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平成19年12月 第2日
平成19年12月定例会 本会議 第2日
平成19年12月高浜市議会定例会会議録(第2号)
- 日時 平成19年12月4日午前10時
- 場所 高浜市議事堂
議事日程
日程第1
一般質問
本日の会議に付した案件
議事日程のとおり
一般質問者氏名
- 北川広人議員
(1)地域福祉計画について - 幸前信雄議員
(1)教育行政について - 寺田正人議員
(1)平成20年度予算編成と重点施策について - 佐野勝已議員
(1)幼稚園・保育園について - 小嶋克文議員
- 公共施設にAEDの早期設置を
- 全国学力・学習状況調査の実施について
- 小野田由紀子議員
- 教育行政について
- 子育て支援事業について
出席議員
- 1番 幸前 信雄
- 2番 杉浦 辰夫
- 3番 杉浦 敏和
- 4番 北川 広人
- 5番 鈴木 勝彦
- 6番 磯貝 正隆
- 7番 佐野 勝已
- 8番 内藤 皓嗣
- 9番 吉岡 初浩
- 10番 寺田 正人
- 11番 森 英男
- 12番 水野 金光
- 13番 内藤 とし子
- 14番 井端 清則
- 15番 岡本 邦彦
- 16番 神谷 宏
- 17番 小嶋 克文
- 18番 小野田 由紀子
欠席議員
なし
説明のため出席した者
- 市長 森 貞述
- 副市長 杉浦 幸七
- 副市長 後藤 泰正
- 教育長 岸本 和行
- 地域協働部長 大竹 利彰
- 生活安全グループリーダー 尾崎 常次郎
- 地域政策グループリーダー 神谷 美百合
- 市民活動グループリーダー 蜂須賀 博康
- 市民総合窓口センター長 松井 敏行
- 市民窓口グループリーダー 加藤 元久
- 市民生活グループリーダー 神谷 坂敏
- 福祉部長 新美 龍二
- 地域福祉グループリーダー 森野 隆
- 地域福祉グループ主幹 加 藤 一 志
- 介護保険グループリーダー 篠田 彰
- 保健福祉グループリーダー 長谷川 宜史
- こども未来部長 前川 進
- 子育て施設グループリーダー 鵜殿 巌
- こども育成グループリーダー 島崎 広美
- 都市政策部長 川角 満乗
- 行政管理部長 岸上 善徳
- 人事グループリーダー 鈴木 信之
- 文書管理グループリーダー 杉浦 鉄男
- 財務経理グループリーダー 鈴木 好二
- 病院事務部長 神谷 清久
- 学校経営グループリーダー 清水 康弘
- 学校経営グループ主幹 都築 公人
職務のため出席した議会事務局職員
- 議会事務局長 熊本 千尋
- 主査 井野 昌尚
議事の経過
議長(森 英男) 皆さん、おはようございます。
本日も円滑なる議事の進行に、御協力のほどお願いを申し上げます。
午前10時00分開議
議長(森 英男) ただいまの出席議員は全員であります。よって、これより会議を開きます。
お諮りいたします。本日の議事日程は、お手元に配付してあります日程表のとおり、決定して御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(森 英男) 御異議なしと認めます。よって、本日の議事日程は、お手元に配付してあります日程表のとおり決定をいたしました。
これより本日の日程に入りますが、その前に当局より発言を求められておりますので、これを許します。
行政管理部長。
行政管理部長(岸上善徳) それでは、私の方から、昨日の日程第4 議案第60号 平成19年度高浜市一般会計補正予算(第4回)の提案理由の説明におきまして、誤りがありましたので、おわびを申し上げ、あわせて訂正をお願いする次第でございます。
具体的には、補正予算書78ページの10款4項1目幼児教育費の説明の中で、私立幼稚園と申し上げたのは、正しくは公立幼稚園でありましたので、おわびを申し上げ、訂正をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
以上でございます。
議長(森 英男) では、改めて、日程第1 一般質問を行います。
議事運営上、質問については、通告順に従って発言を許します。
なお、関連質問については、通告による質問が終了してから発言を認めますので、そのように御了承願います。
4番、北川広人議員。
一つ、地域福祉計画について。以上、1問についての質問を許します。
4番、北川広人議員。
〔4番 北川広人 登壇〕
4番(北川広人) 皆さん、おはようございます。
議長のお許しをいただきましたので、先の通告に従い、一般質問をさせていただきます。
本日のテーマは、非常に思い入れのある地域福祉計画についての1問でございます。一問一答方式にて進めさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
戦後の日本の社会福祉政策は、1990年前後からその理念や制度の仕組みを大きく変換したといわれています。その集大成が1998年の社会福祉基礎構造改革であり、介護保険制度など、その後の一連の政策動向及び社会福祉法の改正の中身に見ることができます。この社会福祉基礎構造改革は、社会福祉制度のあり方を措置制度から契約制度への移行を機軸に、基本的人権の尊重、個人の選択による福祉サービスの利用、地域社会における住民の連携による地域福祉の推進などを本格的に具体化するためのさまざまな新しい事業やシステムづくりを提起したと言われています。地域福祉計画はその中の重点事業の一つであり、地域福祉推進の機軸になるものと考えています。
2000年5月に制定された社会福祉法は、その第1条の目的において「地域における社会福祉の推進を図るとともに」として、初めて地域福祉の用語を法律上明記しました。また、第4条の地域福祉の推進では、地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者は、相互に協力し、福祉サービスを必要とする地域住民が、あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるよう地域福祉の推進に努めなければならないことを規定しています。あわせて第6条の福祉サービスの提供体制の確保等に関する国及び自治体の責務では、国及び地方公共団体は、社会福祉を目的とする事業の広範かつ計画的な実施が図られるような必要な措置を講じなければならないことを記しています。
このことを受けて、社会福祉法第10章地域福祉の推進において、市町村地域福祉計画、都道府県地域福祉計画が法律の中に定められたものと言われています。ただし、この地域福祉計画の策定に当たっては、地方自治法第1条第2項地方公共団体の役割と国による政策策定等の原則に基づき、地方自治体の努力義務化として位置づけられているにとどまっています。この努力義務化としての位置づけというのは残念でなりませんけども、逆に考えてみますと、これを策定した地方自治体において、その主体性と独創性を発揮するには非常に有効なことであり、またツールとしても非常に有用であることは間違いないものと思います。このように法律に規定されることにより、地域福祉は日本において社会福祉の中心的な欠くことのできないものと位置づけられたと思います。
さて、地域福祉計画は、時代によって、その持つ意味が、呼び名も含めて変化してきています。この経緯というのは非常に大切ですので、ここで地域福祉計画の今日までの経緯を井村圭壯岡山県立大学教授が概説をしておられるものを紹介させていただきたいと思います。
1950年代は社会福祉協議会を中心として推進された時期としており、1951年から全国各地に社会福祉協議会が設立され、住民が主体となり生活課題の解決のために取り組む方法や、自分たちが何に困り、どの問題を優先して、どのように解決に向けた活動をしたらよいのかなどの視点、つまりコミュニティオーガニゼーションの理論をベースとして、必要な住民の組織化などを図ったのが、この時代だとしています。
1960年代は、土木行政の基盤を推進した地域開発計画が国を挙げて取り組まれた時期としており、1964年に全国社会福祉協議会が青森県八戸市をモデル地区として地域保健福祉計画を策定したことは、その後の地域福祉計画へとつながるものになったとしています。
1970年代はコミュニティケアを中心とする在宅福祉政策に踏み出した時期で、1971年12月には中央社会福祉審議会がコミュニティの形成と社会福祉を答申し、その中で地域福祉計画に触れています。1979年、全国社会福祉協議会による在宅福祉サービスの戦略が提起され、いよいよ施設福祉中心から在宅福祉の時代へ入ったとしています。
1980年代は、市町村社会福祉協議会が地域福祉計画を推進した時期であり、1983年全国社会福祉協議会は、社会福祉協議会の法制化をきっかけに、市町村社会福祉協議会強化計画策定を推進し、社会福祉協議会全般の事業内容を整理し、それらを今後どう発展させるか、社会資源、財源、実践方法など、多方面から対策を立てる地域福祉計画策定を位置づけました。1989年、東京都は、「東京都における地域福祉計画の基本的あり方」の中で、地域福祉計画について、都道府県は地域福祉推進計画、区市町村は地域福祉計画、社会福祉協議会や民間団体は地域福祉活動計画をそれぞれ策定する三相計画の方針を打ち出し、その後、行政が策定する地域福祉計画と社会福祉協議会を含む民間団体がつくる地域福祉活動計画と区別されるようになった経緯があるとしています。
1990年代は、市町村行政の分野別行政計画の一つとして位置づけられた時期としていて、1990年の社会福祉関係八法改正を受け、多くの福祉分野の業務について、都道府県から市町村に権限委譲がなされ、社会福祉体制は大きな変容を遂げます。ゴールドプラン、エンゼルプラン、障害者プランなど分野ごとの計画策定が市町村や都道府県に義務化され、福祉分野の計画行政が本格化した時期であるとしています。1992年に全国社会福祉協議会が地域福祉活動計画策定指針を発表し、1996年には新ふれあいネットワークプラン21をまとめ、その後予定されていた介護保険事業の実施を含めた地域づくりの考え方と社会福祉協議会の発展・強化計画へと踏み出したとしています。
2000年以降は、社会福祉法に法的根拠を置く、地域福祉推進の本格時期としており、先に述べた社会福祉基礎構造改革、社会福祉法改正において、地域福祉は法的根拠を持ち、市町村の力量が問われることになったとしています。
それでは、地域福祉計画とは何でしょうか。社会福祉法に定められた地域福祉計画は、行政が計画策定に責任を負うもので、住民及び社会福祉を目的とした事業経営者や活動に携わるすべての関係者とこの自治体が協議して策定する行政計画であると言われています。そしてこの計画は、高齢者、児童、障害者といった分野別行政計画を包括した総合的な計画といったものでなければならないとされています。全国社会福祉協議会の「地域福祉計画・支援計画の考え方と実際」の中では、計画を三つに類型化しています。
一つは、狭義の地域福祉計画であり、行政や事業者や住民などの役割と協働、福祉サービス利用者の権利、福祉サービスの質、福祉サービスの充実と開発、住民参加など地域福祉を推進する上で、共通の理念など、最低限の要素で構成された計画です。二つ目は、広義の地域福祉計画で、狭義の計画に他の福祉関係計画を含めた社会福祉の総合計画です。三つ目は、最も広義、最広義の地域福祉計画であり、福祉分野にとどまらず、まちづくりやその他関連領域の施策を含めた市民生活の総合計画です。
しかしながら、この三つの類型の中でも、社会保障審議会福祉部会は、策定指針の中において、既存計画を内包する計画であるべきとしていますので、今言った二番目の広義の地域福祉計画である高齢者、児童、障害者の既存計画を統合した社会福祉の総合計画として策定されるべきと思います。つまり、地域福祉計画は、高齢者保健福祉計画や児童育成計画、障害者計画などと整合性を持たせ、共通する部分は統合し、それぞれの計画や内容及び実施において、相互が連動する内容が要求されることになると考えます。地域福祉は、住民の生活問題及び生活を取り巻く、例えば労働、教育、保健、医療、環境など、さまざまな分野の制度や仕組みが、的確に機能的に働いて、安心かつ安全で快適な住民生活が過ごせる地域づくりを目指すものであり、その推進を図るために地域福祉計画は策定されるべきであると思います。この計画策定と目標に向かって活動を実践するプロセスは、地域社会づくりのプラットホームとなるに違いありません。多くの立場の違う人々や団体、組織、専門職集団、行政などが、それぞれの意見と、何ができるかを持ち寄り、それぞれの役割を明確にしながら、地域づくりの方針、生活課題の整理、実施計画とその方法などについて、住民を中心とした関係者の合意形成を図りながら進めていく、非常に重要な新しい公共の場になると思います。つまりは、住民の参加なくしては計画策定なしの心づもりで取り組むべきだと考えます。
以上が、地域福祉及び地域福祉計画に対する私の考えですが、この高浜市においての地域福祉計画に対する取り組みは実に先進的であったと思います。平成15年に高浜市地域福祉計画と高浜市社会福祉協議会の地域福祉活動計画(こころん計画)が策定をされました。まず、この第一次というべき地域福祉計画策定までの経緯と、策定過程についての特徴的なところをお聞かせいただきたいと思います。
なお、この後は自席にて進めていきますので、よろしくお願いをいたします。
〔4番 北川広人 降壇〕
議長(森 英男) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) 平成15年度策定の高浜市地域福祉計画の策定までの経緯と経過及び特徴についての御質問であったと思います。
まず、計画策定までの経緯でございますが、これまでの福祉行政は、高齢者、障害者、児童といった対象者ごとに、それぞれの法律等に基づいた福祉施策が進められてまいりました。しかしながら、都市化の進展や核家族化による家庭機能の低下などにより、これまで行われてきました対象者ごとの福祉行政では対応できないはざまが生じてまいりました。このはざまへの対応を図るため、平成9年末より始まった社会福祉基礎構造改革の議論を経て、社会福祉法の改正がなされ、まさに、地域の中で、地域の住民がお互いに支え合うという理念が確立されたものと理解いたしております。
また、一方、平成12年4月に施行された地方分権一括法により、分権時代における住民と行政の関係の新たなあり方として、自助、共助、公助という考えをお互いが理解し合い、その考え方を基本にとらえた協働作業の機会をいかに広げていくかということが問われることとなってまいりました。このような中、平成15年度において、全国社会福祉協議会から地域福祉計画策定モデル地域として本市が指定を受け、そこで策定したモデル計画は、「みんなで作ろう、心のひろば、支えあいのひろば」を基本理念といたしたものでありました。この計画を補強、充実して策定したものが、第1次の地域福祉計画でございます。
計画策定の過程においての基本スタンスは、今までのような行政主導により策定をする計画ではなく、いかにして住民を巻き込んだ住民主導の計画にするかということでございました。このことから、地域福祉計画策定委員会に先行して、高浜の地域福祉を考えるという市民への呼びかけのもと、高齢者や障害者といった当事者や、将来のまちづくりを担う子供たちにも参加をいただき、「168人(ひろば)委員会」と名づけたワーキンググループを立ち上げております。
この「168人(ひろば)委員会」は、当初から通常の地区懇談会のような要求、要望を聞く場としてだけでなく、自分たちで課題を見出して活動をしていく場として位置づけ、参加をいただいた住民が自主的に会議を運営し、従来の形式という会議から脱却した徹底した住民参加、住民主導での計画の策定に当たっております。そして、最大の特徴は、計画策定自体を地域福祉の活動ととらえたところにあります。
市においても、作成当時から地域福祉計画を策定する目的や方法が明確だったわけではありませんでした。しかし、せっかくつくるならば、住民の立場に立っていない使えない計画であってはならないという思いから、これまで行政が苦手としてまいりました住民参加の過程を重視する、このことこそが、最も重要であろうという認識のもと、まずは、自分たちのまちの地域福祉の現状を振り返り、現状を認識する中で作成されました手づくりの計画であると考えております。
以上でございます。
議長(森 英男) 4番、北川広人議員。
4番(北川広人) ありがとうございます。
第1次の地域福祉計画策定当時から現在に至っても、全国的規模で視察に来られる自治体あるいは議員の方々がたくさん見えます。また、いろいろな書物にも多く取り上げられたことは聞いてもおりますし、私、本自体も読ませていただきました。高浜のものを中心にした本もありますけども、いろいろな学者の方というんですかね、学校の先生が、一例として取り上げられているものというのは、数多くあると思います。こういう高い評価をいただいているとは承知をしております。特に、今、答弁にあったように、計画策定のプロセス、これには非常にすばらしいものがあったというふうに思います。
ここで、一つ御紹介しますけども、2006年10月1日の厚生労働省の地域福祉計画策定についての調査というのがございまして、全国1,840市町村のうち、2006年9月末日段階で、策定済みは422市町村、22.9%という数字であります。これは、先ほど、私言いました努力義務化ということで位置づけられておるんですけども、非常に低い数字だと思います。この数字から見ても、高浜市は住民の自立性や主体性を高く評価して、その力を十分に使って、立派な地域福祉計画、活動計画を策定されたというふうに思っております。
それでは、次にですが、この第1次の地域福祉計画に対しての評価、これは2007年度までの福祉計画でありますので、途中の段階かとは思いますけども、評価の手法の部分ですね、それから、その検証がなされているところがございましたら、現段階で、その検証と、そして、また、その検証から得られた課題、そういったものをお聞かせいただければと思います。お願いいたします。
議長(森 英男) 地域福祉グループ。
地域福祉G(森野 隆) それでは、計画に対する評価の手法、それから検証及び課題について、お答えをいたします。
まず、計画に対する評価手法でございます。現在、日本福祉大学と連携をし、ひろば委員会委員、それから福祉専門職であります保健師、地域包括支援センター職員、社会福祉協議会のホームヘルパーやまちづくり協議会関係者の皆さんに対しまして、1次計画の進みぐあいなどのヒアリングを実施するとともに、庁内におきまして同様に実施事業についての調査を行っております。
1次計画の検証といたしましては、次の三つの視点によりまして行っております。まず、一つ目の視点、計画実行体制を、計画の進行管理と社会福祉協議会との役割分担から、続く二つ目の視点、計画における重点項目の実現度と今後の必要性を、みんなの家などの実験事業とボランティアひろばセンターの活動状況やいきいき広場の拠点性、総合性の向上の観点から、三つ目の視点、計画目標の実現度を、職員のスキルアップと住民力の向上、計画策定の波及効果から検証を行っております。
こうした検証を通して見えてきたものは、地域密着型のボランティア活動「ちょっこらや」などの新たな担い手の登場や、「みんなの家」などの実験事業の立ち上げ、さらには波及効果としてひろば委員会での住民との協働による福祉でまちづくりの成功体験が、現在のまちづくり協議会の設置に結びついたものと考えております。
一方で、計画の全庁的な責任体制が不明確であったこと、進行管理の仕組みが未形成であったこと、さらに、こうした取り組みをサポートをする、先ほど申し上げました保健師、社会福祉士、ケアマネジャー、介護福祉士などの専門職のかかわりが少なかったことなどが次の計画の策定に向けての課題となっております。
以上でございます。
議長(森 英男) 4番、北川議員。
4番(北川広人) ありがとうございます。
この第1次の地域福祉計画の評価、検証には、ぜひ、利用者である高齢者または障害者の方々、そして、その家族の方々、それから児童、保護者ですね。そういった方々の現場の声というものも、しっかりと聞き入れていただきたいということを一つお願いをしたいというのと、それから、もう一つは、元気で利用されていない高齢者の方々、それから、障害があっても、本当にしっかりと職を持って働いてみえて、そういうサービスを利用されてない方々、そういった方々の意見というのも非常に重要となると思うんです。そういった部分を、声を、しっかりと耳を傾けていただいて、検証をしていただきたいなというふうに考えております。
本日、前段の部分で、地域福祉の動向の話をさせていただきましたけども、この2000年から現在2007年、これまでの間というのは、福祉にとって、日本で非常に大きな変動があった年代だというふうに思っております。この大きな変化を三つの視点で少し詳しく話をさせていただきたいと思います。
第1は、在宅福祉サービスの種類と量の整備拡充に加えて、サービスを調整し、活用する仕組みが導入され機能し出したこと。これは2000年の介護保険制度によって、居宅介護支援事業として、ケアマネジメントの仕組みを明確に位置づけた、このことが一つ。それから、障害福祉分野においても、2003年度から支援費制度、そして自立支援のためのサービスの拡充と調整の仕組みを整備して、2006年4月からは、新たに精神障害者を加えて市町村を実施責任者とする障害者自立支援制度がスタートしている、この二つであります。
第2に、福祉のまちづくりに向けて、ハード面でのバリアフリー化の本格的な進展、これを指摘するべきだと思います。2000年に公共の交通機関のバリアフリー化に関する法律として高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律が施行されました。1994年に制定されたハートビル法、2002年に改正となって、不特定多数の人が利用する一定規模以上の建築物すべてに、バリアフリー化を義務づけました。こういったハード面の部分です。
それから、第3ですけども、脱施設化や小規模ケアに向けた取り組みの進展。在宅サービスの推進や施設を地域の福祉資源と位置づける地域ケアシステムの展開や、グループホームやユニットケア、小規模多機能型施設といった、居宅や少人数でのケアへの志向性が一段と高まってきた時代であるということであります。2000年以降では、認知症高齢者グループホームが介護保険サービスとして急速に広まり、2002年の障害者基本計画では、施設等から地域生活への移行を推進し、入所施設も本当に必要なものに限定して身近なところでの施設利用の整備を図るとしています。今の時代というのは、ここのたった7年間で、非常に大きな変化が起こり得る時代だということをしっかりと頭の中に入れておかなければならないと思います。
そうなると、今から取り組んでいく第2次といいますか、地域福祉計画に関しては、本当に心してかからないとならないと思います。それでは、その第2次の地域福祉計画にかけて、策定に対して、第1次の地域福祉計画の評価、検証、課題、そういったものをどのように盛り込んでいくのか、どういうふうに進めていくのか、策定に当たってどのように進めていかれるのか、策定完了までのスケジュールを含めてお聞かせをいただければと思います。
議長(森 英男) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) 今後、策定していく計画にどう評価を盛り込んでいくのか、また完了までのスケジュールはという御質問であったと思います。
今回、策定いたします地域福祉計画にあっては、まず時系列的な視点といたしまして、1次計画の後を受ける2次計画でありますことから、1次計画のよしあしをどう生かしていくかという評価の視点、そして、1次計画の策定作業からつながったまちづくり協議会といった新たな活動主体への対応、あるいは要援護者対策という新たな地域福祉の課題をつかむという現状把握の視点、さらに将来的な高浜市の姿を見越した持続的な活動を行っていくという未来志向の視点という三つの大きな視点を持って策定していく必要があろうかと考えております。
さらに、空間的な視点といたしまして、まちづくり協議会の活動に代表されるような、地域がみずからの力で福祉をつくり上げていくという地域の福祉力と、そして専門職の地域へのかかわりといった、行政が地域へアプローチしていく能力である福祉の地域力をそれぞれ高めていき、地域と行政の協働による地域福祉のさらなる向上を目指さなければならないと考えております。
策定していく計画に対し、評価をどう盛り込んでいくかにつきましては、先の御質問に対する答弁で申し上げましたように、生かすべきところは生かし、反省すべきところは反省して、次期計画の内容に反映させていく必要があるわけですが、計画策定の具体的な進め方について、まず1次計画の評価を、市に設置する福祉、保健、教育等の庁内横断的なプロジェクトチームにおいて検討をするとともに、1次計画策定に携わっていただいたひろば委員会の方々に加わっていただき、1次計画の評価もあわせて行ってまいりたいと考えております。
その後、1次計画同様、市民の方々の参加を得ながら、計画策定のための委員会を設置し、先ほど申し上げました幾つかの視点や高浜市総合計画といった本市の主要計画との整合性を図りながら策定していく予定であります。
一方、北川議員、御案内のとおり、これからの地域福祉のあり方に関する研究会が厚生労働省において、平成19年10月に設置され、そこでの議論が、今後の地域福祉の方向性を大きく左右するため、その動向を踏まえる必要がございます。
また、2次計画については、1次計画と同様に策定プロセスも地域福祉活動であるととらえ、さらに計画の実効性を担保できる内容としたいと考えておりますことから、計画策定のスケジュールについては、来年度中の策定を目指してまいりたいと考えております。
議長(森 英男) 4番、北川議員。
4番(北川広人) ありがとうございます。
本来でしたら、2007年度までの計画から次の5カ年ということは、立ちおくれることなくやるべきだと思うんですけれども、今、答弁にもあったように、福祉の動向っていうのは、非常にめまぐるしく変化をしておるということを感じております。国の動きもそうですけども。
少し、現場というんですかね、地方の動きって、僕が感ずる部分の中で思うところ、福祉環境について、思うところがありますので、少し話をさせていただきますと、国や地方の財政事情の逼迫する影響をもろに受けて、この福祉環境というのは、非常に厳しさを増しているというのが現状であると思います。新しい福祉理念や制度に魅力を感じるということもあるんですけども、市場原理の積極的な導入や、非営利組織や地域住民への強い役割期待に対する、それぞれの戸惑い、それと表裏する行政責任の不透明さに基づく福祉の後退が心配されているのも事実だと思います。新しい福祉の時代に強調される自己決定や地域的・市民的な連携にしても、自己責任のあり方や範囲も明確ではなく、住民による支え合いの希薄な地域もまだまだあると思います。それゆえ、地域での福祉システムがうまく機能せず、不安がぬぐい去れない状況があるとも言えます。この地域福祉という考え方が、地域におけるツールとして住民の自立生活や参加を支える今日的使命を担うような仕組みを地域につくっていくことができるかどうかが、行政にも地域にも問われている時代ではないかと考えます。地域福祉計画は地域づくりをするために策定するものであるといっても過言ではありません。実効性のある具体的な内容にしていかなければならないとも思います。そして、できるだけ小規模地域ごとに実施計画をつくりながら、流動的にとらえ、時代の流れでいつでも変更ができるラジカルさも必要ではないでしょうか。住民の主体性といっても参加する住民がすべて共通する理解は非常に難しいということも考えますし、福祉は行政が行うものといった意識はまだまだ根強いと思われます。さらに、地域にはさまざまな利害があり、対立する団体や個人が存在することも事実です。それらの力関係、権力構造などをバランスよく見きわめることも必要だと思いますし、地域にかくれた専門能力を持つ住民を発掘し、活躍してもらう工夫も必要でしょう。策定過程でかかわった住民以外の人たちにも計画策定から実践活動の経過や評価に至るまでのプロセスが伝わるような情報システムも必要ではないでしょうか。これが地域における問題点だと思います。
先ほど言ったように、国全体の福祉の問題点というの、これも非常にさまざまな研究会とか何かがなされて、法的な整備も、もう、めまぐるしく変わっている。こういったことがあるからこそ、時間をかけて、ここでしっかり2次の地域福祉計画をつくっていただきたいということを私も思います。ですから、1次であれほど評価をされたわけですから、私も含め、非常に期待をされていると思います。ぜひ、そこのところを、国の法制度を見守りながらというだけではなくて、今、言った地域の声というもの、地域にある福祉環境における状況というものもしっかりと調査をしていただいて、時間をかけるなら、かける意味のある計画策定をやっていただきたいなということを思っております。
今、言ったような地域における問題点、そういったものを、さまざまと思い描くわけですけれども、こうやって考えてくると、現在、高浜市が進めている地域内分権の、各小学校区におけるまちづくり協議会に非常に期待を寄せます。そこでお聞かせいただきたいのですけども、この地域福祉計画策定に当たっての、まちづくり協議会との協働というのは、どのように考えてみえるのか、今、考えてみえる部分、お答えいただきたいと思います。
議長(森 英男) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) まちづくり協議会との協働という御質問でありますが、ここで、一つ最近のまちづくり協議会での取り組みの例を紹介させていただきたいと思います。
本年3月、吉浜まちづくり協議会が、高齢者を含むすべての人々が住みなれた地域で安心して暮らせるまちづくりのため「高浜市在宅・長寿の我がまちづくりプラン」を策定をされております。これは、厚生労働省と国土交通省が共同実施いたしました「在宅・長寿の我がまちづくり調査」のモデル地区として選定されたものですが、計画策定に当たっては、まちづくり協議会の委員と、それぞれの事業分野を所管する市の職員が協働で検討を重ね、ソフト・ハード両面でのまちづくり計画を策定をいたしております。こうした吉浜まちづくり協議会の委員の方々が、主体的に策定した計画というのは、ひろば委員会と同様に、主体的な地域活動の担い手づくりにもつながったものと、改めて実感をいたしております。
そこで、本市では、今後、この吉浜まちづくり協議会での取り組みを他のまちづくり協議会にも生かしていこうと考えており、その具現化として来年度より、地域と職員が協働するまちづくり協議会特派員制度を実施してまいります。この特派員制度は、地域住民と市役所職員がともにまちづくりの対等なパートナーとして、地域課題の解決に向けて協議、検討、実践をしていくことにより、住民力の向上と職員力の向上を図るもので、この特派員制度がまさに福祉の地域力であり、このことが地域の福祉力の向上につながるものと考えております。
さらに、地域から抽出される課題や住民の方の意見・提案などは、当然ながら、地域福祉計画策定に当たっての大切な情報となってまいりますことから、積極的に地域福祉計画等にかかわる職員が参加していくという姿勢でおります。
今回の2次計画の策定に当たっては、まちづくり協議会が地域の福祉力の担い手の一つととらえ、計画に位置づけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
議長(森 英男) 4番、北川議員。
4番(北川広人) ありがとうございます。
今、言われました、まちづくり協議会特派員制度として、地域福祉計画にかかわる職員が積極的に参加をすると、現場の声を聞きにいくということは、大いに期待をさせていただきます。
計画策定段階での、地域福祉の推進、そしてまた向上が、その地域でも行われるということが期待をできますし、一番期待をするのは、職員の方々が現場で、ともに行動すること、意見を取り交わすことによって、行政力として必ずプラスになるというふうに私も思います。このまちづくり協議会というのは、第2次地域福祉計画には欠かせない主体であるということを承知して、しっかりと進めていただきたいというふうに思いますけども。
ただ、地域にも、このまちづくり協議会にも、まだまだ意識の格差とか、それから福祉においては、福祉施設の格差というものがあると思います。そういう、さまざまな問題があることも頭に入れて進めていただかないと単に押しつけになってしまったりですとか、あるいは、何ですかね、どうしても、気持ちの上でも受け入れてもらえないような、そんな形になってしまうことも心配されます。ぜひ、その辺のところは気をつけていただきたいというふうに思います。この地域ではこういうことをやりたい、こんなことができるかもしれないということを積極的に取り入れられるような、そういうきっかけとか、仕掛け、そういったものをしっかりと行政の方々が、特派員として行かれる方々はもちろんですけども、行政全体で、そういう姿勢をしっかりと持っていただかないと、なかなか地域から出てきません。先ほど来、言ったように、福祉に限らずですけども、行政がやるべきことじゃないのという思いというのは、まだまだ根底にあるんですよ。そういったところを、しっかりと、我々がやらなきゃという方もたくさんみえるんです。そういった方々の火を消すことなく、さらに火を大きくする、そういうような形のことをしっかりと進めていただきたいというふうに思います。
それから、今言いました、意識の格差というのもあるんですけども、福祉施設の格差みたいなもの、これを感じている地域も多々あると思いますが、地域における福祉施設というのは、今、言ったように、我々でもできるとか、我々がやれることはこんなことじゃないかなというような、そういう意識に持ってくるための重要なツール、きっかけづくりになってくると思うんですね。そこで、そういう福祉施設で十分に活躍の場があるんだよというような一つの例として、私は考えておるんですけども、小規模多機能型施設ですね。今、沢渡にあります居宅介護サービス施設についてでありますけども、厚生労働省の指針では、この小規模多機能型居宅介護サービスというのは、おおむね、中学校区単位で1施設というのが指針であります。望ましいとありますけども、現在、高浜市社会福祉協議会が運営しているというふうに承知をしておりますが、この福祉施設が、私が言いました地域の福祉力の向上のためのツールとして非常に期待をしています。地域密着型というスタイルが地域福祉計画にもキーワードとして盛り込まれていかれると思いますけども、この小規模多機能型施設の現状というの、そしてまた、今後の展開というものがあれば、ひとつお聞きをしたいのですけども、お答えいただけますでしょうか。
議長(森 英男) 介護保険グループ。
介護保険G(篠田 彰) それでは、小規模多機能施設の現状と、今後の展開についてお答えさせていただきます。
小規模多機能施設の概念は、平成18年の介護保険制度により、地域密着型サービスの一類型として創設されております。この地域密着型サービスの特徴は、ケアの小規模化・地域化に向け、個別ケアを達成し、認知症を含めた中重度者のケアを可能な限り住みなれた自宅または地域で行うことを目指すものであります。
特に新設されました小規模多機能型居宅介護サービスは、地域密着型サービスの特徴を最もよくあらわしており、在宅で365日24時間の安心を提供する切れ目のない在宅サービスの提供形態となっております。
具体的なケアの形態は、日中の通いを基本としつつ、随時、訪問や宿泊を組み合わせて提供するものであり、要介護者の思いと状態に寄り添って、柔軟にその利用形態を変化させる非定型な対応が必要で、こうした個別ケアにおける小規模性は自己実現を支えるケアにつながるものとなります。
このような地域密着型サービスの展開を図るためには、地域のすべてを社会資源としてとらえ、利用者が通いを通じて地域と結びつく支援が必要となってまいります。
小規模多機能型居宅介護は、単に介護保険給付の一類型ではなく、そこから目指すところは、地域住民の交流の促進と、地域コミュニティーの再生であると考えております。
そこで、本年10月1日に開所いたしました高浜市社会福祉協議会が運営する小規模多機能型居宅介護サービスは、おだやかな気分で過ごしていただきたいという願いを込めて「オリーブ」と命名され、日中一時支援などの障害者の居場所づくりとしての機能も有したものとなっており、同一敷地内には、つどいの広場のいちごプラザや子育て支援情報センター、地域談話室、ボランティアセンターといった交流の場も配置されており、まさしく地域と結びつくエリアが形成されております。
こうした小規模多機能施設は、今後、地域ケア拠点の整備や、その機能を生かしながら地域福祉の推進を進める上で、必要な資源であると考えております。
以上でございます。
議長(森 英男) 4番、北川議員。
4番(北川広人) ありがとうございます。
まさしく、私の思っておった小規模多機能型施設であるというふうに思います。地域密着型だからこそ、利用者もその家族も安心して活用できるということが一番の売りであると思いますし、非常に重要な福祉施設だと思うんですけども、こういう小規模多機能型施設における居宅介護は、経営的に、特に財政的に非常に厳しい、難しい部分があるというふうに聞いております。民間も、なかなか参加ができないというふうに聞いております。
先ほど言いましたけども、地域のボランティアとか、さまざまな人たちが参加できるようなきっかけとか仕掛けが必要というふうに言いました。その点でいうと、この高浜市の福祉協議会が運営する小規模多機能型の居宅介護に関しましては、同一敷地内にさまざまな仕掛けがつくられておるというふうに思います。いろいろな人たち、地域の方々が入ってこれる、そういう仕掛けというのはできているわけですから、ハード面では地域福祉の推進にもってこいの施設になっているというふうに思います。そのためにも、他の地区における今後の福祉施設整備に向けて、小規模多機能の居宅介護とはいいませんけども、福祉施設整備に向けて、こういう施設を大いに活用して、やっぱり、今後のために検証していくべきだろうというふうに思います。ぜひ、地域住民の方々を踏まえた中で、この施設をこの地域のどういうツールとして使っていくんだというようなものを考えていけるような場づくり、そういったものをお願いしたいなというふうに思います。
次いで、ソフト面の活性化というのは、当然できるわけですね。いろいろな方々が入り込んでくることによって、さまざまなふれ合いが、コミュニケーションがとれるということになってきます。今の高浜市の福祉協議会の運営ですけども、多分、1施設でも、先ほど言ったように財政的に非常に難しいと言われる施設を、じゃあ、二つも三つもなんて、これ、もうあり得ない話なんですよね。民間に例えば来てください、地域で一生懸命やりますから来てくださいっていっても、なかなかこれは難しいというふうに聞いております。ですから、地域住民の参加協力というのは、確実になければ、こういうサービスというのは、継続的な提供って無理だろうというふうに思いますので、ぜひ、このような施設を地域福祉の向上のためのツールとして、しっかりと今後考えていっていただきたいというふうに思います。
今、利用者の方々が欲しているもの、これは何かというと、どこに行っても同じサービスが、介護保険レベルでいうと同じサービスが受けれるんですよね。簡単にいえば、衣食住の部分でいうと、簡単に受けれるというふうになってきました。どこも、大体、ある程度のレベルのサービスが受けられるというふうに聞いていますけども、今、一番利用者の方が欲しがっているのは、うるおいの部分と言われています。うるおいの部分というのは、例えば、そうですね、ちょっと時期があれですけど、花見の時期に桜を見に連れていってくれるとか、それから、今だと寒いですけど、例えばイルミネーションを見にいくだとか、そういう季節を肌で感じたりですとか、それから五感でいやしを感じたりですとか、そういったもの、そういったものを欲しがっているというふうに言われています。
例えば、もう一つ具体的な例を言いますと、例えば今、ヘルパーさんが自宅へ行っていろいろなお世話をする機会がありますけども、サービスの中でいうと、例えば、お茶を飲んだり、お菓子を食べたりということを禁止されていますよね、マニュアル上。ヘルパーさんがお手伝いにいって、例えば独居のお年寄りのところにお手伝いにいって、サービスを受けるといったときに、ちょっとお茶でも飲んでいったらって言っても、お茶を飲む、お菓子を食べたりということが、マニュアル上禁止されています。そういったことを、非常に欲しがっているんですよ。それがそのうるおいの部分ということなんです。それが介護保険というサービスを基準に考えて、難しいんであれば、地域の方々が入り込んでいって、やってあげるということは、これは可能なことだと思うんですよね。それから独居の方々が、それぞれ移動ができなくて、友達と久しく会ってないといったときに、例えば地域の方々が、そのうちへ車で乗せていってあげるだとか、別に、福祉施設を使えという話じゃないんです。さまざまなことができると思うんです。それがうるおいという部分なんですよ。そういうものを欲しがっているというふうに、今言われています。
この地域密着ということを考えたときに、小規模多機能の居宅介護サービスということは抜いて、小規模のいろんな機能を持つという意味で、僕は言わせていただきますけども、そういった部分を、今後の地域福祉推進のかなめにしていきたい、かなめにしていっていただきたいというふうに思います。
民間でも公でも運営される施設において、地域住民やまちづくり協議会など、そういう団体が、うるおいの部分を与えるような活動を目指して、我々がやれることってこういうことだよねっていうふうな、例えば、素人がふろに入れてあげるとか、そういうの、非常に難しいですよね。だけど、こういうことならできるよねっていうような、そういう活動を目指していただけるような、そういうところで、力を発揮していただいて、その地域ならではのサービスが、地域の方々に利用者の方々に味わっていただける、これが高浜らしさにつながらないかなというふうに思いますので、地域福祉計画の策定の折には、十二分に御検討をいただけんかなというふうに考えております。
こういうふうに思うんですけども、この辺いかがでしょうか。
議長(森 英男) 福祉部長。
福祉部長(新美龍二) ただいまの御質問の趣旨は、地域の住民参加による地域密着型の小規模多機能施設の拡充ということであったと思います。
介護保険制度における小規模多機能型介護施設を幾つか整備するというのは、大変難しいものがあろうと考えております。北川議員の御意見と同じ意見でございます。
私どもといたしましては、現状の地域の社会資源をいかに有効に活用していくか、このことが必要であろうと思っております。具体的に申し上げますならば、既存の宅老所あるいは老人憩いの家といった地域の資源の有効活用に視点を置いていくべきであろうと考えております。
こうした施設の現状としましては、宅老所にありましては、運営に携わるボランティアの方々の高齢化等といった問題、また、老人憩いの家につきましては、施設の老朽化や利用者の減少といった問題が生じてまいっております。また、一方で、こうした地域の社会資源は小規模多機能型居宅介護施設の制度の補う機能を有したものでもあるというふうに考えております。
このことから、ただいま申し上げましたことと、地域がみずからの力で福祉をつくり上げていくという地域の福祉力の視点から、これからの施設は、地域の実情を一番御存じの地域住民の意見が反映された施設となるような取り組みが必要であると考えておりますので、可能な限り、2次の計画には盛り込んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
議長(森 英男) 4番、北川議員。
4番(北川広人) ありがとうございます。
地域の福祉力というのは、これは、重要なキーワードになると思います。この部分を、やっぱり私が思うには、地域の方々、まちづくり協議会みたいな、本当に今から大事な主体となっていく団体に対してしっかりと御理解をいただいて、その方たちが声を上げるような姿というのが、やっぱり望ましいと思います。ぜひ、その部分も、2次の地域福祉計画をつくり上げていく過程が、地域における福祉力の向上につながっていくと思いますので、今からつくっていく段階から、その部分を大事にしていただきたいというふうに思います。
地域福祉の要件として、ちょっと七つのポイントがあると言われているものを紹介をさせていただきます。一つは、市町村を範域、領域とした福祉形成です。多様な地域の事情の中で、行政と民間や地域住民が協働して地域福祉のツールをつくり動かしていくには、住民生活に最も身近な市町村が適切であるといわれています。また、社会福祉の実施にも、市町村の役割や責任が重視されるところとなり、地域の個性や実態に即した地域福祉の推進と実践が求められています。さらには、行政の力量を高め、住民自治の深まりも期待できると考えます。市町村範域より狭い地域への分権化なら、さらによいのではないでしょうか。このことは、きょうずっと言ってきました、小学校区におけるまちづくり協議会レベルの単位というのが、非常に僕も望ましいというふうに思います。俗に言うスープのさめない距離と言われる部分、ここのところが、この福祉形成の領域という部分で大事なところだというふうに思います。
二つ目は、公私の役割の分担と協働化。地域には多様なセクターがあります。住民だけではなくて、福祉産業、福祉事業者、NPOへの役割にも大きく期待をしなければなりません。行政の守備範囲を含む各主体間の適切な役割分担が欠かせないポイントであるというふうに思います。住民力と行政力これが大切でありますし、各主体間の協働化の手法と知恵、これも重要であると思います。ここのところが、計画には、十分に盛り込まれていかなければならないというふうに思います。これが柱となって具体的な活動計画につながるというふうに考えます。
三つ目は、住民の参加の促進化であります。住民とは、社会福祉の根源的な主体でありますし、力にならないわけがありません。人と人とのつながりを地域に培って、福祉文化を創造する役割が期待される、そういうふうに考えます。そのための、仕掛けづくりというものを、しっかりと考えていただきたいと思います。
四つ目は、施策とサービスと活動の総合化です。これが一番問題だと思います。行政が縦割り行政と言われておってはいけないということです。福祉、保健、医療、住宅、交通、労働、教育、地域環境、こういった関連施策サービスの総合化を進めていかなければならない。地域の福祉施設やサービス事業者、NPO、ボランティア組織、地域団体、さまざまな活動をする人たちの、その人たちの活動の整合性も確保できるんだったら、それにこしたことはないというふうに思います。だから、できるだけたくさんの方がたに参加をしてもらう。これが重要なことだというふうに思います。
五つ目は、在宅サービスの拡充化、住みなれた家庭とか地域で、必要な支援やサービスを利用して暮らすことを望む人が大半だと思います。在宅ケアの推進にはトータルな地域ケアシステム構築に向けて、かなり長期的な見通しが必要だと思います。この長期的な見通しというのは、僕は高浜が一番得意とする厚生労働省に対してのパイプだと思います。しっかりと、今の国の向いている方向、そういったものを先進的に取り上げて、それをきちんと落とし込んでいく、そういったことができるのは、高浜ならではじゃないかなというふうに思っております。
六つ目は福祉施設の地域化、これも、先ほど、お話しさせていただいたように、福祉施設というのは、地域にとって重要な資源というふうに思っておりますので、これがない地域福祉の形成化というのは考えられません。この機能のあり方、それから、在宅ケアと施設ケア、これをどのように連結していくか、こういったもの、これは地域包括ケアシステムとして、きちんとつくっていくことが福祉行政の課題と言われておりますので、高齢者や障害者の地域生活を支えるサービスや、活動の拠点としても重ねて考えていただく、この地域における福祉施設というものは、重要なツールということを、しっかりと伝えさせていただきたいと思っております。
それから、最後に、この六つを包括することが、地域福祉の計画化であります。計画は実践してこそ意味が、実践できてこそ意味があるということで、地域福祉推進のまさにかなめになります。まちづくりは人づくりであると言われておりますけども、そこで暮らす人々の主体性や意識改革が、どれだけ達成されているかに、そのまちの価値がかかっているとも思います。地域社会には、自治体を初めとして、さまざまな福祉セクターが存在しております。だけど、その存在をしているだけではだめなんです。地域の福祉力にはなりません。福祉活動を仕掛ける人、そしてそれを受ける人と一緒に動く仲間、そういう部分、そういう団体、それが必要であります。それから、具体的に活動ができる場所、つながりの場所が存在しなければいけないということが重要ではないでしょうか。
こういうことが重なりあって、初めて地域の福祉力というのが形成されるものというふうに考えますので、この地域の福祉力というのは、多分、よそから見ると行政の成熟度にかかわっていると言われると思います。地域の福祉力がどれだけ向上しているかによって、ここの行政というのは、どれだけ成熟しておるのかということが見られるという時代で今あるというふうに思いますので、しっかりと行政における、やるべきこと、責任というものを、もう一回とらえ返していただいて、みずから手を下すことが責任であったり、やるべきことという場面はたくさんあります。ありますけども、それの仕掛けをつくること、何ですかね、そういう気にさせること、そういったことをやらせることも行政の重要な仕事だと思いますので、ぜひ、行政が変われば住民も必ず変わります。住民が変われば、それ以上に行政が変わらざるを得ないというふうに思いますので、こういう相互関係の中で、福祉のやっぱりローカルのガバナンスというものが展開されていくということを思っております。
それから、最後になりますけども、地域福祉計画の策定というのを中心にして、やっぱり住民参加の意義というものをしっかりと認識をしていただきたいと思います。やっぱり、かかわったら、すべてにかかわり通すという住民意識をしっかりとそこでつくっていっていただきたい、そのように考えますので、ぜひ、お願いします。
それから、かかわった方々が、かかわった人たちだけが動くんじゃなくて、その人たちが中心に、やっぱり仲間を集めてくる、そういうような動き、その人たちの活動自体も、先ほど言ったように、しっかりと網羅していかなければ、これもまた意味がないのかなというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
要望ばっかりになっていますけども、きょう、一番うれしかったのは、特派員制度というのがあるというふうに、そういうのをやっていくということを言っておられました。行政が一番苦手というのは、何かというと、きょう、いみじくも、答弁の中にありましたように、住民を巻き込む、住民参加をさせるというのが一番苦手であったものを、第1次の福祉計画できちんとやってこれたんだという自信が今あると思います。今度は、2次計画の中で、次に、苦手な部分というのは、要は現場に出ていくことなんですよ。これをしっかりとやっていただいて、しっかりそこの場で見て聞いて語り合って、それぞれの地域をしっかりと分析をしていただいて、そしてまた、行政の意識を時代に合わせて変革をしていただいて、住民意識をしっかりと高めるとともに、今からの20年後、30年後というものを、きちんと見据えながら、でも、今、目の前にある課題をしっかりと解決、早期に解決に向けていくような、そういう地域福祉計画というものを策定をしていただきたいなというふうに思いますので、非常に期待をしておりますので、ぜひともよろしくお願いをいたします。
何か、市長、副市長、ございましたら、よろしくお願いいたします。
議長(森 英男) 市長。
市長(森 貞述) まず、第1次の計画の中で、私が一番感じたことは、いわゆる、住民の皆さん方が参加をして、いろいろと計画づくりに携わっていただいた。そして、パブリックコメントも皆さん方の手でやっていただいた中で、参加の住民の皆さん方もそうですけれども、私ども、お預かりする行政の立場の人間も地域が見えたということが、これが一番、私は今でも実感をいたしております。それと、もう一つ、先ほどいみじくも議員が御指摘されました。この地域福祉計画、義務づけではありませんでした。ですから、その中で、平成の大合併のあらしが吹き荒れました。いろいろなところで、本来は地域福祉計画を策定をし、そして、それぞれの市町がそれを持ち寄って、そして合併という方向に行けばよかったんですけども、合併の新市の計画が先にできたものですから、いわゆる地域福祉計画はもうできない。これが実は合併して大きくなったんだから余計、いわゆる、根っこになる部分が必要であったということ。これは、私も、いろいろ参加させていただくシンポジウムの中で痛切に感じています。ですから、そういう点で、私どもにとって、いわゆる地域福祉計画、あるいは社会福祉協議会の活動計画、これはともに私どもがいわゆる2000年以降、次のステップへする、大きな足がかりができたと。で、今度のこの第2次の計画というのは、さらにまた次の大きな、ある面では、私は次の段階には、きっと住民自治という、いわゆる先ほど、まちづくり協議会のお話もされましたけれども、いわゆる、住民自治をさらに進めることへの、私は足がかりも含めて、そういうふうになるんではないかという大きな期待をいたしております。
それには、ぜひ、実は、この議場にも第1次の計画に一住民として、議員でありながら、一住民として参加をしていただきました方もいらっしゃいます。ぜひとも、かかわるんならば最初から、議員の方も一住民として参加をしていただく。そして、自分自身でいろいろな協議の場に参加をしていただくことによって、その計画づくりに関与していただきますと、私は、さらに地域がよりよく、地域のいわゆる人的資源、社会的資源、いろんな資源がよく見え、そしてそれが計画づくりを含めて次の実行段階に有効になるんではないかと、そんな思いを持っておりますので、ぜひ、今回、こうした地域福祉計画についての御質問をいただきましたことを御礼を申し上げまして、答弁とさせていただきます。
議長(森 英男) 4番、北川議員。
4番(北川広人) ありがとうございます。地域福祉計画の地域という意味が、高浜だよっていう意味じゃなくて、高浜の住民たちが、それぞれの地域のことなんだというふうにとらえかえすような、そういう意味合いでの声がけをまずやっていただきたいなというふうに、最後にお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
議長(森 英男) 暫時休憩いたします。再開は11時15分。
〔午前11時05分休憩〕
〔午前11時15分再開〕
議長(森 英男) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、1番、幸前信雄議員。
一つ、教育行政について。以上、1問についての質問を許します。
1番、幸前信雄議員。
〔1番 幸前信雄 登壇〕
1番(幸前信雄) 議長のお許しがありましたので、先に通告いたしました教育行政について質問をさせていただきます。
平成18年に教育基本法が改正され、前文の中では「公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成」また、「伝統を継承する」という文言が追加され、さらに条文の中では、第10条の家庭教育として、「父母その他の保護者は、この教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身につけさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るように努めるものする。国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する教育の機会及び情報提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」とあります。
また、13条では、学校、家庭及び地域住民の相互の連携協力として、「学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものする。」が新たに追加されました。
さて、話は変わってしまいますが、私は、昭和33年に生まれ、小さな漁師町で生まれ育ちました。当時は学校が終わって家に帰ると、祖父母がいて、また、たまたま実家が自営業でしたので、父母もおり、外に遊びにいって危ない遊びをしていると見ず知らずの人に注意されたり、いたずらをするとしかられたりもしました。不思議なもので、注意されたり、しかられた夜に、必ず、きょう、どこで何をしていたかを家で問いただされました。これは地域住民の方が、私の親に対して、こういうことをしているから危ないということを、それとなく忠告していただけたおかげだというふうに思っております。また町全体で、子供を温かく見守るということが自然にでき上がっていたことと、見守る目がたくさんあった時代だからこそ、私自身、自由に外で遊ぶことができたのだというふうに思います。
両親からは、公共の電車・バスに乗るときは、降りる人が優先で、体の不自由な方やお年寄りの方が見えたら、席を譲ることを身をもって教えられたし、ごみは、ごみ箱に捨てるか持ち帰って家のごみ箱に捨てるように、しつこく言い聞かせられながら育ちました。
最近、マスコミ等では、相変わらず陰湿ないじめの話や、登校拒否の児童のことなどが報道されています。朝食をとらずに登校する児童も相変わらず多いと聞きますが、脳の働きは、血糖中のブドウ糖をエネルギーとするもので、朝食をとらずに登校する児童と、朝食をとって登校する児童の脳の働きに差が出てきます。
一方で、高浜市を見ると、他市から見えた方などの話を伺うと、登校する児童が元気よくあいさつする姿を見て感心させられることがあります。これは、PTAの方や町内会・まちづくり協議会の方が積極的にあいさつ運動などを展開してくださっているからだと考えます。ほかにも、会社の中で子供が小さいころ、高浜で住まわれた方からは、高浜市の育児相談には温かみがあって非常によかったとの話を伺ったこともあります。
一方で、高浜市は第二次産業の従事者の方の割合が非常に多く、また核家族化が進み、女性の方の社会進出がふえて、児童が下校したときに家にだれもいないという家庭がふえる傾向にあります。そういった状況の中で、以下の質問をさせていただきます。
一つ目に、教育基本法の中にある学校・家庭・地域、それぞれの役割と責任をどのようにお考えでしょうか。
2問目に、「国及び地方公共団体は家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」とありますが、どのような形で、各家庭に情報提供が行われているのでしょうか。
3点目に、全国学力・学習状況調査の結果が既に出ていると発表されておりましたが、その結果を受けて、今後、その結果をどう生かしていくのかをお聞かせください。
以上、3点で、壇上からの質問を終わらせていただきます。
〔1番 幸前信雄 降壇〕
議長(森 英男) 教育長。
〔教育長 岸本和行 登壇〕
教育長(岸本和行) それでは、幸前信雄議員の教育行政について、(1)教育における学校・家庭・地域の役割と責任について、(2)家庭教育への支援及び働きかけについて、(3)全国学力・学習状況調査の結果を受けての今後の取り組みについてをお答えをさせていただきます。
旧教育基本法は、日本国憲法の精神に基づいて教育の基本を確立するために、昭和22年3月に制定をされました。この法律は、教育の基本理念、義務教育の無償、教育の機会均等等について定めており、学校教育法や社会教育法など、すべての教育法規の根本となるものであります。この教育基本法の理念に基づいた教育の実践は、自由で自主的な精神を持った国民の育成や、民主的で文化的な国家づくり等に貢献してきたところであります。
しかし、旧教育基本法が制定されまして60年近くが経過をし、この間、科学技術の進歩、情報化、国際化、少子高齢化など、教育をめぐる状況は大きく変化するとともに、さまざまな課題も生じてきました。
そこで、これまでの基本法の普遍的な精神を受け継ぎながら、現代の状況に合うように改正を行い、今後の日本の教育の方向はどうあるべきかということで今回改正されたと理解をいたしております。
幸前議員の質問に関連するものとして、今回の改正で盛り込まれた内容といたしまして、一つに、第10条で家庭教育について述べられております。そこでは、「保護者はこの教育について第一義的責任を有する」と規定をされております。親による児童虐待や家庭の教育力の低下が社会問題となっております。60年前には考えられなかった状況であります。子供の教育について、保護者が責任を持つということは当然のことであり、全国民が家庭教育の役割について自覚していくことが大切なことと考えております。
もう一つは、第13条で学校、家庭及び地域住民などの相互の連携協力について述べられております。核家族化、少子化が進んでいる現在、子育てに自信を持てない親がふえていると聞いております。子育て、教育は学校のみ、家庭のみでできるものではありません。学校、家庭、地域住民それぞれが教育における役割と責任を自覚し、連携協力してこそ、未来を担う子供たちの健やかな成長に役立てることができると考えております。
さて、御質問の学校、家庭、地域住民のそれぞれの役割と責任については、次のように考えております。まず、学校ですが、知・徳・体、調和のとれた人間形成を目的とした、さまざまな教育活動を行うことを目標としております。そして、子供にとって学校とは、よき師、よき友と出会い、知識や技能を習得しながら、ともに成長するところと考えております。具体的に言えば、子供に学びの楽しさとともに、学力をつける。そして、体力・運動能力をつけながら学校という集団の中で、社会性を養うことだと思います。つまり、現在の学校教育では、生きる力をはぐくむことを目指し、そのために確かな学力、豊かな心、健やかな体の育成がその役割であり、責任であると考えております。
次に、家庭ですが、「早寝・早起き・朝ごはん」に代表される基本的な生活習慣をつけることと、うそをつかない、人を傷つけない、お年寄りには親切にするといった規範意識や善悪の判断、モラルやマナーも含めた、しつけ的な部分がその役割と責任であると考えております。
最後に、地域ですが、各家庭の集合体が地域や町になるわけですから、「よその子も自分の子と同じように」を基本に、地域に育つ子供を自分の子供と同様にほめたりしかったりすることができたら、すばらしいことではないかと考えております。一例を申し上げれば、祭礼等の地域行事は、先輩から後輩への伝統文化の継承や、ルール、マナーなどのしつけが自然と行われており、その役割と責任と担っていると考えておるようなこともあります。
このように、子供の教育には、学校・家庭・地域それぞれに役割と責任がありますが、この3者が真に連携してこそ、教育効果も相乗的に高まるものと思います。近隣住民間の連帯感の希薄化が心配されている昨今、幸い、高浜市では各小学校区を単位にまちづくり協議会が設置されるなど、学校をキーワードとした地域活性化の施策が行われております。また、PTA活動はもとより、お父さんたちを中心とした「おやじの会」が発足をし、子供にとって有益なさまざまな活動を展開してくださっている学区もあります。さらに、お母さん方の読み聞かせボランティアや下校時にサポートしてくださる「安心おじさん」等々、高浜市は地域ぐるみで子供を育てる機運が盛り上がってきていると確信をいたしております。
その成果として、本年度11月21日に港小学校PTAが「おやじの会」、「港キッズクラブ」、高浜南部公民館、高浜南部まちづくり協議会と連携した活動等が評価をされ、優良PTA文部科学大臣表彰を受賞いたしております。
2問目の質問ですが、家庭教育を支援する事業として、本市ではこども未来部が所管する家庭教育支援推進総合事業というものがございます。各学校区2年単位で、最近では翼小学校区(平成18年から19年度)に委嘱しております。PTAと飛翔の会、これ、おやじの会ですが、で翼小学校区家庭教育推進協議会をつくり、翼地区公民館を仲立ちとして、学区町内会や子供会、そしてNPO高浜翼会と連携して、子供が健やかに成長するために、「子育て十か条」を作成をいたしました。それをポスターにまとめ各家庭に配布をし、家族が目にしやすいところに張ってもらい、家族のスローガン的なものにしております。また、泥んこまつりやテント村等の行事を企画するなど、子供の健全育成に向け、さまざまな活動をしてくださっております。
また、愛知の教育に関するアクションプランを受け、高浜市PTA連絡協議会で話し合い、毎月第3日曜日をノーテレビ、ノーゲームデーと決め、それぞれの家庭に合った方法で取り組んでほしいと学校やPTAを通してチラシなどで呼びかけをいたしております。
その他、家庭教育講座も学校ごとに開催されていますが、南中学校では、毎年入学説明会の折に新入生の保護者向けに、計画して実施をいたしております。加えて、PTA主催の講演会等も各校で開催されております。
次に、昨今、話題になっております食育でございますが、本来的に食に関することは家庭が中心となって行うべきものと考えますが、学校給食を例にとるまでもなく、学校が果たす役割も大きいものがあります。本市では、平成18年度に、こども食育推進協議会で就学前の子供を対象にした「こども食育ガイドライン」を作成し、広報に折り込み、全家庭に配布するとともに、地域のイベントや地域団体と連携した食育の啓発をして、食育の推進をしてまいりました。また、本年度は学齢期向けの食育ガイドラインを作成されると聞いてもおります。一方、学校では学校栄養職員が中心となり、給食便りや給食試食会の開催等を通じて、家庭へ食の大切さを呼びかけております。
日常的な家庭教育の大切さの働きかけは、学校便りやホームページを通して行っているところでございます。例えば、吉浜小学校の校長便りには、毎号、裏面を活用し、ドロシー・ロー・ノルトの有名な「子は親の鏡、子供が育つ魔法の言葉」等を載せ、親に対する家庭教育の重要性を問うています。学校便り等のプリント類は、保護者に読んでいただけないことが多々あります。そこで、保護者の皆さんが最も足を運んでもらえる運動会や学芸会といった学校行事に校長からの話として、保護者のマナー、モラル等の向上や家庭教育の大切さのお願いをしているところでございます。
この他、こども未来部では乳幼児期からの子育て支援施策も積極的に進めております。
このように、学校を含め行政としてあらゆる機会を通じて保護者への啓発・支援活動をしておりますが、これで十分というわけではありません。積極的にさまざまな活動に参加される保護者の方は、家庭教育も熱心にされていると思いますが、むしろ、本当に啓発が必要な方々にどうアナウンスしていくかが課題となります。課題解決に向け、多くの地域の方々を巻き込んだ息の長い取り組みが必要となりますので、議員の皆さんにもよろしくお願い申し上げたいと思います。
3問目の学力・学習状況調査の結果を今後にどう生かすかについてお答えをさせていただきます。
教科に関する調査結果について見てみますと、小学校では言語事項や計算など、ドリル的な学習がよく行われ、基礎基本がよく身についております。しかし、それらを活用する力に課題があります。中学校では逆に漢字の読み書きなど、反復練習することも重視しなければなりません。これらの結果は、市全体の傾向であり、当然各学校によって課題は異なってまいります。したがいまして、各学校で結果をよく分析をし、課題を明らかにして、今後の学習指導に生かしていくようにしてまいりたいと思っております。
質問紙調査では、小・中学校とも算数・数学の勉強が好きである児童・生徒が多く、各校での少人数指導が工夫を凝らして行われていることのあらわれではないかと考えております。一方では、休日の勉強時間やテレビの視聴、携帯電話の使用、復習する習慣など、家庭での生活を見詰め直さなければならない点も出てまいりました。各学校と家庭や地域の方々との連携を一層深め、児童・生徒の健やかな成長のために努めてまいりますので、御理解をよろしくお願い申し上げたいと思います。
〔教育長 岸本和行 降壇〕
議長(森 英男) 1番、幸前信雄議員。
1番(幸前信雄) 再質問ですけども、学校での教育で、子供に学びの楽しさとともに、学力をつけるという御説明がありましたが、学びの楽しさの中には、今まで知らなかった新しい物事を知る楽しみ、当然かと考えますが、努力することの大切さ、例え、努力した結果があらわれなくても、その過程を見守り、励まし、継続して、努力していくことを教えることが重要であると考えています。しかしながら、最近、結果がすべてであるかのような風潮が広がってきているように思えてしようがありません。ぜひ、学校でも家庭でも子供に努力することの大切さを教えることが確かな学力、豊かな心を育てることだというふうに考えますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
また、具体的にどのように取り組まれているのかを教えてください。お願いします。
議長(森 英男) 教育長。
教育長(岸本和行) 再質問でございます。確かな学力、豊かな心、それにどのように努力を具体的にしているのかと、こういう御質問だったと思います。
まず、確かな学力という部分につきましては、いわゆる知識、技能など学んだ力、そういったことだけではなく、そういった学力を学ぶための学習課題を発見する、そういった力、こういったところ、それからもう一つ、意欲、関心、態度などという、学ぼうとする力、こういったことが、とられているということでございますが、そして、もう一つ、豊かな心というのは、その子が、やはり自分の意思をしっかり律していくという、こういったことだというように考えております。
そこで、努力をしていく、具体的にどうしているかということでございます。まず、子供たちにいかに努力の大切さということを、どうやって伝えるかということだと思います。これは、学校の場面、それから家庭の場面でも同じことであります。まず、学校の中でいえば、当然、いろんな授業、それから部活、いろんなものを通じながら、子供たち、場面、場面で先生が教えていくわけですが、例えば、先ほども少し学力、今回の調査の状況についてもお答えをしました。そういったことで、一つは、例えば、高中では、学校教育経営方針の中に、プラス1時間という一つの目標を設けて学校経営を行っております。つまり、これは家庭でプラス1時間、しっかりと勉強しようという、そういったものをスローガンに、学校全体が子供たちにそういう指導をする、つまりプラス1時間家庭で勉強させるっていうこと、相当なやっぱり勉強の好きな子はいいと思いますが、好きでない子は、やっぱり、相当の、それの辛抱も要るということだと思います。つまり、そういったようなことを通じながら、学校現場では、そういう努力の大切さ、勉強への努力って、そういうことから具体的に手だて講じながら、やっているという状況もございます。
それから、もう一つ、やはり家庭では、努力というものを、やはり家庭の中で、いろんな事例体験、いわゆる経験、そういうことを家庭がしていただいて、子供たちの経験を通じる中で、一つずつの努力の大切さっていうのを、自然と身につけさせていくと、こういったことをやっぱり積極的にやっていただくことをお願いしたいというふうに思っております。
例えば、私自身もそう思うわけですが、ことし、毎年行っておる24時間テレビなんか見ていますと、ことしもそうだったですね、萩本欽一さんが24時間テレビの中で70キロ、80キロ走っていく、でも、あの姿の視聴率がゴールになると、だんだん上がっていくという、あれはまさしく、ランナーじゃない人が、ああいう姿を見せるということ、それから、あのテレビの中で障害者の人たちが物すごい努力をして、一つの目標に向かってそのことをなし遂げていくという、ああいう場面が、やはり見ている者に感動を与える、その努力っていうのは、まさしくそういう場面でも社会が担っていただいているという、場面を通じながら、そういうことが社会形成、学校、教育、家庭の中での努力をしていく、そういう考え方を子供たちが身につける、天才は99%の努力だといいますので、そういったことを身につけていくことだというふうに考えております。
議長(森 英男) 1番、幸前議員。
1番(幸前信雄) ありがとうございます。
追加で御質問なんですけども、最初の質問の中でも言いましたけども、私の家は自営業で、はっきりいうと、米屋をやっておりました。おやじとおふくろが働いている姿を私は目の当たりに見れたんですけども、最近、高浜市なんかでいうと、二次産業に従事されている方、会社員の方、そういう方が家庭でそういう姿を見せられる姿というのは非常に少なくなっていると思うんですね。そのときに、やっぱり、お父さん、お母さんが頑張っている姿というのを、うまく伝えられないというのか、そういう悩みも結構持ってみえるんじゃないかと思うんです。例えば休日のときに、何かボランティア活動に一緒に参加したりですとか、そういうことを学校側からも働きかけるような、そういう考えっていうのは、おありでしょうか。
議長(森 英男) 学校経営グループ。
学校経営G(都築公人) そういった取り組みはいたしております。例えば、南中学校では、街路樹ボランティアというものを、年4回ぐらいやっておると思いますけども、ちょうど南中学校の西隣に新しくできた道のところにある街路樹なんですが、そこを、定期的に草を取ったりとか、きれいにしたりという、そういう活動については、子供たちにもちろん呼びかけますが、子供たちがお父さん、お母さんを連れてきて、一緒にやるとか、そういったような活動、事例としては、それが私の頭にすぐ浮かんだわけですが、ほかの学校でも、例えば、体育運動会の前にみんなで集まって運動場の除草作業をするとか、親子がやはり地域のため、学校のためにということで、一緒になって活動するということは定期的には行っているというふうに思っております。
以上でございます。
議長(森 英男) 1番、幸前議員。
1番(幸前信雄) ありがとうございます。
そういう汗をかく姿を見せるというのは、子供たちにとって、すごく大切なことだと思います。これからも、そういう機会があれば、どんどん、各家庭に働きかけていただいて、親子が一緒にやるというところに、やっぱり意味があって、お父さん、お母さんの頑張っている姿、これを子供たちに見せる機会、こういう機会をぜひ持っていただきたいなというように考えております。
質問が多少変わりますけども、2点目といたしまして、家庭教育を支援するために、いろいろと、先ほどもお答えいただきましたけども、アプローチされているということはわかりました。各学校、それぞれ知恵を出し合い、父兄の方に働きかけていただいていますが、働きかけたことにより、先ほど、朝食をとらずに登校する生徒が減っただとか、テレビゲームをする時間が減っただとか、そういうことがあれば、結果が出ているのであれば教えていただきたいのと、アプローチの仕方によって結果が違うのであれば、そのよい方法を他校に横展開されているのであれば、そういう活動の内容を教えていただけますか。
議長(森 英男) 学校経営グループ。
学校経営G(都築公人) 御質問は、学校が家庭に働きかけたことにより、子供たちの生活習慣が改善されたといったことはとか、あるいは、また、アプローチの仕方等、他校への紹介の活動はというふうに理解しておりますが、まず、学校から家庭の何らかのアクションが生活改善に貢献しているということは思っておりますけども、一部、学校評価でアンケートで、そういったことで検証はしておるんですが、事前事後にアンケートを行って、きちっと数字的に示してこれだけよくなったという、そういったことは余りしておりません。したがいまして、幸前議員の御指摘のとおり、このテレビの検証というのは、大変重要だと思いますので、早速、9月から進めておりますノーテレビデー、ノーゲームデーの活動の検証を、運動の検証をやっていきたいなというふうに思っておりますし、また学校評価活動のシステムの中に、そういったものを位置づけていくということも一つの手ではないかなというふうに思っております。
それから、各校の情報のことですが、家庭教育のことについては、教頭会の方が中心になって行いますので、それ、年五、六回開催しております。その都度、よい取り組みについては、情報提供し合っておりますので、よい取り組みについては、その都度、各学校が取り入れていくというふうに、そんなふうにやっておると思っております。
以上でございます。
議長(森 英男) 1番、幸前議員。
1番(幸前信雄) ありがとうございます。
最後になりますけども、先ほど、やっぱりアクションによって、その結果がどうなっているという、この検証の仕方、これ、すごく大切だと思います。やったことに対する努力の結果がどうなって、それが結果として自分の思っているような形であらわれない場合に、やり方をやっぱり変えていかないと、結果はどんどんよくならないというふうに考えております。
そこで、質問になりますけども、朝食の摂取率というんですか、とられている子供さん方に対してアクションを起こしたことによって、どういうふうに結果が変わっていっているのか、そういうことがわかれば教えていただきたいんですけども。
議長(森 英男) 学校経営グループ。
学校経営G(都築公人) 朝食を食べてきたとか、ことしの6月に、給食月間ということで、アンケート調査をした結果は、毎日朝食を食べると言った小学生は91%、それから中学生では88%ぐらいだったというふうに記憶しております。そういう子たちが、さらに、じゃあ、残りの8%とか12%の子供がというのは、毎日食べてはこないけども、週に二、三日は食べるといった子もおるわけですし、全く食べないといった子は小学生では0.2%、中学校で2%前後というふうに、これも記憶していますけども、そういった子たちに、学校が家庭に働きかけるとか、そういったことはもちろんしておるわけですが、やはり、何といたしましても、朝食のことについては、家庭の問題がほとんどでございますので、それ以後、アンケートはしておりませんけども、多分ですけども、余り改善はされてきたというふうには思えないのではないかというふうに思っております。
以上でございます。
議長(森 英男) 1番、幸前議員。
1番(幸前信雄) ありがとうございます。
結果的にいうと、数字的にいうと、そんなすごいひどい状態じゃないなというのがよくわかりました。ただ、社会というのか、世代がだんだん変わってくると、その辺のところがまた崩れる可能性がありますので、やっぱり定期的にきちっと見ながらアクションの仕方、これはやっぱり常時考えていただきたいなというふうに思うのと、あと、先ほどもちょっと言いましたけども、結果を見ながらアクションの仕方を変える。これを繰り返していかないとレベルは徐々に上がらないというふうに思いますので、その検証の仕方、先ほども北川議員の方から評価制度の話が出ておりましたけども、あるアクションに対して、自分たちが望む結果が出なければ、それは何かやり方が間違えているか、状況が変わっているか、そういうことを分析していただいて、やり方を変えてレベルアップを図っていただく必要があるというふうに思いますんで、今後ともそのような努力をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
議長(森 英男) 暫時休憩いたします。再開は午後1時。
〔午前11時47分休憩〕
〔午後1時00分再開〕
議長(森 英男) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、10番、寺田正人議員。
一つ、平成20年度予算編成と重点施策について。以上、1問についての質問を許します。
10番、寺田正人議員。
〔10番 寺田正人 登壇〕
10番(寺田正人) お許しをいただきましたので、平成20年度予算編成と重点施策について、市政クラブを代表して質問をさせていただきます。
本年9月議会において、市政クラブは、高浜市議会の議員定数を2人減にし16人とする旨の条例案を提案し、多数の御同意を得て可決されました。今後とも、市政クラブは、高浜市が進めている構造改革の流れを受け、議会改革を推進していく考えであります。
市政クラブは、本年も森市長に対し、平成20年度予算編成に対する政策提言をさせていただきました。この政策提言は、各町内会の皆さんを初め、多くの市民の方々からお寄せいただいた要望をもとに、市政クラブ内で協議を重ねたもので、将来の高浜市を考える住民の意見を集約したものと確信をいたしております。
我が国の経済情勢でありますが、先の政府の月例経済報告において、景気は、このところ一部に弱さが見られるものの回復していると、先行きについても、企業部門の好調さが維持し、これが家計部門へも波及し、国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれるとしております。企業収益は改善し、設備投資はこのところ弱い動きが見られるものの、基調として増加しており、雇用情勢においても、厳しさが残るものの、着実に改善しており、個人消費はおおむね横ばいとなっております。というものの、我が国の財政状況においては、国と地方をあわせた長期債務残高は、平成19年度末で773兆円になると見込まれ、引き続き、主要先進国の中でも最高の水準という極めて厳しい状況にあります。
今後とも増加する社会保障給付や少子化対策等の状況を踏まえ、早急な財政健全化に向けた取り組みを着実に進めていく必要があることは言うまでもありません。また、本年6月、地方公共団体の財政の健全化に関する法律が公布され、財政の健全に関する四つの指標、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の公表が義務づけられ、自治体財政における監視基準を強化し、財政危機の早期発見、健全化の促進を図られることになりました。
さて、本市における行財政改革については、昭和60年の高浜市行政改革大綱策定による行政改革、平成17年3月の高浜市の構造改革推進検討委員会報告書に基づく構造改革等、積極的に取り組みをされ、その成果に対し敬意を表するものであり、今後も、持続可能な自立した基礎自治体を目指し、引き続き、高浜市構造改革検討推進委員会報告書に掲げられた目標の実現のため、積極的に取り組んでいく必要があると考えております。
当局におかれましては、地方分権、少子高齢化社会の急速な進展など、行政課題が山積みする中で、今後、ますます厳しい行財政運営を強いられるものと考えますが、第5次総合計画に掲げる将来都市像「夢・きらきら・やすらぎのまち・高浜」の実現に向けて、来年度の予算編成に当たっておられることを推測いたしております。
そこで、私ども、市政クラブがお示しいたしました提言を踏まえた上で、平成20年度の予算編成の内容について、どのように施策に反映されるのか、また重点施策としてどのように事業を計画・実施されるのかをお尋ねして、1回目の質問とさせていただきます。
〔10番 寺田正人 降壇〕
議長(森 英男) 市長。
〔市長 森 貞述 登壇〕
市長(森 貞述) それでは、寺田正人議員の平成20年度予算編成と重点施策についてお答えをさせていただきます。
去る、11月21日、市政クラブの皆さん方から平成20年度の予算編成に対する提言書を御提出いただきました。これをいただきました。ありがとうございました。その中では、社会経済情勢を初めとする地方自治体を取り巻く環境の変化を的確に把握されるとともに、地方自治体が直面するさまざまな行政課題について高い識見に基づき指摘をされており、敬意を表するところでございます。今後は、その御趣旨を十分に踏まえ、行政運営に当たらせていただく所存でありますことを、まずもって申し上げる次第でございます。
そこで、初めに御質問の市政クラブの皆さん方からの八つの提言がどういった施策に反映されるかについて、政策提言に沿ってお答えをさせていただきます。
まず、一つ目の将来の財政需要に対する早急な検討による雇用と歳入の安定関係につきましては、平成17年3月の高浜市構造改革推進検討委員会報告書において、将来予測されるさまざまな心配に対処するための準備として、計画期間である平成22年度までに一般会計における基金の積立額を25億円まで引き上げるとともに、将来への負担を少しでも軽減するため、地方債の5億円を繰り上げ償還することと提言をされております。
平成19年度末、来年の3月末の予想では、私ども、基金残高は、大体、約20億円を予定をいたしております。また一般会計における、19年3月末の基金残高は、15億4,000円余りで、おおむね順調に推移をし、また、地方債の5億円の繰り上げ償還については、平成17年度に1億9,000万円余りの繰り上げ償還をいたすとともに、平成20年度におきましては、減債基金を財源として、高金利の政府債の繰り上げ償還を計画をいたしております。
また、先日9月議会におきまして、議会の皆さん方の大方の御賛成をいただきまして、優良企業の誘致関係につきましては、御可決をいただきました、高浜市企業誘致等に関する条例に基づきまして、市内において製造業に係る工事等の新設または増設を行う事業者に対し、奨励金を交付することにより、工場等の立地の促進、環境施設の整備促進、障害者を含めた雇用の拡大、子育て支援施設の整備促進、既存工場の活性化を図ってまいりたいと考えております。
また、創業支援では、本市商工会を通じて、創業予定者、コミュニティービジネス等を考えておられる方々を対象とした「たかはま経営塾」の支援及び創業者が高浜市創業支援資金融資制度に基づく融資を受けられたときの利子補給の支援を継続してまいるとともに、商工会が実施をする「たかはま経営塾」の受講者が、市内の空き店舗を活用しての新規出店に対する支援策を進めてまいります。
これらの事業の推進が、財源基盤の貢献、雇用の拡大に最も貢献する施策であると考えますことから、積極的な支援に努めてまいる所存でございます。
次に、二つ目の市立病院の民営化につきましては、市立病院は、昨年度当初より、御案内のように、深刻な医師不足に陥り、診療体制基盤が弱体化をし、病院の存続が危ぶまれていることから、公設公営にこだわることなく、指定管理者制度の適用や民営化を初めとした、幅広い選択肢を視野に入れて、西三河南部医療圏にあります医療法人と継続的に交渉を行っているところでございます。
本市といたしましては、地域医療を守ること、つまり医療の継続性を第一に考えた交渉を積極的に続け、一日も早く、地域住民の皆さん方が安心して利用できる病院の姿を取り戻せるよう、引き続き最大限の努力をしてまいります。
続きまして、三つ目の市内東西方向の道路整備関係につきましてでございますが、御案内のように、県を含めて、私どもも、南北道路、これを過去に重点的に取り組んでまいりました。そこで、本市における東西計画道路は、衣浦豊田線、岡崎半田線、西尾知多線の3路線が計画をされており、衣浦豊田線は、現在2車線にて暫定供用開始をし、岡崎半田線は一部を除き整備済道路として供用を開始されております。残る西尾知多線につきましては、稗田川改修工事に伴う橋梁改築による南中学校付近を除き、大部分において整備が進んでいない状況でございます。
西尾知多線は、地形上から名鉄線の横断が堀割工法の道路として計画をされておりますが、この工法は、用地費、事業費等がかさむため、費用対効果を考えると国での事業採択が難しく、県としても重要性は認識しつつも、なかなか事業化に進めないのが現状でございます。
また、市道において、東西道路の整備計画等は、現在のところございませんが、愛知県におきまして、現道の西尾知多線の高取地区につきましては、今年度、用地取得を進めており、予定では20年度には、こもれびの里前の歩道設置工事に着手すると聞いております。後ほど、このことにつきましては杉浦副市長の方から細部にわたって補足説明等をさせていただきます。
四つ目の構造改革関連の第三者評価関係につきましては、本年度から第三者評価を含む補助金の評価制度である高浜市補助金評価制度を構築し、第三者評価を既に実施をいたしました。また、現在、構造改革プロジェクトにおいて、外部委託第三者評価制度の構築に向けた研究・検討もあわせて行っております。
五つ目の職員の育成とさらなる意識改革関係につきましては、地方分権の進展や行政に対する市民ニーズの高度化・複雑化等に対応するためには、職員の意識改革を進め、その意欲を喚起することで、職員が自身の能力を最大限に発揮できる組織へと変革をしていくことが必要でございます。
高浜市構造改革推進検討委員会報告書において、「職員力の強化」として掲げられております「変化に対応できる柔軟性と想像力、判断力及び実行力をあわせ持った職員の育成」の実現に向け、職員のやる気を引き出し、その成長を支援するための基本となる方針「高浜市職員成長支援計画」を本年2月に策定いたしました。
また、この基本方針の策定と並行して、その具体策の一つとして、職員の意欲と能力を最大限に引き出すための新たな人事評価システム「高浜市新人事評価制度2007」を構築し、本年4月より運用を開始しております。この新人事評価制度は、単なる成績評価だけを行うものではなく、人材の育成を念頭に置いた挑戦する職員づくりを進めることを目的に、職員への評価結果の開示・公表(フィードバック)や、チャレンジ制度等が導入をされております。
また、先ほどの午前中の答弁でも申し上げましたように、まちづくり協議会特派員制度も導入をいたしてまいります。このようにして、地域住民と、そして市役所職員がともにまちづくりの対等なパートナーとして、Tpsの現地現物の考えに立ち、地域課題の解決に向けて協議・検討・実践をしていくことにより、住民力と職員力の向上を図ることを目的としております。
六つ目の地域、市民の自主的・自立的活動の支援関係につきましては、市民と行政が、協働によるまちづくりを進めていくためには、個人市民税の1%に相当する額を積み立てる、まちづくりパートナーズ基金を財源として、協働事業推進事業交付金制度を創設をし、平成19年度は、7団体から八つのソフト事業の提案があり611万円を交付しております。この制度をさらに拡大をし、市民公益活動団体が主体的に行う施設の新設・改修などのハード整備事業に対して支援を行ってまいります。また、資金的支援だけではなく、担い手となる人材の育成が不可欠であり、そこで、人材育成講座といたしまして、従来から、衣浦地域職業訓練センターで行ってきておりますNPO入門講座や、NPO起業講座に加えて、NPO会計処理講習会や、まちづくりの専門家を講師に招いてのまちづくり講演会の開催を検討し、先進的な取り組み事例の紹介や活動団体相互の情報交換を行う機会を設け、市民活動の活性化を図ってまいりたいと考えております。
七つ目の、障害者の雇用や生活の場の確保関係につきましては、障害のある方が、住みなれた地域で自立した生活が送れるようにするため、障害者就労支援事業として、本年開所をしました障害者自立支援法に基づく施設で、同善福祉会が運営する「チャレンジサポートたかはま」に通所する障害者の就労支援を行ってまいります。また、就労移行支援事業として実施をしておりますコンポストによる堆肥づくりや名刺等の作成作業の充実等を行ってまいります。
さらに、職場適応援助者、いわゆるジョブコーチ、試行事業として、本年に引き続き、就労を含めた障害者からの相談支援体制の強化を図るとともに、就職後の安定・定着が図れるよう、国の事業による職場適応援助者(ジョブコーチ)助成金の対象となるまでの間、助成を行い、もって障害者の就労の促進を図ってまいりたいと考えております。4月にスタートいたしましてから、3人の方が就労に移行しておるということも、あわせて御報告をさせていただきます。
最後に八つ目の環境、防犯、防災、交通安全対策の各種団体組織との連携関係につきましては、平成18年度より緊急通報メールシステムにより、各種団体組織への迅速な情報伝達を可能にし、運用をいたしております。また、町内会行政連絡会等の場を利用して、碧南警察署より犯罪や交通事故の発生状況の報告と啓発を実施するなど連携を密にいたしております。
今後につきましても、地域団体の自主性を尊重しながら、活動の活性化を図るとともに、各種団体組織との情報交換に努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
ちなみに、高浜南部まちづくり協議会におきます各種パトロール等によりまして、いわゆる街頭犯罪等につきましては、約半減というようなデータ的なことも出ておりまして、いかに地域で、皆さん方のお取り組みをすることが地域の犯罪抑止につながっているかということは言われております。
続きまして、御質問の平成20年度予算編成についてお答えをさせていただきます。
本市の財政状況につきましては、歳入の大半を占める市税収入につきましては、引き続き好調な輸送機器関連産業による下支えに加え、税制改正による影響もあり、堅調に推移するものととらえておりますが、金利や急激な原油価格の高騰、サブプライムローンによる昨今の株価の変動など、景気の先行きについては予断を許さない状況になっております。
そこで、来年度の歳入見積もり、御案内のように、この12月補正で、9,400万円余を増額補正をさせていただきまして、市税全般におきまして、82億2,000万円余となっておりますが、私ども、来年度、当初予算で見積もっておりますのは、84億6,000万円余を市税収入として見積もっておるということを、ここで御案内を申し上げておきます。
一方、歳出におきましては、扶助費を初めとする義務的経費が確実に増加するほか、平成20年度は、後期高齢者医療制度の創設が行われるなど、社会情勢の変化や多様化する行政ニーズに的確に対応していく必要があり、依然と厳しい状況が続くことが考えられます。御案内のように法人二税の問題が、今、いろいろと取りざたされております。今年度は恐らく、法人事業税についてということで決着がつくというようなことも言われておりますけれども、私ども、法人住民税、このことにつきまして、次の段階でもし、いわゆる財源の均てん化、いわゆる地域間格差というようなことで問題が起これば、恐らく、法人市民税にも手が入るというようなこと、しかし、これは、ある面では受益と負担ということを考えるならば、断固として私どもは声を挙げていかなければいけないというふうに考えておりますので、その折には、ぜひともまた、議会の皆さん方の御支援を賜りたいというふうに思っております。
平成20年度の予算編成に当たりましては、持続可能な自立した基礎自治体の確立に向けて、組織構造改革、アウトソーシング戦略、地域内分権の推進、受益と負担の改革、人事・給与制度改革の五つの具体的方策の実現を目指すとともに、より財政健全化を意識した行財政運営を行うこととし、財政健全化チャレンジ予算と位置づけ、引き続き、各部局等に対する枠配分方式により予算編成に当たってまいっております。なお、今後、ますます多様化・複雑化をいたします市民ニーズに対応していくため、施策・事務業務の棚卸しを行い、思い切った既存事業の廃止・縮小を検討してまいりたいと考えております。
次に、重点施策について、お答えをさせていただきます。
まず、総務・市民関係といたしましては、少子化対策及び子育て支援施策関連では、平成18年10月診療分から支給対象者の範囲を拡大し、4歳児童から義務教育終了までの児童・生徒について、自己負担額の3分の2に相当する額を市が単独で補助する、子育て支援医療費助成制度を実施していたところでございますが、愛知県の補助制度の拡大に伴い、現在の乳幼児医療費助成制度を見直し、入院については中学校卒業まで、通院については小学校卒業前まで無料化をするとともに、小・中学生の通院につきましては、現在の子育て支援医療費助成制度を維持してまいります。
なお、昨年も申し上げましたが、子育て医療費助成制度につきましては、本市の少子化対策及び子育て支援施策の柱として、将来にわたり持続可能な安定した制度として継続してまいりたいため、受益者が受けるサービスに応じて、一定の御負担をいただく受益と負担の関係を基本とし、受益者の皆さん方には、一定の自己負担をお願いすることといたしており、このスタンスにつきましては、いささかもゆるぐことなく、引き続き継続をしていく考えでございます。
次に、後期高齢者医療制度関連では、平成20年度から、現在の老人保健制度にかわり、75歳以上の高齢者に対する新たな後期高齢者医療制度が開始されるため、運営主体である愛知県後期高齢者医療広域連合と連携の上、制度の円滑な移行と適切な運用に努めてまいります。
次に、国民健康保険関連では、平成20年度から国民健康保険を初めとする医療保険者に対し、内脂肪型肥満に着目をした生活習慣病予防のための、特定健康診査及び特定保健指導の実施が義務づけられたことから、これらの事業の円滑な実施に向けて、鋭意取り組んでまいります。
次に、環境保全関連では、(仮称)高浜エコハウス事業として、平成20年4月から、市民の分別方法習得を目的として、分別方法がわからない方への指導や、地域で行っている分別拠点での間違えられやすい排出ごみを実際に展示するなどして、分別精度の向上を図るとともに、環境学習の拠点として、小・中学生を対象としたオリジナルの環境啓発ソフトを活用した5台の学習パソコンと環境専門図書を置き、子供たちが遊びながら学べるコーナーを設置するなど、積極的な環境学習の推進を図る施設として運用してまいりたいと考えております。
次に、地球温暖化防止対策として、現在、実施をしております高効率給湯器の設置補助制度に加えまして、燃やしてしまうごみの減量化と同様に、レジ袋の削減についても積極的に推進をしてまいりたいと考えております。
愛知県では、先月、11月22日、住民、事業者、行政が相互に連携をしながら一体となってごみゼロ社会の形成を推進することを目的として設置されましたごみゼロ社会推進愛知県民会議の臨時総会が開催され、レジ袋削減取り組み店制度の創設が決議をされたところでございます。御案内させていただきますと、この制度は事前に登録をされ、店頭に取り組み店であるステッカーを提示した小売店が、レジ袋の有料化、レジ袋代金の値引き、あるいはポイント制度の充実などで、3年以内にレジ袋辞退率50%以上を目指すものです。実施状況報告により目標が達成されれば、優良店として認定、表彰されるというものでございます。
ちなみに、私どもが、どのぐらいのレジ袋を1年間使っておるかということを数字で申し上げさせていただきます。日本国じゅうでは、1年間に300億枚と言われております。無料でもらえるレジ袋で家庭に持ち込めば大半がごみとなって処理されることは、もう皆さん方、御案内のとおりでございます。各家庭での、スーパーのみのレジ袋で、年間500枚程度が配布されているというふうに想像されます。レジ袋1枚を製造し廃棄しますと、地球温暖化の原因となる二酸化炭素が約60g発生しますので、1年間で30kg発生することになり、家庭内で発生する二酸化炭素の0.6%に相当すると言われております。そのほかのレジ袋等を含めれば、1%ぐらいにはなるんではないかということが言われております。そのような観点からも、ぜひとも、このレジ袋に対する意識啓発を含めて、私どもは取り組んでまいりたいと、このことにつきましては、ごみ処理基本計画推進会議の市民委員の皆さん方の御意見もお伺いをしながら、事業者や消費者の皆さん方の御理解がいただけるように積極的に関与してまいりたいと考えております。
次に、ごみ処理・リサイクル関連では、ごみ減量化リサイクル事業として、平成20年4月から分別収集の項目に、プラスチック製容器包装を追加をし、収集をしてまいりますが、市民の皆さんへの周知等を含めて、試験運用を来年、平成20年2月から開始することを考えております。
次に、公営住宅管理関連では、公営住宅ストック総合活用計画に基づき、地域住宅交付金を活用して、市営芳川住宅、湯山住宅、東海住宅に引き続き、平成20年度では稗田住宅の外壁改修工事を実施してまいりたいと考えております。
次に、行財政関連では、市税等コンビニ収納事業として、納税者のさらなる利便性の向上を図るため、平成21年度から市県民税、固定資産税、都市計画税、軽自動車税、国民健康保険税及び市営住宅使用料にコンビニ収納を導入してまいりたいと考えております。また、クレジットカードの収納の利用につきましても、あわせて導入に向けて検討してまいりたいと考えております。
次に、福祉・教育関係といたしましては、まず、防災体制関連では、木造住宅耐震改修費補助金・木造住宅耐震改修補強計画費補助金として、災害弱者となりやすい低所得者高齢者世帯に対する改修費補助金並びに補強計画費補助金を増額するなど、民間木造住宅の耐震改修を促進するとともに、大震災時の減災を図ってまいりたいと考えてございます。先日のニュースで御案内のように、本市は猿投-高浜断層、これが走っておると同時に、よく御承知のように東海地震・東南海地震のダブルの可能性ということも言われております。そういう中で、今、私どもが取り組めることは何かということの中で、先ほど申し上げましたことについて、来年度、考えてまいるということでございます。
また、防犯体制関連では、防犯組織整備事業として、青色回転灯車を高浜南部まちづくり協議会及び吉浜まちづくり協議会への貸与に加え、新年度に設立予定の翼小学校区並びに高取小学校区のまちづくり協議会にも貸与することにより、地域の自主防犯活動を支援し、安全・安心のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、地域内分権関連では、先ほども申し上げましたが、新たにまちづくり協議会特派員制度を開始するとともに、あわせて、平成20年3月末に翼小学校区、8月末に高取小学校区に設立予定のまちづくり協議会の活動に対し、地域内分権推進事業交付金により支援をしてまいります。
次に、町内会関連では、沢渡町町内会が沢渡町一丁目地内に建設を予定しておられます町内会館及び防災倉庫に対し、町内会活動事業交付金を支給し、町内会活動を支援してまいります。
次に、計画進行管理関連では、現行の第5次高浜市総合計画が平成22年度で計画期間を終えるため、第6次高浜市総合計画の策定に着手いたしますが、当初は新計画策定の基礎資料を収集するため、市民意識調査を実施するとともにまちづくり協議会と行政が協働で、地域計画の策定などを行ってまいりたいと考えております。
次に、構造改革関連では、構造改革の5本の柱、アウトソーシング戦略として、外部委託の効果を公平かつ公正に評価するため、本年度、構造改革プロジェクトで策定する「外部委託事業の評価に関する指針」をもとに、第三者評価会を設置し、外部委託事業の評価を実施してまいりたいと考えております。
次に、協働事業推進関連では、市民公益活動団体が、主体的に行う安全・安心なまちづくりやまちの魅力アップに役立てる事業などに対して、(仮称)協働事業推進事業ハード整備費交付金制度を立ち上げ支援を行ってまいります。
また、高浜市まちづくりパートナーズ基金事業の市民公益活動人材育成講座の一つとして、先ほども申し上げました、NPO会計処理講習会を実施してまいります。これも、平成19年度民間提案型業務改善制度の採択事業の一つでございます。
次に、生涯学習施設関連では、中央公民館ホール改修工事として、本年度の中央公民館改修工事に引き続き、平成20年度ではホールの吊物関係の改修を実施してまいりたいと考えております。
次に、文化・芸術施設関連では、平成20年10月を目標に美術館の運営を指定管理者に移行するよう指定管理者予定者との協議や所定の手続を実施してまいります。
次に、子育て施設関連では、待機児童の解消の観点から、清水町で高浜ひかり幼稚園を運営をしておられる学校法人昇龍学園が敷地を拡張し、新たに定員110名の認可保育所を整備して平成20年度に幼保連携型の認定こども園を運営いたしますので、この高浜ひかり幼稚園の運営に際し、安定した高い水準の保育が提供できるよう、民間保育所の高浜南部保育園、よしいけ保育園、翼幼保園と同様に運営費の補助を行ってまいります。
また、延長保育、障害児保育、子育て支援センター事業に対して運営委託することにより、保護者の多様な保育ニーズにもこたえてまいりたいと考えております。
次に、子育ち・子育て支援関連では、本年10月1日にリニューアルオープンしたいちごプラザにおいて、幼稚園教諭や助産師の資格を持つスタッフが子育て中のお母様方の悩みなどを聞いていただいております。また、子育て情報室では、絵本や、子供、家庭向けの一般書などの貸し出しをするとともに、子育て支援施設や行事の案内、子育てに関する手続などの案内、インターネットによる情報提供など、いちごプラザの運営を引き続き実施をしてまいります。また、子育て支援事業や家庭的保育事業などの担い手となり、親子を支援できる専門的な知識や技術の習得を目的にした子育て支援者を養成する、子育て家庭支援者養成講座を実施し、人材育成に努めるとともに、事業拡大に努めてまいりたいと考えております。
次に、学校教育関連では、少人数学級対応教員による低学年の集団生活適応と基礎学力の定着を目指した小学校2年生までの35人学級を引き続き実施をしてまいります。なお、平成20年度より愛知県内のすべての市町村において、この小学校2年生までの35人学級が実施されることとなっております。
また、サポートティーチャーによる小学校での国語と算数、中学校の数学と英語における少人数指導やTt指導に、引き続き力を入れて取り組んでいくとともに、市内7小・中学校を巡回し、取り出しによる日本語教育や家庭への配付物の翻訳及び懇談時の通訳などを行う外国人児童・生徒通訳者を増員して実施してまいりたいと考えております。
さらに、災害時の安全確保のため、高浜小学校、吉浜小学校の渡り廊下の耐震補強工事を実施するとともに、平成21年度から開始をされる中学校1年生の少人数学級の教室を確保するため、高浜中学校、南中学校は、少人数対応用の教室等改造工事をあわせて実施をしてまいりたいと考えております。
次に、建設・病院関係といたしましては、まず、市街地整備関連では、平成8年度から平成22年度を計画期間とした現行都市計画マスタープランが策定満了時期の到来と策定時より10年以上が経過をし、土地利用の変貌と改正都市計画法の全面施行、平成32年を計画期間とした愛知県都市計画区域マスタープランの見直しにあわせ、今後、心配をされる人口減少、超高齢社会の到来、中心市街地の空洞化などの都市構造の変化を初めとする諸問題に対し、本市の都市計画の指針となる都市計画マスタープランの見直しを行ってまいります。
次に、道路・橋梁関連では、人形小路整備事業として、名鉄吉浜駅からJA吉浜支店東の交差点までの道路整備を実施するとともに、愛知県が施行する稗田川河川改修事業に伴い、高取小学校東の前橋の改築工事を実施してまいります。
次に、水道事業関連では、配水網等整備事業として、管路管理のためにマッピングシステムを導入し、配管図、給水管取り出し位置、給水装置台帳等の電子化により、原図劣化問題の解消、最新地形情報の利用、省スペース化を図り、検索速度の向上による業務の効率化を図るとともに水道利用者に対し、適切・迅速な情報を提供してまいりたいと考えております。
次に、商業関連では、空き店舗活用創業支援として、市内に所在する商業活動を休止してから一定期間を経過をした空き店舗の解消を図るために、空き店舗を活用して商業・サービス業を創業する者に対し賃借料及び店舗改造費の支援を行ってまいりたいと考えております。
以上、御質問の趣旨に沿いまして、平成20年度の主な重点施策について申し上げてまいりましたが、第5次総合計画の将来都市像であります「夢・きらきら・やすらぎのまち高浜」実現に向けて、新年度の予算編成に当たってまいりたいと考えております。
なお、詳細につきましては、現在調整を行っている最中でございますので、優先順位の設定等により変更があることを御承知いただきますようにお願い申し上げるとともに、議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げまして、答弁とさせていただきます。
済みませんでした。先ほど、少子化対策及び子育て支援策の関連のところで、乳幼児医療費助成制度の見直しに関連し、「通院については小学校卒業まで無料とする」と申し上げましたが、正しくは「通院については小学校就学前で無料とする」ということでございますので、訂正をさせていただきます。
〔市長 森 貞述 降壇〕
議長(森 英男) 10番、寺田正人議員。
10番(寺田正人) それぞれ、詳しく御答弁をいただき、ありがとうございます。
私ども、市政クラブが提言する施策が、行政の考えておられる事業と方向性が一致する部分が多いと同時に、改めて、市政クラブの提案が住民ニーズや時代ニーズをとらえた政策提言であるものと実感したところでございます。
それでは、再質問をさせていただきます。
森市長さんは、平成17年8月に行われた高浜市長選挙におきまして、ローカルマニフェスト、いわゆる選挙公約を掲げて、選挙戦を戦い、見事、当選されました。月日が経過するのは早く、既に2年数カ月が経過いたしました。その間、マニフェスト関連事業が目標に沿って、着実に推進されていることは、御案内のとおりでございます。
私ども、市政クラブは、市長の掲げたローカルマニフェストを支持させていただいておる立場でもあり、マニュフェスト関連事業が、これからどのように計画・実施されていくのか常に注視しておるところでございます。折しも、20年度予算は、市長の任期3年目を迎える年でもあり、ローカルマニフェストを実現させていく上でも、大変重要な予算編成の年でもあるかと思います。
そこで、これまでのマニフェスト関連事業の進みぐあいと、平成20年度において、マニフェスト関連事業がどのように計画、実施されようとしているのかを、改めてお尋ねいたします。
議長(森 英男) 杉浦副市長。
副市長(杉浦幸七) それでは、再質問に対する答弁の前に、先ほど、市長からお話がございました東西道路計画についてでございます。現在、先ほども答弁させていただきましたように、現在、主要地方道西尾知多線を交通安全対策事業ということで、こもれびの里の先までの用地買収及び工事を行っておるわけですが、私ども、これが完成した暁には、現在の市道論地線におきまして、市道五間通り線から、今度、今、現在、都市計画事業で行っております都市計画道路、吉浜棚尾線の間を県道に昇格させ、整備を図るように県に働きかけ、事業の促進を図ってまいりたいというふうに答弁させていただきます。
それでは、再質問に対して答弁をさせていただきます。
ローカルマニフェストの進みぐあいにつきましては、既に御案内のとおり、先の「広報たかはま」10月15日号において、その内容を市民の皆さんにお知らせをしているところでございます。改めて、20年度の計画を含め、私から御答弁を申し上げます。
まず、未来を担う子供たちを支えるためのプランの関係でございますが、少人数学級の拡大につきましては、昨年中にクラス増に伴う教室改造工事を高取小学校と翼小学校で実施し、本年4月から少人数学級対応教員を対象校に配置し、小学校2年生まで35人の少人数学級を実施いたしました。20年度も引き続き実施をしてまいります。
次に、義務教育終了まで医療費助成枠の拡大につきましては、平成18年10月1日から義務教育終了(中学生)までの児童・生徒の医療費自己負担額の3分の2の助成を開始しているところでございますが、先ほどお答えをいたしましたとおり、20年度からは、県の補助制度の拡大を踏まえ、医療費の無料化の範囲を拡大し、残る小・中学生の通院部分について、現行の子育て支援医療費助成制度を維持してまいります。
次に、幅広い保育ニーズへの対応につきましては、総合施設の整備と幼保の定員増を目標に、平成18年度において、社会福祉法人清心会が建設した園舎に対する補助を行い、平成19年4月1日に認定こども園翼幼保園が開園し、園児の受け入れを開始されました。20年度には、清水町で高浜ひかり幼稚園を運営している学校法人昇龍学園が敷地を拡張し、新たに定員110名の認可保育所を整備して、幼保連携型の認定こども園が運営されます。
次に、世界に羽ばたく人材を育てる未来塾「夢・希望館」の建設につきましては、平成18年8月に実行委員会が設置され、試行事業として「カッコいいオトナをさがせ!」を実施し、12月から計4回の未来塾講座が開催されました。20年度も引き続き事業を実施してまいります。
続きまして、安全で安心な社会を実現するためのプランの関係では、犯罪のない社会をつくる地域防犯体制の強化につきましては、平成18年12月に翼小学校区において青色回転灯による自主防犯パトロール隊が結成されました。平成19年3月に赤色回転灯車を2台購入し、港小学校区の高浜南部まちづくり協議会、吉浜小学校区の吉浜まちづくり協議会に無償貸与いたしております。
また、平成20年3月に、高取小学校区において、青色回転灯車による自主防犯パトロール隊が結成される予定でありますので、20年度も引き続き、自主防犯パトロール隊の活動を支援してまいります。
次に、地域防災・減災体制の強化につきましては、平成18年4月より消防団員の確保のため、高浜市消防団員家賃補助金交付制度を実施し、消防団員の確保に努めてまいりました。また、家具転倒防止器具取りつけ事業の実施、木造住宅無料耐震診断事業の実施、木造住宅耐震改修費補助事業をあわせて実施してまいりました。20年度も引き続き事業を実施してまいるとともに、木造住宅耐震改修費補助金・木造住宅耐震改修補強計画費補助事業として、災害弱者となりやすい低所得高齢者世帯等に対する改修費補助金並びに補強計画費補助金を増額するなど、民間木造住宅の耐震改修を促進するとともに、大震災時の減災を図ってまいります。
次に、大規模災害に備え広域的な協力体制を確立につきましては、災害協定の締結を目標として、平成17年8月18日にコカ・コーラセントラルジャパン株式会社と災害時における救援物資提供に関する協定を締結いたしました。その後、大山公園、さわたり夢広場、高浜南部公民館、勤労青少年ホームに地域貢献型飲料水自動販売機を設置し、平成18年度末で、9台の設置となっております。
さらに、災害時相互応援協定を平成17年11月2日に岐阜県多治見市、平成17年11月8日に同じく岐阜県瑞浪市とそれぞれ締結いたしました。
続きまして、地域活性化のためのプランの関係では、民間活力による流作貯木場跡地利用につきましては、平成18年8月に衣浦港流作新田貯木場跡地利用基本構想調査業務委託を発注し、民間活力による埋立方法及び利用方法の検討を進めておりましたが、埋立事業手法で民間活力を利用して行うPFI制度の導入の可能性の検証など、関係機関との調整に不測の日程を要したため、委託期間の延伸をいたしております。20年度は、この委託結果を踏まえ、事業の推進計画等を検討してまいります。
次に、高浜エコハウスの整備につきましては、本年9月に建築工事、電気設備工事、機械設備工事、ソーラーパネル設置工事の入札・契約を締結し、現在20年3月の完成を目指して工事をいたしております。(仮称)高浜エコハウスは、分別収集方法が学べる教育的な環境を整えることで、リサイクルの促進を図るとともに、環境学習の拠点として整備し、環境保全に対する意識の高揚等を図ることを目的とした施設で、平成20年4月1日の開設を予定いたしております。
次に、商工業の支援につきましては、起業家への人材育成と創業支援資金の充実を目標としており、まず、人材育成として「たかはま経営塾」を平成18年10月28日から11月25日まで5回の講義を開催し、延べ52名の参加をいただきました。また、創業支援資金として創業支援融資制度による借入者に対する利子補給を13件、融資実行を1件行いました。さらに、平成19年4月より高浜市空き店舗創業支援事業を実施しております。20年度も引き続き、商工業の支援を実施してまいります。
続きまして、生きがいづくりを応援するためのプランの関係では、シルバー農園整備につきましては、4年以内に実行しますとしている事業でございますが、これまでの事業実施に向けた検討の結果、現時点では、野菜などを中心とした農園整備や栽培、出荷などの展開に課題が多く、実現性の確保が困難と判断いたしております。今後は、実施手法等の見直しを含め、プロジェクトチームを立ち上げ、再度検討し、4年以内に実行できるよう取り組んでまいります。
次に、市民協働・協創支援策の実施につきましては、平成18年4月に高浜市パートナーズ基金事業として、協働事業推進事業交付金制度を創設いたしました。平成18年度実績として、6団体7事業の提案を採択、平成19年度は7団体9事業の提案を採択し、協働事業として取り組んでおります。20年度も引き続き、市民協働・協創支援事業を実施してまいります。
続きまして、障害者福祉政策を充実させるためのプランの関係では、子供から高齢者までの一貫した支援体制の確立につきましては、幼児期から盛年期まで一貫した障害者支援体制の確立を目標に、平成18年4月から8月にかけて、改訂版個別支援カルテ及び支援計画の様式の検討・策定を行い、その後、支援ネットワークの構築の検討を経て、平成19年3月に支援ネットワークの基礎となる福祉総合システムのパッケージソフトを購入しております。20年度は、21年4月の支援ネットワークの供用開始に向けた開発・構築に取り組んでまいります。
次に、障害者雇用の促進につきましては、働く場の確保または企業就労に必要な訓練の場の確保を目標に、平成18年4月、企業体験実習手当金等支給制度を創設、平成18年5月から平成19年3月まで、庁内に障害者雇用プロジェクトを設置し、雇用・就労のあり方を調査研究いたしました。このほか、ジョブコーチによる業務分析や、シンポジウム「障害のある人の『働きたい』を地域と企業でともに考える」を開催、平成19年3月に同善福祉会により「チャレンジサポート高浜」が完成し、就労支援が実施されております。
続きまして、政策実行のための三つの改革の住民力の強化の関係では、地域内分権の推進につきましては、平成19年3月31日に高浜南部まちづくり協議会に次いで2校目となります吉浜まちづくり協議会が設立されました。本年4月には翼小学校区、9月には高取小学校区において、それぞれまちづくり協議会設立準備委員会が発足し、まちづくり協議会の設立に向けた勉強会や検討等が開催されております。
続きまして、行政力の強化の関係では、お客様相談センター(総合窓口)の設置につきましては、平成18年4月から市庁舎1階フロア全体を市民総合窓口センターと位置づけ、新たに総合相談窓口を設置するとともに、転入・転出に関する業務についてワンストップサービスを実施いたしました。また、同年7月に、その効果検証のため、来るされた方々を対象に総合窓口に対するアンケートを実施しております。
次に、グループ制の導入につきましては、市民の声がより市政に反映される市役所組織の再編を目標に、平成18年4月に組織の再編と課・課長職を廃止し、グループ制を導入いたしました。また、同年7月に検証のために、来るされた方々を対象に、また11月には市職員を対象に、新組織に対するアンケート調査を実施いたしました。
続きまして、財政力の強化の関係では、業務委託のさらなる推進による人件費の抑制につきましては、市税に占める人件費の割合30%以内を堅持することを目標に、定員適正化計画に基づき、技能労務職の不補充、一般事務退職者の一部不補充及び業務のアウトソーシングを推進することで人件費を抑制してまいりました。その結果、平成18年度決算ベースにおける市税に占める人件費の割合は、24.91%と目標を達成いたしました。引き続き、30%以内を堅持いたすよう努力してまいります。
次に、水道事業、市立病院事業の民間活力導入につきましては、水道事業、市立病院において、民営化検討組織の設置を目標とし、2年以内にやるべきとしております。
まず、水道事業としては、民間提案型業務改善制度による水道事業の民営化の検討結果に基づいて、民営化検討組織を設置する予定でありましたが、提案に対し、結論を導き出せなかったため、民営化検討組織の設置を見送ることとしております。このことから、本年中に水道事業の新しい経営形態について、民間活力の導入や事業の広域化等、諸課題を調査研究するために、庁内に水道事業経営形態研究プロジェクトを立ち上げました。これからは同プロジェクトにおいて、今後、策定いたします高浜市水道事業基本計画、いわゆる水道ビジョンや民営化検討組織への基礎的な資料を作成してまいります。
続きまして、市立病院事業の取り組みでありますが、平成18年5月に総務省地方公営企業経営アドバイザーである長 隆氏、社団法人全国自治体病院協議会の小山田 恵氏を初め、5名の有識者を高浜市病院事業経営検討委員会委員に委嘱し、計3回の検討委員会を開催いたしました。この第3回の検討委員会において、答申書が提出され、これを受領いたしたところでございます。
以上のとおり、全体的な進みぐあいといたしましては、おおむね順調に進んでいるものと考えておりますが、寺田議員も御質問の中で述べられましたように、平成20年度はマニフェストを推進する上で、大変重要な年であると認識いたしております。
今後とも、マニフェストに掲げられた事業の実施をなし遂げてまいりたいと考えておりますので、引き続き、議員の皆さんの御理解と、より一層の御支援をお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
先ほどの答弁の中で、「青色回転灯」と言うべきところで、一部「赤色回転灯」と誤って申し上げましたので、おわびを申し上げ、訂正とさせていただきます。よろしくお願いします。
議長(森 英男) 10番、寺田議員。
10番(寺田正人) ただいま、平成20年度の予算編成について、編制方針及び重点施策について、御答弁をいただいたわけでありますが、三位一体改革によって、所得税から個人住民税への3兆円の税源移譲が実現したものの、改革という名のもとに、5月1日兆円の地方交付税が削減されたことで、地方自治体は、より厳しい財政運営を強いられることとなり、高浜市においても、厳しくなることが容易に想像できるものかと思います。
当局におかれましては、この難局を乗り切るため、枠配分予算を通じて、担当部局長のマネジメントによる事務事業の見直し、アウトソーシングの推進、受益と負担の原則を踏まえた事業の展開、地域協働の推進など、創意と工夫によるチャレンジの精神によって平成20年度の予算編成に当たっておられることは十分理解できるものと考えております。
最後になりますが、これから予算編成作業の細部に取りかかるということでございますが、高浜市がこれからも持続可能な自立した都市として存続し続けるため、市民の皆さんの声をしっかりと耳を傾けていただき、市民の負託にこたえられる予算を編成されることを要望いたしまして、質問を終わります。
議長(森 英男) 暫時休憩をいたします。再開は14時10分。2時10分です。
〔午後2時02分休憩〕
〔午後2時10分再開〕
議長(森 英男) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、7番、佐野勝已議員。
一つ、幼稚園・保育園について。以上、1問についての質問を許します。
7番、佐野勝已議員。
〔7番 佐野勝已 登壇〕
7番(佐野勝已) 通告に基づき、幼稚園、保育園についてを質問いたします。なお、保育園は、正式には保育所が正しいことは承知しておりますが、一般になじみのある保育園で呼称統一、さらに質問は一問一答方式で行いますので、よろしくお願いいたします。
今回の質問をするに当たり、教育について調査したところ、中学生の宿題をする時間は、国際教育到達度評価学会によると、ルーマニア、ロシアが1位で2月3日時間、世界平均は1月7日時間、日本は1時間で最低。次に、年間授業時間はOecd諸国の調査によると、日本は535時間で最低、1位アメリカの1,127時間の半分程度であります。また、日本青少年研究所の意識調査、「どんな生徒になりたいか」では、勉強ができる生徒と答えたのは、アメリカ83.3%、中国79.5%、韓国67.4%、日本は40.5%。
このような現実を考えると、幼児教育を含むすべての教育に力を入れなければならないと真剣に考えるものでありますが、幼児教育では保育園の規制緩和が始まっており、2000年の規制緩和で市町村と社会福祉法人に限られていた運営が、株式会社やNPO法人にも可能となり、2001年には定員オーバーを認め、2002年にはパート保育士の制限枠撤廃、今では、賃貸物件でも運営が可能になり、さらに近くに公園などがあれば、園庭さえも不要。その結果、マンションの一室をついたてやベビーベッドで区切り、台所で50食もの昼食をつくり、玄関の靴箱を配ぜん台がわりなど、負の側面もあらわれております。
これは自治体の施策が後手となり、営利目的だけの新規参入を許した結果でありましょう。政府の規制改革会議は、ますますの規制緩和を検討しており、内閣府の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議は質の担保が必要と言っております。幼児期は、人の一生の中で、生涯にわたる人間形成の基礎が培われる最も大切な時期であり、人間の脳細胞は生まれてから2歳までに60%、6歳までに90%が形成され、とりわけ幼児を取り巻く環境は重要と言われております。子供はあすの高浜をつくる宝であり、本市の施策が後手にならないことを願い、質問をいたします。
1965年に施行された保育所の指導要領「保育所保育指針」は2回改定されており、2009年度をめどに3回目の改定をするとされているが、改定の中身についてわかる範囲で答弁を願い、1回目の質問といたします。
〔7番 佐野勝已 降壇〕
議長(森 英男) こども未来部長。
こども未来部長(前川 進) それでは、佐野議員の1回目の質問に御答弁させていただきます。
保育所保育指針の改定につきましては、厚生労働省において、昨年の12月から保育所保育指針改定に関する検討会において論議が進められ、本年7月に中間報告が取りまとめられました。この報告書によれば、改定となるポイントは、まず、保育所は入所する子供の健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、子供の最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。こうした保育所の役割について、保育所保育指針に明確に位置づけることが必要であると報告されております。
次に、保育の内容、守ると教育の充実の観点では、子供の健康・安全及び食育について、明確に位置づけるべきであることや、守ると教育の定義についても明確にすべきとされております。そのほか、小学校との積極的な連携を図るよう配慮することや、保護者に対する支援として、保育園に入所する子供の保護者、地域の子育て家庭を積極的に支援するという役割、保護者の養育力の向上に結びつくような支援が行われること、また、職員の資質向上及び職員集団の専門性の向上を図ることや保育の質の向上のため、施設長の責務を明確にすることなどが必要であると報告されております。
全体的には、これまでの保育所保育指針では、各項目について不明確であったものが明確化されることであります。
以上であります。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) 先ほど、私、いわゆる、日本の場合、宿題をする時間が1時間で最低ということを述べたわけでありますが、午前中の教育長の答弁の中で、高浜市にあってはプラス1時間ですか、ということで、そうしますと、高浜市にあっては2時間と、合計2時間以上ということで、本市は、大変、そういう面ではいいのかなと、教育長の御尽力があるのかなと、こんなふうに思っておりますが、ちょっと、それは横に置きまして。
今の部長の答弁ですと、いわゆる、幼稚園の方では、幼稚園教育要領、こういうものがあると思うんですが、このようにしっかりしてくるというふうに理解したわけでありますが、続いての質問をいたします。現在の指針というのは局長通達、これが省令に準ずる告示、これに格上げされる予定とのことですが、このねらいについて伺います。
議長(森 英男) こども未来部長。
こども未来部長(前川 進) それでは、告示のねらいについて御答弁をいたします。
今回の告示化により、保育園が遵守すべき最低基準として位置づけられることになります。これまで通知であった指針が、幼稚園と同じように告示となり、法的位置づけとなることは公に保育制度が認識されることになるわけで、高く評価されることとなります。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) いわゆる、何ていうんですかね、告示というのは、国会の議決が不要ということですよね。そうすると、ちょっとどうなのかなと思って、調べてみましたら、国会の議決というのは不要であっても、法律と同等、こういう効力があるというふうに調べましたので、この辺はこれでいいのかなというふうに思っておりますが、次に行きます。
本市の各民間の幼稚園及び保育園の、それぞれの特色を、市としてどのようにとらえているか、このことについて。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 民間の幼稚園、それと民間の保育園の特色ということでございますけども、まず、高浜市には、民間の保育園といたしまして高浜南部保育園、それから、よしいけ保育園、それと保育園機能を持つ翼幼保園の3園ございます。一方、民間幼稚園については、高浜ひかり幼稚園1園でございます。
初めに、南部保育園の特色でございますけども、御案内のとおり、デイ・サービスセンターと併設しております。そのメリットを生かしまして、お年寄りとの交流を初め、地域を巻き込んだ夕涼み会、月見会などの行事を開催しております。それに加えて、3歳以上を対象に、体育指導を取り入れております。また、本年度から子供の感性を育てることが必要だということで、園内研修として、表現活動などテーマとしております。
次に、よしいけ保育園でございますけれども、南部保育園と同様にデイ・サービスと併設しております。したがいまして、おじいちゃん、おばあちゃんとの交流を初め、それと、お泊まり保育、それから社会見学、夏祭り、リトミック教室、英会話などを実施しております。また、食育活動の一環といたしまして、園庭でサンマを焼いて食べたり、それと、そうめん流しをしたりしております。
次に、翼幼保園では、認定こども園の特色を生かした幼保合同の保育、それから子育て支援センターの活動、英語教室、体操教室、スイミング教室などに加えて、児童クラブを運営しているところでございます。
一方、民間幼稚園の高浜ひかり幼稚園では、英語教室を初め、リトミック教室、体育指導、音楽指導に加えて、これは希望者のみでございますけれども、有料で絵画教室を行っております。このように民間保育園、それと民間幼稚園は、創意工夫をして、特色のある園運営をいたしております。
以上です。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) 今、子供の感性を育てるというような答弁があったわけなんですが、実は、ひかり幼稚園の話も出ましたね。ここでは、私も毎年、夏祭りに御招待を受けて行くんですけど、子供が、まず浴衣とか、あるいは甚平姿ですね。それから、とりわけ私の感性をはぐくむであろうと思うのが、御父兄の方、特に御婦人の方の浴衣姿ですね、民間ですから、非常に、そういう面では協力的というんですかね、公では見られない姿ではないのかなと、こんなふうに思っておるんですが、これは、私の取り方でありますが、民間園ですね、民間園に対する保護者なんかの評判ですね。これは、どのように市として聞いておるか、このことについて。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 民間保育園の評判、保護者の評判はということでございますけれども、私ども、3カ所、民間保育園あると申し上げましたけども、すべて評判よいものと思っております。まず、このことを証明する一つ、バロメーターとして、高浜南部保育園とよしいけ保育園の入園希望者というか、非常に多くなっています。今でも、定員を超えるような入園申請があるということでございます。また、高浜ひかり幼稚園では、この11月1日現在でございますけども、定員150人に対して、204名の方が入っておられます。
なお、私立の幼稚園は市外からの入園を受け入れるということになってございますけども、約8割の159人が高浜市内の住人ということでございます。
以上です。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) 確かにおっしゃるとおり、オーバー率というのが、定員に対するオーバー率というのが、一つのバロメーターかなと、こんなふうに思うんですが、本当は、あれですね。公と民のオーバー率、こういう比較表なんかもつくられるといいのかなという気がいたします。
少し、今から気になっておる質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。
幼稚園と保育園が一体化した幼保園ですね。この評価が全国的に低いと、こんなように聞いておりますんですが、翼幼保園を行政として、特にどのように評価しているか。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 翼幼保園の評価ということでございますけれども、認定こども園自体が評価が低いかどうかというのは、ちょっと定かではございませんけども、この8月1日現在で、全国で認定こども園の認定件数は105件というふうになっております。このことは、認定こども園制度がまだ始まったばかりだということで、全国の幼稚園、保育園の設置者が様子を伺っておるという状況ではないかなと、興味は示していると思います。とりわけ翼幼保園、今年度、非常に視察が多くて、もう20件を超えるような県内外からの視察がございました。そういったのも、興味は示しているんだというあらわれだと思っております。
本年8月10日の厚生労働省の記者発表によりますと、今年度中の申請見込み数542件というふうに発表しております。平成20年に以降になると、この数字が合計で2,096件が認定こども園の申請をすると見込んでおります。
行政は、この翼幼保園に対してどう評価しているかということでございますけれども、他市の考えはともかくといたしまして、私どもにとって、この認定こども園翼幼保園については、保育園と児童クラブの待機児童の解消、それと幼稚園入園の際の選択肢が広がったこと、それと親支援の場としての子育て支援センターを設置するということで、非常に効果的な施設であるというふうに考えております。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) ちょっと、私の今の質問、方向が悪かったかもしれませんね。私が言いたかったことは、いわゆる幼保園というのは直接契約ですね。保護者と、それから、まあ、園と利用者ですか、直接契約なものですから、いわゆる国とか、それとか自治体ですね、こういうものの責任が希薄化しておるのではないかと、こういうような、一部識者の意見が出ておるということを心配して申し上げたわけですが、それはそれにしまして、いずれにいたしましても、まず優先するのは待機児童の解消だというふうに思います。そういう意味では、認定こども園というのは、非常にいいのかなというふうに理解しておりますんですが、次に移ります。
ひかり幼稚園、これは県の所管ということでありますので、これはちょっと除外しておきまして、そのほかの民間園の行政としての評価、これについてはいかがでしょうか。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 民間園の評価ということでございますけれども、私どもの民間保育園、公立保育園も含めて、質の高い保育を実施しているもの確信しております。このことにつきましては、年1回実施しております幼稚園、保育園の第三者評価というもので、その結果が証明されているところでございます。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) 今まで、質問で、こういうことを申し上げておるというのは、とりわけ、子供のことですから、私は質が大事であろうと、質を大きくとらえなければならないということで、いろいろお尋ねしておるわけですが、続いて、これからは公と民、この比較した質問をさせていただきます。
まず、公・民比較した場合、保護者については、どちらが協力的か、これがわかっておれば。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 公・民比較した場合に、保護者どちらが協力的かという御質問でございますけれども、保護者の協力なくしては、スムーズな園運営はできないというふうには考えております。したがいまして、公も民もいずれの園も、保護者は協力的であるということが言えます。ただし、役員を決める際に、公立保育園の方は、どちらかというと、保護者みずからが手を挙げないというふうな風潮の中、ある民間園では、保護者みずからの申し出により役員になるということ、積極的なそういった保護者の声があるということは聞き及んでおります。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) もう少し、突っ込むというんですか、もう1問、角度を変えて質問させていただきます。
同じく公・民比較して、保護者の無理難題ですね、このことはどうでしょうか。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 無理難題、今流でいえばモンスター・ペアレント、保護者の理不尽な要求ということでございますけれども、公・民比較してということで、確かに無理難題を訴える保護者は以前と比べて非常に多くなっております。公に偏るとか、民に偏るかと、そういったことはございません。公・民とも、同じように保護者の方から無理難題の要求はあります。ただ、具体例を申し上げますけども、公立の幼稚園、保育園での出来事ではございますけども、園長を年度の途中に他の園に異動させてほしいだとか、また、担任の保育士をやめさせてほしいとか、そういった保護者の方からの無理難題はございました。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) そうですか。公・民、無理難題があるということで、実は、民間幼稚園の園長さん、理事長さんにお会いして、このこと、実は確認とったんですよ。そうしたら、その民間幼稚園では、保護者の無理難題は何もないと、こういうような非常に拍子抜けするようなお話を聞いておるんですが、それはそれでいいでしょう。
もう1点、滞納が、本年の9月議会ですか、決算委員会で、かなり滞納があるということで私も切り抜きを持っておるわけなんですが、民間の園ですね、民間園で滞納が発生した場合、この負担最終責任というのはどこにあるか。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 先ほど、佐野議員がおっしゃられたように、認定こども園は直接契約ということになってございますので、翼幼保園を除いて、保育園については、公立も民間も最終責任は市であると考えております。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) そうすると、いわゆる保護者と直接契約しておる園、民間園ですね、この場合は、民間園の責任と、そして、それ以外の場合は市の責任と、こういうふうに理解すればいいのかなというふうに思いますが、もう1点質問します。
同じような考え方で質問でありますが、民間園で園児の事故が発生した場合、この最終責任というのはどこが持つべきか。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 最終な責任なところは民間にあるというふうに考えております。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) 少し今度は金銭的なお話に移りますが、保育料、これを年間保育料ですね、これを公・民比較するとどうなるかと。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 保育料の関係でございますけども、保育園の保育料は、公立、民間ともに、保育の実施責任は市ということになっておりますので、同じでございます。ただし、翼幼保園につきましては、認定こども園でございますので、設置者が保育料を定めることができるというふうにされておりますけども、現在は、ほかの公立、民間保育園と翼幼保園とは同額でございます。
一方、幼稚園の授業料につきましては、公立と民間とでは、授業料を初め、入園料の有無など、大きな差がございます。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) そうすると、今の答弁から考えると、いわゆる、保育園に関しては、公立も、あるいは民間ですね、これも同じということですと、本来的にいうと、保護者が保育園を選ぶときというのは、一つの考え方として、近くの保育園を選ぶということもあり得るわけなんですが、今、多分、大方そういうような形になっておろうかと思うんですが、本質的に、いわゆる子供のことを考えると、保育の質で、保育園を選ぶというのが、本来の考え方なのかなというふうに思いますが、この辺は、もう少し行政としてPrされた方がいいのではないかなと思います。
次に財政的な面から伺いますが、よしいけ保育園、それからひかり幼稚園、それから翼幼保園ですね、この3園に対する初期投資ですね。これの、それぞれ本市の持ち出し金額というのは、どの程度か。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) よしいけ、ひかり、翼幼保園、それぞれの初期投資の持ち出しということでございますけれども、よしいけ保育園とひかり幼稚園の整備に対しましては、私どもの初期投資はございません。しかし、翼幼保園に対する持ち出しにつきましては、2億5,091万5,000円ということになっております。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) そうすると、あれですか。翼幼保園ですね、これだけには出ておるという、今、答弁だったと思うんですが、非常にちょっと理解しにくいというのか、おかしいなと思うんですが、このことは、もう少し後で再度お尋ねします。
次の質問ですが、公立幼稚園1園当たりの一般財源からの持ち出し及び園児1人当たりの本市が負担するコストですね、このことについて。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 平成17年度の決算で申し上げますけども、1園当たり3,525万、約でございますけども、それと園児1人当たりの負担コストにつきましては、年間で約19万6,000円というのが、公立幼稚園1園当たりのコストでございます。
以上でございます。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) それでは、同じく民間幼稚園ですね、これの持ち出しについても。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 民間幼稚園の持ち出しでございますけども、民間の幼稚園は、先ほど来、申し上げておりますけども、民間の保育園と異なって県の所管でございます。このため、本市の民間幼稚園に対する持ち出しにつきましては、就園奨励費補助金のみでございます。
平成18年度の決算で、高浜ひかり幼稚園に対する本市の持ち出しにつきましては、就園奨励費、これは、国庫補助金をいただいておりますので、持ち出しにつきましては430万6,000円という金額でございます。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) そうすると、あれですね。先ほど、1園当たり3,500万強という答弁で、今の場合がひかりですか。これが700万円強という答弁ですが、そうしますと、じゃあ、もう1点、公立保育園の1園当たりの、同じく本市の持ち出しと、1人当たりの園児コストですね。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 公立保育園の1園当たりの本市の負担額につきましては、これも17年度決算でございますけども、約7,615万円で、園児1人当たりのコストにつきましては、年間約56万1,000円ということでございます。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) それじゃあ、もう1点、同様に、民間保育園の1園に対する本市の負担額と、1人当たりコスト、このことについて。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 民間保育園の1園当たりの本市の負担額ということでございますけれども、これも平成17年度決算でございますけども、約4,516万、園児1人当たりにつきましては、年間で約36万1,000円でございます。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) 今までの答弁からすると、民間幼稚園には大した補助はしていないと。それから、保育園については、公と民間では、財政負担ですね、これも非常に負担差があるということになろうかと思うんですが、そうしますと、次の質問に移りますが、民間幼稚園は、市外からも通園しているので、1人当たりコストの算定はできないだろうと思いますが、就園奨励補助金ですね、この1人当たり額についても、計算もしできておれば。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 先ほど御答弁させていただきましたように、高浜ひかり幼稚園には、市内から159人の方が入ってみえます。就園奨励費補助金は、430万6,000円ということになっておりますので、高浜市の園児1人当たりのコストにつきましては、約2万7,000円になります。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) それじゃあ、先ほどの質問で、後ほどお尋ねすると言ったことをお尋ねしますが、翼幼保園には補助金が出ており、ほかは補助金が出てないというのが、非常に理解しにくいんですが、これには何か理由があるだろうと、国の何やらとか、このことについて説明を。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 補助の関係でございますけども、よしいけ保育園に対しましては、高浜市、本市からの初期投資はございません。しかし、このときには、国からの補助が2分の1、県からの補助が4分の1、これは直接、法人さんがいただいております。ひかり幼稚園につきましては、県の所管でございますので、市からの補助はございませんでした。翼幼保園に対する補助でございますけれども、基本的には、よしいけ保育園の国・県をイメージしていると、翼幼保園の場合には、直接園の方には入らないと、市を通じてということでございますので、市の方がよしいけをイメージして4分の3という補助率を設定と。ただし、これに加えて翼幼保園は児童クラブもプラスアルファで行っておりますので、そういったものをプラスアルファして補助額を設定させていただいたということでございます。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) ひかり幼稚園の件ですね。ここで少し矛盾に感じるというんですか、念押し質問になるかもしれません。いわゆる、今度、来年6月開園になるんですかね。ひかり幼稚園が幼稚園に加えて保育園もと、これで幼保園になるんだろうと思うんですが、今、これからですか、工事を進めていかれておると思うんですが、これに対して、私が理事長から聞いたのは、学校法人が保育園をつくる場合、国からの補助はないと、こんなふうに聞いておるんですが、このことは事実なんですか。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 学校法人が保育園を整備する場合には、国の補助金というものはございません。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) ああ、そうですか。何か、私たちが普通に聞くと、ちょっとおかしな話だなと。というのは、先ほどの答弁でもありましたんですが、国としては幼保園を進めておるということですが、そうすると今の答弁から判断すると、厚労省は補助金を出すけど、文部科学省からは出さないと、こういうことになろうかと思いますが、次の質問に入ります。
国、県の補助金というのは、民間保育園には出てくるが、公立保育園には出てこないと、確か南部のときですかね。3年ぐらい前に聞いたような記憶があるんですが、これは今でもそうなんですか。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 佐野議員が言われたように、民間保育園につきましては、整備費の補助も、それと保育所運営費の負担金もございません。ごめんなさい。民間保育園につきましては、整備費の補助も、それと保育所運営費の負担金もございます。それから、公立保育園には、整備費の補助はもちろん、平成16年度の三位一体改革に伴いまして、公立保育所の運営費は一般財源化されておりますので、運営費の補助もないということになります。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) じゃあ、単刀直入に伺いますよ。今までの答弁を全部総合すると、特に国の補助金とか、そういうことから考えると、いわゆる国の方針としては、公立園なんかつくらんでもいいと、いわゆる、行政は、園はつくらんでもいいと、全部、民に任せてしまえと、こういうふうに言っとるように聞こえてくるんですけど、この理解でいいのかどうか。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 公立幼稚園はつくらなくてもよいのではなく、整備費の補助や運営費の補助がないということを、今、申し上げました。したがいまして、つくりづらい状況ではあると認識しております。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) 非常に、うまい答弁だね、つくりづらい状況というのは。確かにこれが官僚答弁というんでしょうか。恐らく、私たちが考えると、国は意図的に今、グループリーダーの答弁のつくりづらい状況に追い込んどるんではないかというふうに、私たちは、ずばっと言っちゃうんですが、続いてもう1点伺います。
今の高浜市の公立各園ですね。公の方の公立各園の耐用残存年数、これがどの程度あるのかどうか。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 耐用残存年数でございますけども、まず、残年数の考え方というのは、財産処分制限期間によるものと減価償却資産の耐用年数によるものということがあると思います。ここでは、減価償却資産の耐用年数の残年数を申し上げます。
初めに、公立保育園の残年数でございますけども、吉浜北部保育園が29年、吉浜保育園が34年、高取保育園が17年、中央保育園が31年でございます。一方、公立幼稚園の残年数につきましては、高浜幼稚園が30年、高浜南部幼稚園が18年、吉浜幼稚園と高取幼稚園は既に耐用年数を過ぎております。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) 先ほど、市長の答弁で、金利の高いものから繰り上げ返済5億円、これは減債基金から充てられるというような考えであると。しかし、先行きは多少不透明の面もあるからというようなことをおっしゃってみえたんですが、きょうの日経ですね、これで、中部の経済は、ほぼゼロベースになるんじゃないかというようなことが出ておりましたね。これと、それから、先ほど市長もおっしゃってみえた法人県税ですか、これのプール制、こういうようなことも、ちょっと加味した上で質問したいんですが、ずっと今までのグループリーダーの答弁からずっと判断してくると、質、幼稚園、保育園ですね、これの質が一番大事だと思うんですが、この質がしっかり担保されれば、財政上としては、これは民間に任せた方が、はるかに有利と、こういうふうに私は思うんですが、この辺について意見を伺いたいと思います。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 御示唆のとおり、財政上の観点から申し上げれば、民間に任せた方がはるかに有利であると認識しております。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) じゃあ、もう一回、もう1点ですね、昨年の決算委員会に絡んだことを質問いたします。昨年の決算委員会で整備計画及び民営化計画について、内部検討会の中間報告が12月中旬、つまり今月の中旬ですね、答申されると。しかし、公表できないというような答弁をされたと思うんですが、これについて、何か、ちょっと理由をしっかり説明していただきたいんですが。
議長(森 英男) こども未来部長。
こども未来部長(前川 進) 今、私どもが進めておりますプロジェクトの方で策定中でございまして、その中間報告につきましては、12月中旬ごろに報告できるかなというような計画で進めておりますが、この報告につきましては、あくまでもプロジェクト委員会の報告でありまして、内部資料、市の方の方針決定の際の内部資料ということから、報告書の公表はできないというように考えております。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) じゃあ、今の件はわかりましたが、しかし、近未来ですね、近い将来、そういうのを公表しても構わないよというような、可能な状態になった場合には、議員の方にも早くに示すよう、これは要望であります。
それから、もう一つずばっとお尋ねします。いわゆる延長保育事業とか、あるいは一時保育事業、あるいは特定保育事業、こういうものがさらに拡充したり、あるいは休日保育事業などですね、こういったような各種の保育サービスへのニーズが、民間のニーズですね、市民あるいは国民のニーズが非常に増大しておると、こういうものに柔軟に対応していく必要があると思うんですが、いわゆる、ずばっと言っちゃうとこうで、本当にこういうことに対応できていくのか、このことについて。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 延長保育や一時保育、いわゆる特別保育の実施に際して、公でできるかと、こう御質問でございますけれども、できる、できないで申し上げればできるというふうに考えております。しかしながら、全国的の流れの中、特別保育の拡充につきましては、機動性のある民間の方が公立よりも実施している頻度が高いということを考えれば、公では拡張しにくいというところがあるのかもということは考えております。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) 今の公でできるかというのは、別に僕は悪意があって言ったわけじゃないです。大変失礼したような質問になってしまいましたが、とりわけ悪意があるわけではありませんので。
質問します。これもちょっと質に絡んだことなんですが、文科省ですね、これが05年に公立小・中学校、これに学校評価を行うためのガイドラインですね、こういうものを作成しておるわけですが、就学前教育に保護者の、今、特に関心が集まっており、ということで、質の向上をねらって、幼稚園を評価できるような共通基準ですね、ガイドラインですね、これをつくるというふうに聞いておるんですが、これはいつごろ公表される予定かわかっておれば。
議長(森 英男) 子育て施設グループ。
子育て施設G(鵜殿 巌) 御質問のとおり、学校教育法の施行規則等の一部を改正する省令が本年10月30日に公布されております。この中におきまして、幼稚園においても、義務教育と同様に学校評価を行うように示されております。しかしながら、先月でございますけども11月8日付で文部科学省から通知が来ております。それでよりますと、幼稚園のガイドラインにつきましては、今後、策定する予定はあるけれども、公表の時期は未定だということでございます。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) わかりました。
今まで財政上の問題を特にクローズアップして質問してきたわけなんですが、保育の質というのは、私も再々申し上げておるように、非常に大事であろうというふうに思っておるわけですが、そういう意味で、いわゆる、一つは幼保園も公でやってもいいのかなというふうな、私個人では思っておりますが、まあ、ちょっとこの問題は、思っておりますぐらいで、やめておきます。
それと、もう一つは、高浜市にある民間園ですね。私なりに、この質問をするに当たって、いろいろ調査、聞き取りをやってまいったわけでありますけど、私個人としては、非常によい民間園の印象を、今度の調査、聞き取りで持っております。そこで、今回の質問の一番核の部分、ここを質問させていただきます。
内部検討会ですね、これも答申前というようなことで、答申しづらいという面もあるかもしれませんが、幼稚園ですね、あるいは保育園の民営化ですね。これを検討するということは、私は避けて通れないのではないかなというふうに考えておりますが、当局の意見を伺いたいと思います。
議長(森 英男) こども未来部長。
こども未来部長(前川 進) 御質問の民営化についてでございますが、既に御存じのとおり、市民委員を含めて策定報告しました高浜子育ち・子育て応援計画や高浜市子育ち・子育て応援環境整備計画に民営化のことにつきましては明確に位置づけられております。
また、佐野議員も御存じのとおり、これまでの議会答弁につきましても、財政上の観点、先ほど言いました特別保育の実施状況、本市での民営化した保育所の実績などから、幼稚園・保育園の民営化を検討することは避けて通れないものと考えており、現在、私どもが検討しておりますプロジェクトチームにつきましても、整備計画につきましては、民営化を含めまして、現在、検討しておるところでございますので、御理解いただきたい。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) それでは、今から、私がさせていただく質問というのは、私の老婆心から出る質問だと、このようにあえての質問だというふうに御理解いただきたいと思いますが、実は、十分に、民営化移行する場合、十分に説明しないで早急な民営化ですね、こういうことをすると違法というような判例が出ておりますが、このことは当局として、承知しておりますか。
議長(森 英男) こども未来部長。
こども未来部長(前川 進) 私どもの方は常に他市の状況等の収集にも励んでおりまして、よく承知しておることでございます。横浜市が2004年に四つの公立保育園を民営化した際、4園の保護者が全職員が入れかわり、保育環境が激変するということで訴えを起こしております。それで、2006年の4月に違法との判決が下されておることは十分承知しておりますので、承知をしておりながら必要であるということで、今後、検討していくということの考え方でございます。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) ちょっと、つけ加えさせていただきますと、今の答弁の横浜ですね、横浜市ですね。これは実は、民間、民間って、確かに民間なんですけど、これ、社協に移そうとしてやられておるんですよね。だから、この辺もちょっと頭に入れておいていただきたいなと。それからもう1点は、つい最近ですかね。神戸市ですね、神戸市も仮差しとめですね、この請求がなされて、請求オーケーになっちゃったんですね、裁判の方で。で、今、神戸市は控訴しておると、こういうような事態も起きておりますので、いわゆる情報の開示というのができる限り、早くやった方がいいのかなというふうに思います。
それから、ちょっと私の個人意見、思いがありますので、質問、思いを兼ねて質問させていただきますが、先ほどから申し上げておるように、すべての園を全部民間にと、いわゆるこういうことは、私は余り好ましくないと。いわゆる高浜市のすべての園をすべて民間にしちゃうというのは、余り好ましくないよと。やっぱり公立園には公立園の役割というのがあると思うんですよ。これは、私なりに三つ持っておるわけなんですが、まず一つ目に保育現場の情報ですね、これを保育行政に反映させるための情報収集の拠点ですね。こういう役割というのが公の園にあると思うんですよね。
それから、二つ目に、配慮とか、それから適切な対応が求められる、こういった児童の保育です。こういう児童に対する保育、これに対する先導的な役割、やっぱりこういうものも公が考えていかなきゃならないんじゃないかと。
それから、三つ目に、これは新聞にも出ておりますね。地域の子育て支援というのが最近言われておりますね。そういった意味で地域の子育て支援としての、拠点施設としての役割が、私はあるだろうと、この三つの点を担っていかなければならない、こういうふうに考えるところから、すべての園を全部民営化しちゃうというのは、好もしくないというふうに私は思っておりますが、当局としての意見を伺います。
議長(森 英男) こども未来部長。
こども未来部長(前川 進) 佐野議員が言われるとおり、私も実はそのように思っております。高浜市全体の保育の質を向上させるためには、すべての公立保育園、幼稚園を民営化するのではなく、公立としての役割は非常に重要でありますので、とりわけ、公立はこれまで、数十年にわたり保育現場を支えてきております。情報も含めてスキル的なノウハウを十分に持っております。また、民間においては、機動性や柔軟な姿勢、マネジメント能力などを兼ね備えております。こうした公立のよいところを民間に、民間のよいところを公立に取り入れていくことが肝要と思います。このことが、本市全体の保育の質の向上に結びつくものと確信しております。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) そろそろ、時間も迫ってきておりますので、まとめ的な質問になりますが、いわゆる財政上は明らかに有利と。それから、先ほど来から申し上げておる質も担保されると。あるいは現状の民間園は質も既に担保されておるというようなことでありますので、まとめの質問をしたいんですけど、先ほど、あえて、耐用年数、既存の公立の園の耐用年数というのをお尋ねしたわけなんですが、先ほどの答弁からも、公立の保育園については、ほとんどの施設が経年劣化が激しくなってきておると、そういうことで、これから多くの施設で改修、あるいは設備の整備ですね。これらが必要になってくるかと思います。これらの施設の建てかえ、あるいは民営化、こういうことをやられるときに、あるいはやられることも念頭に置いて、あるいは劣化していない園であっても、指定管理者なんかの手法を使われるかもしれませんが、そういうときに、とりわけ入所定員の増加ですね、これを図るような指導というんですか、お願いと言う方が正しいのかもしれませんが、そういった意味で待機児童の解消に努める、そのほか、サービスの当然、質、量、こういうことの充実ですね。こういうことが必要になろうかと思います。私はそんなふうに思うんですが、当局はどのような考えを持ってみえるか。
議長(森 英男) こども未来部長。
こども未来部長(前川 進) これまで、保育所の民営化につきましては、2園を実施しております。高浜南部保育園とよしいけ保育園、いずれも建てかえの際、または建てかえを条件にしておりますことは事実でございます。したがいまして、御質問いただきましたように、民営化を機に施設整備を行う方法も手法の一つではありますが、建てかえることなく既存の施設の民営化を図り、保育サービスの質・量を充実させる方法など、今後、幅広く考えてまいりたいと思いますので、御理解いただくよう、お願い申し上げます。
議長(森 英男) 7番、佐野議員。
7番(佐野勝已) ありがとうございました。
先ほど申し上げましたように、今回の質問をするに当たって、民間園のいろいろ、私、調査しました。その中で、一つ、感じたことが、いわゆる園と園の連携ですね。複数園、こういうことが非常に大事だなと、現にもう、やってみえる園も、ダイナミックにやってみえる園もあります。園と園の連携、単に人事交流だけじゃなくて、あるいは人事交流も含めて、園と園の連携ですね。こういったようなことも、やはり考えていくべきじゃないか、誘致するときに考えておくべきじゃないか、こんなようなことを思っておりますので、このことを申し上げて質問を終わります。
議長(森 英男) 暫時休憩いたします。再開は15時10分。
後藤副市長。
副市長(後藤泰正) ちょっと、1点補足をさせていただきます。
先ほど、民営化の際に、私ども、よしいけ保育園も、そして南部保育園にもそうですが、事前に在園児の保護者の方、あるいは地域の皆さん方にも、あるいは、無論、議会を初めでございますが、あらかじめ十分皆さん方に御報告をさせていただき、その合意を得た上で実施をしております。今後も民営化を図る上では、できるだけ市民の皆さん方に早く情報を出させていただいて、皆さんの合意を得た上で実施をしていきたいと、このように考えておりますので、御理解をいただくようにお願いを申し上げまして答弁とさせていただきます。
議長(森 英男) 暫時休憩いたします。再開は15時15分。
〔午後3時04分休憩〕
〔午後3時15分再開〕
議長(森 英男) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、17番、小嶋克文議員。
一つ、公共施設にAEDの早期設置を。一つ、全国学力・学習状況調査の実施について。以上、2問についての質問を許します。
17番、小嶋克文議員。
〔17番 小嶋克文 登壇〕
17番(小嶋克文) 通告の順に従いまして2問質問をさせていただきます。初めに、「公共施設にAEDの早期設置を」について、質問をいたします。
10月14日、安城市の中学校で行われましたバスケットボールの試合中、突然、男性の選手が倒れ、心肺停止状態になる出来事がありました。この男性は居合わせた病院職員と会社員の2人によってすぐ心臓マッサージを受けるとともに、職員室に設置されていたAEDで電気ショックを与えたところ、男性は意識を回復し、無事一命を取りとめることができたそうであります。
AED自動体外式除細動器の公共施設における早期設置は、平成17年の6月議会においても一般質問をさせていただきました。1点目として現在、高浜市の施設には、いきいき広場と市役所にAEDがそれぞれ1台設置されていますが、さらなる公共施設の設置を望むところです。今後の設置計画についてお伺いいたします。
9月2日、市内全域で防災訓練が行われました。南中学校においても、高浜南部まちづくり協議会の主催で防災訓練が行われました。発電機の始動、水槽の組み立て、簡易トイレの組み立て、消化器による消火訓練などとともに、ことしはAEDを使用しての救命講習も行われました。
昨年の3月26日、市民センターにおいて公明党高浜支部の主催でAEDを用いた救命講習を行いました。当日は、衣浦東部広域連合局高浜消防署の救急隊員の方が指導に当たってくださりました。AEDそのものがわからない参加者が大半でした。初めはテキストを使ってAEDについて詳しく説明していただきました。その後、5人から6人のグループに分かれて、取り扱いの方法を教えてもらいました。初めて見るAEDを前に戸惑っていた参加者も、隊員の方の丁寧な説明で、参加者全員が、最後にはAEDを取り扱えるようになりました。
そこで、2点目として、前回の質問のときに、普通救命講習及び上級救命講習のカリキュラムにAEDの取り扱いも組み込まれていることから、AEDの設置には、まずは応急手当の一般的な知識の習得として講習を受講するなど、AEDを取り扱う環境整備をすることが急務ではないかと答弁がございました。答弁のとおり、AEDが設置されていても講習を受けていなければ、心臓停止の人の前ではパニック状態になってしまって、AEDを正確に素早く使うことは大変むずかしいと思います。答弁にあった環境整備の点については、どのような現状でしょうか。市の職員においては、このAEDの講習を受けている方はどのくらいみえるでしょうか。防災訓練でAEDの講習がありましたが、町内会など各種団体など、どのくらいの方が、その後、AEDを使用しての講習を受けているのでしょうか。
また、学校現場における取り組みにおいても、前回の質問においては、通達とか指導については承知はしていないとの答弁がございましたが、学校ではどのくらいの先生方が講習を受けてみえるでしょうか。
3点目として、少年野球やサッカーなどの監督やコーチなどスポーツ指導者の救命講習受講の実態についてお伺いいたします。
ことし、大阪にある名門高校野球部の練習に参加していた中学生がボールが体に当たり死亡するという事故がありました。死因は胸にボールが当たったことによる心臓振盪の可能性があると言われております。現場で懸命に心臓蘇生が行われましたが、救急隊が到着したのが10分後だったそうです。仮に、倒れた原因が心臓振盪だとすると、心臓は心室細動が起こっている可能性が大きく、もし、現場にAEDがあれば助かった可能性が大きかったと言われています。ことしの春先、やはり、同じ大阪で行われた高校野球の試合中にボールが胸に当たり、1人の選手が倒れました。しかし、このときは、グラウンドにAEDがあり、すぐ使用され、一命を取りとめることができました。この選手は夏の大会にも無事出場することができたそうであります。
この心臓振盪というのは、心振盪とも呼ばれており、肋骨や胸骨が折れるとか、心臓の筋肉が損傷されるなどの重大な障害によって起こるものでなく、あるタイミングで心臓の真上に野球などのかたいボールやバットなどが当たると起こるもので、心臓のけいれんである心室細動による心停止ということができます。心室細動の治療方法は電気ショックによる除細動しかありません。こうした事故を通して、スポーツ関係者の多くが心臓振盪という存在を知り、AEDの必要性を認識したと聞いております。
以上の出来事からも、少年野球などの監督、コーチなどの指導者の方のAEDの使用方法も含めた第1次救命措置ができるかどうかが非常に大事であります。また、こうした死亡事故を未然に防ぐためにも、AEDの練習会場、または試合会場への持ち込みも大事なことであると思います。
次に、2問目として、全国学力・学習状況調査の実施についてお尋ねいたします。ことしの4月24日に、約43年ぶりに小学6年生と中学3年生を対象にした全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストが行われ、その結果が10月24日に公表されました。今回の全国学力テストには犬山市を除く、すべての国公立と約6割の私立学校が参加し、全国で約222万人の児童・生徒が受験しました。
公表されました全国学力テストの結果では、基礎的な知識はあるが実生活での活用は苦手であるという子供たちの実態が浮かび上がってきました。発表された県別の正答率を見ると、秋田、富山、福井県の正答率が高く、逆に大阪府、沖縄県の正答率が低いという結果が出ておりました。今回、行われましたこの全国学力テストについて3点質問させていただきます。
1点目として、今回行われた全国学力テストの調査の背景には、ゆとり教育の見直しを求める声が一因として存在すると言われております。また、調査の対象を全員とすることについては、過度の競走をあおり、市町村、学校の序列化を招くおそれがあるので、サンプル調査でも十分であるなどの慎重論もありました。今回実施された全国学力テストの意義をどのようにとらえているのでしょうか。また、学力テストとあわせて実施された学習状況調査にはどのような項目があるのでしょうか。
2点目として、先日、豊田市が今回の全国学力テストの結果を新聞紙上でその一部を公表しましたが、高浜市においては、全国学力テストの結果について公表を検討しているのかを伺いたいと思います。新聞には全国の都道府県別の平均正答率が発表されていますが、各学校にはどのようなデータが送られているのでしょうか。
全国学力テストの結果発表を受け、市町村レベルの分析データ公表に踏み切る自治体は、全体の2割ほどと聞いております。公表内容にいわゆる点数に当たる平均正答率を上げた教育委員会は皆無であるそうです。これは、自治体別などの点数公表で地域や学校間の学力格差が鮮明となり、序列化につながることを警戒しているからと思います。とはいえ、約77億円の税金を投入して実施したテストであるだけに、各教育委員会には保護者の方に何らかの形で説明する責任があると思います。
3点目として、今回の学力テストにおいては、学力はもちろんのこと、学習環境や生活習慣など膨大なデータが集められました。これを詳細に分析し、義務教育の水準からこぼれる子供をすくい上げる手だてを真剣に考えなければならないと思います。全国学力調査の結果がよくなかった大阪府では、11月6日に文部科学省を訪れ、少人数指導など学力向上に向けた取り組みに必要な教員の増員などを求めるとともに、学力向上を目的にした特別チームを設置する方針で財政的な支援も要望しております。各項目にわたって正答率が低かった沖縄県も文部科学省に学力向上への支援を求めております。
愛知県においても、県の教育委員会で既に設置してある検証改善委員会などで、今回の結果を詳しく分析すると聞いております。高浜市においては、今回の全国学力テストの結果について、どのように受けとめているのでしょうか。とともに、この調査結果を踏まえ、子供たちの学力向上、学習環境改善のために、今後どのように取り組んでいくのでしょうか。
以上で1回目の質問を終了します。
〔17番 小嶋克文 降壇〕
議長(森 英男) 地域協働部長。
〔地域協働部長 大竹利彰 登壇〕
地域協働部長(大竹利彰) それでは、小嶋議員の1問目「公共施設にAEDの早期設置を」についてお答えいたします。
初めに(1)AEDの設置計画についてお答えいたします。
厚生労働省は、平成16年7月1日、一般市民によるAEDの使用が可能とする意見を示し、以降、自治体や企業による公共施設や集客施設へのAEDの設置が進められるようになりました。
高浜市におきましては、先ほど、小嶋議員、言われましたけれども、17年の6月議会で小嶋議員の一般質問に対し、将来的に大勢の人が集まる施設へ整備していくことが必要で、緊急性、必要度等を検討してまいりたいとお答えいたしております。
当市といたしましては、公共施設への配置基準として、どのような状態の人がみえるのかわからないという点で、不特定多数の人が集まる施設、大勢の人が集まる施設、体を動かすことを目的とする施設、災害時の避難所となる施設などへの設置が必要と考えております。
こうした観点から、平成18年1月には、財団法人2005年日本国際博覧会協会により寄附をいただいた1台をいきいき広場へ設置し、平成19年8月には、日本赤十字社愛知県支部の救護資材配備事業による1台を市役所玄関ホールへ設置いたしました。
現在、市内の公共施設にはこの2施設以外に、衣浦東部消防局高浜消防署、県立高浜高等技術専門校、県立高浜高等学校、翼幼稚園に配置されており、合計6台となっております。今後の予定といたしましては、平成20年度以降、基幹避難所である中学校・小学校等へ順次設置するとともに、各種行事・大会等への貸し出しにも対応できるよう計画をしてまいりたいと、そのように考えております。
次に、(2)救命講習受講の状況についてお答えいたします。
AEDは、心臓がけいれんし、血液を流すポンプ機能を失った状態になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常な動きを回復するための器械であります。そのため、コンピュータにより傷病者の心電図を自動的に解析し、電気ショックを必要とする心電図の波形を高い精度で判断する機能を持ち、電気ショックが必要な場合に限って、救助者に対して音声指示を出すようになっており、それ以外の場合には行われないよう安全性が確保されております。
しかしながら、安全性が確保されているといっても、高度な医療機器でありますので、救助者の不適切な使用によっては、トラブルが発生することも考えられます。また、患者が現実に目の前に倒れていることなど、物理的・精神的なことに原因して、実際の使用が簡単にはできないことも生じてきます。
そこで、先の厚生労働省の通達におきましても、救命の現場に居合わせてAEDを使用する一般市民が心停止者の安全を確保した上で、積極的に救命に取り組むことができるよう、AEDの使用に関する講習を勧奨することといたしております。
お尋ねのAEDに関する講習の状況でありますが、高浜消防署では、平成17年度は普通救命講習を10回、上級救命講習を2回、救急法講習を19回、普及員に対する講習を3回開催しており、全部で670名が参加いたしております。平成18年度は、普通救命講習を14回、上級救命講習を2回、救急法講習を24回、普及員に対する講習を1回開催し、全部で961名が参加いたしております。また、本年度は、年度途中でありますが、普通救命講習を9回、上級救命講習を1回、救急法講習を28回、普及員に対する講習を5回開催し、全部で1,160名が参加いたしております。
このうち、町内会につきましては、平成17年度は救急法講習に3町内会の71名が、平成18年度は救急法講習に4町内会の133名が、普通救命講習に2町内会の29名が、本年度は、救急法講習に3町内会の126名、普通救命講習に2町内会の42名が参加いたしております。
市職員につきましては、市役所を会場として、平成17年11月の普通救命講習で10名、平成18年度11月の普通救命講習で20名の計30名が受講しており、本年度につきましては、年明けに開催する予定となっております。
また、教職員につきましては、各学校を会場として、現職研修や、学校保健委員会で普通救命講習を実施しており、平成18年度は50名、本年度は124名が受講いたしております。また、これ以外にも、学校によっては学校医によるAEDの説明を受けているところもあります。
続きまして、(3)少年スポーツ指導者の救命講習受講状態についてお答えいたします。
少年スポーツを指導しておられる方々の救命講習の受講状況につきましては、高浜市体育協会、高浜市体育指導委員会に加盟されている各競技団体に確認をいたしたところ、AEDの有効性は十分認識されているものの、指導者として普通救命講習を受講された方は4名で、実際にAEDに触れたことのない方が大半でありました。
そこで、本市の社会体育施設の指定管理者であるNPO法人たかはまスポーツクラブでは、今年度、普通救命講習会の開催を計画し、クラブ会員や、登録スポーツ団体等に参加の働きかけをしていくとのことであります。
高浜市といたしましても、スポーツ関係者に普通救命講習を受講していただくことにより、今後、各種大会等へのAEDの貸し出しに対応できるような計画が進められると考えておりますので、よろしく御理解いただきますようお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
〔地域協働部長 大竹利彰 降壇〕
議長(森 英男) 教育長。
教育長(岸本和行) それでは、私の方から2問目の全国学力・学習状況調査の実施について、(1)全国学力・学習状況調査実施の意義について、(2)高浜市の全国学力・学習状況調査の結果公表について、(3)今後の取り組みについて、まず、初めに、(1)全国学力・学習状況調査実施の意義について、お答えをいたします。
この調査の意義は大きく二つございます。一つは、義務教育の機会均等や全国的な教育水準の維持向上の観点から、すべての児童・生徒の学習到達度を把握・分析することで、これまでに実施されてきた教育及び教育施策の成果と課題を検証し、施策の見直しや改善などに結びつけていくことでございます。
もう一つは、教育委員会及び学校などが、全国的な状況との関係における学力や学習環境、家庭における生活状況などを知り、その特徴や課題などを把握することで、教員の指導方法の改善や各児童・生徒の学習の改善につなげていくことであります。この二つのことを目的とし、4月24日に高浜市のすべての小・中学校において、小学校6年生と中学校3年生を対象として全国学力・学習状況調査を実施をいたしました。
次に、(2)番目の、高浜市の全国学力・学習状況調査の結果公表について御説明申し上げます。
まず初めに、高浜市教育委員会では、学力調査の結果の取り扱いにつきまして、愛知県教育委員会の考え方と同様に、市や各学校の平均正答数などの具体的な数字を公表することは、学校間や各市町間の序列化につながり、不当な評価や誤解を招き、この児童生徒に不利益を及ぼすおそれがあるため、数字的な公表はいたしません。市全体として、国語、算数・数学の学習において、よくできていた領域と課題がある領域について、小・中学校別に御報告をし、今後の学習指導にどのように生かしていくかを御報告を申し上げます。また、質問紙調査につきましては、高浜市の小・中学校の傾向をお知らせし、学校生活や家庭生活をどう見直していくかを御報告申し上げます。
公表の場といたしましては、12月15日発行の市の広報及び市の公式ホームページを考えております。各小・中学校からは、市教委の公表以後、学校便り及び各校のホームページにて、保護者に公表する予定でおります。
なお、今回の調査は、小学校6年と中学校3年の国語と算数・数学の学力調査及び質問紙調査です。したがって、測定できるのは、学力の特定の一部分であり、学校における教育活動の一側面にすぎないことを申し添えさせていただきます。
次に、公表予定の高浜市の小学校6年と中学校3年の学力調査の結果について御説明申し上げます。なお、広報では、紙面の関係上、個々の問題の対策については、省略いたしましたものを公表してまいります。
まず、小学校6年生の学力調査結果についてから御説明申し上げます。
国語につきましては、「話すこと聞くこと」「書くこと」「読むこと」「言語事項」の四つの領域がありますが、その中で、「言語事項」の領域がよくできておりました。一例を申し上げますと、文脈に適した接続語を選択することや、指示語の指し示す内容を選択することなどの問題がよくできておりました。言葉の決まりの学習がしっかりなされていた結果だと思われます。反面、「話すこと聞くこと」の領域について苦手である傾向にあります。話の要点を聞き取り、効率よくメモをとることや、複数の提案を聞き、内容を整理して司会を進めることなどについて課題があることがわかりました。朝の会や、帰りの会の1分間スピーチでは、聞き取りカードを活用させるなど、メモの取り方の指導を行うこと、さまざまな場面で司会ができるように、多くの児童が司会の経験を積むことができるように配慮していくことが大切であると考えております。
算数につきましては、「式と計算」「量と測定」「図形」「数量関係」の4領域があります。その中で、「式と計算」の領域はよく理解ができておりました。特に、繰り上がりのある加法の計算、整数と小数の乗法の計算、同分母の分数の減法の計算の問題についてよくできていました。課題がある領域は「量と測定」の領域で、例えば、平行な線で囲まれた図形を見出して、面積を比較して説明する問題に対して、理解が不十分でございました。面積を求めるための式や計算過程を書き、考える過程を明確にして、それを説明できるような指導を重視していく必要があります。
次に、中学校3年の学力調査の結果について御説明申し上げます。
中学校の国語では、4領域の中で「書くこと」に関する領域がよくできており、手紙の頭語、主文の書き出しの語についての理解がすぐれていました。反面、「言語事項」については、努力が必要となります。特に、文脈に即して漢字を正しく読むことに課題があり、朝の読書活動をさらに充実させることや、漢字の学習の効果的な学習方法を考えていく必要があります。
中学校の数学は、「式と計算」「図形」「数量関係」の3領域に分かれていますが、その中で、「数量関係」の領域はよくできておりました。特に総当たり戦の試合の総数を求める問題は、大変よく理解ができております。逆によくなかった領域は「図形」の領域で、例えば、円柱と円錐の体積を比較する問題がよくできておりませんでした。数学においても、実験や実測を通して、実感を伴いながら理解できるような授業の工夫が大切であると言えます。
ここで、A問題とB問題の結果について触れたいと思います。
全国的な傾向として、主に知識に関するA問題に比べ、活用に関するB問題の正答率が低く、活用力に問題があるという傾向が出ましたが、高浜市でも、知識と活用に関しては、同じような傾向にあります。小学校では、特にこの傾向が強くあらわれています。得た知識を生活の中で生かしていくことできるような学習が大切であることが明らかになりました。問題解決学習や総合的な学習の時間の充実など、みずから課題を見つけ、その課題解決に向けて粘り強く学習を進めていくことができるような学習過程の工夫を図るような指導が大切であると考えております。
次に、質問紙調査の結果について御報告申し上げます。
この調査につきましては、全国の状況と比較して、割合の高いものと低いものについて、代表的なものをお知らせします。
まず、小学校6年生の調査で、割合の高いものを申し上げます。
日常生活では、ふだん、月曜から金曜日までですが、ふだんにテレビ・ビデオ・DVDを見る時間が長いこと、また、起きる時間が早いことが特徴として上げられます。学校の授業では、総合学習の授業で新しいことを発見できると思っている児童が多いこと、算数の勉強が好きである、算数の授業がよくわかる、算数の授業で新しい問題に出会ったとき、それを解いてみたいと思う児童が多いことが上げられます。
割合の低いものとしては、学校が休みの日に勉強する時間、家で授業の復習をすること、家の人や学校の先生以外の大人の人から注意されること、地域の行事に参加すること、近所の人に出会ったときあいさつするがありました。
次に、中学校の3年生の調査の結果を報告します。割合の高かった項目は、生活では、ふだん、
これも、月曜日から金曜日までですが、1日当たりのテレビゲームやインターネットをする時間、携帯電話で通話やメールをする生徒が上げられ、学習面では、家で学校の予習をしている生徒、総合学習が好きな生徒、数学の勉強が好きな生徒が上げられます。逆に、割合の低かった項目は、学校が休みの日に勉強する時間、ふだん、家の人と朝食を一緒に食べている生徒、家で学校の授業の復習をしている生徒、近所の人に会ったときあいさつする生徒が上げられます。
最後に、これらの結果を受けまして、今後の取り組みについて御説明申し上げます。
教科に関する調査の結果を見てみますと、小学校では、国語の言語事項や算数の計算など、ドリル学習がよく行われ、基礎基本がよく身についていることがわかりました。今後も、このような反復練習を続け、小学校のうちにしっかりと基本的なことを身につけ、中学校での学習につなげられるよう指導していきたいと考えております。しかし、知識を活用する力には、課題があることがわかりました。問題解決的な学習の工夫や総合的な学習の時間の充実を図っていく必要があると考えております。中学校では、小学校とは反対に、漢字の読み書きなど、反復練習することも重視していかなければならないということがわかりました。
今まで述べた結果は、市全体の結果であり、当然、各学校によって課題は異なってまいります。現在、各学校で結果を分析し、課題を明らかにして、今後の学習指導に生かすための対策を考えておるところでございます。
質問紙調査では、小学校、中学校とも算数・数学の勉強が好きである児童・生徒が多く、各校での少人数指導が工夫を凝らして行われていることのあらわれだと思っております。しかし、生活面では、休日の勉強時間や、テレビの視聴、携帯電話の使用、復習する習慣など、家庭での生活を見直さなければならない点も出てきてまいりました。各学校と家庭や地域との連携を一層深め、児童・生徒の健やかな成長のために努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしく申し上げたいと思います。
議長(森 英男) 17番、小嶋克文議員。
17番(小嶋克文) どうもありがとうございました。
それでは、再質問させていただきます。1問目のAEDの設置につきましては、前回よりは、本当に、かなり進んだ答弁をいただきまして、どうもありがとうございました。ただ、1点、1点目の小・中学校並びに大会への貸し出しや、今、お話がありましたけども、例えば公民館とか町内会館、こういった施設への設置計画は、ちょっとこれも一つお伺いしたいと思います。
それから、指導者たちが、どのくらい受講しているかの点ですけども、かなり数字的に悪いので、かなり、これは、僕はびっくりしました、これは。本当であれば、やはり、一番肝心な、こういった監督とかコーチが、やはり、まずもって講習を受けるのが、僕は本来的であると思うんですけど、そういった意味で、今後、しっかり市の指導のもとに、本当に定期的に、こういった指導、要するに受講できるような体制というものを、これ、つくり上げていってもらいたいと思います。まず、そこまで1回目質問終わりです。
議長(森 英男) 地域協働部長。
地域協働部長(大竹利彰) まず、1点目の、町内会あるいは地区公民館ですね、そちらの方の設置の関係でありますが、実はつい最近、まちづくり協議会の方の来年度計画の中で、AEDに対する講習、救命講習等を地域としてやっていこうじゃないかと、今現在も、それぞれの町内会あるいはまち協等でもおやりになってはいますですけれども、来年度、今度、事業計画の中に、そういったことを、もっとしっかりやっていこうというような話があると。ですから、私どもとしましては、来年度の予算の方に向けて、地域の、そういった、いわゆる交付金等の手当の中で、そういった配備の予算を配分させていただき、例えば、まち協の方にそういうものを置いていただくことによって、地域の例えば大会だとかいったときに、それを貸し出してもらうような、そんなようなことを考えていこうじゃないかなと。だから、具体的に地区公民館の方に置くということは、それは逆に避けさせていただいて、何かあるときには、それを使っていただくような、そんなような施策にしたいなというふうに考えております。
それから、2点目のスポーツ指導者の方の話でありますが、これについては、Tscいわゆる高浜スポーツクラブの方と連携を密にして、より多くの講習を今後やっていっていただけるように、私どもの方としましても、協働でそのことについてはやってまいりたいというように思っております。
以上です。
議長(森 英男) 17番、小嶋議員。
17番(小嶋克文) それから、できれば、いろんな少年野球にしてもサッカーにしても、各クラブ、できれば各1台ずつ所有して、練習なり、それから大会なり、それを持ちこんでやるのが、本当はできれば望ましいわけであります。それで、ことしからAEDの設置に関して、国とか自治体の方から補助金が出るという、補助対象になっておるという、これは1台当たりの設置が約、1台当たりの設置費の6分の5が、要するに、これが補助になると、言ってみれば6分の1相当のお金で、自己負担で買えるということなんですけども、こういった補助を使って、例えば今言ったように、少年野球のクラブとか、またはサッカークラブがこういったAEDを購入することが可能であるかどうか、ちょっとこの点もお尋ねしたいと思います。
議長(森 英男) 地域協働部長。
地域協働部長(大竹利彰) しっかり、私の方も調べてないんですが、今、いろいろ見る限りでは、スポーツ施設という切り口での補助というものは、ちょっと難しい、なのかなという今ちょっと思いがしております。例えば、商店街近代化事業等の中で、商店街の中にというようなものは、国の中にもあったように思いますけれども、ちょっとそれは難しいのかなという、ちょっと思いがしております。
そのかわり、例えば日赤社等の救護材の整備事業という、そういったものもございますので、そういったものを活用する中で、できる限り、考えてまいりたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
17番(小嶋克文) ありがとうございます。
それでは、2問目の方に。
議長(森 英男) 17番、小嶋議員。
17番(小嶋克文) それでは、2問目の方の再質問に移らさせていただきます。
では、まず一つ、意義でございますけども、なぜ、一つは、この時期に、この学力テストが実施されたのか。それから、今回、学力とともに実施された学習状況調査から、高浜の子供の全体像、どのように浮かび上がってきたのか、その、まず2点をお願いいたします。
議長(森 英男) 学校経営グループ。
学校経営G(都築公人) まず、最初の、なぜこの時期に実施するのかという御質問ですが、さまざまな背景があると思いますが、平成16年末に公表されたPisaの国際的な学力調査で、日本の子供たちの読解力が大幅に低下するとともに、これまで最上位にあった数学や理科についても低下傾向であったということで、教育水準の確保と、機会均等などの責任を果たすためにも、全国的な検証が必要との判断で実施されることになったと理解しております。
それから、次の質問の高浜市の全体像ですか、ですが、一言で言えば、平均的な日本の子供たちだったと言えます。ただ、質問紙などの調査から言いますと、あえて申し上げれば、早起きなテレビっ子のIT好き、算数・数学や総合学習が好きで、休みの日まで復習中心の勉強を余りせず、近所の人に余りあいさつをしないシャイな子供っていうところではないかというふうに思っております。
議長(森 英男) 17番、小嶋議員。
17番(小嶋克文) 的確な表現、どうもありがとうございました。
それと、今回、さっき答弁もありましたけども、インターネットを通じて公表が一部、発表されるわけでありますけど、結果が公表されるわけでありますけども、それに伴って、学習状況調査など、この住民からの、恐らくテストの点に関してもあるかもわかりませんけども、こうした住民からの開示請求があった場合、対応についてお願いいたします。
議長(森 英男) 学校経営グループ。
学校経営G(都築公人) これについては、8月30日に教育委員会の方の臨時会を開催して議論しました結果、文部科学省や愛知県教育委員会の方針どおり、高浜市の結果ですとか、各学校の結果についても、序列化の心配のある請求については不開示の決定をさせていただくことになると思います。
以上でございます。
議長(森 英男) 17番、小嶋克文議員。
17番(小嶋克文) 今のこと、学習状況、要するに、ふだんの、何と言いますか、行いとか、そういったことも含めてですか、これは。
議長(森 英男) 学校経営グループ。
学校経営G(都築公人) 別に序列化の心配にならないものについては、そこで検討してまいりたいと思っています。
議長(森 英男) 17番、小嶋議員。
17番(小嶋克文) わかりました。
当然、いろんなマイナス面も、これはあるかと思いますけども、午前中に幸前議員の方からも質問がありましたように、やはり、学校というのは地域で、やはり支えていくものであるという、こういった一つの観点が大事かと思います。そういった意味では、でき得る限り、今言ったようなマイナス面が起こるものは、これはしようがないでしょうけども、できるだけ多くの情報というものを、住民の方に開示していただいて、そこから、私たちの学校は、こういう、今、状態にある、そこから新たな学校づくりをしていこうという、こういった機運も大事であると思います。そういった意味で、できるだけ多くの情報というものを、また開示できるような措置をとっていただきたいと思います。
あと、今回のテストにおきまして、中教審が主要教科の授業時間をふやして、言うならば、生きる力を育成するために始めた総合的な学習の時間を削減するという、こういった、何か答申の方向であるそうです。今回の学力テストの結果からも、知識活用に課題があるという、こういった結果が出ております。したがって、この知識活用を生活の中で伸ばすために設けられた、この総合学習の時間が削減されるのは、何か、今回の学力テストの結果から、ちょっと矛盾といいますか、何かこの学力テストの結果を見ていないんじゃないかと、こういうふうに思うわけですけども、この点に関してはどのようにお考えでしょうか。
議長(森 英男) 教育長。
教育長(岸本和行) まず、先ほどの公表の関係につきまして、当然、序列化、それから差別化にもつながらないような公表は、当然していきたいということで、それから、開かれた学校という、そういう一つの大きな目標があります。こういった意味でも、各学校では、自分のところの結果は公表してまいりますので、それはまた保護者等のやりとりの中で、十分、各学校が一つずつの課題について、そういった問題はやりとりをしていくことだというように考えております。
それから、最後の御質問でございますが、当然、今は、はっきりまだわかっておりませんが、新学習指導要領で総合的学習が、もし削減されたとするならばということでございますが、今の話に矛盾するではないか、当然、私もそう思うところはございます。ただ、文科省が今出しているいろんなものを見ておりますと、そういった場合でも、ほかの、いわゆる、ほかの他教科の中で、そういった観点を盛り込んだ指導形態に、新しい学習指導要領を考えておるということでございますので、そういった内容がきちっと出てくることを期待をいたしておりますし、また、もう一つ、生きる力というの、先ほどもありました、小嶋議員も御指摘ありましたように、やはり、これは、家庭、地域も含めてでの、学校だけではないということでございますので、そういったところで、子供たちが総合的にいろんなものが理解、発言、考え、行動できるような力をつけてもらうことだというふうに考えております。
議長(森 英男) 17番、小嶋議員。
17番(小嶋克文) 最後の質問になりますけども、学力テストの実施科目が、国語、算数あるいは数学になっております。そういった意味で、こうした科目を担当される先生方におきましては、本当に、何て言いますか、負担といいますか、やっぱりかなりの御苦労があるんじゃないかと思います。この点に関しまして、文部科学省とか愛知県の教育委員会が、調査で測定できるものは、ほんの学力の一部であると、このようには会見で話しておるわけでありますけども、やはり、一部であっても、やはり評価されるということに関しまして、この担当する先生方においては、非常に、今言ったように負担があるといいますか、特に責任感があれば、ある先生ほど、やっぱりこれを深刻に受けとめるんじゃないかと思います。そういった意味で、こうした先生に対して一つの学校全体としてどういうふうにカバーまたはサポートしていくのか。また、もう一つ、逆に、テスト対策に走ってしまって、本来の授業を、何て言いますか、ちょっとおろそかにして、本当にもうテスト対策に流されやすいことも、僕は心配できると思うんです。そういった点をどう見ていくかということを、ちょっと最後に質問させていただきます。
議長(森 英男) 教育長。
教育長(岸本和行) まず、基本的に、私どもも、各学校の今回のテストについての一つの流れのこの中で、あえて構えてこのためにということを申し上げては一切おりませんし、指導もいたしておりません。つまり、日常の学習活動の一つの中の流れの中のテストというとらえ方で、それで、図っていくことが大事であり、どこかでいろんなニュース、報道をうっとるような、いろんなそういったことを、私どもも指導もいたしておりませんし、各学校もそれぞれの、今回行われた教科の先生に、そういう負担を強いてということも、当然聞いておりませんし、そういう状況にはならない。ただ、どの教科もそうですが、子供たちに、やはりきちっとした指導をしているということは教師力向上のためにも、当然、必要なことで、それはすべての先生に共通する課題だというふうに考えております。
議長(森 英男) 17番、小嶋議員。
17番(小嶋克文) どうもありがとうございます。
以上で終わります。
議長(森 英男) これにて、小嶋克文議員の一般質問は終了いたしました。
皆さんにお諮りいたします。
次の質問者は小野田議員でございますけれども、70分という時間が確保できません。しかし、通告によりますと、小野田議員の質問時間は40分ということでございますので、皆さん方が、多少の時間、超過時間をお認めいただければ、次に進みたいと思いますが、御了承いただけますでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(森 英男) それでは、引き続き、次に、18番、小野田由紀子議員。
一つ、教育行政について。一つ、子育て支援事業について。以上、2問についての質問を許します。
18番、小野田由紀子議員。
〔18番 小野田由紀子 登壇〕
18番(小野田由紀子) 議長のお許しを得ましたので、通告の順に質問をさせていただきます。
初めに、教育行政について、1、特別支援教育の現況について、2、学校教育現場における発達支援システムの進みぐあいについて、お尋ねをいたします。
ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)、高機能自閉症などの児童・生徒たちに適切な指導を行う特別支援教育が、本年の4月から学校教育法に位置づけられ、本格的にスタートをしました。特別支援教育とは障害のある児童・生徒たちの自立や社会参加を支援するため、一人一人のニーズを把握し、児童・生徒たちが生活や学習の困難を改善、克服できるよう必要な教育を行うものでございます。
今まで、ADHD、LD、高機能自閉症の可能性のある児童・生徒に対する指導が教育現場で大きな課題になっていました。社会の無理解や偏見により、いじめの対象や不登校になるなど、さまざまな問題も抱えていました。今後は、このような現状から発達障害の児童・生徒への理解が深まり、教育現場を含め、地域への理解も広がり、高浜に生まれ育ち社会へ旅立つ自立に向けた支援が強化されていくものと大きな期待を寄せるものでございます。
本市におかれましては、森市長のローカルマニフェストの公約の目玉とも言える障害者施策が着々と実行をされております。一昔前では考えられなかった街の中心地に精神障害者の方を含む、3障害者のチャレンジサポートたかはまがオープンをしました。地域の方々の御理解がなければ、到底、実現できません。私も何度も訪問させていただきましたが、なごやかな雰囲気の中、皆さん熱心に作業をしてみえます。とてもいいお顔をしてみえました。
来年の4月には、エコハウスもオープンし、障害者の就労の場が拡大をされるわけです。閉じこもりがちな障害者が、もっともっと社会に参加し、地域の中で、どこに行ってもそのことが自然な光景となる日が来ることを心より願うものでございます。
先日、重度障害のお子さんを持つお母さんがお二人、我が家を訪れ、保育園に入園し、集団生活の中で、思いも寄らないような我が子の成長ぶりと、守る学校へ入学したことを御報告に見えました。重度の障害を持った我が子を保育園が受け入れてくださり、友達との思い出をたくさん積ませていただいたと、深く感謝をしてみえました。この思いをエネルギーにして、今後は「元気な子!障害を持ってる子!みんな集まれ!ハッピー・パワーきっずくらぶ」という障害児と親を対象にしました講座を開催していくと、今、その準備に奮闘してみえます。
特別支援教育につきましては、本市におかれましても本年度よりスタートしたわけでございます。平成18年の9月に質問をさせていただきましたが、高浜市特別支援教育連携協議会を4部会体制で進め、各校コーディネーターを中心に、支援体制の整備をしている。また、湖南市の発達支援システムを参考にし、パソコンの導入による個別カルテ等のネットワーク化を進めるため、生涯にわたって支援するための個別カルテと指導計画、支援計画を作成し、イントラネットの立ち上げに取り組んでいくと、大変心強い御答弁をいただきました。平成20年から実施するとのことでございましたが、その後の進捗の状況についてお尋ねいたします。
以上、2点のことについて、当局の意見をお伺いいたします。
次に、子育て支援事業について、1、0・1・2歳児の入園状況と、今後の動向について、2、今後の受け皿として家庭的保育の現況と、今後の取り組みについてお尋ねをいたします。
2006年の合計特殊出生率が1.32となり、過去最低を記録しました2005年の1月26日を上回ったことが厚生労働省が公表しました人口動態統計で判明しました。出生率が上昇したのは6年ぶりで、前年比0.06という上げ幅は39年ぶりの高い数字となります。出生率が今回上昇した原因の主なものは、(1)景気回復に伴い雇用が改善した、(2)婚姻数が増加した(同時に離婚数が減少)、(3)団塊ジュニア世代の女性を中心に出産がふえた、などが上げられています。
これまで、出生率が下がり続けてきた直接の原因は、晩婚化、晩産化や非婚化の進行などですが、国立社会保障人口問題研究所の全国調査によりますと、出産をためらう原因として、(1)子育て、教育にお金がかかり過ぎる、(2)高年齢出産は嫌、(3)育児の心理的、肉体的負担に耐えられない、(4)仕事に差し支える、(5)健康上の理由、(6)欲しいけどできない、などが上げられており、安心して産み育てられる環境が整えば、出生率が上昇する可能性が示されています。
欧米諸国でも、合計特殊出生率は1970年代以降、低下傾向をたどっていましたが、1990年代に入ってから全体的に上昇傾向を見せています。特にスウェーデンとフランスが注目されています。育児休業など、仕事と育児の両立支援、また児童手当など経済的支援の2本柱で手厚い対策を講じた結果、フランスでは出生率が1.65から2月01日に、スウェーデンでも1.50から1.75に回復をしました。両国とも、保育サービスも充実しており、スウェーデンでは通常の保育所のほかに、コミューン(県政府)の責任のもとで、家庭型保育所を運営し、フランスでは一定の要件を備えた認定保育ママが保育需要の多くを担っているとのことです。
我が国の現状を見てみますと、少子高齢社会の中、今後、ますます女性が社会へ出ていく流れが進むものと思います。スウェーデンやフランスでは、仕事と育児の両立支援に国を挙げて取り組んできましたが、ようやく、我が国でもワーク・ライフ・バランス、これは仕事と生活の調和のことですが、この推進が図られることとなりました。公明党も昨年の4月に発表しました少子社会トータルプランでは、仕事と生活の調和推進基本法の制定や、国を挙げて企業と国民が一体となった働き方改革の推進などを主張し、取り組んでまいりました。
ワーク・ライフ・バランスとは、だれもが仕事や家庭、生活、地域活動などを自分の希望どおりのバランスで行える状態を言います。個人が充実した人生を送るために、仕事と仕事以外の生活をうまく調和させることが必要ですし、今や、共働き世帯数が片働き世帯数を上回るなど、男女の働き方が大きく変わってきているものの家事や育児など、仕事との両立のバランスがまだまだ整っていません。
男性の長時間労働も改善が必要であったり、育児休業の見直しなど、今後、企業組織の経営戦略が問われる時代が来るのではと思います。真に、子供の笑顔が輝く社会が到来するよう、国、地方、企業が一帯となって取り組んでいかなければと思います。
先日も「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウム2007が本市で開催され、全国に本市の先進的な取り組みが紹介され、大きな反響を呼んだわけでございます。市長を初め関係各位の皆さん、心から御苦労さまでしたと申し上げさせていただきます。
そこで、本日は子育て支援の大きな柱であります保育サービスにつきましてお尋ねをいたします。
平成20年度の入園の申し込みも終了し、各園では来年の入園式に向け準備が着々と進んでいることと思います。総合施設も翼幼保園と平成20年度より、さらにひかり幼保園も開園をされます。保育園としての定員の拡大が図られたわけですが、このような中、特に0・1・2歳児の申し込みがとても多かったと伺いました。働く女性もふえ、また、幸い、他市から高浜市へ引っ越してみえる若い世帯の方も多く、保育園の需要も今後ふえていくのではと思います。
そこで、平成20年度の保育園への0・1・2歳児の入園状況につきまして、また今後の動向についてお尋ねをいたします。また、総合施設や保育園のほかに、本市では保育サービスとして家庭的保育事業も実施されており、保育サービスも充実をしております。現在「となりのおばちゃん」と「こっこママ」、「あいあい」の3カ所で0・1・2歳児の保育が行われています。各施設5名の定員ですが、こちらの方も定員いっぱいの状況とのことでございます。早期に対応していくためにも、家庭的保育事業の拡大をされてはいかがでしょうか。0・1・2歳児の保育サービスの今後の取り組みにつきまして、当局の意見をお尋ねいたします。
以上で、1回目の質問を終わります。
〔18番 小野田由紀子 降壇〕
議長(森 英男) こども未来部長。
〔こども未来部長 前川 進 登壇〕
こども未来部長(前川 進) それでは、小野田議員の2問目、子育て支援事業について、(1)0・1・2歳児の入園状況について、順番が逆になりますが、お答えをいたしたいと思います。
3歳児神話から時が経過し、社会構造や経済情勢が変わり、加えて子育てに対する親の意識が大きくさま変わりしている現代社会の中で、低年齢児の保育は社会ニーズとして必要不可欠の分野になってきております。このような中、低年齢児いわゆる3才児未満児を保育園で預かることの意義は大きく、その重責をひしひしと感じております。
御質問の0・1・2歳児の入園状況でありますが。本年11月1日現在の0歳児から2歳児の受け入れ可能人数と入園児童数を、まず申し上げます。
0歳児保育は、生後6カ月児からの乳児を対象とし、吉浜北部保育園及び高取保育園を除く、吉浜保育園を初め高浜南部保育園、中央保育園、よしいけ保育園、翼幼保園の5園で実施しております。市内全体での受け入れ可能人数39人に対して、入園児童数は39人であります。
1歳児及び2歳児は市内すべての園で受け入れを実施しており、1歳児が、市内全体の受け入れ可能人数92人に対して、入園児童数が89人、2歳児が受け入れ可能人数132人に対して129人であります。
このように、本年4月に認定こども園の翼幼保園を開設し、未満児の受け入れ枠を49人拡大したにもかかわらず、ほぼ空きがない状況であり、待機児童が発生しているのが現状であります。
次に、平成20年度の0歳児から2歳児の受け入れ人数と入園希望者数を申し上げます。
本年11月26日現在、0歳児は、市内全体の受け入れ人数48人に対して入園希望者数は30人であります。その内訳は、吉浜保育園が6人に対して4人、高浜南部保育園が6人に対して6人、よしいけ保育園が9人に対し8人、中央保育園が9人に対して7人、翼幼保園が9人に対して3人、(仮称)高浜ひかりこども園が9人に対して2人であります。
なお、(仮称)高浜ひかりこども園は、当初の予定では20年4月をめどに開設する予定でありましたが、諸般の事情により、6月にずれ込むことを設置者の学校法人昇龍学園から聞き及んでおります。このことは入園説明会や入園面接の際に保護者に十分周知し、その上で入園申し込みをいただいております。
1歳児は市内全体の受け入れ人数102人に対し、入園希望者数は97人であります。その内訳は、吉浜保育園が12人に対して12人、高取保育園が12人に対して12人、高浜南部保育園が12人に対して13人、よしいけ保育園が12人に対し14人、吉浜北部保育園が8人に対し7人、中央保育園が16人に対して18人、翼幼保園が15人に対して16人、(仮称)高浜ひかりこども園が15人に対して5人であります。
2歳児は市内全体の受け入れ人数150人に対し、入園希望者数は149人であります。その内訳は、吉浜保育園が12人に対して14人、高取保育園が18人に対して17人、高浜南部保育園が24人に対して23人、よしいけ保育園が22人に対し24人、吉浜北部保育園が18人に対して16人、中央保育園が18人に対して21人、翼幼保園が20人に対して24人、(仮称)高浜ひかりこども園が18人に対して10人であります。
このように、平成20年度の入園については、抽せん前でありますので、園によっては受け入れ人数を超えた入園希望者となっておりますが、仮に抽せんに外れたとしても、希望園への入園はかなわなくとも、(仮称)ひかりこども園が開設される6月には、入園希望者のすべての児童が保育園へ入園できることとなります。
1歳児及び2歳児の受け入れに関しては、これまで、高浜南部保育園や高取保育園に分園を設置したり、1クラスの受け入れ人数を拡大したりして待機児童対策を図ってまいりました。また、社会福祉法人や学校法人の協力を得て、本年度に翼幼保園を開設、平成20年度には(仮称)高浜ひかりこども園の開設を予定しているなど、保育所の整備を推進しているところでありますが、未満児の保育園へのニーズは高まる一方であります。
未満児の入園率が高まっている背景は、今年度から少子化対策の一環として実施した多子軽減の導入や、第3子保育料無料化が影響しているのではないかと推察されます。
今後の、未満児の受け入れ体制については、新設の保育所整備は、現時点では考えておりません。
この先の本市の出生率や乳幼児人口の伸び、入園率など不透明な部分もありますが、待機児童を発生させないため、既存の保育園、幼稚園を活用することも視野に入れてまいりますので、御理解くださるようお願いいたします。
続きまして、(2)今後の受け皿として、家庭的保育の現況と今後の取り組みついてお答えいたします。
国は0歳から2歳の保育園待機児童の解消を目指すため、平成12年度から保育士などが自宅等で預かる家庭的保育事業に乗り出しました。これによりますと、保育園に入れない子供をなくすため、各地で保育園の新設などが進んでおりますが、特に保育ニーズの高い低年齢児は受け入れが追いつかないということもあり、保育所の補う的役割として、家庭的保育を位置づけております。
当市では、子供や家庭を支援するために、とりわけ保育園の待機児童の多い生後6カ月から2歳児を対象とし、施設内でお預かりする家庭的保育事業を平成12年から実施しております。
平成12年6月に宅老所「悠々たかとり」内に「となりのおばちゃん」を開設し、同年10月には宅老所「こっこちゃん」内に「こっこママ」を開設いたしました。また、翌平成13年10月にはIT工房「くりっく」内に「あいあい」を開設し、市内3カ所で家庭的保育を実施しております。宅老所内やIT工房内にあることで、お年寄りや地域の方々との交流を行うとともに、家庭的な温かい雰囲気の中で子供をお預かりしております。
各家庭的保育のスタッフは、子育て経験があり、保育サポーター養成講座を修了した方が中心となって立ち上げていただいたもので、特に保育士等の資格を有する方ではなく、乳幼児の保育に熱意と理解があり、心身ともに健康な方々でローテーションを組んで運営をしていただいております。各施設定員5人に対し2人のスタッフで保育をしており、現在、利用者定員に余裕のない状況となっております。
引き続き、来年度も家庭的保育の利用を希望する方は「となりのおばちゃん」では3人、ひかりこども園開園までの間の利用が1人、「こっこママ」の利用者は1人、「あいあい」でも、ひかりこども園開園までの間の利用が1人と伺っておりますので、平成20年度当初では定員に余裕がある状況が予想されます。しかし、例年、年度途中で保育園に入園希望する子供が入園できなく、家庭的保育を利用される傾向にありますので、今後も子育て支援事業や家庭的保育事業などの担い手となり、親子を支援できる専門的な知識や技術の習得を目的にした子育て支援者を養成する「子育て・家庭支援者養成講座」を実施し、人材育成に努めるとともに、事業拡大に努めてまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
〔こども未来部長 前川 進 降壇〕
議長(森 英男) 教育長。
教育長(岸本和行) それでは、小野田由紀子議員の1問目の教育行政について、まず初めに(1)の特別支援教育の現況についてお答えを申し上げたいと思います。
高浜市では、平成17年度、文部科学省から委嘱を受け、高浜市特別支援教育連携協議会を中心に、発達障害児等を含めた特別な支援を必要とする園児・児童・生徒を対象にした特別支援教育を市内全園・全校にて推進し、体制を整備してまいりました。この1年で、学校だけでなく、幼稚園・保育園と小学校・中学校との連携体制が整い、特別支援教育の基盤が構築されたと言えます。
平成18年度は、文部科学省の委嘱はなくなりましたが、市独自で特別支援教育を推進するために、引き続き連携協議会を中心に、当初の3部会に加えて、各関係機関との連携を協議する連携部会を立ち上げ4部会体制で進めてまいりました。
各学校では、校内支援委員会や特別支援コーディネーターの設置、個別の指導計画の作成など、対象児に対してコーディネーターを中心に教職員全体で取り組む体制が整い、学校独自の実践を行ってきました。
事業を推進するにしたがい、巡回訪問や研修会等、多くの講師の先生方に御尽力をいただいたおかげで、幼稚園・保育園・小・中学校の教職員等の特別支援教育に対する理解が深まり、各校・園で具体的な支援に取り組むことができるようになってまいりました。
今年度は、これまでの体制を基盤として、各校・園での支援体制の充実と教員力の向上を図るために、特に、次のような項目を重点にした実践を推進しております。
まず、コーディネーターや教職員、一般向けの研修や講演会の実施であります。
今年度はコーディネーターを対象とした研修会を年3回、教職員全体の力量を底上げするための一般教員を対象とした研修を年1回実施をしてまいりました。また、障害のない子供の保護者や市民への啓発活動として、一般向け講演会も実施をしてまいりました。
次に、教員の力量向上のための校内研修等の実施でありますが、各校の校内支援委員会を充実させるために、先ほど御説明申し上げました研修会のほかに、コーディネーター連絡会を開催して、各校の情報交換や課題について話し合い、高浜市全体としてのレベルアップを図っております。また、特別支援教育に係る授業研究や事例研究会を各校で積極的に実施をし、教員全体の力量向上にも努めております。
そして、専門家による巡回訪問指導の実施であります。大学教授や臨床心理士などの専門家による巡回訪問を市内全部の園・学校で継続的に実施し、児童生徒の実態把握と支援方法を学び合う機会としております。
以上のような重点項目の取り組みに加えまして、今年度は、市単独予算で、特別支援教育の充実に向けて、スクールアシスタント、通級指導担当教員、スクールサポーター、特別支援アドバイザーの配置をしております。
スクールアシスタントとスクールサポーターは、市内全小・中学校に、通級指導教員は市内全小学校に配置し、各校で支援の必要な子供のために活動しております。また、特別支援アドバイザーは、専門的な立場から、要請のあった学校へ訪問をし、子供に対する支援はもちろん、教職員への指導・助言を行っております。
今年度、連携協議会の調査研究部会で、高浜市独自のチェック表を使い、発達障害についての実態調査を行ってまいりました。
その結果、発達障害のあると思われる児童生徒は、各校平均4月9日%程度存在することがわかっております。しかし、学校には、このほかに特別支援学級在籍児童・生徒、教室に入れない等の支援を要する児童・生徒等を含めますと、支援を要する児童生徒は10%、またはそれ以上になると思われております。
ノーマライゼーションの普及に伴い、これまで通常の学級では、指導が困難な児童・生徒が通常の学級に在籍するような事例もあります。一人一人の児童・生徒へ、より適切な特別支援をするためにも、市関係機関や市就学指導委員会との連携を強化し、正確な情報の伝達と一人一人のニーズに合った支援体制の整備をさらに進めていきたいと考えております。
次に(2)番目の、学校教育現場における発達支援システムの進みぐあいについてお答えをさせていただきます。
昨年の答弁で、個別カルテ等のネットワーク化を進めるため、生涯にわたって支援するための個別カルテ、指導計画、支援計画を作成し、システムを構築していくと、そういう答弁をさせていただいております。その内容は、支援を必要とする園児・児童・生徒の情報の伝達・引き継ぎについて、パソコンを利用して情報を共有し、その子の生涯にわたって一貫した支援を行うためのシステムを、教育委員会と福祉部で協同して考案していこうというものでございます。
現在のところ、各園・各校と福祉部で共有する、高浜市独自の特別支援ファイルの様式の中に、個別カルテ、個別の指導計画、個別の教育支援計画、引継書、事実の記録が含まれており、福祉、医療、保健分野などからのその子の支援情報がすべて網羅されるようになっております。
今年度、市内小・中学校へパソコンが導入をさせていただいたのを機に、まず各学校間のイントラネットを利用し、この特別支援ファイルの様式を共有し、活用することから始めていきたいと考えております。
今後、幼稚園・保育園、福祉部との共有をし、このファイルが乳幼児期、学齢期、就労先へと引き継がれ、生涯にわたって支援できるシステムを目指しております。
昨年度に引き続き、企画部会では、このファイルの利用方法について、個人情報の保護やセキュリティー等の問題を考えながら、子供たちへのよりよい支援につなげるように検討中でございます。ファイルのネットワーク化の実現に向けて、そして市内各校の特別支援教育のさらなる深化に向けて、今後も取り組みを継続、推進してまいりたいと思っております。
議長(森 英男) 18番、小野田由紀子議員。
18番(小野田由紀子) それでは、再質問をさせていただきたいと思います。順番が逆になって答弁いただきましたので、私の方も逆で、初めに、子育て支援につきまして、今、0・1・2歳児の各園の入園状況につきましてお伺いしましたけれども、平成20年度は未満児の枠を49に拡大したということですが、申込者が定員を超えている園が多いなということで、予想以上だったんじゃないかなと思われます。
また、今、現在は抽せん前ということですけれども、抽せんに外れた方は、ひかりこども園の定員の枠があるから大丈夫ということですけれども、お仕事の都合などで4月に入園できないと困る方、御本人にとっては、かなり深刻な事態になるかと思いますけれども、こういった方たちのことも考慮してみえるのかどうか、それから、またひかりこども園の開設が、当初の予定よりも2カ月もおくれることになってしまったという、その理由につきましてお尋ねしたいと思います。
それから、御答弁の中で新設の保育所の整備については考えていないということで、今後は未満児の需要がふえていった場合、どのように対応されていくのか。先ほど、今ある保育園や幼稚園を活用するという答弁でしたけれども、具体的な考えがあれば教えていただきたいと思います。
それから、御答弁の中で、未満児の入園率が高まっている背景に、多子軽減だとか、第三子保育料無料化が影響しているのではないかというような御答弁でしたけれども、このことについて詳しく御説明をお願いしたいと思います。
次に、家庭的保育につきましては、現在、3カ所の施設がいっぱいという状況のようですけれども、来年度は余裕があるというような御答弁でした。これ、スタッフにつきましては、もう、保育というお仕事ですから、責任もありますし、体力的にも大変厳しい状況ですけれども、安い賃金の中をよくやってくださっていると思います。利用された方々のお話、評判もよく伺いますけれども、保育園では味わうことができない雰囲気や経験ができ、評判がいいかなというふうに思っております。今後は拡大するよう努力していきますというような御答弁でしたけれども、何よりも担ってくださるマンパワーの確保が最も重要だと思います。
先ほどの答弁の中に、子育て家庭支援養成講座という答弁がありましたけれども、この内容につきまして、詳しく教えていただきたいと思います。
それから、現在のスタッフの人数と、今後、何人ぐらいスタッフが必要なのかについてもお伺いします。それと事業の拡大につきましては、今後いつごろ予定し、その方法について定員枠の拡大をするという方向でいくのか、もう1カ所、家庭的保育の施設を開設されるのか、どのような考えをもってみえるのか、再度お尋ねをいたしたいと思います。
それから、特別支援教育につきましては、平成18年度からは文科省の委託がなくなったわけですけれども、市単独で4部会体制で連絡協議会を中心に進めてくださっているという御答弁でした。お子さんとかかわる先生方の深い理解と指導力が何よりも大切なわけですけれども、レベルアップされたということですし、再度、これからも先生方のレベルアップを目指していただきたいというふうに思います。
それと、先生方をサポートする体制も整ったようですし、教育現場や保育園で、一人一人のお子さんに合った適切な指導ができますよう、今後も努力していただきますようお願いいたします。
それから、発達支援システムにつきましては、小・中学校のパソコンの導入で、各学校間のイントラネットが立ち上がったというような答弁でした。今後は、幼稚園・保育園、福祉部に拡大されていくわけですけれども、そうしますと、就学前から学齢期、それから卒業まで、いわゆる、ゆりかごから墓場までという一貫した、こういった支援が継続していくという体制が整うわけでございます。大変な作業だとは思いますけれども、障害をお持ちの方がこの地域で安心して、ともに暮らしていくための支援ですので、今後もぜひ、前向きに取り組んでいただきたいと思います。
そこで、先ほど実態調査を行ったというようなことでしたけれども、各学校平均4月9日%ほどで支援を必要とする、児童・生徒は10%、またはそれ以上だったということですけれども、この発達支援システムの対象となる児童・生徒につきましては、どのような考えをお持ちなのか、このこと1点につきまして、再度お尋ねをいたします。
議長(森 英男) こども未来部長。
こども未来部長(前川 進) それでは、小野田議員の再質問について、子育て支援事業の再質問についてお答えをさせていただきます。
まず、ひかりこども園について、4月に入園できないと困る云々という話がございました。私の方では説明会、面接等で御本人の方には説明申し上げ、理解もいただいておると思いますが、そのほか、20年度の入園から、新たに入園判定基準表を設け、就労時間の長い、すなわち、保育園に子供を預けないと仕事に影響が出る保護者については優先的に点数を高く、入所できるような配慮をいたしております。
それから、次に、ひかりこども園の開設が2カ月ほどおくれるということの理由につきましては、私どもで考えますところによりますと、設計事務所が保育所のプランをつくるまでに時間を要したことも原因の一つでありますが、最も大きな原因と思われるのは、確認申請がさがるまでに相当な月日を要したことであろうと考えております。
次に、未満児の需要にどのような対応をしていくかということにつきましては、現在私どもの方で考えておるところの部分については、保育所の民営化の際に未満児の受け入れを拡大することや、幼稚園を認定こども園とし、未満児の受け入れをする方法などを今後検討してまいりたいというふうに考えております。
次に、未満児の入園が高まっている背景はどうかと。詳しい状況については把握ができない状況にありますが、多子軽減の実施については、未満児の入園申請がふえているのか、実証は大変難しいと思っております。ただ、第3子保育料の無料化の導入の影響については、対象者が本年度、要するに平成19年度、39人から来年度平成20年度については、申し込みが62名と、相当ふえておるのと、市の方に問い合わせがありまして、働ければ3人目ただなんですかねというような問い合わせもあるのが実態でございます。そのようなことから、影響はあるというような認識をしております。
次に、子育て家庭支援養成講座の内容について、詳しくという話がございました。私どもは、子育て家庭支援者養成講座につきましては、20年度事業として実施していきたいと考えております。今のところ、まだ案の段階ですので、詳細については決まっておりませんが、今、現在の考えとしては、最近、全国展開をされている、小野田議員も御存じの方だと思いますが、大日向雅美先生が、NPO法人あい・ぽーとステーションの代表理事をやっております。ここに委託を考えて、その人に加えまして、過去に図書館の方の講座で来ていただきました汐見先生、この人たちの講座を開催し、少しでも多くの方に集まっていただき、開講したいなと、そのようなことを考えております。
それと、その講座につきましては、保育園や子育て支援センターでの実習もできれば盛り込みたいなということで、週1日で、2カ月から3カ月程度の期間で開催できればというふうに考えております。
それから、次に、家庭的保育のスタッフの人数、何人必要なのかということでございますが、現在、「となりのおばちゃん」が10人、「こっこママ」が9人、「あいあい」が9人となっております。それで、今後、何人必要かは、スタッフ内での事情やローテーションの組み方などもございますので、一概に何人必要ということは申し上げることができません。ただ、人材育成につきまして、少しでも多くの方の要請を、ぜひしていきたいなということは頭の中に考え方としてあります。
それから、家庭的保育の事業拡大、いつごろ予定し、どうするのかという質問でございますが、定員枠を拡大することは考えておりませんが、家庭的保育の利用状況や講習、講演会等をやり、人材の確保ができる等々の状況を見ながら、できれば新たな場所の開設ができればいいかなと、かように考えております。
以上です。
議長(森 英男) 学校経営グループ。
学校経営G(都築公人) 発達支援が必要な子供たちをどうとらえていくかというような、そんな質問だったと思いますが、4月9日%、昨年度は4月4日%ぐらいでした。チェックの方がスムーズにいくようになって、ふえてくるという可能性もあるわけですが、そのほか、特別な特別支援学級に入っている子たち、それから、わけがあって、学級の中に入れない子たちを入れたりしていくと10%程度になっていくわけですが、そういう中で大切なことは、こういう子たちというのは、個別の教育支援計画を立てていくことになります。そのためには、親の承諾が必要、親との同意が必要ということになってきますので、そういったことをする場合に、ある例を申し上げますと、明らかに、教師側あるいは専門家が見て、一度、医師の診断を受けてほしいという、そういったお子さんに対しても、親がやっぱり納得できないという、そういった場合もあるわけですし、それから、手帳があるなしということが、福祉部との関係では非常に重要なことになってきて、手帳がなければ福祉部の方の支援は受けることができないものですから、そんなようなことも、そういうことを進めるわけですが、親御さんがやはり拒否をしてしまう。あるいは、認めたくないということ、心情的にはわかるわけですが、そんなようなことも含めて、真に、こういう子たちが発達、支援が必要な子供たちを学校側が個別の教育支援計画を立てて行っていくというのが、学校側だけでは決めていかれないということがあるものですから、そういうところは、また今後、部会等で、あるいは校長会等で親への啓発ですかね、リーフレットをつくって行っておるわけですが、まだ、全部理解していただけないという部分があるものですから、これもまた今後の課題かなというふうに、そんなふうに思っております。
以上でございます。
議長(森 英男) 18番、小野田議員。
18番(小野田由紀子) 今、御答弁いただきまして、今度、未満児の需要がふえた場合の対応としましては、今ある幼稚園を認定こども園として受け入れていきますというような御答弁をいただきましたけれども、先ほど、どうして、今回、こども園が2カ月開園するのがおくれたかなということをお尋ねしましたところに、確認申請がおりるのが日数がかかったということですけども、今後、こういった確認申請というのは、あれですかね。どれぐらいかかるのか、これからまた、いろいろ確認申請していかなきゃならないと思いますけど、そこら辺のことはどのようにとらえてみえるのか、ちょっと一つだけ教えてください。
議長(森 英男) こども未来部長。
こども未来部長(前川 進) 私どもが確認申請をするわけではございません。昇龍学園の方が、認定こども園の計画をつくり、どういうような建物にしていくことを考え、その後、案が決まると設計ができ上がる。その後、確認申請を出すと。実は、前と比べて大きく期間が要するようになったというのが、耐震偽造絡みの中で、構造計算云々が以前よりも相当の期間が要するようになったと聞き及んでおりますが、3カ月とか、短くとも2カ月とか、従来ですと、相当、以前ですと短かったものが、現在では相当な期間、それから都市計画法というのか、法律も変わりまして、小規模のものについても確認申請が必要になるというようなことも加えて、全体的に申請から許可がおりるのに、相当の期間が要するように、現状なっておるということは、聞き及んでおります。
議長(森 英男) 18番、小野田由紀子議員。
18番(小野田由紀子) よくわかりました。いずれにしましても、家庭的保育の方も、養成支援講座を開催してくださって、スタッフの確保に努めながら取り組んでくださるということでございますので、ぜひともよろしくお願いします。
それから、一つ、発達支援システムのことにつきましては、先回、質問のときにもお尋ねさせていただきましたけど、湖南市、一緒に視察に行かせていただきまして、支援体制の司令塔なんですけれども、この司令塔として、福祉部に発達支援室を湖南市の場合は設置してみえます。やはり、縦割り行政の弊害を克服するために、市長部局に発達支援室が設置されておるわけですけれども、保健、福祉、教育、就労という発達支援を統括する機関として、こういった司令塔として発達支援室が設置をされております。
この発達支援室には、室長と保健師の2名しかいませんけれども、関係機関と連携しながら、支援の必要な約、ここでは400名の子供さんとかかわりを持って取り組んでみえるということです。このように関係部局と統括することにつきましても、今後、ぜひ考えていっていただきたいと思います。
それから、湖南市では、専門的支援の場としまして、三雲小学校に発達支援センターが開設されておりますけれども、この発達支援センターは、湖南市の場合は、親子教室だとか、早期療育発達相談室、それから、ことばの教室があったり、それから、子供の発達支援を行う業務と、乳幼児検診から何らかの支援が必要かどうかなどの相談を行う発達相談事業を行っております。
高浜のまちで、生まれ育ち、生涯にわたって生きがいと働きがいを持って生きていける支援体制としまして必要ではないかと思いますので、今後進めていく中で、ぜひ、このことも検討していただきますよう、今回、要望とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
発達支援システムにつきまして、今後も、発達障害者のお子さんが、この高浜のまちで、生まれ、それから、育ち、それから、就職できれば就職していただいて、そして、このまちで生き生きと暮らしていっていただけるように全力で関係各位の皆さん、市長を初め、関係各位の皆さんが取り組んでいただきますことを、心よりお願い申し上げまして、私の質問をすべて終わらせていただきます。
ありがとうございました。
議長(森 英男) 本日はこれをもって一般質問を打ち切ります。
明日は、引き続き、午前10時より再開いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
長時間、御協力ありがとうございました。
午後4時50分散会