたしましては、既存の入札参加者名簿登録者と小規模工事登録制度による名簿登録者との競合の問題を整理する必要があるように感じたところであります。
この競合の問題につきましては、視察いたしました自治体におきましては、50万円以下の小規模工事、修繕をこの制度の対象としてはいますが、発注実績を見てみますと、小規模工事登録制度の対象となるのは小・中学校、市営住宅のガラスだとか建具、水道機器の修繕など、おおむね5万円以下のスポット的な仕事が主であるとのことでありました。
そこで、本市としての考え方でございますが、小規模な工事、修繕でありましても、適切な施工や履行を確保する観点から、業者の選定に際しましては、入札と同様に信用、実績等を考慮し、入札参加者名簿登録者の中から選定されることが原則であると考えておりますが、市内業者の参加機会の拡大といった観点から、引き続きこの制度の実効性、メリット、デメリット、課題等について調査検討を行ってまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解のほどお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) 続きまして、2問目、防火安全対策について。(1)福祉施設等の防火安全対策等の現状と対策を問う。(2)独居高齢者等居宅の防犯、安全対策の現状と対策を問うについて、それぞれお答えをさせていただきます。
初めに、(1)福祉施設等の防火安全対策等の現状と対策を問うについてお答えいたします。
福祉施設等における防火安全対策の強化につきましては、平成19年6月13日に消防法施行令の一部を改正する政令及び消防法施行規則の一部を改正する省令が交付されております。この改正は、平成18年1月18日に、長崎県大村市で認知症高齢者グループホームやすらぎの里さくら館の火災で、入居者7人が死亡したことを契機に、火災発生時に自力で避難することが著しく困難な者が入所する社会福祉施設等における防火安全対策の強化を図るために行われたものです。
高浜市において、今回の法改正で該当となる入所を伴う福祉施設は、特別守る老人ホーム高浜安立、介護老人保健施設こもれびの里高浜、ケアハウス高浜安立、アサヒサンクリーン高浜ケアハウス、グループホームあ・うん、グループホームひだまりの家、守る老人ホーム高浜安立といった10の事業所がございます。
次に、法改正の概要ですが、1点目といたしまして、防火管理者の選任があります。従来は30人以上の施設について防火管理者を定めることとされておりましたが、収容人員10人以上の施設についても防火管理者を選任し、消防計画など防火管理の義務を実施することが義務づけられております。
2点目として、消火器の設置があります。消火器の設置につきましては、すべての面積の対象物に設置が義務づけられております。
3点目として、スプリンクラー設備の設置があります。スプリンクラー設備の設置については、延べ面積275平方メートル以上の施設がスプリンクラー設備の設置を義務づけられました。一方で、一定の防火区画を有するもの、または延べ面積1,000平方メートル未満の施設につきましては、基準の緩和も設けられております。
4点目として、自動火災報知設備の設置があります。自動火災報知設備の設置につきましても、すべての面積の対象物に設置が義務づけられております。
最後に5点目として、消防機関へ通報する火災報知設備の設置があります。消防機関へ通報する火災報知設備の設置についても、すべての面積の対象物に設置が義務づけられております。
以上が今回の改正の具体的な内容で、施行日は平成21年4月1日となっております。
次に、先ほど申し上げました市内入所施設におけるそれぞれの防火安全対策等の現状と対策についてお答えさせていただきます。
特別守る老人ホーム高浜安立、介護老人保健施設こもれびの里高浜、ケアハウス高浜安立、アサヒサンクリーン高浜ケアハウスなど、多数の方が利用される施設は、制度改正前よりスプリンクラー等の設備が義務づけられております。既に整備が行われているところでございます。
今回の改正により、新たにスプリンクラー設備設置が必要となった施設は3施設が該当し、3施設のうち2つの施設については法改正後設置が完了しております。残る1施設は、消防署の立ち入り検査により、実態確認が行われ、消防用設備の設置に関する特例の適用により、設置義務が免除されております。
また、スプリンクラー設備以外で新たに設置義務が生じた自動火災報知設備、消防機関に通報する火災通報装置、消火器の設置については、すべての事業所に設置がされており、ハード面の施設整備につきまして、法令違反等はないと認識いたしております。
続きまして、ソフト面でございますが、まず、防火管理者につきましては、収容人員10人以上の施設はすべてに選任されております。
次に、勤務体制、夜間管理におきましては、利用人数の多い大規模事業所の夜間勤務体制は、夜間勤務者、宿直者等が複数配置されており、火災等発生時においての初期対応は特に問題はないものの、多数の利用者の避難を限られた夜間勤務者で対応することは難しいとお聞きしております。
一方、利用人数の少ない小規模事業所の夜間勤務体制は、人員の配置基準は満たしているものの、経営の面から複数の職員を配置することは困難な状況にあり、火災等が発生した場合、併設事業所が存在すれば、併設事業所からの避難援助等の応援を受けることができますが、単独事業所の場合は応援を受けることは不可能な状況にあります。
こうした状況の中で、施設側の現実的な防火安全対策を考えた場合、火事が発生しないような日々の意識づけと防火設備の点検、火災訓練の実施が最善の対応ではないかと考えております。特に、火災訓練につきましては、定期の実施はもちろんのこと、火災訓練に地域の方々の参加を得て行うことが、今後必要であると考えております。
幸いにも、市内各施設の今年度の火災訓練状況を確認いたしましたら、町内会と連携して訓練を実施する事業所が7事業所あり、訓練以外におきましても夏祭り等、事業所のイベント開催の際、地域の方々をお招きして開催するなど、地域との交流が活発であり、火災等非常時の際、地域の方々の援助を受けることができる体制づくりへの取り組みが始まっていると感じております。
続きまして、(2)独居高齢者等居宅の防火安全対策の現状と対策を問うについてお答えします。
井端議員の御質問の独居高齢者等居宅の防火安全対策の事業といたしまして、現在本市では緊急通報システム運営事業と高齢者日常生活用具給付事業による火災報知器の設置を行っております。
緊急通報システム運営事業は、ひとり暮らしの高齢者の緊急時における安全の確保及び精神的な不安の解消を図ることにより、ひとり暮らしの高齢者等が住みなれた地域で安心して生活できる環境を整備することを目的として実施しております。
本事業の対象者は、おおむね65歳以上のひとり暮らしで、疾病等の身体上の理由により日常生活に支障がある者、高齢者世話つき住宅シルバーハウジングに入居している者、身体障害者手帳の障害程度が1級または2級のみの世帯となっております。
この緊急通報システムは、病気やけが、火災などの災害時に設置した電話機によって消防署や指定された人物に事態を通報できるシステムで、疾病や障がいなどの日常生活に不安がある方の緊急時の安全確保と精神的な不安の解消を図るものであります。このシステム自体は、平成12年の介護保険制度の導入時において、介護保険制度の対象とならなかったため、各自治体にその対応が一任され、市の事業として継続し、現在に至っております。本市におきましては、平成6年4月からこの事業を開始しており、平成15年4月1日には、衣浦東部広域連合の発足に伴い、緊急通報装置の連絡先を消防署から民間業者に切りかえ、24時間体制で運用いたしております。
具体的な本市における現在の緊急通報システムの仕組みでございますが、本人が設置された機器の緊急ボタンを押すことにより、委託先の民間業者に連絡がとれます。民間業者では、その通話内容により、消防署への出動依頼を行うとともに、あわせてあらかじめ指定された協力員に確認依頼を行うことにより、利用者の安全の確保を図り、利用者にとっては消防署と協力員の2カ所からの支援を受けるというものでございます。
この協力員制度を用いることの最大のメリットは、地域で高齢者が孤立することを防ぐことにあります。地域とつながりを確保し、高齢者を地域社会の中で支えていくことがその目的の一つでもあります。この緊急通報システム制度は、地域との結びつきが乏しい都市部における支援策としてスタートしましたが、高浜市においてもひとり暮らし高齢者は増加しており、現在では高齢者の在宅生活を支える重要なツールとなっております。現在、本市における65歳以上の単身高齢者の方は約700人ほどおみえになりますが、209人の方が利用されており、設置率も近隣市と比較してみても高い率となっております。
次に、高齢者日常生活用具給付事業でございます。この事業は、ひとり暮らし高齢者等に対し、火災報知器等を給付することにより、日常生活の便宜及び緊急時の対応を図り、その福祉の増進に役立てることを目的として実施しております。対象者はおおむね65歳以上の生活保護世帯及び所得税非課税世帯で、対象者であれば自己負担なしに火災報知器を設置することができます。
御案内のとおり、火災報知器につきましては、平成16年6月に消防法が改正され、住宅火災による死者の減少を目的として、すべての住宅に住宅用火災報知器等の設置が義務づけられました。この火災報知機の設置が義務づけられた背景としては、建物火災による死者数の約9割が住宅で発生していること。住宅火災により死に至った原因の約6割が逃げおくれによるものであることなどがあります。
この法改正を受け、本市では平成19年度において高齢者世帯を対象に普及強化を図るため、民生委員を通じて火災報知器の設置を呼びかけ、あわせて高齢者日常生活用具給付事業を紹介させていただいております。その給付実績といたしましては、年間201件の利用があり、設置台数は417台という状況でございました。
火災報知器の設置義務は、消防法及び衣浦東部広域連合の火災予防条例により、既存住宅については平成20年5月31日までに設置することとなっております。最新の火災報知器の推計普及率につきましては、全国で58.4%、愛知県では72.9%、衣浦東部広域連合管内で71.6%となっておりますが、高浜市内及び高齢者世帯等での普及率は確認できておりません。
このように、法改正後の県内における普及率は高い状況にはございますが、反面、約3割の世帯が未設置ということでもありますので、高齢者日常生活用具給付事業として火災報知器の設置係る費用助成は、今後も継続して実施してまいりたいと考えております。
以上、独居高齢者等居宅の防火安全対策について申し上げましたが、高齢者ができる限り住みなれた地域で安心して生活できるためには、高齢者の状態に合ったサービスが受けられる環境が必要となります。そうした高齢者の生活を支えるサービスの4つの柱が、介護保険、在宅医療、住まいそして見守りサービスであります。中でも見守りサービスに位置づけられる緊急通報システム運営事業と高齢者日常生活用具給付事業による火災報知器の設置は、高齢者等が24時間安心して暮らすため必要なサービスであり、引き続き高齢者が安心して生活できるよう努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
議長(小野田由紀子) 14番、井端清則議員。
14番(井端清則) 最初の地域経済の活性化について再質問をいたしますが、今回取り上げた2点について、住宅のリフォームと小規模工事登録制度、いずれも地域経済を活性化させる上で、大変大きな期待が持てる制度ということで、今回改めて提案をさせていただきましたけれども、住宅リフォームについては、耐震改修の補助制度等があるからということをもって、新たに私が提案したこの内容については、現在のところ考えていないという答弁でありました。
そこで、当局が現在やられておる幾つかの制度そのものは、私も否定はしません。それなりに制度がうまく回っていけば、地域の経済の活性化につながっていく施策というふうに理解はしておりますけれども、しかしながらあくまでもそれは個別の制度であって、個別の制度に該当しないとこの制度が生かされないという、そういう言ってみれば間口が狭い制度になっているものだから、今回私が提案したのは、より幅広い形で住宅のリフォーム全般にわたって、私が提案したような制度が生かされれば、より多くの経済の波及効果というのが見られるという、そういう意味での提案であるわけです。
それは、先ほども言いましたように、私の担当する常任委員会で、埼玉県狭山市に視察に行った際に、担当の職員は胸を張って、これはヒットした制度だと言わんばかりのことをおっしゃっておったわけです。視察に行った当時、資料もいただいたわけですけれども、それを参考に紹介しますと、14年からやっておりますけれども、過去5年間さかのぼってみましても、例えば平成17年度でいきますと、予算額は250万円当初予算を組んだんです。補助額が245万8,000円、多少補助実績は切っておりますけれども、目いっぱい予算が使われたと。その予算額に対して、実際のところ発注した工事金額が6,698万何がしと、実に波及効果というのは27倍になっているんですね、平成17年当時。以降、毎年のように300万あるいは350万というふうに、当初予算額がふやされてきておりますけれども、いずれも発注金額が25倍、26倍というふうに、本当に大きな経済的な効果が、この点では見られるわけです。だから、幅広い住宅のリフォームにかかわった内容を新たに創設することによって、本当に一つの住宅リフォームには、10から20ぐらいの業者がかかわってくるという工事の内容になることを考えると、底辺の広いところでこういった仕事にありついて、私が冒頭言ったような一石四鳥につながるような波及効果になっていくわけですので、こういう底を全体として引き上げる制度を、当市で活用しない手はないということを思うんです。
したがって、改めてお聞きしておきたいというふうに思います。再検討する考えはないのかどうか。この制度をやることに、とりわけ何がしか問題があるようなことが、当局として考えておるようなことであるならば、それは一体何なのか明らかにしていただきたいと、最初にその点をお聞きしておきたいと思います。
議長(小野田由紀子) 都市政策部長。
都市政策部長(小笠原 修) ただいま御紹介のありました埼玉県狭山市の実態等も、私どもも資料をいただいたり、電話で確認したりさせていただきまして、22年度においても住宅はもう既にいっぱいだということもお聞きしております。それとあわせて、本年3月定例会の井端議員の一般質問で紹介がありました山形県庄内町、ここの住宅祝い金につきましても、いろいろ調査をさせていただきました。その結果、こういった制度を導入しておる背景と言いますか、地域の特性と言ったらいいのか、実は、庄内町のほうでは住宅うんぬんより定住の促進というのがどうもこの背景にあるということで、これはいろいろ担当の方に聞いてみましたら、昭和30年の3万4,141人をピークとして、平成22年7月末現在の人口は2万3,588人と、1万人以上が減っておる。高齢化率が28.4%と非常に高いということで、若い世代の方、若者定住促進助成事業という中の一環として祝い金というのはやっておるということでお聞きしておりますし、そのほかでも岩手県の宮古市ではたたみの交換がすごく多くてということで、それがトップだというようなことも情報としては入っておりますが、そういったことはいろいろ調べまして、高浜市はそれじゃあたたみ屋さんが何件あるかということも、一応調べてはみたんですが、そういったことも含めまして、先ほどの答弁で今高浜市としては政策目的に沿ったというんですか、地場産業の育成ということからかわらをふいた場合の補助とか、高齢者への対応といったことからバリアフリーに対する補助とか、そういったリフォーム全体ということではなくて、そういった政策目的に沿ったリフォームについて補助していこうということで、考えておりますのでよろしくお願いいたします。
議長(小野田由紀子) 14番、井端清則議員。
14番(井端清則) 市内の中小業者、企業にあっては、先ほども言いましたように、本当に今の景気の状況を反映して、多くの方が青息吐息の経営状況なんです。そんな中で、やはり行政としてそういう業者の経営的な継続性をしっかりサポートするというのは、これは即市税収入とのかかわりもあって、非常に大事な施策、まさに政策目標の一つにやっぱりそれは置くべきだというふうに思うんです。だから、この点では本当に大きな経済波及効果が見られるこの種の制度は、私は本当に先ほど言いましたように使わない手はないというふうに思うんです。ぜひ、これは前向きに検討していくべきだというふうに思います。しかも、昭和56年以前の建物が、先ほどの答弁でありましたけれども、約2,900棟当市にはあると。かなり老朽化していることを考えますと、さまざま住宅のリフォームにかかわるような工事そのものも、潜在的にはあるというふうに思うんです。改修していこうというのが。そこに行政としてこの種の制度を導入することによって、業者さんも経営が言ってみれば保証されるという部分、老朽の木造建物に住んでおる市民の方については、改修によって快適な生活等が、この制度によって生かされていくということになりますので、私は大した予算を充てていかなくても、大きな経済効果を生むこの制度は、やはりしっかり研究して、前向きに今後導入に向けて作業を進めていくと、こういう姿勢はぜひ持つべきだというふうに思います。再度市長から答弁を求めておきたいというふうに思います。
議長(小野田由紀子) 杉浦副市長。
副市長(杉浦幸七) 井端議員はどちらかというと地域経済の活性化をまず基本として、中小企業、零細業者の仕事の確保、大きな経済、雇用効果につながると。3点目の環境・温暖化対策につながります、安心・安全な住居につながると、逆に3番、4番が先に来るほうが、どちらかというとそういう制度が望ましいのではないか。例えば、リフォームというと、かなり幅広くておふろ、浴室リフォーム、エクステリアリフォーム、キッチンリフォーム、サッシュリフォーム、トイレリフォーム、バリアフリーリフォーム、内装リフォーム、床暖房リフォーム、給湯器リフォーム、補修リフォーム等あるわけでございます。そういった意味で、私は逆に、これは東京都の品川区の助成事業を、実際品川区に確認はしておりませんけれども、ここでは逆にそういう、例えば国の住宅エコポイント制度の要件を満たすリフォームについてとか、またそういう品川区の助成制度にプラスリフォームをした場合は助成するとか、そんなようなことをやっておるようでして、逆にそういった制度も一度もう少し勉強してみたいなというのは、逆に幅広く何でも助成しますよ、予算がきましたらそれで打ち切りですという、こういったリフォーム助成というのが本当にそれがいいのか、場合によったら先ほど冒頭答弁で申し上げたような、今、政策目的に沿った助成事業に対して重点的に支援する中での、例えばプラスリフォームとかいうのなら、そういうことも考えられるのかどうか、それは一度先進地またはいろいろ調査してみたいと思っています。
議長(小野田由紀子) 14番、井端清則議員。
14番(井端清則) ぜひ、再検討して進めていただきたいというふうに思います。
同時に、私は緊急経済対策としての意味合いも、この点では考えておるわけです。だから、ずっと継続性をもってというのも非常に大事な視点ですけれども、今どうするんだ、こういう時期にどうするんだということも、行政として問われているわけですので、緊急の経済対策として、ある面では時限的に設定をして、この種の制度の導入に踏み切るということも含めて、一度前向きに取り上げていただきたいと要望しておきたいと思います。
それから、2つ目の小規模工事の登録制度ですけれども、これはいろいろ検討もしていただいておるようですけれども、引き続き実効性あるいはデメリット、メリットを含めて検討していきたいという答弁でしたけれども、いつまでに結論を出すのか。いつまでも検討では、この点でも地域の経済活性化という点では、今求められていることでもありますので、やはり時限を切って結論を出していきたいというところ、めどを一度明らかにしていただきたいというふうに思います。
同時に、これも狭山市で視察を、私の所属する委員会で行ったときにも、この制度も行ってきましたけれども、本当にこの制度をうまく利用していけば、入札参加者名簿に登録していない方にも、しっかりと入札、契約という一つの行為に対して門戸が広がるということになるわけです。今の当市の契約制度というのは、まずは原則として入札参加者名簿に登録をした、この人の中からピックアップして契約という行為にいくわけです。だから、エントリーそのものもできないと、こういう参加者名簿に登録していない方は。ということになるわけです。いわばこれはスタートラインそのものにも立つことができない。中小の小さな小売業の皆さんたちも含めて、物品だとかあるいは修繕等の公共事業に対して、発注そのものが機会すら奪われているというのが、今の当市の実態です。それを小規模工事登録制度によって救済しようと。救済と言うと語弊があるかもしれませんけれども、要するに契約の機会、受注の機会を拡大していくということになるわけです。だから、この点での施策というのは、中小業者の皆さんたちにも明るい展望をもって歓迎をしておる。全国的にもずっと広がっているというのは、そういう背景があると思うんです。この点で、当市もぜひ導入を図っていただきたいというふうに思います。
ちなみに、担当のほうに御苦労をいただいて、調べていただいたんですけれども、5万円以上130万未満の、例えば小・中学校に係る工事、修繕等については、平成21年でいきますと、小学校では修繕にかかわったのが21件あるんです。これは430万ほどあるわけです。小規模工事については16件、530万円、中学校については修繕が10件で200万円、小規模工事については7件で300万円、計21年度でいきますと54件で1,485万円ですか、これぐらいの工事が発注されている。そのすべてが小規模の皆さんたちに行くかというと、それは入札の結果はどうなるかわかりませんけれども、いずれにしても発注の機会を拡大していくという点では、やはり小規模工事というのは、その点では非常に係る関係者の皆さんたちには早くやっていただきたいと、待ち焦がれておる制度だというふうに思うんです。
今のは教育関係ですけれども、もう一つは土木部、建設部の関係でお願いしましたところ、これも21年度の工事ですけれども、81件の発注をされておるんです。約5,700万円、道路関係が中心でありますけれども、あるいは公園等の関係でいきますと31件、130万円、上下水道の関係では9件で680万円等の金額が、これも5万円から130万円未満の随契にかかわる工事が発注されているわけです。だから、この点ではすべてが、私は小規模登録制度にかかわってくる業者に任せればいいということは、当初登壇した際に言った際にありますように、必要な公共工事で資格や免許証等が伴うような工事の中身というのもあるわけです。それを持っていない業者に発注すればいいということは、私はさらさら思っておりませんので、必要な工事の内容については、必要な資格や免許を持っている方に当たっていただくと。それ以外の、それらを必要としない、不要とする公共工事については、小規模の業者の皆さんたちであっても十分、今までさまざまな工事等に携わってきておるその実績から判断すれば、十分工事に対応できるということになるわけですので、ぜひこういった制度を活用すべきだというふうに思います。その点で、検討も結構ですけれども、ぜひいつまでにというところを明らかにしていただきたいと思います。
議長(小野田由紀子) 行政管理部長。
行政管理部長(大竹利彰) 今、井端議員のおっしゃられたことについては、一定部分は理解をしたいというふうに思っています。と申しますのは、そもそも行政が発注する工事、公共工事について、これは委託でも物品でも同じでありますが、公の資金を活用してということでございますので、ここにおいては建設業法にあるいわゆる施工については、適切に、的確にやりなさいという部分、それから17年にでき上がった品確法、いわゆる品質確保の促進に関する法律の中でも、やはりそこらあたりのことが盛り込まれておる。そういうことが基本的に2つの法律の中で、そういったことも書いてございます。一方では、地域の活性化という中で、市内の企業というのは当然わかるわけでございますが、他方ではそういったこともあるので、そういったこともちゃんとクリアする中で、やはり考えてまいりたいというふうに思っています。
先ほど、私答弁の中で、愛知県下で3割程度は今回この制度を活用されておりますと、残りはまだその導入はされていない。その背景というのは、今私が申し上げたいわゆる品確法絡みの、品質確保ということに対してどうなのかと。だからそこら辺のことをもう少ししっかりと見極めたいというふうに思っています。
ちなみに、先ほど井端議員が蒲郡市、知立市、武豊町というようなお話をされましたが、知立は本年3月議会で、そういったお話がありまして、8月1日からこの制度を導入されております。知立のそういった今からの実績等のことも、一度私どものほうは十二分に拝見等をさせていただく中で、この制度について導入することがいいのか悪いのかということを判断をし、進めてまいりたい。ですから、いつからするんやという話については、そこら辺のことを十二分に見極めさせていただいた後に考えてまいりたいというふうに思っております。
以上であります。
議長(小野田由紀子) 14番、井端清則議員。
14番(井端清則) 既に小規模工事登録制度については、全国47都道府県、最近の資料じゃありませんけれども、ことしの3月の時点では439自治体が何らかの形で小規模工事登録制度を導入しているんです。だから近隣の実績のないところを、実績のあるまで待って導入というふうでなくて、全国的に既に先進地がいっぱいあるわけですから、そこでどういう問題が実際導入して起こっておるのかどうか、メリットはどういったところにあるのか、つぶさに、今問い合わせをしてもそれはわかるわけですので、時限を決めない検討というのは、私はまずかろうというふうに思うんです。それは先ほど言ったように、緊急の経済対策という側面と地域の経済を活性化していくという側面をもって考えるならば、やはりきちっと、例えば年内だとか、平成22年度だとかいうふうな時限をとって、ぜひ結論を出すべきだというふうに思います。これは時間の関係で要望しておきたいというふうに思います。
それから、2点目の防火安全対策ですけれども、高浜市の実態としては、私は衣東の職員あるいは当市の消防署の職員にお聞きしましたら、防火管理者の選任について、これは選任者を決めないといかんというのは、消防法の一部改正に伴って規定が義務づけられたんです。その限りでは、避難訓練が未実施、回数との関係で未実施ということにカウントされるんですけれども、違反が2件ありますということがあったんです。
さらに、老人福祉施設については、これは従前の消防法との関係でいきますと、防火管理者そのものが選任されていない、こういう施設がある、3件あるというんです。だから、管理者としての一つの仕事が消防計画をつくりなさい。あるいは避難訓練を実施しなさいということが義務づけられて伴ってくるわけですけれども、消防管理者そのものが選任されていないということもあって、計画書の未作成が4件、避難訓練の未実施が19件と、こういう実態があるということをお聞きしております。
これは、法で義務づけられた、言ってみれば生命をしっかりと守っていく、そのことを規定されておる、このことに違反をするわけです。直ちにこれは、こういう実態に今なおあるとするならば、改善が必要だというふうに思いますけれども、どういうふうな対応をしているのか、まずこの点で一つ聞いておきたいというふうに思います。
もう一つは、当直の体制ですけれども、これは守る老人ホームが現在お一人で夜勤の対応をされている。夜間の。それから、生活支援ハウスも同様にお一人の方というのは、先ほど言いましたように、たまゆらの火災事故だとかあるいはその他の老人ホーム等の施設の中で教訓として挙げられているのは、夜間の当直体制というのは複数体制というのが、やっぱり基本に据わるようなことが、問われているというふうに思うんです。
これはしかも消防法の改正に伴って、消防庁の予防課長から市町村の消防長あてに徹底なる通知が発送されているというふうに思うんです。そこによりますと、夜間における応急体制の確保という項目の中で、火災時において従業者による避難誘導、通報等が確実になされる体制の確保ということが求められているんです。この点で考えますと、法の趣旨あるいは通達の趣旨に沿って考えますと、お一人で何人かの入居者の避難を誘導するというのは、やっぱり限界だ、いろいろ問題がある。だから複数体制というのが、この点では指導されておるわけですので、先ほど経営的な問題もあって配置ができないという事情もあるようでしたら、これは入居者の生命を優先させるという点で、何がしかの経営上の問題での支援をする。要するに人件費相当分の補助をして、複数体制を図っていくという姿勢も、私は今日的には必要だというふうに思いますけれども、この点も含めてもう一度答弁を求めたいと思います。
議長(小野田由紀子) 介護保険グループ。
介護保険G(篠田 彰) 御質問の防火管理者等が設置されていない事業所におきましては、今回の法改正の対象外の、入所を伴わない施設のほうでそういったソフト面の不整備が目立っておるということは聞き及んでおります。
それで、行政指導にありましては、当然ながら消防署が行うものでございますが、施設所管部局といたしましても、利用者の安全といったことを観点といたしまして、消防署と連携をとっていきながら、ソフト面の整備を行うことによりまして、安心して利用できる福祉施設の構築を図ってまいりたいと考えております。
以上です。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) 今回の一般質問に当たりまして、私どもも事業者さんにいろいろお伺いをさせていただいております。その中で、先ほどの最初の答弁で、幸いにも地域を巻き込んだ火災訓練が行われておる、これが7事業所もあるなどということは、私ども思ってもおりませんでした。そうした現状というのは、やはりそういった全国で起きている火災状況等を検討して、施設の管理者の方々が、危機管理意識を強く持って、その対応がされているというふうに痛感したところであります。
また、火災訓練の中でも、夜間訓練をされているところがほとんどでございます。また、夜間の火災時を想定したマニュアル等もきちっとつくってみえるところもございます。そういった強い危機管理意識をもってやられているというふうに、私どもとっております。ただ、現実的に難しいのは、井端議員もおっしゃいましたように当直体制、これは複数体制にするのが一番可でありますが、やはりそれは現実的な問題、難しい面があると。それに対応するために、火を出さないこと、初期体制の対応をしっかりやられておるというふうに、私ども思っております。
議長(小野田由紀子) 14番、井端清則議員。あと1分です。
14番(井端清則) 防火体制を万全にするというのは異論のないところですけれども、しかし、やむなく火災が発生したというときには、この問題が即対応されるんです。問われるんです。したがって、経営的な問題から配置ができないとするならば、やはり何がしかの支援を行政として行うべきじゃないですか。この点だけ確認したいと思います。
議長(小野田由紀子) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) 確かに、今議員おっしゃるとおりでございますが、現実的に非常にそれは難しい問題だと思っております。これは国のほうがこういった全国の事例をもとに、また考えられていかれると思います。
議長(小野田由紀子) 本日は、これをもって一般質問を打ち切ります。
あすは引き続き午前10時より再開いたします。
本日はこれをもって散会いたします。長時間、御協力ありがとうございました。
午後4時45分散会